付加条例の検討にあたっての視点について (みんなのバリアフリーまちづくり整備ガイドブックより P17-P18抜粋) 1 特別特定建築物の追加  第4章では、整備が義務付けられる特別特定建築物を追加しています。追加にあたっては、公共性が高いこと、利用者にとって選択の余地が少ないこと、高齢社会において良質な住環境を整備する必要があること、等の観点から検討し、学校、保育所等の児童福祉施設、共同住宅を追加しています。(仮設建築物は追加対象としていません。)  なお、施設の利用実態に鑑み、児童福祉施設のうち、乳児院、児童養護施設、情緒障害児短期治療施設、児童自立支援施設については、規則に定めるところにより追加施設から除外しています。 2 規模の引下げについて  規模の引下げに当たっては、これまでの福祉の街づくり条例の規模を参考に、法委任規定と福祉の街づくり条例の性格の違いや、広域的自治体としての県条例の規定であることを勘案し、下記のような観点から検討しました。 ア 地形や土地利用、公共的施設の整備の状況や動向は、県内で様々であり、ある程度の広域に適用するためには、一定規模以上が必要と考えられること。 イ 今後の施設整備の趨勢として、小規模多機能型の福祉施設や、既存ストックを活用した増改築需要の増加が見込まれること。 ウ 福祉の街づくり条例の実効性という観点からは、その対象施設のうち半分程度以上は対象とできるような規模が望ましいこと。  この結果、規模引き下げにあたっては、福祉の街づくり条例で規模を「全て」「200u以上」としているものについては、法委任規定では500u以上からとし、他のものについては、福祉の街づくり条例の規模との整合を図る形で設定しました。  なお、共同住宅については、条例による追加施設であることなどを勘案し、規模を引き下げず、法令の規定と同様の2000u以上としています。  なお、規模の引下げを行うのは、新築、増築、改築の場合であり、用途変更の場合には、法令の規定と同様の2000u以上としています。 3 整備基準の付加について  バリアフリー新法では、バリアフリー化のための整備基準を建築物移動等円滑化基準、建築物移動等円滑化経路として、障害者等が道路等から利用居室まで移動する経路となる、敷地内通路、出入口、階段、廊下、スロープ、エレベーター及び便所や案内板等について、それぞれ具体的な数値基準等を定め、バリアフリー化を義務付けています。  これに対し、基準の付加にあたっては、障害者等が災害時において円滑に避難できる経路を確保する観点から、敷地内通路の幅員を120cmから140cm(車いす使用者が180度方向転換できる寸法)へ、屋外に通ずる主要な出入口の幅員を80cmから90cm(車いす使用者が通過しやすい寸法)へと強化しました。  さらに、階段において、回り階段は視覚障害者が方向性を失ったり、踏み面の幅が内側と外側で異なり踏み外したりと危険なため、設置を禁止することとしたほか、階段の段の上に警告のために点状ブロックの設置や踊場を含めて連続的に手すりを設置することとしたものです。