県民会議からの提案に関する調整部会検討状況 (平成24年1月27日 調整部会検討結果) 1 県民会議について (1)役割 @県民からの提案・意見の収集 A県民意見をもとに、行政や事業者、県民がそれぞれ取り組むべきことを検討し、県民会議から提案として発信 Bバリアフリーの街づくりの取組みについての検証 C県民活動の促進と県民・事業者・行政の協働による取組みの実施 (2)議論方法 部会での議論(県民意見の集約、課題整理) ・県民意見の整理・分類 県民会議議論 @時宜にかなったもの、A広域アピールが可能、B心のバリアフリーを広く訴え、※ユニバーサルデザインの推進につながるもの ・県民会議で議論すべきテーマの仕分けと選択、論点等の明確化 ・議論すべきテーマに関する今後の取組みなどを検討 ※ユニバーサルデザイン:製品や建物などを、はじめから、だれもが利用できるように考えて、デザインすること 県民会議での議論 部会からの報告に基づき、今後、県民会議として取組みを進めるテーマを決定 テーマに関する取組みの方向性や方策を協議 (3)県民会議での論点 @県民意見の整理・グループ化 ・具体的な提案の議論が可能な形に整理、議論項目をグループ化 A県民会議の成果として提案(提言)発信 ・県民会議の委員の任期2年が満了(平成24年度) ・議論項目の優先順位付け、具体的な県民、事業者、行政による協働事業の発信 B県民会議を具体的な行動を起こす場に ・構成員の事業者や団体から取組事例の紹介、行動や実践方法の明確化 2 県民意見の整理と集約、提案内容 県民意見:計177件 37件(H22.11.15〜H23.1.20)+140件(H23.1.20〜H23.12.7) 分類,項目,主な意見,主な現状・取組み ハード整備 道路 歩道段差・傾斜・凹凸解消、電柱地中化、自転車道・歩道の区分、点字ブロック設置等 ・条例基準に基づく整備推進(歩車道の段差2cm標準) ・道路パトロール等の実施 交差点・横断歩道 歩道橋・地下道から横断歩道化、※エスコートゾーン設置、音響信号機の改善等 ・交通状況等を勘案し整備 ・エスコートゾーン整備に向けた調査実施中 施設 トイレ構造・設置場所拡充、エレベータ構造・設置位置の見直し、エスカレーター案内、出入口段差解消、案内の改善、階段構造の改善等 ・条例基準に基づく整備推進 ・JIS高齢者・障害者配慮設計指針により規格化 ・ガイドライン作成やアドバイザ派遣実施 公共交通機関 鉄道駅の転落防止、案内の改善、バス乗降口の改善等 ・※ホームドア整備に向けた検討 災害関係 計画停電時のエレベータ・音響信号利用、避難所の案内・トイレ・情報提供等 ・災害時における要援護者支援マニュアル作成指針などによる市町村支援 制度整備 みんなのトイレの大人用ベット整備 ・乳幼児用ベットは整備基準に追加 その他 電気自動車の静音対応、施設整備時に当事者意見聴取 ・施設整備時の助言者として障害当事者サポーター養成 ソフト面 制度整備 点字ブロック上の障害物撤去、歩道上に自動車駐車、障害者用駐車場の利用方法、病院・官公庁での手話通訳設置等 ・心のバリアフリー普及啓発(点字ブロック上障害物、身体障害者用駐車区画利用) ・市町村実施の地域生活支援事業で手話通訳派遣 ハード運用 音響信号機の鳴る時間帯延長、エレベータ、バス利用時のアナウンス方法等 ・利用者、付近住民の相互理解のため交差点ごとに調整 ・統一アナウンス基準なし 災害関係 節電による弱視・温度調整困難者対応、災害発生時の障害者窓口、聴覚障害者の情報保証等 ・東京電力との情報・意見交換会で的確な需要見通しによる計画停電回避、実施時には障害者への配慮等要請 普及啓発 学校教育 障害者理解、施設等体験等 ・心のバリアフリー普及啓発 (障害者体験等) ・バリアフリー表彰 ・建築士向け研修 学校教育以外 建築士への研修、障害者との食事体験、障害者理解等 優良事例 ハード関連 川崎地下街の改善、歩道のない道路での着色、バリアフリー表彰事例等 ・バリアフリー表彰で顕彰 ・事例周知 ソフト関連 住民によるまち点検で通学路・段差などの改善、マタニティマークによる席譲り、バリアフリー表彰事例等 ・バリアフリー表彰で顕彰 ・事例周知 ※エスコートゾーン:視覚障害者が安全に最短距離で横断歩道を渡ることができるように横断歩道の中央付近に敷設した突起体(点字ブロック)のこと ※ホームドア: ホームからの転落や列車との接触事故防止のため、プラットホームの線路に面する部分に設置される、可動式の開口部を持った仕切り 普及啓発、県民運動として重点化を図るもの,取組みテーマ,提案内容, 前回会議で示したテーマ @ バリアフリー教育の充実 〜障害者理解やバリアフリーの必要性、思いやりの心を自然に身につける教育の充実〜 ・小中学生向けバリアフリー教育の充実 @子どもたちを始めとした「心のバリアフリー」に関する教育の充実 ・高校におけるバリアフリー教育モデル事業の実施 ・地域での自発的なバリアフリー教育の実施(地域の絆やコミニティ再生) ・協力と連携の包括協定を活用した事業者との協働事業の実施 A 多様な人が住まう「街」への気づき、障害者理解の推進 〜障害当事者の相互理解を越え、多様な人が住むのが当然の街づくり〜 ・障害当事者間の課題の相互理解、点字ブロック上の障害物撤去 A「点字ブロック」に関する普及啓発 ・障害者用駐車場の利用方法 ・街中のトイレの情報提供やオープン利用に取組むNPO法人との協働事業 ハード整備等、一定時間を要するが、可能な範囲で推進を図るもの,取組みテーマ,提案内容,前回会議で示したテーマ B 安心して出かけられる「街」の実現を目指して 〜日常的な危険回避から、災害発生時にも移動や社会参加が確保される街へ〜 ・バリアフリー関連情報充実 B「駅」の安全確保 ・駅、道路等の安全な移動経路の確保 ・計画停電時などの安全なハード運用の確保 ・移動、災害時の案内板、伝達方法など情報保証 ・バリアフリー、ユニーバーサルデザインに配慮した施設整備 既存の制度の見直しや活用などにより推進を図るもの,取組みテーマ,提案内容, 前回会議で示したテーマ C 条例適合率・遵守率向上に向けた取組み 〜条例の実効性を高め、遵守させる仕組みづくり〜 ・整備基準の見直し、制度面を含めた事業者等の動機付け向上策検討 C 現行整備基準の見直し検討 D 施設の計画段階における関係者の参画 〜障害者、高齢者、子供など多様な視点からの「みんなのための施設整備」〜 ・公的な施設整備での率先的な取組 D 施設の計画段階における関係者の参画 3 提案内容の詳細 (1)バリアフリー教育の充実 提案内容,行政等による支援事業,現状等 小中学生向けバリアフリー教育の充実 まち点検、障害者、高齢者体験などを通じて、バリアフリー(ユニバーサルデザイン)の必要性や思いやりを自然に身につける取組みを継続、充実する。 取組み提案,実施主体,H23,H24,H25 小中学校におけるバリアフリー教育の実施,県民行政 ・好事例などの情報共有による学校教育や県保健福祉事務所での取組み支援 ・優良取組みへの顕彰(バリアフリー街づくり賞) ・障害当事者サポータ養成研修修了者の登録、派遣 ・(仮称)バリアフリー/ユニバーサルデザインまちづくり読本(パンフレット)の普及 参考資料P2 高校におけるバリアフリー教育モデル事業の実施 高校生については、社会人により近く、実践的な行動が可能な立場にあることから、「自ら気づき、提案、実践、改善」を重視した取組みを行う。 取組み提案,実施主体,H23,H24,H25 高校や高校生ボランティアによるバリアフリー教育の実施,県民行政 県立工業系高校でのユニーバーサルデザインに配慮した製品作成などモデル事業実施,行政 ・小中学生向けバリアフリー教育の充実に同じ 参考資料P3 地域での自発的なバリアフリー教育の実施(地域の絆やコミニティ再生) 東日本大震災を通じ、人間の絆や地域コミュニティの大切さが再認識された。地域住民が主体となったバリアフリー教育の実践により、地域の絆やコミニティ再生を図る。 取組み提案,実施主体,H23,H24,H25 地域での自発的なバリアフリー教育の実施,県民事業者 ・小中学生向けバリアフリー教育の充実に同じ ・障害者理解促進事業(企業向け研修) 参考資料P4 協力と連携の包括協定を活用した事業者との協働事業の実施 「連携と協力に関する包括協定」(県とスーパーマーケット、コンビニエンスなどの事業者と締結)を活用し、バリアフリーの関係の情報発信支援や普及啓発などの協働事業を実施する。 取組み提案,実施主体,H23,H24,H25 バリアフリーの普及啓発事業の協働実施(会場提供、チラシによる広報等),事業者行政 参考資料P5 (2)多様な人が住まう「街」への気づき、障害者理解の推進 提案内容,行政等による支援事業,現状等 障害当事者間の相互理解、点字ブロック上の障害物撤去 県民への点字ブロック上の障害物撤去に向けた呼かけや、点字ブロックの改良に向けた取組みを支援する。 取組み提案,実施主体,H23,H24,H25 点字ブロック上の障害物除去などの普及啓発(広報誌、ホームページ、チラシ等),県民行政事業者 ・条例の整備基準に基づく点字ブロック整備 ・カラーバリアフリー普及啓発(アドバイザ派遣、相談事業、パンフレット等) 参考資料P6 障害者用駐車場の利用方法 車いす使用者駐車区画の適正利用などの呼びかけや、パーキングパーミット制度の取組みについての議論を行う。 取組み提案,実施主体,H23,H24,H25 車いす使用者駐車区画の適正利用などの普及啓発 (広報誌、ホームページ、チラシ等),県民行政事業者 パーキング・パーミット制度の議論,事業者県民行政 ・条例の整備基準に基づく障害者用駐車区画整備(民間での自発的な専用区画整備等を含む) ・パーキング・パーミット制度 身体障害者用駐車場の適正利用を図るため、当該駐車場を設置する事業所等の協力を得て、利用対象者を明らかにする利用証を交付し、駐車スペースを確保する制度 24府県、3市で実施中(H24.2.1現在) 参考資料P7 街中のトイレの情報提供やオープン利用に取組むNPO法人との協働事業 みんなのトイレの適正利用などの呼びかけや、街中のトイレ利用のオープン化に取組む事業者との協働事業の取組みを推進する。 取組み提案,実施主体,H23,H24,H25 街中のバリアフリー化に取組むNPO法人との協働事業(トイレに関する情報や利用方法),県民行政事業者 みんなのトイレの適正利用などの普及啓発,県民行政事業者 ・バリアフリーマッフ(トイレ情報)の充実化 NPO法人Check等 一般利用者が更新、閲覧可能な日本全国の多機能トイレ情報をインターネット上で共有するサービス「Check A Toilet」を構築 (携帯電話等の利用可) ・オープントイレプロジェクト(NPO法人Check) 「誰もが気軽に借りることができる」多機能トイレ、一般トイレをインターネットや店舗・施設の入口に貸出しサインを掲示する事業(元町・中華街・山下地区で開始)店舗の入口に掲示するトイレの貸し出しサイン 参考資料P8 (3)安心して出かけられる「街」の実現を目指して 提案内容,行政等による支援事業,現状等 バリアフリー関連情報充実 障害者、高齢者、子供連れの方など、誰もが安心して出かけるための支援として、バリアフリーマップなどのバリアフリー関連情報の充実を図る。 取組み提案,実施主体,H23,H24,H25 バリアフリーマップ充実化,行政事業者 ・県ホームページでのバリアフリーマップ情報 参考資料P9 駅、道路等の安全な移動経路の確保 障害者、高齢者、子供連れの方など、誰もが安心して出かけるため、駅舎、道路、公共交通機関等のバリアフリー化を推進する。 取組み提案,実施主体,H23,H24,H25 駅舎、道路、公共交通機関等のバリアフリー化の推進,行政事業者 ・条例の整備基準に基づく整備推進 ・アドバイザ派遣(カラーバリアフリー含む)による既存施設のバリアフリー化 ・優良取組みへの顕彰(バリアフリー街づくり賞) 参考資料P10 計画停電時などの安全なハード運用の確保 ・移動困難者の配慮 エレベーターや重要な経路に位置するエスカレーターは、車いす使用者、歩行困難者、ベビーカー利用者などに配慮し、運休を避けるなどの配慮を要請する。 ・案内、情報提供への配慮 施設の案内、サイン、信号機などは、視覚障害者、聴覚障害者などに配慮し、計画停電等により消灯を行う場合には、十分な情報提供を要請する。 ・避難所のバリアフリー化 避難所に指定された施設のバリアフリー化(出入口、スロープ、トイレ等)を促進する。 取組み提案,実施主体,H23,H24,H25 移動困難者や障害特性に応じた案内、情報提供への配慮,事業者行政 県地域防災計画での避難所のバリアフリー化の位置付け、アドバイザ派遣(カラーバリアフリー含む)等を活用した避難所のバリアフリー化促進,行政 ・県と東京電力との情報・意見交換会で的確な需要見通しによる計画停電回避、実施時には障害者への配慮等要請を実施 ・アドバイザ派遣(カラーバリアフリー含む)による既存施設のバリアフリー化 参考資料P13 提案内容,行政等による支援事業,現状等 移動、災害時の案内板、伝達方法など情報保証 高齢者や障害者等の利用特性を考慮し、円滑な避難誘導が行われるよう、誘導設備の整備や運用、情報の伝達について、施設管理者に要請する。 取組み提案,実施主体,H23,H24,H25 移動困難者や障害特性に応じた案内、情報提供への配慮,事業者行政 カラーバリアフリーで創る街づくり事業(災害を想定したサイン計画も検討),行政 カラーバリアフリーで創る街づくり事業 県民政策提案として採択され、平成23〜24年度に大和市鶴間駅周辺部をモデル地区として、カラーバリアフリー化推進計画を策定し、案内板等の整備を予定している。 ・アドバイザ派遣(カラーバリアフリー含む)による既存施設のバリアフリー化 ・自閉症の人たちのための防災ハンドブック−支援する方へ―より (出展:社団法人日本自閉症協会) 参考資料P14 バリアフリー、ユニーバーサルデザインに配慮した施設整備 学校、福祉施設、商業施設など不特定多数の方が利用する公共的施設について、バリアフリーやユニーバーサルデザインに配慮した施設整備を推進する。 取組み提案,実施主体,H23,H24,H25 公共的施設のバリアフリー化の推進,行政事業者 ・条例の整備基準に基づく整備推進 ・アドバイザ派遣(カラーバリアフリー含む)による既存施設のバリアフリー化 ・優良取組みへの顕彰(バリアフリー街づくり賞) 参考資料P15 (4)条例適合率・遵守率向上に向けた取組み 提案内容,行政等による支援事業,現状等 整備基準の見直し、制度面を含めた事業者等の動機付け向上策検討 条例の実効性を高め、遵守させる仕組みづくりを検討する。 ・適合証交付施設の公表(適合証を交付した施設をホームページで公表) ・バリアフリー街づくり賞の拡充(県域→横浜市、川崎市も含む県内全域) ・整備基準の見直し 参考資料P18 (5)施設の計画段階における関係者の参画 提案内容,行政等による支援事業,現状等 公的な施設整備での率先的な取組み 施設整備にあたっては、障害者、高齢者、子供など多様な視点が必要であり、計画段階での関係者が参加した公共的施設の整備を推進する。 ・公共的施設のバリアフリー化の推進(再掲) ・アドバイザ派遣(カラーバリアフリー含む)による既存施設のバリアフリー化 ・障害当事者サポータ養成研修修了者の登録、派遣 参考資料P19 4 今後の進め方 (1)県民意見の収集方法について 平成22年11月15日から期間設定や特定テーマを設けずに、県民意見の収集を行っているが、議論項目の集約化に伴い、今後の収集方法は次の方向とする。 (見直し方向) 議論を更に深めたいテーマを定め、意見収集 期間を限定し、集中的に意見収集 (2)協働取組み事例の紹介について 県民会議を具体の行動を起こす場としていくため、県民会議の構成員や団体からバリアフリーの街づくりに関する取組事例の紹介 (実施方法) 3月に開催される県民会議で各構成員、団体から報告 (報告内容) 構成員、団体が実際に行っている事例 他の都道府県などで行われている先進事例等 (3)提案事項の検証方法について 県民会議をより活発な意見交換や具体的な行動を起こす場としていくため、本提案の検証方法は、次の視点での検証方法を検討する。 視点,具体的な検討、検証イメージ 政策(事業)選択,パーキング・パーミット制度を導入する場合の課題や導入する是非について議論 事業成果の分析、事後検証,工業系高校でのバリアフリー教育モデル事業の成果を踏まえ、今後の展開について議論