(7ページ) W 人権教育・人権啓発の推進 1 人権教育の推進  これまでの人権教育における取組みと成果を踏まえて、県民一人ひとりが、学校教育と社会教育を通じて、人権尊重の理念についての正しい理解を深め、これを体得し、互いの多様性を認め合う人権が真に尊重される地域社会が実現するように次の点を基本とする人権教育を総合的に推進します。 ア 責任を自覚しつつ自分らしく生きることができる人の育成をめざす教育  自分の人権とともに他の人の人権を尊重し、その権利の行使に伴う責任の重さを自覚しつつ、自分らしく生きることができる人を育成する教育を推進します。 イ 人権感覚の育成をめざす教育  人権の意義や価値を認識し、人権の尊重が意思・態度に表れ、さらに行動につながるような、県民一人ひとりの人権感覚を育成する教育を推進します。 ウ 人権課題の認識を深める教育  人権尊重の精神を基盤として、人権課題についての正しい理解と認識を深め、その解決に主体的に取り組むことができる人を育成する教育を推進します。 エ 生涯学習の視点に立った教育  幼児から高齢者にいたるそれぞれのライフステージに応じて、学校教育と社会教育との連携を図りつつ、あらゆる機会を捉えて人権教育を推進します。 (1)学校教育  学校教育においては、幼児・児童・生徒がそれぞれの発達の段階に応じて、人権に関する基本的な理解を深め、人権尊重の意識を高めることにより、人権の大切さを共感的に受けとめる人権感覚を育む教育をすべての教育活動を通じて行うとともに、幼児・児童・生徒の人権に十分に配慮し、一人ひとりを大切にする教育を推進します。 ア 人権に配慮した学校運営や教育指導に努め、幼児・児童・生徒が自分の大切さとともに他の人の大切さを認め、豊かな人間関係の中で安心して楽しく学ぶことのできる環境づくりに努めます。 イ 幼児・児童・生徒が、人権課題について正しい理解を深めるとともに、人権尊重の意識を高めることにより自ら人権感覚を磨くことができるよう、人権教育に関する指導方法の向上に努めます。 (8ページ) ウ 豊かな人間性や社会性を育むため、社会教育との連携を図りつつ、ボランティア活動等多様な体験活動や高齢者、障がい者等との交流の機会の充実に努めます。 エ 学校に対して、人権教育に関する多様な啓発資料を配付するとともに、研究指定校の実践例の情報を提供します。また、人権教育移動教室などNGO・NPO等と協働した人権教育の取組みを進めます。 オ 教職員が人権尊重の理念について正しい認識を持ち、いじめやセクシュアル・ハラスメント等を見逃さず適切に対応するとともに、体罰を許さない環境づくりを進め、幼児・児童・生徒の人権に十分に配慮したコミュニケーションが図られるよう、人権教育に関する研修会等の充実に努めます。 カ 幼児・児童・生徒や保護者等が、人権にかかわる問題を安心して相談できる体制の充実を図るとともに、関係機関と連携を図り、いじめ等の人権侵害を受けた幼児・児童・生徒の心のケアに努めます。 (2)社会教育  社会教育においては、生涯学習の視点に立って、社会教育関係団体等との連携を図りつつ、県民一人ひとりの主体性のもとに、人権が真に尊重される社会の実現をめざして、人権教育を推進します。 ア 地域の実情や学習者のニーズに応じて、県民一人ひとりが人権尊重の意識を高めることができるような学習機会等の充実に努めます。 イ 人権課題について正しい理解を深めるためのわかりやすい学習資料を提供します。また、参加意欲を高めるような参加体験型学習のプログラムの開発とその普及に努めます。 ウ 豊かな地域社会を形成するために、学校教育との連携を図りつつ、ボランティア活動等多様な体験活動や高齢者、障がい者、外国籍県民等との交流の機会の充実に努めます。 エ PTAをはじめとする社会教育関係団体等との連携を図りつつ、家庭教育における学習機会の充実のための支援や情報提供に努めます。 オ 地域において、人権教育を積極的に推進していく指導者の養成に努めます。 (9ページ) 2 人権啓発の推進  時代とともに、人権を取り巻く環境は変化します。しかし、常に人権を尊重する視点から物事を捉え、行動することは、すべての人の生きやすさ、暮らしやすさにつながるものです。  すべての県民が、人権尊重の理念についての理解を十分深め、様々な人権課題に対し、自分自身の問題として認識すること、また人権尊重の意識が態度や行動として日常生活の中に表れ、根づくことをめざし、あらゆる機会、あらゆる場を通じて、より効果的な啓発活動を推進します。 (1)多様な啓発活動の展開 ア 関係機関と協働・連携した県民参加型の啓発事業の実施  毎年12月初旬の一週間を「かながわ人権週間」とし、この期間を中心に、「神奈川県人権啓発推進会議」(企業、民間団体、市町村、県等で構成)や「神奈川県人権啓発活動ネットワーク協議会」(横浜地方法務局、神奈川県人権擁護委員連合会、県等で構成)の主催による、県民誰もが参加でき、また人権課題を日常の身近な問題として考えることができる人権啓発イベントなど多彩な啓発活動を、県内全域を対象として実施します。 イ 各種広報媒体を活用した啓発活動  人権尊重の意識を高めるため、テレビや新聞などのマスメディア、県のたよりやインターネットなど多様な媒体を活用した啓発活動を行うとともに、児童虐待の防止や女性に対する暴力の根絶など各人権課題に応じた啓発活動を展開します。 ウ 効果的な啓発活動の推進  啓発活動を効果的に行うため、次の点に留意して推進します。 (ア)人権課題に気付く啓発  無意識の何気ない言動や、よかれと思ってしたことが、時として相手を傷つけたり、人権を侵してしまうことがあります。人権課題に気付き、理解するという視点に立った啓発活動を行います。 (イ)「自分ごと」として考える啓発  人権課題に気付いても、自分の身近に影響が及ばないと他人事として済ませてしまいがちです。自分自身が被害者にも加害者にもなり得るという当事者意識を持って考え、解決に向けた行動につながるような啓発活動を行います。 (ウ)気軽に参加できる啓発  人権は、かけがえのない、それぞれの人生を「自分らしく生きる」ために保障されている権利です。人権というと「堅い」、「わかりにくい」といったイメージがつきまといがちであるため、気軽に参加できるような啓発活動を行います。 (10ページ) (エ)正しい理解を深めるための啓発  人権課題に関して、その存在に気付くだけでなく、正しい理解と認識を深めることも重要です。そのために、正確かつ適切な情報をわかりやすい方法で伝えていきます。 (オ)関心の度合いに応じた啓発  人権課題に対する関心の度合いは、それぞれ異なり、また、テーマによっても差があります。啓発活動の実施にあたっては、このような差異についてあらかじめ十分に分析し、ターゲット層や伝えたい内容を明確にした上で、効果的な手法を検討します。 (2)NGO・NPO等との協働・連携  啓発活動の推進にあたっては、様々な人権課題について、広く県民の皆様に理解を深めていただくことをめざし、各分野で活動するNGO・NPO等の啓発活動を支援するとともに、協働・連携して多彩な取組みを推進します。 (3)県民、企業等が行う啓発活動への支援  県民、企業等が人権に関する啓発活動を行うにあたり、県ホームページによる情報提供や、リーフレットの配布などにより、必要な資料の提供を行います。また、県が実施する啓発活動についても情報提供を行います。