神奈川県みんなのバリアフリー街づくり条例の概要 1 条例の改正及び施行  平成8年に「福祉の街づくり条例」を施行し、バリアフリーの街づくりを推進してきた が、平成20年12月に、「福祉の街づくり条例」を改正し、条例の名称も新たに「みんなの バリアフリー街づくり条例」へと改正した。(平成21年10月施行) 2 条例の目的  障害者や高齢者等が安心して生活し、自らの意思で自由に移動し、社会参加できるまち づくりを進めるため、日常生活や社会生活において、その障害となっている原因を取り除 き「福祉社会かながわ」の実現を目指す。 3 条例の対象施設 ・公共的施設、道路、公園、公共車両、住宅 (注)公共的施設、道路、公園については、施設を障害者等が安全・快適に利用できるよ う、構造、設備の整備に関する基準(整備基準)を定めている。 4 整備基準として定める内容 (1)車いす使用者等が通行できる幅員の確保 (2)車いす使用者等が通行できる傾斜路の設置 (3)滑りにくい踏面、床面等とするための措置 (4)階段等への手すりの設置 (5)障害者等の利用に配慮したエレベーター、便所、駐車場の設置 (6)視覚障害者誘導ブロックの敷設等障害者等の利用に配慮した誘導又は案内の表示 (7)以上のほか、障害者等の利用に配慮すべき事項 5 整備基準の遵守義務  公共的施設、道路、公園の新築等をしようとする者には整備基準の遵守義務が課せられ る。既存施設については、整備基準にそった整備の努力義務が課せられる。 6 事前協議  公共的施設のうち規則で定める施設の新築等をしようとする者は、その計画についてあ らかじめ知事と協議(事前協議)をしなければならない。整備基準に適合しない場合には 知事は必要な指導、助言等を行うことができる。 7 適合証  施設を整備基準に適合させた場合には、適合証の交付を申請することができる。 8 バリアフリー法委任規定  バリアフリー法(以下、「法」という)第14条第3項では、条例を制定することで、建 築確認審査で法の対象となっていない施設をバリアフリー化の義務づけの対象とすること や、その対象とする規模を引き下げること及び適合させるバリアフリー基準について、地 域の実情に応じて基準を付加することができることしている。この規定に基づいて、次の 内容を付加した。 (1)対象とする施設の追加 法により整備を義務づけられている施設(特別特定建築物)に、次に掲げる施設(仮設建 築物を除く)を追加。 ア 学校  イ 共同住宅 ウ 福祉施設(保育所、児童福祉施設等) (2)対象とする建築の規模の引下げ 法で対象とする施設の規模を床面積2,000平方メートル以上としているものを、新築、増 築、改築を行う場合について、次に定める床面積に引き下げ。 ア 500平方メートル以上とするもの 学校、病院、老人ホーム、福祉施設(保育所、児童福祉施設等)、集会場、飲食店、百貨 店、公衆浴場 等 イ 1,000平方メートル以上とするもの 劇場、ホテル又は旅館、体育館 等 (3)整備すべき基準(建築物移動等円滑化基準)に付加する事項次に掲げるものを整備 すべき基準に付加。 ア 敷地内通路の幅員(120センチメートル以上→140センチメートル以上) イ 屋外への出入口幅(80センチメートル以上→90センチメートル以上) ウ 多数の者が利用する階段の上端部分に接する廊下等の部分と階段の踊場の下りの段の 始まる部分には、点状ブロック等を敷設 エ 多数の者が利用する階段のうち、1ヶ所以上について、回り階段の禁止及び踊場に手 すりの設置 8 その他 (1)カラーバリアフリーの取組み 条例改正と併せて、条例施行規則を改正し、案内板等の設置を義務付け、設置にあたって は、その標記内容について「色の識別をしにくい者が円滑に利用できるように、見分けや すい色の組み合わせを用いて表示要素毎の明度、色相及び彩度の差を確保するよう配慮す ること」を盛り込んだ。 (2)市町村条例の適用除外 条例第34条で、市町村が県条例と同等以上の効果を期待できる条例を制定した場合、適用 除外としている。横浜市及び川崎市は、県条例と同等以上の条例を制定していることから、 告示により、「第3章施設の整備等」及び「第4章高齢者、障害者等の移動等の円滑化の 促進に関する法律の施行に関する事項」については、適用除外としている。