平成25年7月24日 参 考 資 料 県政記者クラブ・都道府県記者クラブ同時送付 平成25年度渉外関係主要都道県知事連絡協議会(渉外知事会) 定期総会の開催結果及び要請活動等の実施結果について 米軍基地が所在する14都道県の知事で構成する渉外関係主要都道県知事連絡協議会(渉外知事会)は、本日午前、都道府県会館で定期総会を開催し「基地対策に関する要望書」等についての審議を行い、同日午後、外務省、防衛省等の関係省庁で要請活動を行いました。 また、関係省庁への要請後、会長(神奈川県知事)、副会長(代理:青森県副知事、長崎県副知事、沖縄県副知事)が駐日米国大使館に赴き、国への要請の概要を説明し、意見交換を行いましたのでお知らせします。 1 定期総会 (1)「役員の改選」について 役員の改選が行われ、会長及び副会長を次のとおり選任しました。 会 長 神奈川県知事 黒岩祐治 副会長 青森県知事 三村申吾、長崎県知事 中村法道、沖縄県知事 仲井眞弘多 (2)「基地対策に関する要望書」について 平成25年度の「基地対策に関する要望書」について審議し、採択されました。 【参照】 ・ 平成25年度「基地対策に関する要望書」の概要(別添1) ・ 昨年度要望からの主な変更点(別添2) ・ 渉外知事会による日米地位協定改定15項目の要望(別添3) ・ 「基地対策に関する要望」(別添4) 2 要請活動等 外務省、防衛省等関係省庁に要望書を提出するとともに、駐日米国大使と意見交換を行いました。 (1)要請者 会 長 黒岩 祐治 神奈川県知事  他 (2)対応者  ア 外務省 若林外務大臣政務官 イ 防衛省 左藤防衛大臣政務官 ウ 駐日米国大使館 ジョン・V・ルース駐日米国大使 (問い合わせ先) 神奈川県 政策局 基地対策部 基地対策課 課 長    井上 045-210-3370 副課長  兄内 045-210-3371 (別添1) 平成25年度「基地対策に関する要望書」の概要 「基地対策に関する要望書」及び「基地対策に関する要望書(別冊)」の2冊で構成されています。   1 「基地対策に関する要望書」の概要 (1) 重点要望 国に対して重点的に要望する事項を、趣旨を踏まえて分りやすく3つの大きな柱としています。 特に、今年度から、日米地位協定の見直しについては、日米地位協定に盛り込むべき項目、内容を明確にして、6本の柱、15項目の改定として整理しています。 なお、重点要望については、文書による回答を求めています。   <3つの大きな柱> 「1 基地の整理、縮小及び早期返還の促進」   「2 日米地位協定の改定」 @ 基地使用の可視化 A 環境条項の新設 B 騒音軽減及び飛行運用に係る条項の新設 C 国内法適用の拡充 D 米軍、米軍人等による事件・事故時の措置の充実 E 地元意見の聴取に係る仕組みの新設    「3 国による財政的措置等の新設・拡充」 @ 基地交付金等の増額等 A 地域振興策の新設・拡充 B 基地跡地の返還に係る支援 C 駐留軍等労働者対策及び離職者対策の拡充・強化 (2) 要望事項 個別の要望事項の内容について説明をしています。 2 「基地対策に関する要望書(別冊)」の概要 「基地対策に関する要望書」のうち、要望事項「2 日米地位協定に係る要望」について別冊としています。 ○ 日米地位協定の改定を求める項目…各項目に要望内容の詳細・理由等を記載。 ○ 日米地位協定の運用改善に係る項目…要望及び要望に至った理由等を記載。 (別添2) 【基地対策に関する要望書の昨年度要望からの主な変更点】 1 日米地位協定に関する重点要望(整理) 日米地位協定の見直しの要望項目を整理し、日米地位協定に盛り込むべき項目、内容を明確にして、従来の3つの重点要望項目から日米地位協定改定の6本の柱、15項目として整理した。 <昨年度の日米地位協定に関する重点要望> @ 環境法令等国内法の遵守及び環境対策の徹底 A 事件・事故に係る安全対策等の確立 B 地元意向を尊重する制度の構築 <今年度の日米地位協定に関する重点要望> (6本の柱、15項目…別添3) @ 基地使用の可視化 A 環境条項の新設 B 騒音軽減及び飛行運用に係る条項の新設 C 国内法適用の拡充 D 米軍、米軍人等による事件・事故時の措置の充実 E 地元意見の聴取に係る仕組みの新設  2 飛行実態に関する情報公開等(修正) 米軍航空機の飛行実態を国の責任で把握し公開することを求めるため、文言を修正した。 3 災害準備及び災害対応関係(追加) 災害時に米軍に対して速やかに支援要請ができるよう、国と米軍との連携の枠組み及び、地方公共団体から国・米軍への具体的な支援要請手順を明確にする必要があることから、<災害時の米軍への支援要請>を追加した。 4 住宅防音工事区域指定値の見直し(修正) 平成25年4月から、航空機騒音に係る環境基準の評価指標が「WECPNL」から「Lden」に変更されたことに伴い、第1種区域に係る指定値を62デシベル(旧基準値では75WECPNLに相当)から57デシベル(旧基準値では70WECPNLに相当)に改めるよう文言を修正した。 5 駐留軍等労働者対策及び離職者対策(修正) 昨年度要望した「駐留軍関係離職者等臨時措置法」の期限延長について、平成25年5月に、期限を5年間延長する改正法案が成立したため、文言を削除した。 (別添3) 渉外知事会による日米地位協定の改定15項目の要望 @基地使用の可視化 基地の使用に関しては、米側の裁量に委ねられている部分が多く、基地の実情が見えず、周辺住民は大きな不安を抱えている。そのため、日米間の合意事項も含め、できる限り基地の実情等が見えるようにすること。 (第2条関係、施設・区域の提供等) ◇「個々の施設及び区域(以下「基地」という。)に関する協定については、使用目的、使用範囲、使用条件等を詳細に記載するとともに、その内容を日本国政府が定期的に審査すること」 (第3条関係、施設・区域に関する措置) ◇「公務遂行のため、日本国政府や地元地方公共団体の人員が基地内への立ち入りを求めた場合は、速やかに応ずること。また、その際、公務を遂行する上で、必要かつ適切なあらゆる援助を与えること」 (第25条関係、合同委員会合意) ◇「日米合同委員会の合意事項は速やかに公表すること」 A環境条項の新設 基地内の環境問題は、周辺住民の生命、健康に重大な影響を与える可能性がある。そのため、日米地位協定に規定のない環境条項を新たに盛り込むこと。また、日米地位協定見直しまでの間、環境特別協定を締結すること。 (第3条関係、施設・区域に関する措置) ◇「生活環境の保全等に係る環境条項を新たに設け、基地内において国内環境法令を適用するとともに、日米両国政府の責任において基地の特殊性に応じた措置を講ずること」 (第4条関係、施設の返還) ◇「基地の返還にあたっては、日米両国政府の責任において環境調査を実施・公表し、環境の浄化や障害物件の撤去等の適切な措置を講じた上で返還すること」 B騒音軽減及び飛行運用に係る条項の新設  米軍飛行場周辺や飛行ルート下の住民は、飛行訓練等により航空機の騒音被害や航空機事故に対する不安等、大きな負担を強いられている。そのため、騒音軽減や飛行運用に関する条項の新設をすること。 (航空機の騒音軽減措置、飛行運用関係) ◇「市街地や夜間、休日等の飛行制限、最低安全高度を定める国内法令の適用等、航空機の騒音軽減措置や飛行運用に関する制限措置を行うこと」 C国内法適用の拡充 我が国の法令は、在日米軍の活動には原則として適用されていない。日米地位協定では触れていない保健衛生に関する規定も含め、周辺住民の生活に大きな影響を与える可能性の高い分野については、国内法令を適用すること。 (第5条関係、入港料・着陸料の免除) ◇「米軍の艦船及び航空機が港湾、空港を使用する場合は、国内法令を適用すること。また、緊急時以外の民間空港の使用を禁止すること」 (第9条関係、米軍構成員等の地位) ◇「人、動物及び植物に対する検疫並びに人の保健衛生に関して、国内法令を適用すること」 D米軍、米軍人等による事件・事故時の措置の充実 米軍人等による事件・事故への適切な対応は基地問題の重要課題の一つである。関係する地方公共団体や住民への情報提供や被害者への補償を適切に行うとともに、事故時の日本側の権限等を明確にし、事件・事故時の措置を充実すること。 (第3条関係、施設・区域に関する措置) ◇「基地に起因又は関連する事故が発生した場合、事故の大小にかかわらず速やかに事故等の情報を地方公共団体に提供するとともに、地域住民にも速やかに適切な情報提供を行い、二次災害防止のための適切な措置を取ること」 (第17条関係、裁判権) ◇「日本国が第1次裁判権を有する場合、米国は日本側から被疑者の拘禁の移転要請があるときには、速やかにこれに応ずること」 ◇「基地の外における米軍財産について、日本国の当局が捜索、差押え又は検証を行う権利 を行使すること」 ◇「基地の外における事故現場等の必要な統制は、日本国の当局の主導の下に行われること」 (第18条関係、請求権の放棄) ◇「公務外の米軍構成員等が起こした事件・事故等において当事者間での解決が困難な場合で、被害者への損害賠償額が満たされない場合であっても、日米両国政府の責任において補償が受けられるようにすること」 ◇「米国の当局は、日本国の裁判所の命令がある場合、米軍構成員又は軍属に支払うべき給料等を差し押さえて、日本国の当局に引き渡さなければならないこと」 E地元意見の聴取に係る仕組みの新設 基地が所在する地方公共団体では、航空機による事故や騒音、部隊の再編等に伴う生活環境への影響など、基地に起因する様々な問題が発生している。こうした問題解決のためには、地元地方公共団体の意向を聴取し、その意向を反映できる仕組みが不可欠であることから、新たに規定を設けること。 (第25条関係、合同委員会) ◇「基地の運用等に関して地元地方公共団体の意見を聴取し、その意向を尊重するとともに、日米合同委員会の中に基地を有する地方公共団体の代表者の参加する地域特別委員会を設置すること」 (別添4) 基地対策に関する要望 日米地位協定に基づき提供されている「施設及び区域」(米軍基地(水域を含む)。以下「基地」という。)を抱える地方公共団体は、基地の存在及びその運用に伴う諸問題によって地域の生活環境の整備・保全や産業振興等に様々な障害を受けており、その対策に日夜腐心しているところであります。 また、航空機事故、原子力艦をはじめとする艦船の事故や弾薬等による事故への不安、航空機等の騒音による被害の増大、環境汚染、米軍の構成員及び軍属並びにそれらの家族(以下「米軍構成員等」という。)による事故や犯罪の発生、駐留軍等労働者の諸問題など、基地に起因する問題も広範多岐にわたるとともに深刻化しております。 特に、米軍の犯罪防止への取組みについては、実効性を伴ったものとなることが極めて重要です。 国におかれましては、基地周辺の生活環境の整備や民生安定のために種々の施策が講じられているところでありますが、今日の多様化した住民ニーズに応えた内容とはいえず、基地周辺対策予算や基地交付金などについても制度の目的に沿った増額措置がなされておりません。 また、平成18年5月には、抑止力の維持と地元負担の軽減を柱として、在日米軍の再編に係る最終報告が日米両国政府間で合意され、駐留軍等の再編の円滑な実施に関する特別措置法も成立し、その後、平成 24年4月には再編計画の見直しが発表されましたが、基地周辺住民や地方公共団体に対して、まだまだ十分な配慮がなされているとは言えない状況にあります。 このことは、本来、国民全体で担うべき基地負担を担い、長年にわたって生活環境の改善を求めてきた基地周辺住民や地方公共団体の切実な願いに背くものであり、また、基地対策に関する経費が地元に転嫁されることによって各地方公共団体の財政の圧迫をもたらすものとなっております。 よって、国におかれましては、基地周辺住民、地方公共団体のこうした状況を十分に理解され、基地対策に関する別記の施策・制度・予算に関する諸事項を速やかに実現されるよう強く要望いたします。 平成25年7月24日 (要請先大臣)  殿 渉外関係主要都道県知事連絡協議会 (略称:渉外知事会) 会 長 神奈川県 知 事 黒 岩 祐 治 副会長 青 森 県 知 事 三 村 申 吾 副会長 長 崎 県 知 事 中 村 法 道 副会長 沖 縄 県 知 事 仲井眞 弘 多 北 海 道 知 事 高 橋 はるみ 茨 城 県 知 事 橋 本 昌 埼 玉 県 知 事 上 田 清 司 千 葉 県 知 事 森 田 健 作 東 京 都 知 事 猪 瀬 直 樹 山 梨 県 知 事 横 内 正 明 静 岡 県 知 事 川 勝 平 太 広 島 県 知 事 湯 ア 英 彦 山 口 県 知 事 山 本 繁太郎 福 岡 県 知 事 小 川   洋