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様式３
審議（会議）結果
審議会等名称	第38回 神奈川県障害者施策審議会
開催日時	令和５年９月５日（火曜日）　14時00分から16時30分まで
開催場所	神奈川県庁東庁舎11階会議室（オンライン参加有り）
出席者	【会長】蒲原委員、【副会長】佐藤委員、（以下名簿順）嵩委員、鈴木委員、相馬委員、小山委員、市川委員、榛澤委員、清水委員、内藤委員、河原委員、小野委員、小杉委員、隈元委員、成田委員、在原委員（※）、眞保委員、德田委員、桐ケ谷委員、山梨委員（計20人）
（※）書面参加（別紙のとおり）
次回開催予定日	令和５年11月頃
所属名、担当者名	障害福祉課企画グループ　加藤
電話（045）285‐0528  　ファクシミリ（045）201‐2051
掲載形式	議事録
審議経過	以下のとおり

≪議　　題≫
神奈川県当事者目線の障害福祉推進条例～ともに生きる社会を目指して～に基づく基本計画（仮称）の素案について
≪報告事項≫
(1) 審議会等への障がい者の参加推進について
(2) 県立中井やまゆり園当事者目線の支援アクションプランについて
(3) 県立障害者支援施設の方向性について
(4) 厚木精華園職員による利用者への虐待について

≪配布資料≫
資料１－１：「神奈川県当事者目線の障害福祉推進条例～ともに生きる社会を目指して～」に基づく基本計画（仮称）素案の概要と策定状況
資料１－２：神奈川県当事者目線の障害福祉推進条例～ともに生きる社会を目指して～　に基づく基本計画（仮称）素案
資料２　　：当事者部会の設置について
資料３　　：審議会等への障がい者の参加推進について
資料４　　：県立中井やまゆり園当事者目線の支援アクションプラン
資料５　　：県立障害者支援施設の方向性について
資料６　　：厚木精華園職員による利用者への虐待について
参考資料１：ＫＰＩ・活動指標（案）一覧

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≪その他資料≫
　・　第６期神奈川県障がい福祉計画
　・　かながわ障がい者計画
　・　当事者目線の障がい福祉に係る将来展望検討委員会報告書
　・　神奈川県当事者目線の障害福祉推進条例～ともに生きる社会を目指して～
　・　みんなで読める　神奈川県当事者目線の障害福祉推進条例～ともに生きる社会を目指して～

【事務局による進行】
　・　福祉部長挨拶
　・　会議運営に関する事務連絡
　
【蒲原会長による進行】
（蒲原会長）
会長の蒲原でございます。本日も皆様の協力を得て、円滑に議事を進めていきたいとに思います。よろしくお願いいたします。
本日の議題の進め方についてです。次第にありますとおり、まず議題が１つあり、そのあと報告事項が４つあります。事務局からの説明の後、議事に入りますが、議題のところは総論と各論に分かれていまして、各論は９つの中柱が立てられています。
まず総論部分を10分程度、そして各論のうちの中柱１から４を30分程度議論して、10分間の休憩に入ります。
休憩後、残りの部分の中柱５から９を議論して、16時前後には報告事項に移り、概ね16時半には終わりたいと思います。よろしくお願いをいたします。
それでは議題「神奈川県当事者目線の障害福祉推進条例～ともに生きる社会を目指して～に基づく基本計画（仮称）の素案について」、事務局から説明をお願いします。

（事務局）
　資料１－１、１－２に基づいて説明

（蒲原会長）
ありがとうございました。それでは、皆様から御意見をいただきたいと思います。
まずは総論の部分について10分、時間を区切って皆様から御意見をいただきます。
総論部分は、資料１－１で言えば６ページから７ページ、資料１－２で言えば1ページから22ページのところで、まず皆様から御意見御質問等ありましたら、よろしくお願いします。それでは山梨委員、よろしくお願いします。

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（山梨委員）
障がい者の方の権利擁護の関係で、被害者としての権利について、かなりウエイトを置いて書かれておりますけども、仮に加害者として取り調べ等を受けるときに、その障がいの度合いによって適切な取り調べが行われない可能性等について、弁護士会さんの方も非常に心配をするところがありますので、等しく権利擁護を、という意味で、加害の場合についても一言触れていただけるところがあればなと考えております。

（蒲原会長）
ありがとうございます。では清水委員、よろしくお願いいたします。

（清水委員）
資料１－１の４ページ、下から２番目の『精神障害は他の障害に比べて遅れている』というところについて、先ほどの御説明では省略されていましたが、もう少し詳細に御説明いただきたい。

（蒲原会長）
　事務局から説明をお願いします。

（事務局）
資料１－１に記載しておりますとおり、精神障害は他の障害に比べて遅れている、現場をもっと知って当事者の声をしっかりと反映させてほしいという、そういった声がございました。精神障がい、また難病等に係る団体等へのヒアリングは実施しておりますけれども、それだけではなく、団体に属していない方々、そういった方々の声も今後反映させていきたいと考えております。
精神障がいにつきましては、今回の計画でも大変幅広く記載しているところでございます。相談支援、就労支援、また住宅確保支援など、多分野にわたる施策を各論に位置付けております。

（清水委員）
ありがとうございます。よろしくお願いします。

（蒲原会長）
それでは榛澤委員、よろしくお願いします。

（榛澤委員）
精神障がい者が遅れているということで、一つ例を挙げますと、公共交通機関で精神障がい者だけ半額ではないことがあります。
この基本計画の中にも、資料１－２の111ページ、5116「精神障害者の社会参加促進」という項目で、『県内バス運賃等の割引の導入拡大を図る』と書かれています。
長年、私たち当事者会も、神奈川中央交通等の神奈川県内を走っているバス運賃の半額を訴えています。
ここに記載のとおり、社会参加しやすい環境整備、また、引きこもりや孤立対策、孤独対策にとっても重要な取組みです。

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最近は京王線が、一級だけですけれども、精神障がい者の運賃割引を決めたり、名古屋鉄道が精神障がい者の運賃割引を打ち出したりしていて、そういう流れが少しずつできているので、神奈川県内としても、鉄道やバス会社に対して、より強い働きかけをお願いいたします。
また、ピア活動の推進について、計画の素案に退院促進に役立てると書いてあり、有効だとは思いますが、ピア活動やピアサポート、ピアカウンセリングというのは、もっと幅広いところで役立つと思っています。
地域で暮らす当事者同士がフォーマルなピアサポートの活動だけでなく、インフォーマルな中でもピアの支えあいがあり、その中で自助グループ、当事者会という言い方をしますが、それが増えてくると、当事者会はピア活動を活発にするための手段であって、それ自体が居場所ですし、当事者が社会と繋がるきっかけにもなり、まさに孤独・孤立対策にもなります。
そして、事業所・グループホームは、主にスタッフから支援を受けながら、受け身の立場で通ったり、生活リズムを整えたりと非常に重要ですけれども、やはり当事者の自主性や自立心が養われてリカバリーに繋がるのは、自助グループの良さではないかと僕は思っています。
僕も20年、当事者会、自助グループでピア活動をしています。
長く引きこもっていましたが社会に適用できるようになって、今は就労継続支援Ｂ型事業所でスタッフとして働けるようにまでなりました。
つまり、ピアスタッフになるだけではなく就労支援、就労するための能力をエンパワメントすることにも役立つと思っています。
これからの障がい者支援で、ピア活動というのは一つの鍵になると思うので、ぜひ力を入れてほしいです。
僕自身がピアサポート活動の恩恵を最も受けた人間の一人なので、体験からもそう感じます。
それから資格制度、例えば精神保健福祉士や心理士等がありますけども、当事者で精神保健福祉士を取る人が少しずつ増えています。
ただ、資格を取るにはお金の面での難易度が高いので、県の条例等でピアサポーターの資格制度を作ってほしいです。
ピアサポーターの人材育成があまり進んでいないという現状があり、その価値を分かっていながらなかなか発達しないのは、やはり自助グループが育たないことがあるので、資格制度があればもっと進むのではないかと思っています。

（蒲原会長）
ありがとうございました。
それでは各論のところにも入ってきましたので、総論と各論の前半部分まで含めて、御意見いただきたいと思います。
各論部分は９つの柱がありますが、そのうちの中柱１から４まで、資料１－２でいえば102ページまで、皆様から御意見御質問をいただければと思います。
それでは小山委員、よろしくお願いします。

（小山委員）
計画を作っても話し合いで終わってしまって、最後はアンケートを取って点数をつけて終わりといった感じで、結局、計画とは何なのだろうと思うことがあります。
当事者のためと言うけれども、結局どの程度まで進んだのか分からないことがあります。

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地方では、親や支援者、ボランティアの方は年配であることが多く、若い人がなかなか育たないというのが現状です。
そういった年配の方が支援を行うのは、専門家もいないし、難しいと思うのです。結局、親や自分の知っている支援者が苦労するという形で終わってしまいます。
計画を作成するのはいいのだけれども、継続することが大事であって、人が一番大事だと思うので、どうやってこれから人を育てていくのかと思います。

（蒲原会長）
ありがとうございました。それでは清水委員、お願いいたします。

（清水委員）
条例が施行されましたけれども、理念条例で終わってしまっていますので、これを実行条例にしていただきたい。
これを更には検証条例、検証条例から見直し条例にして改正という、良いループを作っていただきたいと思っています。
理念だけは大変立派ですけども、実行段階になるとどうなっているか分からない。そういった意味では、理念・実行・検証・見直し、そういう輪の形で展開していただきたいと思います。

（蒲原会長）
清水委員がおっしゃるように、ぐるぐる回していくというようなことは、実効ある取組みにするために大事だと思いますので、これまで出た意見も踏まえて、事務局からコメントがありましたらお願いします。

（事務局）
まず条例に関しては、基本的には５年ごとに見直しをしていきます。
この計画につきましても、６年の計画ですけれども、この中に障害福祉計画に該当する部分もありますので、中間年の３年で見直しという形でそこの部分は改定していきます。
また６年間の計画についても、この障害者施策審議会で評価をしていただいて、見直していきますので、そういう点では清水委員がおっしゃるように、循環していくような形で見直しを進めていかなければならないと思っております。

（清水委員）
よろしくお願いいたします。

（蒲原会長）
すごく大事なことで、計画を作って実行するというところがポイントだと思います。今のことも踏まえて、やり方を考えてほしいと思います。
それでは河原委員、よろしくお願いします。

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（河原委員）
資料１－２の43ページ「障害福祉を支える人材の確保育成」について、現在働いている方のスキルを上げる施策も大事ですが、これから人口が減っていく中で、いかに障害福祉に関わる人材を神奈川に呼び込むかという視点がとても大事ではないかと私は思っております。
市町村としては、この人材確保・育成について、県への期待感はすごく強いものがあります。
なので、専門的な研修の羅列の他に、人を呼び込めるような、この条例があってこういう福祉を推進しているから神奈川はやる気があるのだという、期待感を込めた人材確保というものがあるといいなと感じました。

（蒲原会長）
ありがとうございます。では徳田委員、よろしくお願いします。

（德田委員）
まず差別解消の関係で、相談窓口の設置等、具体的なことをいろいろ書いていただいている中で、資料１－１を見ると、差別に関する紛争の解決のためのあっせん等の調整を行う第三者機関の設置ということが挙げられているのですが、肝心の基本計画の中にはそれが入っていないような気がします。
そうだとするとこれは大事なことですので、具体的な取組みを基本計画のほうに書いていただきたいと思います。
そして、差別解消に関しては、相談窓口やあっせん等の調整を行う第三者機関の設置等、具体的な内容に言及されているのですが、かたや虐待の方を見ると、研修をしますとか、計画しますとか、抽象的な話にとどまっているので、相談窓口の拡充であるとか虐待に対する対応機関の設置であるとか、もう少し踏み込んだ具体的な施策を県として取り組んでいただきたいと思いました。
あと、障がいのある方が罪に問われた場合に、加害者とされている障がいのある方の刑事手続きへの支援も当然重要なのですが、障がいのある方がなぜそういう状況に追い込まれたのかというと、社会の中での生きづらさ、障がいがあることでの生きづらさがあって、それに対する福祉的な支援、合理的な配慮がなされていない結果、罪に問われるような状況になっていると言われています。福祉と司法が連携して更生支援をしていくということは国レベルで取組みがされていますが、そういった環境調整的な本人の更生支援、福祉的な生きづらさに対する支援をするというのは、こういう福祉の計画の中に落とし込むべきだと思いますので、その点も御検討いただけると良いのかなと思いました。
あとは、「地域生活を支える福祉・医療体制づくり」の項目で、「障害のある子どもへの支援の充実」や「障害当事者やその家族等への支援の充実」ということでいろいろ書いていただいております。
例えば、昨今話題となっていた優生保護の問題で、障がいのある方であっても産み育てる権利があるということが当然確立されているわけであって、産み育てることに対する具体的な支援ということも言及していただくといいのかなと思います。

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強制中絶や不妊手術を強制されないというのは当然のことですけれども、産んだ後というのが見落とされがちで、障がいがあるお母さんだとなかなか子育てが難しいということで、結局産んだ子どもを育てられないのではないかということで母子分離が生じているような実態がありますので、障がいのあるお母さんと子どもが分離されずに育てられるような支援体制も必要なのだろうと思います。
これ自体は、子どもの権利条約や国連の総括所見で家族を分離させないことについて言及されているので、産み育てることに対する支援についても言及していただきたいと思いました。

（蒲原会長）
ありがとうございました。それではここで、事務局からコメントありましたらお願いいたします。

（事務局）
貴重な御意見、どうもありがとうございました。
まず河原委員から、人材確保について御意見をいただきました。
「人を呼び込めるような中身も」という点について、処遇改善とか、そういった部分だけではなくて、神奈川の魅力的な部分を盛り込んでいけるようなものを、今後の事業、施策といったところで検討していきます。
また、介護の分野に比べると医療介護総合確保基金がなく、県の一般財源を使って取組みを進めていかなければいけないというところで、今年度から少しずつ取組みを開始しております。
今までやってきた研修ばかりが並んでいるような印象かと思いますので、そういったことも計画には盛り込んでいきたいと思います。
次に山梨委員から御意見をいただいております、障がいを持った方の加害の場合の権利擁護につきましても、大変重要なポイントだと認識をしたところでございます。
どういった書きぶりが良いか、この計画でどこまで書けるのか、関連する所属と検討していきたいと思います。
続いて、德田委員がおっしゃられた差別解消、あっせんの部分について、資料１－１には載せておりますが、まだ計画の素案に反映がしきれてない部分でございます。
大変申し訳ございません。今後速やかに反映させていきたいと考えております。
また、虐待に関しては、今後の取組みの方向性のところで、差別解消と比べると取組みが少ないような印象を持たれたと思いますので、そういったところもできるだけ記載をしていきたいと思っております。

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そして、産み育てることに対する支援について、冒頭で資料１－１の中で説明させていただきましたように、この計画はライフステージに応じて、また様々な障がいの状態に応じて支援を進めていくための計画ということで検討しておりますが、その辺りは児童相談所等の児童関連の所属とも連携して書く部分と考えますので、改めて検討させていただきたいと思います。
それから榛澤委員がおっしゃられたように、運賃割引については、県内ではこの10月から京浜急行が、精神障がいの一級の方に限りますけれども、割引をされるということで公表もされています。
バス協会等にも我々から働きかけているところではございますが、そういった取組みがさらに広がるように、引き続き働きかけを継続していきたいと思っております。
それからピアサポートに関しては、資格制度をどこまでできるかというのはありますが、研修については今まで体系的に実施できていなかった部分もあり、しかも精神障がいの方に割と限られてきた、退院促進との関係だけで割と進んできたところがありますので、もう少し広めに体系立ててやれるようにしていきたいと考えております。

（榛澤委員）
アメリカでは当事者がピアスペシャリストとしてすごく活躍しており、仕事としてピアサポーターの活動が活用されているというのを聞いたことがあります。
ピアサポートをやりましょうという声掛けや養成講座だけでは本格的には広まらないと思うので、ピアサポーターの力を引き出す、当事者だからこそできることを引き出すために、県で制度としてそういうことができないかどうか、職業として何かできないか、ピアスペシャリストに関してよくお調べいただいて、進めていただけるとありがたいです。

（事務局）
参考とさせていただきます。ありがとうございます。

（蒲原会長）
いろいろ意見が出ましたので、これらを実効あるものに考えていただき、計画に書けるものはそれを落とし込んでいくということで、ぜひよろしくお願いしたいと思います。
それでは市川委員、お願いいたします。

（市川委員）
２点ほどお話させてください。
資料１－２の45ページの2105「発達障害児者への支援者育成」のところで、かながわＡ（エース）のことが書いてあります。
今私どもの住んでいるところでも、発達障がいの診断を受ける方がとても多くなりまして、特に知的障がいで中軽度の方がとても増えてきています。

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福祉サービスと繋がっていない方は、相談するとか、困りごとに対しての支援先が足りないなと思っています。
かながわＡ（エース）も最近は人員が減ってきておりまして、それを少し心配しています。
２点目ですけれども、私の住んでいるところでも計画の中に、高齢化、重度化した方のグループホームは、別に数を記載することになりました。
ただ、重度の知的障がいや発達障がいのある方の支援が本当にできているかというチェックについては、何もない感じがしています。
県でも、セルフチェックからでもいいので、チェックをする指針を作っていただけるといいなと思っております。

（蒲原会長）
ありがとうございます。それでは清水委員、よろしくお願いいたします。

（清水委員）
経済的な支援の言葉が全くありませんが、家族や当事者に対する個別の経済的な支援について、配慮していただけないのかという気がします。
条例の中で、「障害のある人や障害のある人の生活を支える家族のお金などの心配を減らすための施策」と「障害のある人がお金などに困らないようにする施策」を講じると書いてあります。
そういった意味では経済的な支援もやっていただきたいと思います。

（蒲原会長）
県でどこまでできるかというのもありますので、今後の検討課題になるかもしれません。それでは嵩委員、お願いいたします。

（嵩委員）
一点目は、資料１－２の116ページ、意思疎通支援の充実で、その人材を育てるというところですが、手話通訳者の数がこれから減ってくるという見込みがあります。
派遣もなかなか難しい状況になるので、今まで以上にその辺りの支援をお願いしたいと思います。
二点目は、電話リレーサービスについてです。
２年前に公的なことを含めて始まりました。これからは聴覚障がい者の格差を解消することが非常に大事になると思いますので、さらなる支援をお願いしたいと思います。
まだまだ会社で電話リレーサービスを自由に使えるという状況にはなっておりませんが、使えるようになると就労の面でもっと良くなると思いますので、積極的にＰＲをお願いしたいと思います。
そして三つ目は、盲ろう者のことです。
聞こえなくて見えなくなった方、そういう方が増えてきています。
今後もっと支援が必要になってくると思います。
神奈川県聴覚障害者協会としても支援をしていくつもりですけれども、県でも支援をよろしくお願いします。

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（蒲原会長）
ありがとうございました。それではここで事務局から、お話できることがあればお願いします。

（事務局）
まず市川委員からお話をいただいたとおり、発達障がいの診断を受ける方が増えていると思います。
知的障がいの中軽度の方々となると、最初から一般就労していることもあり得るため、福祉サービスに繋がっていない場合、就労が難しくなった場合に支援に繋がっていないというのは課題だと思っております。
相談窓口としてかながわＡ（エース）は重要であり、体制的な話は課題だと思っておりますので、そこは充実させていきたいと思っております。
かながわＡ（エース）に限らず、発達障がいの方への支援は、相談窓口というところが重要だと思っておりますので、そこは充実させる方向で考えていきたいと思います。
それから清水委員がおっしゃられた経済的支援の部分は、条例にも記載をされていますので、例えば年金制度という話になると国の制度になってしまいますが、医療費の助成等は県でも取組みをしていますので、そういったことを県として実施していくのかなと考えているところでございます。
それから嵩委員がおっしゃられた、手話通訳者が減少していくという点について、県所管域では藤沢の聴覚障害者福祉センターで手話通訳の養成をしておりますが、講習を受ける期間も長く、認定試験も通らなければいけないという、かなりのレベルが求められることもあり、なかなか人数を養成できていないところがありますので、今後も手話通訳者の養成を進めていきたいと考えております。
それから、電話リレーサービスにつきましては、これは絶対必要だと思っておりまして、聴覚障がいの方ご本人や、聴覚障がいの方が通話する先の事業者等への周知ということも必要だと思っておりますので、それは引き続き進めさせていただきたいと思います。
それから盲ろう者に関しましては、手厚い支援が必要だと思っております。
県でも通訳介助員の方を養成していますけれども、併せて相談窓口として盲ろう者支援センターを設けていますので、今後も支援を充実させていきたいと思っております。

（蒲原会長）
ありがとうございます。それでは小野委員、よろしくお願いいたします。

（小野委員）
先ほど河原委員からも御意見が出た、人材確保の点について、意見を申し上げたいと思います。

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資料１－１の10ページの中柱１「ともに生きる社会を支える人づくり」の中に、人材の確保育成として、『大学生、企業転職者、高齢者等をターゲットにした取組の推進』と記載されています。
河原委員がおっしゃったように、人材確保というのは今、福祉分野の最重要課題になっており、こういった多様なキャリアの方の参入を進めていくのは、人づくりという点においてとても重要だと思っております。
その一方で、その新たな層と言いますと、無資格、未経験の人材というのが想定されます。
そういった方々であれば、その障害福祉サービスの意義や、対人援助を行う上での基本姿勢や倫理感を学ぶ機会が必要になるのではないかと思います。そうした時に、主な数値目標はこれから内容はこれからブラッシュアップされていくのだと思うのですけれども、こういったものの中に、初めて障害福祉に携わる方に対して、対人援助の基本姿勢を学ぶ機会といったものを含めていただけたらいいのかなと思っています。各事業所の努力にゆだねるというだけではなくて、県としても具体的な研修として盛り込んで人を育てていくということが、権利擁護や虐待の防止に繋がると考えますので、そういったものを盛り込んでいただけたらよろしいかと思います。

（蒲原会長）
企業転職者というターゲットは、福祉業界の中で異動があってもあまり効果がないので、福祉業界の外の人たちを入れるという点で大事なことだと思うのです。
今お話があったように、きちんと研修をする、また一方で、企業転職者の場合は企業で培ったいろいろなノウハウを使える可能性がありますので、そういった意味で大事だなと私も思いました。
それでは鈴木委員、よろしくお願いします。

（鈴木委員）
人材の確保について、まず同行援護の従業者等の育成は研修事業者に委ねられているところがあって、人員の育成があまり伸びていないという現状があります。
他県では、県が主導でそういった研修を実施しているところもあるので、その辺りを含めて考えていかないといけないかなというのが１点目です。
２点目に、視覚障がいの方の意思疎通、いわゆる代筆代読を行う者の養成についても、基本的には計画の中で立てていく必要があるかなというのが２点目です。
３点目に、点訳者や音訳者、いわゆる読書バリアフリーについて、今は市町村の広報紙等、様々なものが点訳されたり翻訳されたりするわけですけれども、このボランティアの方々を、ボランティアとして取り扱った方がいいのか、それとも一つの仕事として、点訳や音訳業務を行ってもらう方がいいのかというのは課題だと思いますが、こちらもやはり人員が足りていないという点があります。

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そして４点目、同じ障がいのある方がピアサポーターに相談する点について、イギリスでは失明した場合、眼科に視覚障がいの人がいて、精神的だったり、福祉のサポートをするという仕組みがあります。
これは県だけではなく、眼科医会等と協力しあって体制づくりをする必要があるだろうと考えているところでございます。

（蒲原会長）
いずれも大事な意見だと思いますので、ここで事務局からコメントをいただいた後、休憩に入りたいと思います。それでは事務局、よろしくお願いします。

（事務局）
まず、小野委員と蒲原会長からお話をいただいた人材確保について、企業等からの転職者、福祉分野と違ったノウハウを持ってらっしゃる方に来ていただくのはすごく貴重だと思っております。
いろいろな方が入っていただくのは、確かに権利擁護等を考えますと、倫理感というところが大事になってくると思いますので、何か計画の中で記載ができるか考えたいと思います。
それから鈴木委員がおっしゃられた、まず同行援護の従事者の養成研修について、県では、実施している事業所を指定することで取組みを進めておりますが、今後どうしていくのか、検討する上で参考にさせていただきます。
それから、代筆代読、それから点訳もしくは音訳されているボランティアの方々のお話については、昨年度実施したライトセンターのあり方検討会でも御意見をいただいて、委員の方々からの御提言としていただいているものの中にも含まれていますので、今回の計画に盛り込めるのかどうか、検討させていただきたいと思います。
それから、視覚障がいのピアの方が相談に関わるような体制づくりというお話について、これもライトセンターのあり方検討会の中でも、似たような形で御提言いただきました。どういう相談支援体制が良いのか、また、今回の計画に盛り込めるかどうか、検討させていただきたいと思います。

（蒲原会長）
ありがとうございました。ピアの話は先ほどの榛澤委員の話とも関係するところがあろうかと思いますので、並べて御検討いただければと思います。
それではここで10分間の休憩に入ります。よろしくお願いいたします。

～10分間の休憩～

（蒲原会長）
それでは後半の議事を再開したいと思います。
後半ですけれども、中柱５から９を中心に、これまでの部分も含めて、皆様から幅広く御意見をいただきたいと思います。

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まずは事務局から説明があるようですので、よろしくお願いします。

（事務局）
先ほど市川委員から重度障がい者の支援ということで、グループホームのお話が出ておりました。本日欠席の在原委員とも勉強会を行っており、グループホームの現状把握と質の向上に向けた検討などについて、障害サービス課として取り組んでいるところです。
御意見のありましたセルフチェックについて、監査も当課で担当しておりますが、監査では自己点検シートというものを作って、各事業所がみずから自分の施設や事業所について、どういう支援ができているかをチェックするものを作っています。
そういった中で、地域生活移行を中心に受けていただくグループホームについても、やはり質の向上に向けた強化は必要だと認識しておりますので、それを踏まえた形で今後充実させていきたいと思っております。

（蒲原会長）
ありがとうございました。それでは後半の議論に入っていきたいと思います。まず榛澤委員、よろしくお願いします。

（榛澤委員）
先ほど清水委員の方から経済的な支援という話がありましたが、資料１－２の５ページ、上から３行目からの記述で、今まで給付中心だったものが変わっていくと書いてあるところが気になりまして、給付は時代遅れで、もういらないのかと受け取りかねないような表現だと思いました。
やはり今でも給付を必要としていて、少ない収入の中で、そういう給付や手当等で何とかしのいでいる人もいます。
ある市町村で障害者手当を廃止するといった話を聞いたことがありますが、これは県として給付は今までみたいにいらないということなのでしょうか。

（蒲原会長）
大事な点だと思います。事務局から説明をお願いします。

（事務局）
資料１－２の５ページの記載について、憲法第25条の「生存権保障」を軽視しているわけではなく、給付というのは当然必要なものだと考えておりますので、そこを県としてなくしていくという考えはもちろんありません。
憲法第13条の「幸福追求権」についてもベースの考えとしてあって、それによってサービスの拡充であったり、今までなかなか社会保障制度として制度化できていないような対象の方々もいらっしゃる中で、そういった方々にも支援が行き届くように、という意味合いでここは記載をしておりますので、もし誤解が生じるような記載であれば、修正したいと思います。
決して給付をなくしていくという考え方ではありません。

（14/24ページ）

（榛澤委員）
実際に困る人がたくさんいるにもかかわらず、時代に合わせた新しい施策が必要で、お金がかかるから今までの制度をなくそうという発想は、当事者目線の施策とはとても言えないような感じがします。
仮に市町村が、当事者目線の施策をこれから進めていこうとする県の方針と違う施策をやろうとした場合、市町村への指導はできないのでしょうか。

（事務局）
政令市に限らず、市町村と都道府県は、基本的には地方公共団体として対等なので、指導権限が特段あるわけではありません。
指導という話であれば少し難しいとは思いますが、計画の記載というお話であれば、当然給付も大事なことだと思っていますので、そこは御理解いただければと思います。

（蒲原会長）
仮にそういった市町村があった場合は、少し丁寧に状況を聞いてコミュニケーションをとって進めるということだと思います。
また、ここの文章の趣旨については榛澤委員も了解しているということなので、もう少しいろんな人の幅広い意見を聞くということでよいかと思います。
それでは成田委員、よろしくお願いします。

（成田委員）
まず榛澤委員がおっしゃった、資料１－２の５ページのこの文章については、私は書いていただいてよかったなと理解しています。
幸福追求権について、これからは考えていこうという姿勢に関して、非常に良い文章だなと思います。
行政という立場で幸福を追求するということには、経済的なことも含まれていると思いますので、これが計画全体に反映されればいいなと感じました。
私が話をしたいと思ったのは、一つは資料１－２の156ページ、「憲章（条例）の普及啓発」の『「いのちの授業」の活用など、引き続き市町村や団体、教育と連携した取組みを進めます』という文章があります。
これは中柱１「すべての人の権利を守る仕組みづくり」にも関係がありますので、やはり人権教育とか教育の部分が、ここの部分にもう少し関わる必要があると思います。
小さいときから人権意識や差別、いじめ等に県全体として関わるという意味で、もう少し教育の役割といったことをどちらかの中柱で述べてほしいという思いがあります。
「いのちの授業」について、「憲章（条例）の普及啓発」にしか具体的に書いていないが、県と県教育委員会でも人権教育がすごく大事に関わっている部分だと思うので、もう一歩踏み込んだ内容が、中柱１（１）か中柱７のどちらかに書いてあると嬉しいと思っています。

（15/24ページ）

それから171ページの8104「一人一人の教育的ニーズに応じた教材、支援機器等の活用」という部分の具体例が、視覚障がい等のある児童・生徒に限られているように思いました。
表記がそこだけになっていますけれども、今、ＧＩＧＡスクール等でｉＰａｄの1人1台とか、もっといろんなところで進んでいる部分がありますので、そちらについても表記をしていただければありがたいと思いました。
そして172ページの8109、8110、8111について、すごくいいなとは思ったのですが、具体的なことでいうと『県立保健福祉大学・大学院等においては』という部分に限られてしまう。
県の取組みとしてはそういう環境の推進を進めるという大きなものがあって、その上で『県立保健福祉大学・大学院等では』という書き方にしていただくと、県全体で取組む課題ということが、わかりやすいかなと感じました。

（蒲原会長）
ありがとうございます。それでは眞保委員、よろしくお願いいたします。

（眞保委員）
では私の方からは中柱の６と９について、お話させていただければと思います。
まず資料１－２の150ページ、6201ですけれども、昨年12月に障害者雇用促進法が改正され、より一層、雇用の質の向上というところに視点があたっておりますので、「一般就労及び定着支援の強化」とありますが、やはり雇用の質の向上にも言及する必要があるのではないかと思います。
次に6205「チャレンジオフィスの設置」について、大変良い取組みとは思います。
ただ、障害者雇用率が令和８年に向けて2.7％、自治体におきましては３％と設定されていまして、実雇用率上のヨーロッパ並みということになります。
民間事業主が雇用率達成に向けて雇用を促進する中で、期限に定めのあるチャレンジオフィスでの雇用確保は難しくなってくると思われます。
これにつきましては会計年度任用ということで、長期の雇用ということではなく、チャレンジオフィスで訓練をして、一般の労働市場に送り出すという役割だと思っておりますので、切れ目のない雇用への移行を支援するような取組みも文言として入れていかないと、チャレンジオフィスで必要な人員を確保することも難しくなってくると思われます。
県の雇用の向上のためにも、そうした文言を御検討いただければと思います。
151ページの6211「就労継続支援Ａ型事業所への指導・支援」の上から４行目に、『安易な事業参入の抑制を図る』という文言がございます。
最近はＡ型事業所だけではなくて、実は就労支援Ｂ型事業所も大変数が増えてきている状況があります。
株式会社設立の新たな事業所の参入が続いている側面がございますので、Ａ型事業所だけでよろしいのかということを申し上げたいと思っております。
手厚い支援をする社会福祉法人が、むしろ利用者の確保が難しくなっている現状も見受けられます。

（16/24ページ）

それから、余暇支援のところです。
中柱９（１）からの9000番台、スポーツの支援や余暇支援について、主に障がい者の方を念頭に書かれているのですが、実は大人になってスポーツをしたり、あるいは趣味を楽しんだりするためには、子どものうちから余暇活動のスキルやスポーツのスキルを獲得することが必要になってきますので、ぜひ子どもの余暇活動の支援ですとか、スポーツの参加について、子どもという形で言及をしていただければと思います。

（蒲原会長）
貴重な観点からの御意見、どうもありがとうございました。
それでは河原委員、お願いいたします。

（河原委員）
前半の部分と後半の部分で数点、触れさせていただきます。
まず前段のところで人材確保について、いろいろと各委員の方から御意見いただいて良かったと思っております。
神奈川県自立支援協議会の人材育成の部会で、相談支援専門員の人材育成ビジョンを作成しております。
今後、サービス管理責任者、児童発達支援管理責任者についても、人材育成ビジョンを作る予定だと聞いておりまして、これは県の自立支援協議会の取組みですので、こういったものがあるということを計画の中で御紹介いただけるといいかなと思いました。
それから、先ほどお話のあったグループホームとＡ型事業所について、Ａ型事業所に関しては、いろいろな事業所が乱立したことを反省して先ほど御説明いただいたような指導が入ったのですけども、グループホームに関しては、社会福祉法人のほかに民間のグループホームの参入が多くて、自己点検リストだけでは追いつけないような、いろいろな実態があると思うのです。
県は当然、指定要件を満たせば指定をせざるをえないというのはよくわかるのですけども、例えば１～２年後に、このＡ型事業所への指導に近いようなものを県で作成していただいて、しっかりと質を担保する仕組みを実施していただけると、今後の地域移行の中でグループホームはすごく重要なポイントになってくると思いますので、御検討いただけたらと思いました。
それから資料１－２の59ページ、「相談支援専門員による障がいサービス等利用計画等作成率（障がい児）」の数値目標が、現状が34.6％で目標が36％と非常に低い。
障がい児の計画相談の事業所が足りないことは、県内の各市町村でも同様にあって、これが医療的ケア児の問題になってくると相談支援専門員が絡むケースが多いと思います。
そういう点では障がい児支援について、何らかの施策を打たなければいけないのではないかなと感じております。
それから所得補償について、大阪府箕面市や滋賀県で、社会的事業所とか社会的雇用という名称で所得保障を行っている市町があります。
そういった事例も今後参考にしていただければいいかなと思いました。

（17/24ページ）

それから教育と福祉の関係ですけども、学校を卒業して成人になって福祉事業所を使いますが、そことの繋がりがうまくいっていない。
学校での計画と卒業して事業所で受ける計画に当たっては、シームレスになっていなくて切れ目ができてしまっているのではないかなというのが実感としてあります。
世代が変わる時につなぐ仕組みが今後大きな仕掛けとして大事ではないかなと思いますので、検討をお願いいたします。
そして事業所の指定の話ですけれども、Ａ型事業所もＢ型事業所もグループホームも、民間も含めて事業所の指定が多くて、市町村が全くその情報に追いついていないことがあります。
ぜひ、県から市町村に、事業所の指定について情報を提供していただけると、県と市との連携が取れるのではないかなと思いました。

（蒲原会長）
ありがとうございます。
事業所指定の件は、事業所が指定されても市町村に情報が来ていないということが起こっている。市町村単位で地域の障害サービスをいろいろ組み立てる上での大前提になるので、大事な指摘だと思いました。
それでは徳田委員、お願いいたします。

（徳田委員）
スポーツに関して、追加で意見を言わせていただければと思います。
いろいろ書いていただいていますが、もっと身近な取組みについて書いていただきたいなと思います。
具体的に言うと9202に関係するところですけれども、例えば今、障害者スポーツを楽しもう、取り組もうといった場合に、御本人のやる気であるとか親御さんに関心があって、いろいろ調べて、ようやく障害者スポーツに関わるような機会を知ることができるというのが現状だと思います。
ましてや障がいのない方が障害者スポーツを観戦したい、自分も車いすバスケットや車いすラグビーやってみたいとか、障がいがない方でも車いすに乗って一緒に楽しみたいといった場合、どこでそういったスポーツをやっているのか、そういうことができるのかという情報が全くない。
そういった情報をきちっと提供するということに力を入れていただきたいし、誰もが障害者スポーツに取り組めるような場や施設を増やしていただきたい。
例えば資料１－２で、当事者からの御意見として『インクルーシブな公園を作ってほしい』という声が上がっていると書いてありましたけれども、これをもっと推し進めて、誰もが障害者スポーツ、ないしは障がいのない方が参加しているスポーツにも広く参加できるようなスポーツ公園が県に数ヶ所あれば、非常に障害者スポーツ自体も普及、浸透していくのではないかと思います。例えばある施設のＡ面では車いすバスケをやっており、Ｂ面では障がいのない方がバスケをしている、Ｃ面では双方が参加してバスケをやっていたり、あるいはトラックでは装具を付けている方が走っていたり、車いすの方が走っていたり、あるいは障がいのない方が走っていたり、みんながそういうふうに普通に同じ空間で、それぞれの取り組んでいるスポーツをやる環境があれば非常に身近に感じることができます。

（18/24ページ）

スポーツ公園を作るとなると非常にお金もかかるとは思いますが、誰もが身近に感じられるような機会の提供という中で、より踏み込んだスポーツ公園の設置であるとか、その前提として情報の提供であるとか、そういったことに言及していただくとすごく良いのかなと思いました。

（蒲原会長）
貴重な御意見ありがとうございました。
それでは鈴木委員、よろしくお願いします。

（鈴木委員）
まずスポーツのところですけれども、例えば地域の体育館のジムだったり、地域のプールだったり、そういったところに障がいのある人が行った時でも、ちゃんと受け入れられるような体制づくりを県として主導していってほしいというのが１点目です。
２つ目、教育のところですが、国連から日本のインクルーシブ教育について提言があったわけですけれども、ただ一緒に学校に行っていればいいわけではなくて、例えば、それに必要な教材、例を挙げれば、視覚障がいの人だったら、日本地図の都道府県がパズルになっているものや、立体になっている地球儀がありますし、理科の実験でもそういう配慮されたものがあります。
インクルーシブな教育は一緒にいるだけではなくて、そういった教材もきちっと準備することだったり、それから、そういったきちっとした教育ができる教師を置くということを、インクルーシブ教育を進めるならばそこまできちっと対応すべきではないかと思いますので、計画に盛り込んでほしいなということが２つ目です。
３点目は選挙について、これは県の問題というより国の問題だと思いますが、いわゆる市町村の選挙というのは、公示から投票日まで１週間しかなかったりします。
今の郵便事情は非常に悪いので、視覚障がいの人たちに対して点字や音訳の選挙公報が届くのは、公職選挙法で定められている選挙の期日前２日までには届かないこともあります。
そうすると読むことができないので、例えば立候補者の説明会の数週間前に選挙広報だけはもらっておいて準備をして、立候補した段階ですぐに送ったり届けたりするという形をとっていただけると良いと思うので、これに関する公職選挙法改正について、県から国へ要望していただくことはできないかと思っています。

（蒲原会長）
ありがとうございました。そうしましたらここで、事務局からコメントがありましたらお願いします。

（事務局）
様々な観点から御意見をいただきありがとうございました。

（19/24ページ）

この計画を作っていくに当たりまして、教育という部分をいかに福祉とかけあわせて書いていくかというのが課題だと思っております。
冒頭で説明させていただきました資料１－１にも、現時点でのイメージ図を載せておりますが、目指すべきものが20年後の地域共生社会というふうに大きな目標を掲げています。
20年後と考えると、長いようで実はすごく短いもので、当事者目線の考えというものが20年後にいかに浸透していって、そういった方々と力を合わせて地域共生社会を作っていくとなると、まずその教育という部分、幼いところからスタートしていくというのは非常に重要だと考えております。
ただ、どうしても現時点で書ききれない部分がまだまだ多くあるという課題をいただいております。
今後も皆様から御意見いただきながら計画を作っていきますので、今回いただいた御意見をなるべく反映させて、また所属の方にも返しながらこういった書きぶりができないだろうか、こういう施策を考えていけないか、そういったところも踏まえて検討していきます。
次に眞保委員から御意見いただきました、Ａ型事業所だけでなくＢ型事業所にも指導を、という話でございますが、おっしゃる通り、Ｂ型事業所にもそういった課題があるということは承知しているところでございますので、盛り込む必要があるかどうか、もう少し実態を確認しながら検討させていただきたいと思います。
続いて河原委員から御意見いただいたグループホームの指定のお話ですけども、地域生活移行の重要な役割を担っていただくようなグループホームについては、書面だけの審査ではなく、実際に指定前に訪問して実態を確認するなど、そういった取組みも今後は実施していこうと考えているところです。
また管理者の面接も、重点的に強化をしていきます。
そして事業所指定後の市町村への情報提供でございますが、地域生活移行については、今後、市町村の役割も重要になってくると認識しております。
指定後の情報については、どういった情報がいつごろ必要なのか等を踏まえて、市町村と確認をしながら連携を図っていきたいと思います。

（蒲原会長）
ありがとうございます。それでは小山委員と佐藤委員から御発言いただいて、議題は終了したいと思います。
まず小山委員、よろしくお願いします。

（小山委員）
雇用について、募集要項と実際に働く内容が全然違ったりします。
最初は施設内労働で楽な仕事かなと思ったら、急に施設外労働できつい仕事をするということもある。
知的障がい者は多少きつい仕事をしても大丈夫だと思われている気がして、今も働きづらいと感じています。
また、Ｂ型事業所はなぜ雇用契約を結ばないのかと思います。

（20/24ページ）

Ｂ型事業所でも大変な作業をしている場合もあるし、土日に出勤する場合もあるので、結構きついと思うことがあります。
Ａ型事業所は決まった1日を過ごすけれども、Ｂ型事業所はそうではない時があるとも聞いています。
これからは公平に扱ってほしいと思うが、なかなか変わらないと感じています。

（蒲原会長）
ありがとうございます。それでは佐藤委員、よろしくお願いします。

（佐藤委員）
皆様の議論を聞いていまして、これは重要だなと思う点が１点ございます。
資料１－２の５ページに掲げられている、先ほど榛澤委員がお話になった文章です。
事務局の説明にもありましたが、県と市町村は対等平等な関係に地方自治法上ありますので、特別法があれば別ですけれども、なかなか県が各市町村に指導するというのは難しいだろうと思います。
また、この文章は大変重要でして、幸福追求権というものを根拠にしていろいろ取り組んでいくということを押し出しているわけです。
これはとても大切な表現だと思いますけれども、幸福追求権を追求する、保障するということの要に来るのが、憲法の研究者の主要な見解としては、意思決定の支援をすることになるのです。
意思決定の支援の仕組みをどういうふうに計画の中に立てているかというと、残念ながら成年後見のことしか書いてないわけです。
何度も申し上げておりますが、意思決定支援をする人で一番重要なのは、職員です。生活支援をする人です。
そういう人たちに意思決定支援の理念や考え方を、きちんと教える研修をやらなければならない。
資料１－２の31ページや40ページにそれに関する記載がありますけれども、成年後見の普及しか書いておらず、これでは足りないわけです。
少なくとも県の事業として、生活支援の従事者に対する意思決定支援の研修をやっていただきたい。
それと同時に、成年後見以外にも日常生活自立支援の制度をはじめとして、それ以外の権利擁護の仕組みがたくさんあるはずです。
神奈川県ではやっていませんけれど、横浜市では後見的支援というものを行っていますから、そういったものに取り組んでいくのだということをここに盛り込んでいくことが必要になってくるはずです。
国の基本計画も、成年後見の数だけ増やせばいいなんてことは書いていないわけです。
いろんな権利擁護のシステムがあって、そのシステムを適切に使っていくということを促進していく。
この辺りの文章は、そういう方向で書き変えてもらいたいと私は思っております。

（蒲原会長）
ありがとうございます。それでは榛澤委員、お願いいたします。

（21/24ページ）

（榛澤委員）
今、佐藤委員が、県と市は対等であるとおっしゃいました。
だから、仮に市町村が県とは異なる方向で施策を行うとしても、県から市に指導できないということでしょうか。

（佐藤委員）
法律上はそうなっています。
県としては、当事者目線の障害福祉を推進するという方向で動いてくださいとお願いする、そういう立場にあるということです。

（蒲原会長）
おそらく法律的にはそういう整理になっていて、県からこういうふうにしたらどうか、ということは言えるが、最終的に従うかどうかについては市の判断になるということだと思います。
その時に、市に対するいろいろな市民の声とか、当該市中に住んでいる事業者の声が届くことによって、法律の仕組みとは別に、やはりこれはよくないのではないかということで、方針が変わるということは十分あり得るのではないかと思います。
それでは山梨委員、よろしくお願いします。

（山梨委員）
確かに制度上は地方議会がありまして、2000年の地方分権一括法によって、国、都道府県、市町村は対等関係になりました。
従来のように国が決めたことを下請けするようなことがなくなったために、自由度が広まりました。
そのため、建前上は県が考えたことにぜひ協力しなさいと言われ、実際には当然正しいことなので我々市町村もやります。
先ほど少しお話ありましたけども、例えば葉山町においては、当然給付制度を今までのものも一緒にやっていますし、年間で葉山町は100億円しか一般会計がない中に、3000万円ぐらい補正をして追加予算を出すぐらい、児童福祉を中心にお金をかけているというのを私は感じています。
また、葉山町は県の「ともいき」の勢いを受けて、障がいがある方、また障がいがあるのではないかという、いわゆるグレーゾーンの方々もたくさん住んでくださっておりまして、小学校と中学校の連携とか、教育と労働の連携を手厚くやらせてもらっている自負があり、たくさんの皆様の声をいただきながら独自にやっています。
県の施策でなくても、独自に我々は強くやっていこうと思っているところもあるので、前向きに考えていただけると、色がある町、あまりやる気がない町というカラーが出てきているのも、我々市町村の中では競争するつもりで、より多くの方々がノーマライゼーションの中で一緒に住んでいこう、という気持ちを発信することで、市民の方々に良い町だと思ってもらうことを目指していますから、ぜひそういった町かどうかを御判断いただきながら、住んでもらえたら嬉しいなと思います。
当然、民主主義の制度にはなっているので、それぞれのカラーが出ますが、私が感じるのは、例えば住宅が多い地域はやはり住民中心の施策が多くありますが、観光で100％成り立っている町は観光業が中心となる町の民主主義が働きます。

（22/24ページ）

工業地帯は工業中心というふうになりますから、そういう意味ではカラーが出ておりますけども、こういった障がいや社会福祉に関しては日本国憲法第25条の大前提となっている『国は』で始まる唯一の義務的行為なので、これを守らない自治体はないと思います。

（佐藤委員）
話が少し脱線してしまったので、私の意見としては、繰り返しになりますが、意思決定支援の仕組みについて、もう少し整備していただきたい。
それから、日常生活支援事業について、神奈川県社会福祉協議会に対して県がお金を出しているはずなので、そういう数値もどこかに上げてもらいたいと思います。

（蒲原会長）
副会長の御意見、意思決定支援の関係で施策をやるということは大事だと思います。
それでは事務局からお願いします。

（事務局）
皆様、貴重な御意見ありがとうございました。
当事者目線の障害福祉は、県全体で進めていかなければいけないことでございますので、もちろん市町村と調整しながら、市町村と意見交換しながら進めていく、それは大前提としてございます。
それから意思決定支援については、記述がまだ追いついておりませんが、佐藤委員がおっしゃる通り、その障害福祉のサービスに携わる従事者の方々が、しっかりそのことを意識して取り組むということで、県でもその取組みを充実させていく方向でございますので、計画にしっかりと記載をしていきます。
その他、日常生活支援事業についても、しっかり充実をさせていきます。

（蒲原会長）
ありがとうございました。それでは議題について、今日のところは以上といたします。
言い足りないことがございましたら、事務局に連絡していただくということでよろしくお願いします。
それでは報告事項に移りたいと思います。
報告事項が４つありますけども、時間の関係もあるので、事務局から４つまとめて説明していただきまして、質疑の時間をとり、16時半頃終了としたいと思います。
それでは事務局から、よろしくお願いします。

（事務局）
　資料２，３，４，５，６に基づき説明

（23/24ページ）

（蒲原会長）
事務局から報告事項４点について、説明がございました。御質問等ありましたら、お願いいたします。
それでは成田委員、お願いいたします。

（成田委員）
資料４について、これは県が作成しているアクションプランですので、県がどうするかというプランだと理解はしているのですけれども、どういう園にしたいか、というのが私にはあまり感じられないという感想を持ちました。
今、小山委員の付き添いで森下さんが来ていらっしゃいますが、森下さんがよく当事者の笑顔というのは、当事者の笑顔を引き出すということを考えるのではなくて、周囲が笑顔になるということで当事者が笑顔になっていくのだとよくお話をされます。
私はトップダウンの時期から、ボトムアップへどうしていくかというプランがすごく大事だと思っていて、先ほど周りの方がどれだけ意思決定支援の学びを持てるかというお話もありましたけれども、やはり周囲の人がどう育っていくかというところが見えないと、本庁と園が一体になる部分から、園としての誇りを持った仕事になるまでの経過が少し見えにくいので、県が主語になってどうするかではなくて、園が主語になったプランがどこか1枚あると、こういう園に育てようとしているんだというところが見えやすいような気がします。

（蒲原会長）
ありがとうございます。それでは市川委員、よろしくお願いします。

（市川委員）
私も成田委員の意見と同じなのですけれども、やはり重度の子どもを持つ親として、先ほど佐藤委員からも、意思決定支援は現場の支援者が直接していないといけないよというお話があって、これは本当にぜひ、アクションプランにもあるように進めていただきたい。
やはり現場の職員さんが笑顔になれるほど、この仕事に意義を持っていただくということが一番大事なのかなと思います。
私の次男のように、言葉での支援が難しかったり、身体的接触にものすごく嫌悪感を持つ子どもにとっては、そういう特性のある方たちを地域で支援している事業者の方にも援助してもらいながら、モニタリング会議とか、面接等の時に、上手に本人の気持ちを引き出していただくような取組みをぜひ、これから期待して待ちたいと思います。

（蒲原会長）
ありがとうございます。それでは徳田委員、お願いいたします。

（徳田委員）
資料６について、概要の２番目に『園は見守りカメラの映像確認や当該職員へのヒアリング調査により事実を確認し、同日、当該利用者に係る支援費の支給を決定した自治体に、障害者虐待防止法に基づき通報しました』という書き方をしていますが、法の規定でいうと、虐待の恐れだけでも通報しなければならない。

（24/24ページ）

この書き方だと、事実確認が先行してもよい、内部的な事実確認によって虐待が確認されて初めて通報するという対応でよいという誤解を与えかねないので、その点につきまして指摘させていただきます。

（蒲原会長）
ありがとうございます。大事な御指摘だと思います。それでは、事務局からコメントがありましたら、それを最後に終了にしたいと思います。

（事務局）
中井やまゆり園の改革については、委員から御指摘あったところを重点的に進めていきたいと考えております。
具体的な取組みの中で、なかなか表現しきれない部分もございますけども、委員の皆様から御指摘いただいたところを踏まえて実現していきたいと思います。
また、德田委員からの御指摘いただいた部分ですけども、誤解を与えるような表現になってしまっているところについては、今後、こういった記者発表がないようにしたいと思いますが、表記についても気をつけます。
ありがとうございます。

（蒲原会長）
それでは本日の議題及び報告事項は、以上になります。
今回の議論を踏まえて、事務局では中身を詰めてもらいたいと思いますし、委員の方々は言い足りなかったことがあれば、後程、事務局へ提出いただければと思いますので、よろしくお願いします。
それでは他になければ、本日の審議はここまでとさせていただきたいと思います。あとは事務局にお返しいたします。

（事務局）
蒲原会長、ありがとうございました。
本日は限られた時間の中で、委員の皆様から数多くの貴重な御意見をいただき、心より感謝申し上げます。
次回の本審議会は、11月頃を予定しております。
日程につきましては、改めて調整をさせていただきますのでよろしくお願いいたします。
また会場にお越しの皆様につきましては、黄色いフラットファイルは事務局で保管して、次回の会議の時にまた配布させていただきますので、机の上に置いていっていただければと思います。
これをもちまして、第38回神奈川県障害者施策審議会を終了いたします。
本日は誠にありがとうございました。

以上