(資料4−1)みんなのバリアフリー街づくり条例の運用状況   1 適合率と遵守率 公共的施設のうち規則で定める施設(指定施設)の新築等をしようとする者は、その計画について、建築確認申請の前に、あらかじめ知事に協議(事前協議)しなければならないこととされている。 事前協議の結果は、@「全項目適合」、A「13条但し書き前段適用」、B「13条但し書き後段適用」、C「不適合」に区分され、結果を表す指標が「適合率」と「遵守率」である。 (1)適合率:協議件数に占める「全項目適合」(@)の件数の割合 (2)遵守率:協議件数に占める「全項目適合」(@)及び「13条但し書き適用」(A及びB)の件数の割合   @全項目適合:整備基準を全て遵守している場合 A13条但し書き前段適用:整備基準を遵守するのと同等程度以上に障害者が安全快適に施設を利用できる場合 (例)誘導ブロックを設ける代わりに職員が常駐して常時介助する場合等 B13条但し書後段適用:規模、構造や利用目的から整備基準を遵守することが困難である場合 (例)既存施設の増改築等で、小規模のため廊下の幅員を確保できない場合等 C不適合:整備基準を遵守していない場合(1項目でも遵守できていない場合は不適合) ※協議件数:@+A+B+C 【条例第13条(整備基準の遵守)】 公共的施設等の新築、新設、増築、改築、用途の変更、大規模の修繕又は大規模の模様替え(以下「新築等」という。)をしようとする者は、整備基準を遵守しなければならない。 ただし、整備基準を遵守する場合と同等以上に障害者等が安全かつ快適に利用することができる場合又は規模、構造、利用の目的、地形の状況等により整備基準を遵守することが困難である場合にあっては、この限りでない。   2 適合率、遵守率の推移 近年、条例の適合率、遵守率は低下傾向にある。 項目,平成14年度,平成15年度,平成16年度,平成17年度,平成18年度,平成19年度,平成20年度,平成21年度,平成22年度,平成23年度,平成24年度,平成25年度 事前協議件数,604,648,654,660,675,533,494,486,569,529,543,624 適合率(%),56,41,37,31,29,25,20,19,18,20,16,15 遵守率(%),81,72,68,60,61,52,47,41,43,43,28,30 3 平成25年度の事前協議の状況 項目,平成25年度,平成24年度 協議件数,624,543 全項目適合,92,86 前段適用,30,31 後段適用,68,34 不適合,434,392 適合率,15%,16% 遵守率,30%,26% 4 平成25年度の条例遵守状況   (1)用途別の条例遵守状況 協議件数が多いのは、福祉施設、共同住宅、商業施設(店舗等)等であり、中でも、福祉施設は全体の35%近くを占めている。 用途,協議件数(X),全適合(a),13条前段(b),13条後段(c),不適合(d),適合率(a/x),遵守率(a+b+c)/x 官公庁,15,11,0,3,1,73%,93% 学校等,35,4,3,5,23,11%,34% 図書館等,2,1,0,0,1,50%,50% 動物園等,2,0,0,0,2,0%,0% 集会場,39,3,0,5,31,8%,21% 医療施設(無床),54,6,2,6,40,11%,26% 医療施設(病室あり)13,4,0,2,7,31%,46% 福祉施設,224,11,18,25,170,5%,24% 商業施設(公共事業所),0,0,0,0,0,-,- 商業施設(金融機関),11,6,0,3,2,55%,82% 商業施設(小規模店舗等),35,9,0,1,25,26%,29% 商業施設(店舗等),68,16,2,6,44,24%,35% 公共交通機関,1,0,0,0,1,0%,0% 駐車場,2,1,0,0,1,50%,50% 共同住宅,70,12,0,8,50,17%,29% 事務所,6,1,1,0,4,17%,33% 宿泊施設,8,0,0,0,8,0%,0% 公衆浴場,0,0,0,0,0,-,- 地下街,0,0,0,0,0,-,- 運動施設,2,0,0,0,2,0%,0% 興行遊興施設,3,0,0,0,3,0%,0% 展示施設,0,0,0,0,0,−,− 工場,6,1,0,0,5,17%,17% 公衆便所,11,3,1,0,7,27%,36% 複合用途施設,17,3,3,4,7,18%,59% 公園,0,0,0,0,0,−,− 合計,624,92,30,68,434,15%,30% (2)遵守率の高い用途・低い用途(協議件数が10件以上の用途) ア 遵守率の高い用途 官公庁、商業施設(金融機関)の遵守率が高い結果となっている。 順位,施設名,遵守率,遵守件数,協議件数 1,官公庁,93%,14件,15件 2,商業施設(金融機関),82%,9件,11件 3,複合用途施設,59%,10件,17件 4,医療施設(病床あり),46%,6件,13件 イ 遵守率の低い用途   福祉施設は協議件数が多く、全体に与える影響が大きい。 順位,施設名,遵守率,遵守件数,協議件数 1,集会場,21%,8件,39件 2,福祉施設,24%,54件,224件 3,医療施設(病床なし),26%,14件,54件 4,商業施設(小規模店舗等),29%,10件,35件 4,共同住宅,29%,20件,70件 (3)用途・規模別の不適合状況 500u未満の小規模案件が最も多く、そのうち4割近くを福祉施設が占めている。 用途,500u未満協議件数,500u未満不適合件数,500u以上1000u未満協議件数,500u以上1000u未満不適合件数,1000u以上2000u未満協議件数,1000u以上2000u未満不適合件数,2000u以上協議件数,2000u以上不適合件数,合計協議件数,合計不適合件数 官公庁,7,0,1,0,1,0,6,1,15,1 学校等,12,9,9,5,1,1,13,8,35,23 図書館等,1,0,1,1,0,0,0,0,2,1 動物園等,2,2,0,0,0,0,0,0,2,2 集会場,33,27,3,3,1,0,2,1,39,31 医療施設(無床),47,36,3,3,2,1,2,0,54,40 医療施設(病室あり),2,2,1,0,3,3,7,2,13,7 福祉施設,96,75,57,44,28,24,43,27,224,170 商業施設(公共事業所),0,0,0,0,0,0,0,0,0,0 商業施設(金融機関),6,2,4,0,0,0,1,0,11,2 商業施設(小規模店舗等),32,25,3,0,0,0,0,0,35,25 商業施設(店舗等),2,1,28,20,11,9,27,14,68,44 公共交通機関,1,1,0,0,0,0,0,0,1,1 駐車場,0,0,0,0,0,0,2,1,2,1 共同住宅,0,0,0,0,29,23,41,27,70,50 事務所,0,0,0,0,0,0,6,4,6,4 宿泊施設,1,1,0,0,2,2,5,5,8,8 公衆浴場,0,0,0,0,0,0,0,0,0,0 地下街,0,0,0,0,0,0,0,0,0,0 運動施設,0,0,0,0,1,1,1,1,2,2 興行遊興施設,2,2,1,1,0,0,0,0,3,3 展示施設,0,0,0,0,0,0,0,0,0,0 工場,0,0,0,0,1,1,5,4,6,5 公衆便所,11,7,0,0,0,0,0,0,11,7 複合用途施設,0,0,1,0,3,2,13,5,17,7 公園,0,0,0,0,0,0,0,0,0,0 合計,255,190,112,77,83,67,174,100,624,434 (4)基準を満たしていない整備項目 未整備の割合が高い整備項目としては、便所及び誘導ブロックの件数が多い。 窓口担当者への調査の結果からは、便所は設置費用やスペースの問題、誘導ブロックは利用者のつまづきや衝撃の懸念といった問題を理由に挙げるケースが多い。 順位,整備項目,件数,主な内容 1,便所,350件,オストメイト、みんなのトイレ以外のトイレ 2,誘導ブロック,336件,主な経路、出入口前後、階段端部、廊下等における設置 3,敷地内通路,241件,段や傾斜路の前後部分の識別、手すり設置 4,出入口,221件,戸の構造(幅員、前後での水平面確保) (5)遵守率の低い用途における未整備の割合の高い項目 全般的には誘導ブロックよりも便所の方が多いが、福祉施設に関しては誘導ブロックの方が多い。 遵守率順位,用途(括弧:協議件数),項目(括弧:該当件数) 1,集会場(39件),@便所(31件),@誘導ブロック(31件),A敷地内通路(24件),A出入口 (24件),B廊下(20件) 2,福祉施設(224件),@誘導ブロック(185件),A便所(156件),B出入口(93件) 3,医療施設(無床)(54件),@便所(36件),A敷地内通路(32件),B傾斜路(24件) 4,商業施設(小規模店舗等)(35件),@便所(18件),A敷地内通路(15件),B傾斜路(11件) 4,共同住宅(70件),@エレベーター(34件),A廊下(32件),B敷地内通路(27件) (6)規模別に見た未整備割合の高い項目 500u未満の小規模案件における便所の件数の多さが際立っている。 規模(括弧:協議件数),項目(括弧:該当件数) 500u未満(225件),@便所(179件),A敷地内通路(137件),B誘導ブロック(135件) 500u以上1000u未満(97件),@誘導ブロック(72件),A便所(59件),B敷地内通路(36件) 1000u以上2000u未満(78件),@便所(42件),Aエレベーター(38件),B誘導ブロック(36件) 2000u以上(132件),@誘導ブロック(93件),A便所(70件),B傾斜路(40件) (7)考察 不適合案件については、規模別では500u未満の小規模案件、用途別では福祉施設の割合が特に多い。 小規模案件の場合、スペースや費用の問題が考えられるが、福祉施設の場合、種類や規模に関わらず整備基準上ほぼ一律の扱いであることから、利用者や規模等の実態に応じた対応が難しく、結果として遵守率の低下を招いていると考えられる。 5 不適合案件にかかる不適合箇所の傾向について 平成25年度の事前協議の結果が「不適合」の案件について、整備項目レベルの不適合箇所を調査した。 (1)不適合の件数が多い整備項目 用途や規模による傾向の差異があるが、全般的に、視覚障害者向け設備(ブロック、点字)と便所関連の項目が多くなっている。      ア 全体 不適合案件協議件数:430件(a)(430件:集計可能案件分) 順位,項目,内容,件数(b),(b)/(a) 1,1-15(4)ア,出入口への点字その他の案内設備(便所出入口),249,57.9% 2,1-15(2)ウ,点状ブロック又は音声等による誘導設備(出入口戸前後),225,52.3% 3,1-8(2)カ,便所(適切な構造、手すり及び鏡を適切に配置した洗面器),198,46.0% 4,1-15(2)ア,点状ブロック又は音声等による誘導設備(傾斜路、階段近接部分),191,44.4% 5,1-15(3)ウ,手すりへの点字その他の案内設備(階段手すり),190,44.2% ・下位5項目のほとんどを視覚障害者向け設備(点字、ブロック)が占めている。 イ 用途別 ・遵守率の下位4用途について、用途ごとに結果を集計した。(下位4用途:@集会場、A福祉施設、B医療施設(病床なし)、C商業施設(小規模店舗等)、共同住宅) (ア)集会場 不適合案件協議件数:31件(a) 遵守率順位,項目,内容,件数(b),(b)/(a) 1,1-15(2)ウ,点状ブロック又は音声等による誘導設備(出入口戸前後),28,90.3% 2,1-15(1)ア,誘導ブロック又は音声等による誘導設備(主たる経路),24,77.4% 2,1-15(4)ア,出入口への点字その他の案内設備(便所出入口),24,77.4% 4,1-15(2)ア,点状ブロック又は音声等による誘導設備(傾斜路、階段近接部分),23,74.2% 5,1-8(2)エ(イ),便所(便房出入口の構造・有効幅員80cm以上),22,71.0% ・下位5項目のほとんどを視覚障害者向け設備が占めている。 ・全体に比べ、点字よりもブロックの占める割合が大きい。 (イ)福祉施設 不適合案件協議件数:170件(a) 順位,項目,内容,件数(b),(b)/(a) 1,1-15(2)ウ,点状ブロック又は音声等による誘導設備(出入口戸前後),138,81.2% 2,1-15(4)ア,出入口への点字その他の案内設備(便所出入口),126,74.1% 2,1-15(1)ア,誘導ブロック又は音声等による誘導設備(主たる経路),122,71.8% 4,1-15(2)ア,点状ブロック又は音声等による誘導設備(傾斜路、階段近接部分),122,71.8% 5,1-15(1)イ(ア),点状ブロックの敷設(敷地内通路の車路近接部分),94,55.3% ・不適合件数が最多の施設。下位5項目全てを視覚障害者向け設備が占めている。 ・集会場同様、点字よりもブロックの占める割合が大きい。 (ウ)医療施設(病床なし)不適合案件協議件数:40件(a) 順位,項目,内容,件数(b),(b)/(a) 1,1-8(2)カ,便所(適切な構造、手すり及び鏡を適切に配置した洗面器),24,60.0% 2,1-15(4)ア,出入口への点字その他の案内設備(便所出入口),23,57.5% 3,1-15(3)ア,手すりへの点字その他の案内設備(傾斜路手すり),22,55.0% 4,1-8(2)ア,便所(便所出入口の構造・有効幅員80cm以上),19,47.5% 5,1-8(2)エ(イ),便所(便房出入口の構造・有効幅員80cm以上),18,45.0% ・下位5項目の多くを便所が占めている。ブロックが含まれていないのは、小規模診療所の場合、ブロックは「望ましい水準」であるため。   (エ)商業施設(小規模店舗等)不適合案件協議件数:23件(a) ※23件:集計可能案件分 順位,項目,内容,件数(b),(b)/(a) 1,1-8(2)カ,便所(適切な構造、手すり及び鏡を適切に配置した洗面器),14,60.9% 1,1-15(4)ア,出入口への点字その他の案内設備(便所出入口),14,60.9% 3,1-8(2)オ,便所(男子用小便器の構造),11,47.8% 4,1-8(2)エ(ア),便所(便房の構造・障害者等が円滑利用できる便座及び手すりを適切に配置),10,43.5% 4,1-8(2)エ(イ),便所(便房出入口の構造・有効幅員80cm以上),10,43.5% ・下位5項目の多くを便所が占めている。ブロックが含まれていないのは、小規模商業施設の場合、ブロックは「望ましい水準」であるため。   (オ)共同住宅 不適合案件協議件数:50件(a) 順位,項目,内容,件数(b),(b)/(a) 1,1-15(3)ウ,手すりへの点字その他の案内設備(階段手すり),24,48.0% 2,1-5(2)ウ,廊下等(端部及び50mごとに車いすの転回場所を確保),22,44.0% 3,1-7(3)カ,エレベーター(かご・乗降ロビー制御装置への点字、浮き彫り、音声案内等),16,32.0% 3,1-12(1),標識及び案内設備(車いす用駐車区画、エレベーター、みんなの便所標識),16,32.0% 3,1-12(2)イ,標識及び案内設備(エレベーター、みんなの便所の配置を点字、浮き彫り、音声等で案内),16,32.0% ・下位5項目の多くを標識及び案内設備が占めている。上記以外では、かご内の音声案内装置等、エレベーターの構造に関する項目が多い。    ウ 規模別 (ア)500u未満  不適合案件協議件数:186件 (a)  (186件:集計可能案件分) 順位,項目,内容,件数(b),(b)/(a) 1,1-15(4)ア,出入口への点字その他の案内設備(便所出入口),120,64.5% 2,1-8(2)カ,便所(適切な構造、手すり及び鏡を適切に配置した洗面器),102,54.8% 3,1-15(1)ア,誘導ブロック又は音声等による誘導設備(主たる経路),100,53.8% 3,1-15(2)ウ,点状ブロック又は音声等による誘導設備(出入口戸前後),100,53.8% 5,1-15(2)ア,点字その他の案内設備(傾斜路、階段近接部分),94,50.5% (イ)500u以上1000u未満  不適合案件協議件数:77件 (a) 順位,項目,内容,件数(b),(b)/(a) 1,1-15(2)ウ,点状ブロック又は音声等による誘導設備(出入口戸前後),55,71.4% 2,1-15(4)ア,出入口への点字その他の案内設備(便所出入口),50,64.9% 3,1-15(2)ア,点字その他の案内設備(傾斜路、階段近接部分),39,50.6% 4,1-15(1)ア,誘導ブロック又は音声等による誘導設備(主たる経路),38,49.4% 5,1-15(3)ウ,手すりへの点字その他の案内設備(階段手すり),34,44.2% (ウ)1000u以上2000u未満  不適合案件協議件数:67件 (a) 順位,項目,内容,件数(b),(b)/(a) 1,1-15(4)ア,出入口への点字その他の案内設備(便所出入口),33,49.3% 2,1-15(3)ウ,手すりへの点字その他の案内設備(階段手すり),32,47.8% 3,1-8(2)カ,便所(適切な構造、手すり及び鏡を適切に配置した洗面器),28,41.8% 3,1-15(2)ウ,点状ブロック又は音声等による誘導設備(出入口戸前後),28,41.8% 5,1-15(2)ア,点字その他の案内設備(傾斜路、階段近接部分),21,31.3% (エ)2000u以上  不適合案件協議件数:100件 (a) 順位,項目,内容,件数(b),(b)/(a) 1,1-15(3)ウ,手すりへの点字その他の案内設備(階段手すり),56,56.0% 2,1-15(4)ア,出入口への点字その他の案内設備(便所出入口),46,46.0% 3,1-15(3)ア,手すりへの点字その他の案内設備(傾斜路手すり),45,45.0% 4,1-15(2)ウ,点状ブロック又は音声等による誘導設備(出入口戸前後),42,42.0% 5,1-12(2)イ,標識及び案内設備(エレベーター、みんなの便所の配置を点字、浮き彫り、音声等で案内),41,41.0% 5,1-15(3)イ,手すりへの点字その他の案内設備(廊下手すり),41,41.0% ・いずれの規模においても、下位5項目の多くをブロックと点字が占めている。 ・ブロックと点字以外で多かったのは、便所、標識及び案内設備。 (2)実務担当者の意見 不適合の原因について、事前協議等の実務を担当する特定行政庁や土木事務所の担当者に対して調査を実施したところ、次のような意見が寄せられた。 ア 事業者の意識 ・事業者と設計事務所の間で既に話がついていることが多く、事前協議の場で内容を変えられない。 ・使う人がいないのに金をかけられない、という考えの事業者が多い。 ・条例適合のメリット、不適合のデメリットがなく、積極的に適合させる必要性を感じていない。 ・整備基準に沿った内容で予算化されていないため、指導をしても対応不可能な場合が多い。 イ 整備基準の内容 ・事業者が本来必要としている設備に対して、条例の要求が過度なのではないか。 ・福祉施設の区分については、面積や種類によって、ある程度細分化すべきである。 ・整備基準上の用語や概念などにおいて、バリアフリー法との相違が生じている。 ウ 物件の事情 ・小規模施設では、全体に占めるスペースや費用の割合を考えると、基準を完全に守るのは難しい。 ・既存建築物の用途変更で小規模な施設が増えており、改修等を行う予定が無い場合が多い。 ・テナント利用の場合、テナント以外の部分の整備ができない。 エ その他(具体的な内容など) ・誘導ブロックの色や意匠が建物のデザインと合わない。 ・利用者がつまづいて転んだり荷物がぶつかって破損するのを嫌い、誘導ブロックを設置したがらない。 ・みんなのトイレに加えて、みんなのトイレ以外のトイレも併せて整備することの理解が得られない。 ・既製品を利用する場合、寸法等の規格が整備基準に合致しない場合がある。        6 整備項目レベルでの適合状況 5で列挙した用途及び規模の不適合案件について、それぞれ必要とされる整備項目をどこまで適合させているかを集計した。 適合件数の比率は全体平均で74%と比較的高く、用途別・規模別で見ても、集会場や500u未満の案件を除いて70〜80%台となっており、事前協議の結果が不適合の案件であっても、多くの整備項目に適合させていることがうかがえる。 (1)全体  適合件数(A),不適合件数(B),合計(C),適合件数比率(A/C),(参考)遵守率 17333,6040,23373,74%,30% (2)用途別 用途,適合件数(A),不適合件数(B),合計(C),適合件数比率(A/C),(参考)遵守率 集会場,906,670,1576,57.5%,21% 福祉施設,7994,2964,12534,73.0%,24% 医療施設(病床なし),1040,406,1446,71.9%,26% 商業施設(小規模店舗等),472,196,668,70.7%,29% 共同住宅,1925,451,2376,81.0%,29% (3)規模別  規模,適合件数(A),不適合件数(B),合計(C),適合件数比率(A/C),(参考)遵守率 500u未満,5436,3145,8581,63.3%,25% 500u以上1000u未満,3278,920,4198,78.1%,31% 1000u以上2000u未満,2901,873,3774,76.9%,19% 2000u以上,5718,1102,6820,83.8%,43%