渉外関係主要都道県知事連絡協議会(渉外知事会) 平成19 年度「基地対策に関する要望書」で求めた 重点要望に対する国からの説明(回答) ○防衛省 1 基地の整理、縮小及び早期返還の促進 防衛省としては、従来から米軍の運用上の所要及び地元の御要望等を踏まえつつ、 施設・区域の整理・縮小・返還に向け、鋭意努力してきたところである。 具体的には、沖縄県において、昨年度、嘉手納 かでな 弾薬庫地区の一部、約50 ヘクタ ールが返還された。また、SACO最終報告に基づく事案として、読谷 よみたん 補助飛行場、 約191 ヘクタール、瀬名波 せなは 通信施設、約61 ヘクタール、及び楚 そ 辺べ 通信所、約53 ヘクタールの3施設が全面返還された。 また、本土においては、神奈川県における上瀬谷通信施設等の6施設・区域の返 還等に関する方針が日米間で合意され、平成17 年度には小柴貯油施設の陸地部分 が全面返還された。 他方、今般の在日米軍再編においては、在日米軍の抑止力の維持、地元負担軽減 の双方の観点から昨年5月に取りまとめた「再編実施のための日米のロードマッ プ」、いわゆるロードマップの中で、普天間飛行場の早期返還、嘉手納飛行場以南 の人口が密集している地域における相当規模の土地の返還、キャンプ座間及び相模 総合補給廠の土地の一部返還が示されており、現在、わたくしども防衛省では、そ の実現を目指しているところである。 いずれにしても、当省としては、今後とも、引き続き、米軍の運用上の所要を踏 まえつつ、地元の御要望等を尊重の上で、施設・区域の整理、縮小及び早期返還に ついて、最大限努力してまいりたいと考えている。 2 日米地位協定の見直し @ 環境法令等国内法の遵守及び環境対策の徹底 在日米軍施設については、日米地位協定第3条に基づき、在日米軍が管理・運営 を行っており、施設・区域の使用に際しては、環境の保全を含め、公共の安全に妥 当な考慮を払うものとされている。 さらに在日米軍は、日米の環境法令のうちでより厳しい基準を採択するとの基本 的な考えのもとに作成された日本環境管理基準に従い、環境保護及び安全への取組 みを実施しているものと承知している。 当省としては、具体的な環境問題が発生した場合には、日米合同委員会の枠組み 等を通じ、関係省庁と協議しつつ対処してまいりたいと考えている。 - 2 - また、指摘されている騒音・振動等によって、地域住民の方々に多大な御迷惑を おかけしており、それが大きな問題となっているということは十分認識しており、 重要な課題であると考えている。他方、夜間離着陸訓練をはじめとする米軍の飛行 訓練等については、パイロット等の練度の維持及び向上のために不可欠であるとい う事情があることもご理解いただきたい。 当省としては、激しい騒音を伴う訓練が実施された場合など、周辺住民の生活環 境にできるだけ配慮するよう要請している。本省においても、また現地においても、 今後とも米側に対し、中央・地方において、機会あるごとに騒音の軽減等に努める よう申入れてまいりたい。 A 事件・事故に係る安全対策等の確立 当省としては、平素から米側に対し、隊員の教育や綱紀粛正の徹底を図るなど、 その防止について、さまざまなレベルから申入れを行っている。また、現地におい ても、国の他の機関、米軍、関係地方自治体等と連携し、交通安全教育に関する講 習会の実施及び基地外や繁華街における巡回の実施など事件・事故防止のためのさ まざまな方策が講じられるよう努めているところである。 万一、事件・事故等が発生した場合には、平成9年3月の日米合同委員会で合意 されている「在日米軍に係る事件・事故発生時における通報手続」等により関係地 方自治体等にすみやかに通報するとともに、米側に対し原因の究明、再発防止、安 全管理の徹底等につき強く申入れを行っているところである。いずれにせよ、当省 としては、今後とも米側に対し、事件・事故等の防止について、一層の努力を求め てまいる所存である。 また、日米地位協定及びその運用の見直しについては、外務省の所管であるため、 当省からお答えすることは困難であるが、いずれにせよ、政府としては、その時々 の問題に対し、運用の改善により機敏に対応していくことが合理的であるとの考え のもとに運用の改善に努力していくことを申し上げておく。 B 地元意向を尊重する制度の構築 御要望にある地域特別委員会の設置については、日米合同委員会の所管省庁であ る外務省に伝えてまいりたいと考えている。 また、日米安全保障条約の目的達成のためには、関係地方公共団体等のご理解と ご協力は必要不可欠であるので、当省としては、関係地方公共団体等の御要望を踏 まえ、必要に応じ、米側関係者を交えた協議会を設置の上で、関係地方公共団体等 との話合いを行ってきたところである。 当省としては、今後とも必要に応じ、このような話合いの場を設置・活用するこ とにより、関係地方公共団体等のご意向を十分に踏まえた基地行政を遂行してまい りたいと考えている。 3 国による財政的措置等の新設・拡充 @ 基地交付金等の増額等 - 3 - 基地交付金及び調整交付金については総務省の所管ではあるが、当省としても、 防衛施設の安定的使用の観点から必要不可欠な措置であると認識している。御要望 の趣旨については、機会を捉え所管省庁である総務省に伝えてまいりたい。 また、予算措置に関する要望については、平成20 年度概算要求において、去る 8月10 日の「平成20 年度概算要求にあたっての基本的方針」について閣議決定さ れたが、平成20 年度予算については、「経済財政改革の基本方針2007」を踏まえ 「経済財政運営と構造改革に関する基本方針2006」に則り最大限の削減を行うこ ととされたところである。 この「経済財政運営と構造改革に関する基本方針2006」において、防衛関係費 の中で従来以上の厳しい削減に取り組む項目の一つとして、基地周辺対策の抜本見 直しが盛り込まれており、平成19 年度予算に引き続き、平成20 年度予算において も厳しい状況にある。 自衛隊・米軍の防衛施設については、わが国の平和と安全を確保するために欠く ことのできないものであり、常に安定して使用できることにより、国民全体が平和 と繁栄を享受することができる一方で、防衛施設周辺の一部の地域のみが障害等の 不利益を負担しているという状況は、わたしどももよく認識している。 こういった負担を受け入れていただいている地域の方々ために、生活の安定及び 福祉の向上に寄与するとともに地域の発展に資するため基地周辺対策経費におい て、防音工事及び道路事業等の諸施策を実施しているところである。 平成20 年度予算においては、対前年度1.7 パーセント増の1,194 億円を要求し たところである。現在、この平成20 年度予算については、財政当局と折衝中だが、 皆様方の御要望を踏まえつつ基地周辺対策経費の所要額の確保に向けて努力して まいりたい。 A 地域振興策の新設・拡充 当省では、基地の存在に起因する御負担について、従来から障害の防止・軽減等 を図るために、さまざまな基地周辺対策を実施してきているところであるが、今般 の米軍再編の実施にあたり、新たな御負担を担う地方公共団体については、その御 要望に配慮しつつ、わが国の平和と安全への大きな貢献に応えるようメリハリをつ けた地域振興策が必要であると考えている。 このような考えのもとに、先般施行した米軍再編特措法にしたがい関係する自治 体等に対して今後再編交付金が交付され、従来から基地周辺対策で行っている公共 施設の整備での地元からの御要望の強い、例えば子育て支援事業や教育・スポー ツ・文化に関する各種イベント事業などのいわゆるソフト事業についても幅広く対 象としている。さまざまなメニューの中から自治体が事業を実施することが可能と なっている。 今後とも防衛施設の設置等に伴う障害の実態を踏まえ、厳しい財政事情ではある が、必要な施策の実施に務めるとともに、今回指定した再編関連特定周辺市町村か ら具体的な事業の御要望等があれば、その実現に向けて協力したいと考えている。 - 4 - B 基地跡地の返還に係る支援 基地跡地の返還に係る支援については、返還後の跡地の利用に関して当省が協力 できることには限界があるが、今後とも、皆様方の御要望を関係機関にお伝えする など、当省として行いうることについて最大限努力してまいりたい。 C 駐留軍等労働者対策及び離職者対策の拡充・強化 駐留軍等労働者の方々が雇用面において、不安なく勤務できるという状況を確保 していくということは雇用主としての日本政府の立場上当然のことであるし、また、 駐留する米軍の任務を円滑に行うという面から重要なことである。 駐留軍等労働者の方の労働条件等については米側と調整しながら、逐次その改善 を図ってきているところである。 また、駐留軍等労働者の離職者対策については、駐留軍関係離職者等臨時措置法 に基づき関係省庁と協力し各種援護措置を実施しており、当省としては、離職前職 業訓練及び特別給付金の支給を実施しているところであるが、今後とも離職後の生 活安定確保に最大限努力していく。 なお、同法の有効期限は平成20 年5月16 日までとなっているが、現在、有効期 限の延長について関係省庁と協議を行っているところである。 また、米軍再編にあたり、駐留軍等の再編の円滑な実施に関する特別措置法に基 づき駐留軍等労働者の雇用の継続に資するよう技能教育訓練の措置の実施等を講 ずることとしている。 ○外務省 1 基地の整理、縮小及び早期返還の促進 日米地位協定第2条3において、米軍の使用する施設・区域は、協定の目的のた め必要でなくなったときは、いつでも日本国に返還しなければならないとされてお り、また、米国は、施設・区域の必要性をたえず検討することとなっている。 長い目で見れば基地の統廃合は進んできていると考えている。地元の方々にとっ ては遅い動きであると思われるかもしれないが、沖縄では、SACO合意に基づき、 昨年末には楚 そ 辺べ 通信所(象のオリ)が返還された。 このように、遅々とした歩みかもしれないが、できるだけ不用・不必要になって いる施設については返還させる、さらには機能の整理・統合を通じてできるだけ基 地を返還する等、これからも努力していく。 再編が進めば、嘉手納以南も返還されることになるので、それに向けて最大限努 力しているところである。 2 日米地位協定の見直し 町村元外務大臣が国会で答弁したように、憲法でさえ見直そうという議論のある - 5 - 中で、地位協定を全く変えないというわけではない。他方で、憲法改正と同じぐら いに重たい課題である。 日米地位協定について問題が起こるたび、改正すればいいではないかと言われる が、運用の改善で対応した方がより合理的であり、効率的である。 地位協定の改正要求の中には、諸外国の地位協定と照らしても実現不可能なもの がある。より実務的な問題については、運用の改善で、それなりの前進が図られて いるのではないかと考えている。 凶悪犯罪における起訴前の拘禁移転に関する日米の合意、環境問題についての日 米の合意、最近では災害準備及び災害対応のための米軍施設・区域への立入りにつ いての合意もできた。 このように、それぞれの問題について運用の改善で対応してきている。政府とし ては、今後とも、このようなやり方で、対応してまいりたいと考えている。 @ 環境法令等国内法の遵守及び環境対策の徹底 在日米軍は、日本の国内法上の環境基準と米国の国内法上の環境基準のうちより 厳格なものを選択するとの基本的な考えの下で、米軍の環境対策が行われている。 地位協定ができたときには環境対策というのはあまりなかったので、地位協定が 環境問題に直接触れていないということについては、確かにその通りである。韓国 においては、環境問題についての地位協定の改正が行われているということも事実 であるが、地位協定を改正しただけで環境問題が解決されているわけではない。韓 国においても米軍再編が進んでいるが、それに伴う環境問題に対して、なかなか米 韓の間で調整がうまくいっていないというのが、われわれの認識である。 日本国内においても、米軍基地を巡りいろいろな環境問題がある。環境問題が発 生したときには、できるだけ迅速な通報がなされるべきであること、速やかに原状 回復すること、原因を究明し再発防止策が講じられることが重要である。こういう 対応については、米軍も真剣に取り組んでいると考えている。 通報については、日本国民等に実質的に被害又は障害を与える相当の蓋然性があ る事故等が発生した場合には、できる限り速やかに米側から通報を受けることとな っているが、基地の外に影響が及ばず、基地の中で処理できるものについては、米 軍に通報義務を課していない。 対応については、米軍の発見が遅れたことが対応の遅れにつながるということが あり、意図的に対応が遅れているわけではない。環境問題は米軍自身にも影響を及 ぼすものであり、米軍がなおざりな対応をしているわけではない。 A 事件・事故に係る安全対策等の確立 事件・事故が起こるたびに、綱紀粛正と再発防止について、米側に申し入れてい るところである。これで十分ということはないので、機会あるごとに米側に申し入 れていく。 さらには、普段からの注意喚起ということで、沖縄を中心として「事件・事故防 止のためのワーキング・チーム」を立ち上げている。事件・事故が起きたときの対 - 6 - 応に携わる責任者・関係者らが、一堂に会して定期的に意思疎通を図っている。事 件・事故の防止については何ができるのかということについて、このように、関係 者間で協力し合っている。 米軍の中においても、階級、素行の行動記録によって、外出できる時間を決めて 外出規制を導入しているところもある。 公務外の事件・事故については、第一次裁判権が日本側にあり、凶悪な犯罪にお いては地位協定の規定にかかわらず、起訴前に身柄を日本側に引き渡すことを要求 してきている。 今回、広島で起きた米兵4人の日本人女性に対する暴行容疑についても、日本政 府としては、ただちに、もし報道されていることが事実であるとすれば、起訴前の 拘禁移転の可能性も含めて対処することを官房長官自ら表明し、日本政府としては 凶悪事案に対しては毅然とした態度で対応していくという姿勢を表明した。 本事案は、昨日広島の検察の方で不起訴ということになり、当初報道されていた ような事件ではなかったということである。米軍関連のこの種の事案は報道が先行 しがちであり、米軍の事件・事故の難しい問題点を表していると感じている。 基地を受け入れてくださっている地元の方々からすれば、米軍がいるから事件・ 事故が起こるのであって、米軍がいなければ米軍関係の事件・事故はゼロであると いうことになるが、これは全くその通りであると思う。事件・事故はゼロでなけれ ばならないという基本的な考え方のもとで、強く、これまでも主張してきたし、こ れからも主張していく考えである。 B 地元意向を尊重する制度の構築 行政協定の規定により日米合同委員会ができて以来50 年以上、頻繁にいろいろ な問題を日米合同委員会の枠組みの中で話し合ってきた。この日米合同委員会の中 に直接自治体の皆様方に参加していただくということは、政府間の協議の場である ので、なかなか難しいと思うが、できるだけ、日米合同委員会を通じたメカニズム の中で何が話されたのか、何が進んでいるのかということについては、透明性をも ってやっていきたいと考えている。さらには、機会に応じて、このような場も含め、 自治体の方々との意見交換を通じて、透明性を図っていきたい。 3 国による財政的措置等の新設・拡充 外務省で直接予算をもっているわけではないが、予算を所掌している省庁に働き かけていきたい。 ○環境省 2 日米地位協定の見直し @ 環境法令等国内法の遵守及び環境対策の徹底 - 7 - ご要望の件は日米地位協定に関する事項であり、外務省が所管しているものと承 知している。なお、在日米軍は日米地位協定により我が国の環境法令を尊重し、使 用している施設及び区域における作業について、公共の安全に妥当な配慮を払うべ き義務を負っているものと承知している。 在日米軍は、活動に伴って環境に著しい影響を及ぼすことのないよう十分に配慮 を行うこととしており、このため日本環境管理基準、いわゆるJEGSを作成し、 これに則した厳格な環境管理行動をとっているものと承知している。 また、在日米軍に係る環境問題が発生した場合には、日米合同委員会の下に設置 されている環境分科委員会などの枠組みを活用し、関係省庁と協議しながら対処し てまいりたいと考えている。 3 国による財政的措置等の新設・拡充 @ 基地交付金等の増額等 ご要望の件は、防衛施設周辺の生活環境の整備等に関する法律に則り防衛省が実 施しているものと承知している。 ○内閣府 2 日米地位協定の見直し A 事件・事故に係る安全対策等の確立 原子力発電所等の原子力施設で災害が発生した場合には、災害対策基本法 の特別法である原子力災害対策特別措置法が適用されるが、原子力艦で災害 が発生した場合には同法は適用されず、災害対策基本法が適用されることに なる。このため平成14 年4月に防災基本計画を修正し、原子力艦の原子力災 害発生時における関係省庁の役割を明確化しており、関係地方公共団体の対 応についても、地域防災計画に記載されているところである。 原子力艦の原子力災害発生時、国は、状況に応じ非常災害対策本部、現地 対策本部を設置するとともに、県との現地対策合同会議を開催するなど、国 と地方公共団体の連携強化を図ることとしている。内閣府としては、関係省 庁、地方自治体等との連携を深め、本件にかかる防災対策に努めて行きたい と考えている。 また、地方公共団体が実施する原子力艦の防災訓練についても、可能な限 り協力したいと考えている。 - 8 - ○総務省 3 国による財政的措置等の新設・拡充 @ 基地交付金等の増額等 基地交付金及び調整交付金については、基地交付金等の対象資産価格に対 する予算額が少ない状況を考慮し、平成元年度から3年毎、固定資産税の評 価替えの翌年度に合わせて10 億円の増額を図ったところである。 平成20 年度の概算要求については、極めて厳しい財政状況の中ではあるが、 基地所在市町村の置かれている実情等にかんがみ、対前年度同額の325 億4 千万円を要求しているところである。 平成20 年度予算については、今後要求額の満額確保に全力で努めていきた いと考えている。 B 基地跡地の返還に係る支援 米軍より返還された国有地については、基地交付金の法的要件を満たして いないため、基地交付金の対象資産ではない。 また、米軍より返還された国有地以外に基地交付金対象資産があることを 理由として、交付金額を減らさないこととなれば、全て返還され、対象資産 が無くなった市町村では、当然に交付金が交付されなくなることとなり、そ のバランス上、均衡を失するため、問題がある。 ○文部科学省 2 日米地位協定の見直し A 事件・事故に係る安全対策等の確立 文部科学省では、原子力艦に係る放射能調査を行うことにより、原子力艦 の原子力事故対策の対応を行ってきた。 地方公共団体が実施する原子力艦の防災訓練には、文部科学省の放射能調査 班が毎回参加してきているところ。今年度、横須賀市で行われる訓練に米軍 が参加をすることで調整が進んでいることは、話し合いが行われている実務 者協議に文部科学省も出席していることから承知しているところ。 今後とも原子力艦に係る放射能調査に関して、関係省庁、地方自治体等と 連携し、一層体制が確保されるよう努力していきたい。 - 9 - ○厚生労働省 3 国による財政的措置等の新設・拡充 C 駐留軍等労働者対策及び離職者対策の拡充・強化 駐留軍関係離職者対策については、駐留軍関係離職者等臨時措置法に基づ き関係省庁が諸施策を講じているところであるが、厚生労働省としては、当 該離職者に対して全額国の負担により就職促進手当等の職業転換給付金を支 給しながら、積極的な職業指導、職業紹介及び職業訓練を実施するとともに、 これらの者(45 歳以上)を雇用する事業主に対して特定求職者雇用開発助成 金を支給するなどの援護措置を講じ、再就職の促進を図っている。 また、駐留軍法に基づき設置されている中央駐留軍関係離職者等対策協議 会が決定した「駐留軍関係離職者対策の大綱(昭和49 年4月)」に基づき、 関係省庁が各種の離職者対策を実施することとされており、厚生労働省とし ては、@離職者の再就職に関する希望の早期把握、Aケースワーク方式によ るきめ細かい職業指導・職業紹介、B職業訓練等の充実強化、などの施策を 積極的に講じている。 今後とも、離職者が生じた場合には、関係省庁と連携しながら当該離職者 の早期就職の促進に万全を期してまいりたい。 なお、地方駐留軍関係離職者対策協議会については、各地域における現状 を踏まえた対策が可能となるよう、都道府県または市町村において、地域の 関係行政機関相互の連絡調整を図るために設置することが可能となっている ものである。 既存の制度については、その必要性を十分に検討のうえ制度化されたもの であるため、現行制度を見直す予定はない。 なお、駐留軍関係離職者等臨時措置法については、平成25 年までの期限延 長を行う予定であり、19 年通常国会での成立を目指して準備を行っていると ころである。 ○国土交通省 2 日米地位協定の見直し A 事件・事故に係る安全対策等の確立 米軍による管制業務は、我が国と同様、国際民間航空条約に準拠しており、 民間航空の安全な運航の確保について問題はないと考えているが、民間航空 交通の効率性の向上を図り、今後の民間航空交通の増大に対処するために、 日本側が一元的に管制を行うことが適切との観点から、岩国も含め、日米合 同委員会民間航空分科委員会において要請しており、今後も、軍民の運用実態 を踏まえ、管制権の返還が実現するよう引き続き要望していきます。 - 10 - なお、横田空域については、平成18 年10 月27 日の第66 回民間航空分科 委員会おいて、横田空域が大幅に返還することについて合意を行いました。 当該合意については、 平成20 年9月迄に実施されます。 また、嘉手納ラプコン返還については、平成16 年12 月より、航空局管制 官が嘉手納ラプコンで訓練を開始しており、今後の訓練の進捗及び運用所要 を満足する時機を見極めつつ、返還の時期について、日米間で結論を得たい と考えています。