第3章 人口動態調査 1 結果の要約 (1)出生数は増加  出生数は70,648人で、前年の73,475人より2,827人減少し、出生率(人口千対)は7.9で、前年より0.3ポイント下回った。 出生数を母の年齢(5歳階級)別にみると、15〜39歳は前年より減少し、15歳未満、40歳以上では増加した。 (2)死亡数は増加  死亡数は77,361人で、前年の75,762人より1,599人増加し、死亡率(人口千対)は8.6で、前年の8.4より0.2ポイント上回った。 死因別にみると、死因順位の第1位は悪性新生物(がん)、第2位は心疾患(心臓病)、第3位は老衰、第4位は肺炎となった。全死亡者に占める割合はそれぞれ30.2%、14.6%、8.2%、8.1%であり、死亡者のおよそ3人に1人は悪性新生物(がん)で死亡したことになる。 (3)自然増減数は減少  出生数と死亡数の差である自然増減数は-6,713人で、前年の-2,287人より4,426人減少し、自然増減率(人口千対)は-0.7となった。 死亡数が出生数を上回った市区町村は前年39市区町村であったが、平成28年は、横浜市中区、南区、保土ケ谷区、磯子区、金沢区、戸塚区、港南区、旭区、瀬谷区、栄区、泉区、川崎市川崎区、相模原市緑区、中央区、南区、横須賀市、平塚市、鎌倉市、小田原市、茅ヶ崎市、逗子市、三浦市、秦野市、厚木市、伊勢原市、座間市、南足柄市、綾瀬市、葉山町、寒川町、大磯町、二宮町、中井町、大井町、松田町、山北町、箱根町、真鶴町、湯河原町、愛川町、清川村の41市区町村と2区町増加した。 (4)死産数は減少  死産数は1,400胎で、前年の1,500胎より100胎減少し、死産率(出産(出生+死産)千対)は19.4で、前年の20.0を下回った。 (5)婚姻数は減少  婚姻件数は46,695組で、前年の48,263組より1,568組減少し、婚姻率(人口千対)は5.2で、前年の5.4を下回った。 平均婚姻年齢は、夫31.9歳、妻30.0歳で前年、妻は0.1歳下降している。 (6)離婚件数は増加  離婚件数は15,673組で、前年の16,234組より561組減少し、離婚率(人口千対)は1.74で、前年の1.81を下回った。     2 出生 (1)出生数  平成28年の出生数は70,648人で、前年の73,475人より2,827人減少した。(表1) 第1次ベビーブーム期(昭和22〜24年)に生まれた女性が出産したことにより、昭和46〜49年には、第2次ベビーブームとなり、1年間に12万人を越える出生数であった。昭和50年以降は、毎年減少し続け、平成6年以降増加と減少を繰り返しながら、ゆるやかな減少傾向であったが、平成13年からは5年連続で減少した。平成18年から2年連続で増加したが、平成20年からは再び減少傾向である。(図1) 出生率(人口千対)は、7.9で前年の8.2を下回った。(表1) 出生数を母の年齢(5歳階級)別にみると、15〜39歳は前年より減少し、15歳未満、40歳以上では増加した。(表2) 第1子出生時の母の平均年齢は上昇傾向にあり、平成28年は31.0歳である。(表3)     (2)合計特殊出生率  平成28年の合計特殊出生率は1.31で前年の1.33より下回ったが、平成18年からは増加傾向である。(表4) 市区町村別にみると、合計特殊出生率が高いのは川崎市宮前区(1.54)、川崎市幸区(1.53)、開成町(1.48)、松田町(1.46)、横浜市都筑区(1.43)等で、低いのは中井町(0.78)、山北町(0.96)、湯河原町(1.02)、箱根町(1.05)、横浜市南区(1.05)である。(表5、図2)     3 死亡 (1)死亡数・死亡率  平成28年の死亡数は77,361人で、前年の75,762人より1,599人増加し、死亡率(人口千対)は8.6で前年の8.4より0.2増加した。(表1) 昭和20年〜昭和30年代は2万人前後で推移していたが、その後上昇傾向となり、平成3年以降は4万人以上となり、平成11年以降は5万人以上となり、平成19年より6万人を超えた。 近年は人口の高齢化を反映して75歳以上の死亡数が増加しており、平成28年の死亡数の約7割を占めている。(図3) 年齢(5歳階級)別に死亡率(人口10万対)をみると、80歳以上の年齢階級で大きく上昇している。(表6-1) 死亡率性比(男の死亡率/女の死亡率×100)を年齢(5歳階級)別にみると、10〜14歳以外の年齢階級で100以上となっており、男の死亡率が高いことを示している。また、5〜9歳、15〜19歳、25〜29歳、60〜79歳の各年齢階級では、男の死亡率が女の死亡率の2倍以上となっている。(表6-2)        (2)死因 ア 死因順位  平成28年の死亡数を死因順位別にみると、第1位は悪性新生物(がん)で23,395人、死亡率(人口10万対)260.3、第2位は心疾患(心臓病)11,284人、125.6、第3位は老衰6,332人、70.5で第5位から第3位となった。(表7) 主な死因の年次推移をみると、悪性新生物(がん)は一貫して上昇を続け、昭和53年以降死因順位第1位となり、平成28年の全死亡者に占める割合は30.2%となっている。全死亡者のおよそ3人に1人は悪性新生物(がん)で死亡したことになる。(図4) 心疾患(心臓病)は昭和60年に脳血管疾患(脳卒中)にかわり第2位となり、その後も死亡数・死亡率とも上昇傾向を示している。平成28年の全死亡者に占める割合は14.6%となっている。 脳血管疾患(脳卒中)は昭和40年代には第1位であったが、低下を続け、昭和53年には悪性新生物(がん)にかわり第2位に、更に、昭和60年には心疾患(心臓病)にかわり第3位となり、その後も死亡数・死亡率とも低下を続け、平成28年は第5位で、全死亡者に占める割合は7.9%となっている。(図4、図5) 注:1)昭和54年〜平成6年については、「心疾患」は「慢性リウマチ性心疾患」「虚血性心疾患」及び 「肺循環疾患及びその他の型の心疾患」、「肝疾患」は「慢性肝疾患及び肝硬変」及び「肝 疾患(肝硬変を除く)」、「結核」は「呼吸系の結核」及び「その他の結核」を加算した。 2)昭和43年〜昭和53年については、「悪性新生物」は「悪性新生物(リンパおよび造血組織の新 生物を含む)」、「心疾患」は「慢性リウマチ性心疾患」「虚血性心疾患」及び「その他の心疾患」、 「不慮の事故」は「自動車事故」及び「その他の不慮の事故」、「肝疾患」は「肝硬変」及び「肝臓 の疾患(肝硬変を除く)」、「結核」は「呼吸系の結核」及び「その他の結核(後遺症を含む)」 3)率算出に使用した人口が、神奈川県統計センター「人口統計調査結果報告」のため、厚生労 働省発表の数値とは異なる。 イ 年齢別死因  平成28年の死因を性・年齢(5歳階級)別に構成割合でみると、5〜9歳では不慮の事故、10〜14歳では悪性新生物(がん)、15〜39歳では自殺が多い。40歳代からは年齢が高くなるにしたがって、悪性新生物(がん)の占める割合が多くなり、男では60歳代後半で、女では60歳代前半でピークとなる。それ以降は男女とも心疾患(心臓病)、脳血管疾患(脳卒中)、肺炎、老衰の占める割合は、年齢が高くなるとともに多くなり、90歳以上では男は悪性新生物(がん)、女は老衰が最も多くなっている。(図6−1) また、1歳未満の乳児死亡数を死因別にみると、先天奇形、変形及び染色体異常の占める割合が 多い。(図6−2) 注) 不明は総数に含む ウ 部位別にみた悪性新生物(がん)   悪性新生物(がん)について死亡数・死亡率を部位別にみると、「肺」の上昇傾向が著しく、特に男は、平成10年に「胃」を上回って第1位となり、平成28年の死亡数は3,200人、死亡率(人口10万対)で72.1となっている。 また、女の「大腸」は、平成13年に「胃」を上回って第1位となり、平成28年の死亡数は1,429人、死亡率(人口10万対)で32.1となっている。(表8、図7)     注)大腸は、平成7年から記載した。 4 婚姻  平成28年の婚姻件数は46,695組で前年の48,263組より1,568組減少し、婚姻率(人口千対)は5.2で前年を下回った。(表1) 婚姻件数は昭和40年代後半には7万組を超え、婚姻率(人口千対)も12.0以上で婚姻ブームを呈した。その後は組数・率とも低下傾向となり、昭和60年以降は増加に転じ、平成6年以降は増減を繰り返しながらほぼ横ばいに推移していたが、平成14年から4年連続で減少し、平成18年は5年ぶりに増加したが、平成19年は再び減少した。平成20年は増加に転じたが平成21年以降は減少し、平成24年に増加したが、平成25年からは減少となった。(図8) 平成28年の平均婚姻年齢は、夫31.9歳、妻30.0歳で前年、妻は0.1歳下降している。(表9) 初婚の妻の年齢(各歳)別に婚姻件数の構成割合を10年ごとにみると、ピーク時の年齢が上昇し、割合の高さは低下し、高い年齢の割合が増加している。(図9) 再婚の割合をみると平成28年は、夫17.9%、妻は16.1%で、前年より夫が0.3%、妻が0.2%減少した。(表10) 市区町村別にみると、平均初婚年齢が最も低いのは、夫が27.7歳で清川村、妻が26.8歳で湯河原町であり、最も高いのは夫が33.3歳で山北町、妻が30.9歳で真鶴町である。(表11)               5 離婚  平成28年の離婚件数は15,673組で、前年の16,234組よ561組減少し、離婚率(人口千対)は1.74で前年より0.07減少した。(表1) 離婚件数は昭和39年以降に増加傾向となり、昭和44年には5,000組を越えた。その後も増加を続け、58年をピークに減少に転じたが、平成元年から再び増加し、平成15年からは減少傾向となっていた。(図10) 離婚件数を同居期間別にみると、20年未満では前年より減少しているが、20年以上で増加している。(表12)