第1回調整部会の検討結果に基づく「バリアフリーの街づくり」協議テーマの提案(案) 項番 協議テーマの提案 県民意見(趣旨)整理番号 調整部会における意見 今後の県民会議・調整部会での協議の方向(案) 1 子どもたちを始めとした「心のバリアフリー」に関する教育の充実 教育機関等で「心のバリアフリー」に関する教育を実施することにより、バリアフリーの大切さを伝えてほしいとする意見(14)(21)(22)(23)(24)(25)(26)(27)(28)(29)(30)(31)(32) <代表的な意見> (21)点字ブロックの意味を知らない子どもがいたので、周知してほしい。 (27)小学生向けに、車椅子又は障害者・高齢者疑似体験を授業の一環として開催してほしい。また、特別養護老人ホームにボランティアとして参加し、高齢者の方と接する機会をもってほしい。 子どもたちは障害を持った子がいれば、自然と学ぶようになるので、体験する場、交流する場を作るとよい。(今井委員) バリアフリーは、特定の人ためではなく、すべての人のためにあるということを教育していくべきである。(坂上委員) ユニバーサルデザインはまだ一般化していないから、バリアフリーという言葉を使っている。街づくりを福祉とすると、特別なことになってしまうから、バリアフリーも福祉の視点で考えてはいけない。(鈴木副部会長) バリアフリー教育については、子どもよりも大人の方が大事である。(藤田委員) 小学生・中学生に対して教育することで、子どもを通じ親の理解につなげることも考えられる。(横林委員) 特に、聴覚障害者と健聴者間におけるコミュニケーションの方法について(追加) 聴覚障害者におけるコミュニケーションの問題を、どのように社会に広め、問題意識を高めていくべきか、検討したい。(斎藤部会長) 聴覚障害者の方にとって、コミュニケーションの問題は重要なテーマなので、他者とのコミュニケーションが保障されるよう、積極的な対応を進めてもらいたい。(坂上委員) 手話も教育の一環として、保育園、幼稚園から教育していく。聴覚障害者の人とのコミュニケーションなど、実体験は重要なことである。(藤沼委員) 障害者や高齢者など、ハンディを抱える人への理解や思いやりなど、「心のバリアフリー」については、学校教育の中でも取組みが進みつつある。学校や教育委員会での取組みとともに、地域からどのような取組みができるか検討をする必要がある。子どもたちに対するバリアフリー教育に当たり、学校内にとどまらず、地域社会との連携を重視し、県、NPO、社協などとの連携により、どのような取組みができるか、調整部会・県民会議として検討を進めていく。 <具体的対応(案)> 【平成23年度】 ・県内の先進事例*1の収集と、学習プログラム等の取組みの検討 【平成24年度】 ・取組みの実施 ・他地域での参考とするため、取組みの普及 *1 秦野市本町小学校における福祉教育(第2回神奈川県バリアフリーまちづくり賞受賞) 小学校と社会福祉協議会が連携して福祉教育に取り組み、まちのバリアを点検する活動などを通じて、子ども達と障害者が交流することで、若い世代に対する「心のバリアフリー」に取り組んだ。 2 「点字ブロック」に関する普及啓発 「点字ブロック」の課題を取り上げることにより、円滑な移動を確保したいとする意見 (1)横断歩道前に設置された点字ブロックにつまづいたり、車椅子の車輪が引っ掛かって転倒したりしないよう、横断歩道の右端又は左端の点字ブロックを付けないようにしてほしい。 (8)町田駅周辺で、点字ブロックの上に、駐輪又は看板・荷物を置いてあったので、どかしてほしい。 設備を正常に使われるような取組を行うとよい。例えば、ボランティアによるパトロールなどを行い、周知していくこともよいのではないか。(今井委員) 子どもの教育だけではなく、一般の大人も含めて、周知していくべきである。(小池委員) 特に、上記(1)の県民意見について 「車椅子が転倒したりしないよう」とあるのは、転倒しそうになって困ったケースがあるということなので、事実関係などの調査が必要ではないか。(今井委員) 技術的に、色々と工夫又は知恵が可能なのかどうか、それぞれの立場から意見をもらい、問題提起として取り上げてはいかがか。(斉藤部会長) 現行の整備基準について、問題提起されている意見なので、見直し検討を行うべきである。(坪井委員) 立場によって相反する整備基準については、定められた経緯を周知し、現行の整備基準の理解を深めていく。(横林委員) バリアフリー街づくり条例に基づいて整備した設備でも、県民の不注意、理解不足、配慮のなさなどから課題が生じ、視覚障害者の方にはバリアフリーの設備なのに本来の効果が発揮されず、逆に危険な場合すらある。障害者の方が困っているという状況を改善するためにどのような取組みができるか、調整部会・県民会議として検討を進めていく。当面は、「心のバリアフリー」の問題として、「点字ブロック」に関するチラシの作成・配布や、県民への呼びかけを県民会議ホームページに掲載するなど、県民への普及啓発の実施が考えられる。また、視覚障害者と車椅子利用者・高齢者など、立場により利益が相反する「点字ブロック」の事例については、現状や問題の所在などを県民会議のホームページ等で紹介し、県民に課題提起したい。" 3 「駅」の安全性確保 駅施設の整備を行うことにより、駅における安全性の確保及び円滑な移動を実現してほしいとする意見 (5)伊勢原駅のホーム全てに屋根がない。車椅子利用者は、電車の先頭か最終車両に乗ることが多いので、屋根を設置してほしい。 (9)小田急藤沢駅において、JR線連絡改札口にエレベーターがないので、エレベーターの設置又は階段の拡充を指導してほしい。 鉄道会社に寄せられた「お客様からの御意見」も収集して、併せて議論したらどうか。(小池委員) 特に、上記(9)の県民意見について エレベーターが未対応となっている駅を調べて、人が集まる駅に施設がないものは設置を進めていく。(藤田委員) 特に、ホームドアの設置について(追加) ホームの安全性という観点から、社会問題となっているホームドア設置についても検討したらどうか。(坂上委員) 誰もが安心・快適に利用できる駅舎の環境整備について、ハード整備は進みつつあるが、さらなる整備推進を進める必要がある。加えて、ハード整備のほか、利用者である県民の理解や配慮など、ソフト面の充実についても取り組んでいく必要がある。例えば「ひとこえ運動」などとして、視覚障害者の方に対して、周囲の方が「大丈夫ですか」と、「ひとこえ」かけるような取組みなど、「心のバリアフリー」に関する県民への働きかけの実施など、当面は点字ブロックと同様に、チラシの作成・配布やホームページの掲載など、県民への普及啓発の実施が考えられる。 4 現行整備基準の見直し検討 現行の基準に照らしあわせて、新しい対応や取組をするべきか検討する意見(3)(4)(6)(10)(11)(12)(13)(15)(17)(19)(20) 現在の基準に照らしあわせて、新しい対応や取組が見込まれる県民意見については、今後の検討課題ということでまとめていく。(斉藤部会長) 現在の基準の中で、不足していると問題提起された県民意見については、一度話し合うべきである。(坪井委員) 現行の整備基準は、各関係者と調整の上、定められたものであるが、今回、新たな対応、見直しなどを求める県民意見が寄せられている。一方、現行の整備基準については、施行後5年以内に見直すこととしている。整備基準に関する県民意見については、早急に対応すべきものを除き、次回の条例見直しの際の検討課題として蓄積することとする。 5 施設の計画段階における関係者の参画 施設の設計、計画及び点検段階で、関係者すべての意見を聞く機会を設けることにより、施設のバリアフリー化の推進を進めたいとする意見(16)(18) 公共施設にしろ、民間施設にしろ、何か具体的な対策があるのならば検討を進めたい。(斎藤部会長) 施設におけるユニバーサルデザインの共通土台を作ることにより、大量生産でコストが安くなり、金額面の課題が解決できるのではないか。(坂上委員) 施設の計画段階で、関係者が参画することは当然のことだと思う。(坪井委員) 建物を建てるときに関係者から意見を聞くというのは非常に難しいため、施設の使い勝手が悪いというならば、設計基準を見直すべきである。(藤田委員) 施設の計画段階における関係者の参画の実現性について、先進事例を把握するなど、部会において研究を進める。