日米地位協定に関する政府と渉外知事会との 新たな話し合いの場の設置及び 日米両政府と渉外知事会との連絡会議の早期 再開について(特別要請) 平成24年7月 渉外関係主要都道県知事連絡協議会 (略称:渉外知事会)  平成24年7月27日   外務大臣    玄葉 光一郎 防衛大臣    森本 敏           渉外関係主要都道県知事連絡協議会 (略称:渉外知事会)   会 長 神奈川県 知 事 黒 岩 祐 治   副会長 青 森 県 知 事 三 村 申 吾 副会長 長 崎 県 知 事 中 村 法 道 副会長 沖 縄 県 知 事 仲井眞 弘 多   北 海 道 知 事 高 橋 はるみ 茨 城 県 知 事 橋 本 昌 埼 玉 県 知 事  上 田 清 司               千 葉 県 知 事 森 田 健 作 東 京 都 知 事 石 原 慎太郎 山 梨 県 知 事 横 内 正 明 静 岡 県 知 事 川 勝 平 太 広 島 県 知 事 湯 ア 英 彦 山 口 県 知 事 二 井 関 成     福 岡 県 知 事 小 川   洋  米軍基地が所在する自治体では、航空機や艦船の事故、航空機等による騒音、環境汚染、米軍人等による事故や犯罪など、基地に起因する様々な問題が発生し、住民生活に大きな影響を与えています。  こうした問題を解決するため、当協議会では、これまでも2,3年以内等できるだけ短い期限を設けて日米地位協定の見直しを行うことや日米間の協議に地元の意向が反映できる制度を構築することなどを繰り返し求めてきたところでありますが、未だ実現しておりません。  日米地位協定の見直しについては、政府は運用改善を行っていくとの見解を変えておりませんが、見直しを求める地元自治体に対して、政府方針の背景・理由等をしっかりと説明し、意見交換を行う場を作ることが必要と考えます。  また、地元の意向が反映できる制度の構築については、当協議会として、日米合同委員会の中に基地を有する自治体の参加する地域特別委員会を設置することを求めていますが、あわせてそれまでの間、日米両政府と渉外知事会との連絡会議の定期的開催を求めているところであり、早期に連絡会議を開催すべきと考えます。  そこで、日米地位協定に関する政府と渉外知事会との新たな話し合いの場の設置及び日米両政府と渉外知事会との連絡会議の早期開催について、次のとおり特に要請しますので、政府におかれては、ぜひとも実現されるようお願いします。 1 日米地位協定に関する政府と渉外知事会との新たな話し合いの場の設置について 当協議会では、基地を巡る様々な問題を解決するため、国内環境法令の適用、日米合同委員会の中に基地を有する地方公共団体の代表者が参加する地域特別委員会を設置すること、裁判権の見直し等、日米地位協定に係る様々な提案を行い、繰り返し見直しを求めてきました。  しかしながら、政府においては、今日まで、その時々の問題について、運用改善により機敏に対応していくことが合理的との方針を変えておりません。  当協議会においても、運用改善の必要性を否定するものではありませんが、米軍に係る個別具体的な問題が発生する都度、協議・対処するだけでは、基地問題の抜本的な解決はできないと考えています。  日米地位協定を見直すかどうかは、日米両政府間で協議されるものであることは承知しておりますが、日本政府の方針については、地元自治体の意見を十分に反映した上での方針であることを強く望みます。  これまで、日米地位協定の見直しか運用改善かという選択の中で、主張が異なるままとなっておりますが、政府は個別の課題にわたる見解を丁寧に説明するとともに、地元自治体の考えにも耳を傾ける姿勢が不可欠と考えます。  そこで、政府においては、地元自治体の意向を尊重し、十分な意見交換を図るため、日米地位協定に関する政府と渉外知事会との新たな話し合いの場を早急に設置することを強く要請します。 2 日米両政府と渉外知事会との連絡会議の早期再開について 基地問題の解決のためには、米軍基地の存在により様々な影響を受けている地域の実情や考えを、日米間の協議に反映することが不可欠であります。  そこで、当協議会では、日米合同委員会の中に基地を有する地方公共団体の代表者の参加する地域特別委員会を設置することや、それまでの間、日米両政府と地元地方公共団体の代表者との定期的な話合いの場を設置することを要望してきたところであります。  こうした要望を踏まえ、政府においては、平成20年12月に「第1回在日米軍施設・区域に係る日米両政府及び渉外知事会との連絡会議」を開催していただいたところですが、その後、連絡会議は開催されておりません。  こうした中、本年2月に野田首相と仲井眞沖縄県知事が面談した際に、首相から再開を検討する旨の発言があり、また、その後6月6日に黒岩渉外知事会会長が玄葉外務大臣を訪問した際にも、大臣から野田首相と同じ気持ちであるとの発言があったところですが、未だ再開されていない状況にあります。  政府においては、基地に対する地元の理解が日米安全保障体制の礎となることを充分認識し、早急に米側と話し合い、会議を再開することを強く要請します。