気になる隣の社食ごはんのページ エントリーナンバー3、株式会社リコーテクノロジーセンターの取材内容 今回取材に応じてくださったのは海老名総務室の方々です。 こちらの事業所では、社員は約3,400名。関連会社等も含めると、約5,000名の方が働いています。 平均年齢は約40歳、女性比率は10%です。 総務室シニアスペシャリストの廣瀬さんの言葉 「目指すのは快適で、働きやすく、人にやさしい場所。食堂を新たにつくることになり、準備から携わった廣瀬さん。 構想段階から社員の意見を取り入れ、“「食」の楽しさ”を実現する食堂を目指しました。 知的労働業務を日々こなす社員にとって、昼休みや休憩時間に頭とカラダをリフレッシュできるような環境が必要ですが、 事業所の近くには飲食店やコンビニがなかったことから、事業所の中にその役割を果たす場所を作りたいと考えました。 食堂がここの社員にとってよい環境、居ごこちの良い場となるように、社内でアンケートなどをとり、社員の意見を取り入れるようにしました。 「ゆったりと食事ができると良い」といった声も多く、昼休み時間を調整し、誰もが食堂の席で1時間ゆったりと過ごせるような環境にしました。」 食堂のご意見箱に寄せられる社員の声と食堂との間をとりもつ島田さん。 食堂環境の改善に取り組み、両者のコミュニケーションには欠かせない存在です。 総務室の島田さんの言葉 「食事は社員の大きな楽しみなので、社員の声にはできるだけ応えたいと思っています。  食堂に設置したご意見箱や、イントラネットを通じて寄せられる意見には必ず目を通し、3日以内に回答できるよう、 食堂のスタッフの協力も得ながら一つ一つ丁寧に答えています。この小さな積み重ねが、社員と食堂の信頼関係を深めていると感じています。」 ご意見箱に寄せられる意見には、日頃のお礼が添えられていることが多いそうです。 社員ひとりひとりの思いに応えたいという、廣瀬さんや島田さん、食堂スタッフの熱い思いが、食堂を利用する方々にも伝わっているのですね。 社員の健康づくりのために健康管理室の保健師さんとも連携し、色々なイベントを開催しています。 健康管理室の保健師さんの言葉 「社員の皆さんの健康については、運動不足や、食習慣の乱れが気になっています。  忙しい中、自分で意識して健康づくりをしている方もたくさんいますが、帰宅時間が遅いため、夕食が遅くなってしまったり、 若い方では朝食欠食、野菜不足、高カロリーのものを好む方が多いように感じます。 食堂にはヘルシーメニューをはじめ色々なメニューがあるので、ヘルシーメニューをすすめたり、丼や麺料理に小鉢をプラスしたり、 食堂でできる工夫や食事時間など、1人1人の生活スタイルに合わせたアドバイスをしています。  また、会社担当者と連携しながら、社員の皆さんを対象とした食や健康に関わるイベントを実施しています。」 事業所では年間を通して社員全員を対象とした様々な健康づくりイベントなどが行われています。 食堂と連携してのイベントや、栄養士による講話、健康運動指導士による体験型プログラムなど、様々な企画が考えられています。 イベントは事業所内にある社員が立ち寄りやすい場所で行われます。 写真のイベントでは体組成、血圧測定、マインドバランスなど、様々な測定を行いました。 こちらの事業所には2ヶ所に食堂があります。まずはA食堂をのぞいてみましょう。 「今日は何を食べようかなぁ。」  食堂入口のサンプル周りに集まって、今日のメニューをまずは確認。 サンプルや献立表にはエネルギーや塩分量などの栄養表示があり、参考にされている方が多いそうです。 楽しくて美味しそうなフェアメニュー。 色とりどりの小鉢が並びます。保健師さんからのアドバイスを思い出し、もう1品プラスすれば栄養バランスアップ! 日替わりのおかずから好きなものを選べる人気のグラムデリ。 ごはんは栄養表示を見ながら自分に合った量を選べます。 テーブルなどに置いてある卓上メモには社員の皆さんの健康づくりに役立つお得情報が隠されています。 A食堂の店長さんの言葉 「ひとりでも多くのお客様にご利用いただけるよう、メニューがマンネリにならないように気をつけています。 また、イベントを頻繁に実施するなどして“楽しい食堂”をめざしています。  8月は、オリンピック開催にちなみ“丼ぶりンピック”というイベントを行いました。これは日替わりで世界のどんぶりを提供し、 どの丼が金メダル(売れ行きNo1)かをお客様に当てていただくイベントです。お客様には大変楽しんでいただくことができました。」 A食堂の管理栄養士さんの言葉 「食事がお客様のお仕事の活力になるよう、種類豊富なメニューづくりを心がけています。  ヘルシーメニューのご提供と同時に健康イベントも予定しているので、 お客様がご自身の健康に目を向けていただくきっかけになればと考えています。」 本日のヘルシーメニュー A食堂のヘルシーメニュー 「野菜たっぷりキーマカレー」  エネルギー 654kcal たんぱく質 20.1g 脂質 13.4g 塩分 4.3g (PFC比※1はP 12.3、F 18.4、C 69.3%) ※1:PFC比とは、3大栄養素である、たんぱく質(P)、脂質(F)、炭水化物(C)の摂取比率です。30歳以上の大人の場合、 1日の総摂取エネルギーに対してたんぱく質20%未満、脂質25%未満、炭水化物50〜70%で摂取することが望ましいとされています。 ヘルシーメニューはいかがですか? 食堂利用者さんの言葉1 「食堂は毎日利用しています。今日このリ:コレクト※2を選んだのは、野菜が多かったからです。 リ:コレクトはそう頻繁には食べませんが、他のメニューを選ぶ時にも、野菜が多いものをとるよう意識しています。」 食堂利用者さんの言葉2 「今日リ:コレクトを選んだのは、カレーだったからです。ヘルシーメニューですが、量も十分あって、味もおいしいです。 普段からカロリーの低いもの選ぶよう心がけています。」 ※2:A食堂では「リ:コレクト」という名称でヘルシーメニューが提供されています。 このヘルシーメニューの基準はエネルギー580〜660kcal、脂質18g以下、野菜摂取量140g以上、食物繊維7g以上、 コレステロール100mg以下となっています。 野菜たっぷりキーマカレーのレシピ ◆ 材料(1人分)◆ 生姜 …3g にんにく …3g 鶏挽肉 …40g 玉葱 …30g サラダ油 …4cc かぼちゃ …30g 人参 …30g ブロッコリー …30g カレールー …15g 塩 …0.5g こしょう …0.1g ◆ 作り方 ◆ @ 野菜の下ごしらえをします。生姜とにんにくはみじん切りに、玉葱は大きめのくし型切りに かぼちゃは5ミリほどにスライス・人参は乱切りにします。 A 人参・かぼちゃ・ブロッコリーは皿にのせ、ラップをして電子レンジで加熱し、蒸し野菜にしておきます。 (後で煮込む時間が短縮できます) B 鍋に油(量に注意)をひき、生姜・にんにくを炒めて香りがでてきたら、鶏挽肉をほぐしながら炒め、玉葱を加えます。 C 人参を入れて炒め、カレールーと水を加え弱火で5分弱煮ます。塩・こしょうで味を整え、 上にかぼちゃ・ブロッコリーをかざれば完成です。 ※ 油の量・塩の量に気をつけましょう。 つづいてはB食堂です 食堂入口では今日のメニューを確認できます。 フェアメニューなども豊富ですね! 人気のサラダバー。主食やメインとなる料理からはとりにくい栄養素(ビタミン・ミネラル類など) を野菜で補給。 サラダにドレッシングをかける前に気になるカロリーや脂質、塩分量を栄養表示でチェック。 ごはんも栄養表示を見ながら自分に合った量を選べます。 見本があって分かりやすいですね。 塩分が気になる方には嬉しい減塩しょうゆも置いてあります。 各小鉢ごとに栄養素の表示がしてあります。 小鉢は人気で撮影時にはほぼ売り切れ状態! 栄養一口メモは持ち帰れるので、あとで読み返したり、家族にも見せてあげられますね。 B食堂の店長さんの言葉 「常に“おもてなしの心”でお客様をお迎えしています。調理をする立場として、 「おいしかった。また食べたい。自分でも作ってみたい」と思っていただけるメニューをご提供できるよう心がけています。 お客様が満足され、くつろいでいただける食堂を目指しています。」 B食堂の管理栄養士さんの言葉 「食堂は毎日ご利用いただく場所ですので、健康への配慮はもちろんですが、食事自体を楽しんでいただけるようなメニュー作りを心がけています。 また、お客様にご満足いただけるよう、また食堂に足を運んでいただけるよう、お客様からご意見をいただき改善を重ねています。 管理栄養士としては、ボリュームなどを求めるお客様の嗜好を尊重し、且つ、健康に配慮した食事を提供することの難しさを感じています。」 本日のヘルシーメニュー B食堂のヘルシーメニュー 「豚肉とゴーヤのみょうが風味サラダ」 ● 十五穀ご飯 ● かぼちゃの含め煮 ● なめことネギの味噌汁 エネルギー 581kcal  たんぱく質 31.2g  脂質 7.3g 塩分 3.2g (PFC比はP 21.5、F 11.3、C 67.2%) ヘルシーメニューはいかがですか? 食堂利用者さんの言葉1 「食堂は毎日利用しています。カラダよろこぶメニュー※3は頻繁には食べませんが、今日はお肉のメニューだったので選びました。 ボリュームもあり、ゴーヤも苦くなくて美味しいです。」 食堂利用者さんの言葉2 「食堂は毎日利用しています。今日はメニュー内容でこれ(カラダよろこぶメニュー)を選びました。あっさりしていておいしいです。」 ※3:B食堂では「カラダよろこぶメニュー」という名称でヘルシーメニューが提供されています。 このヘルシーメニューの基準はエネルギー690kcal未満、野菜が1日摂取目標量の約1/2、食品いろいろ15品目、 食物繊維が1日摂取目標量の約1/3、脂質量が1日摂取基準量の約1/3となっています。 B食堂の「豚肉とゴーヤのみょうが風味サラダ」を試食をさせていただきました。 フリー栄養士の会 中村さんの言葉 「夏野菜のほどよい苦味と、さわやかな香りたっぷり!ヘルシーなのにボリュームがあり!暑い季節の疲れた体がシャキッとなるメニュー。 主菜の豚肉、歯ざわりよく仕上げた野菜(1日摂取目標量の約1/2)、十五穀ご飯が噛み応え抜群! 低脂肪メニューにもかかわらず、満腹感が持続しましたよ。普段よりもよ〜く!噛んで食べてみてください。 かぼちゃの軟らかさと、なめこのとろみが口中で癒しになりますよ。 また、夏に欠乏しやすい各種ミネラル、ビタミンがたっぷり摂れるメニューです。 <今回の献立*栄養ポイント> 食欲不振・胃弱・疲労感・イライラを感じていませんか? 清涼飲料水などの加糖飲料で水分補給をすることが多かったり、冷たい麺類だけの食事や、甘い菓子類の多食、 朝食抜きなどの欠食が続くと、ビタミンB1が不足しやすく欠乏症状が現れます。 タマネギなどのネギ類にはアリシン(硫化アリル)が多く含まれていて、豚肉に多いビタミンB1の吸収を高め、 疲労回復に役立ちます。」 「豚肉とゴーヤのみょうが風味サラダ」レシピ ◆ 材料(1人分)◆ 豚もも薄切り    …90g ゴーヤ(にがうり) …10g もやし       …50g 冷凍コーン     …7g レタス       …25g たまねぎ      …7g プチトマト     …1個 みょうが      …1/5個 いりごま(白)   …1g(少々) 市販の和風ドレッシング …17g(大さじ1と1/2) ◆ 作り方 ◆ @豚肉・・・・酒を加えた湯でゆでる。 A野菜の下ごしらえ ● ゴーヤ (※1)・・縦半分に切り、a 内側の白い部分を除いて、極薄切りにする。b 塩で軽く揉んで水洗いする。 ● みょうが・・・・縦半分に切ってから、せん切りにする。2〜3分冷水にさらし、絞らずにざるに上げて水分をきっておく。 ● たまねぎ (※2)・・繊維を断ち切るよう(繊維に直角)に、極薄切りにしてから水にさらし、しっかり絞って水気をとる。 ● もやし・・・・ゆでておく。 ● 冷凍コーン (※3)・・ゆでておく。 ● レタス・・・・ざく切り。 ● プチトマト・・半分に切っておく。 Bもやし、レタス、たまねぎを混ぜる。 Cいりごまとドレッシングを混ぜる。 D 盛り付け 大きめの器に、Bを盛り付け、ゆで豚肉、下ごしらえしたゴーヤ・みょうが・コーン・プチトマトを彩りよくのせる。 注:野菜の苦味などが気になる場合、かつお節をかけて旨みと共にいただくようにしてもよい。かつお節には苦味をやわらげる効果がある。 E Cをかけて出来上がり。 和風ドレッシングはたまねぎテイストのものがおすすめ。たまねぎのすりおろしや、みじん切りをドレッシングに漬けて馴染ませてから使用してもよい。 調理のポイント (※1)ゴーヤの苦味成分を取り除くポイント a(内側の白い部分)に苦味成分があるので、これを丁寧にこそげとる。水に漬けた時に、水を濁らせる成分が苦味成分なので、 b(塩で軽く揉んで水洗いする)の工程を繰り返す。(4〜5回が目安) (※2)たまねぎの辛味成分を取り除くポイント たまねぎの辛味成分は揮発性があるので、スライスしてから30分ほど置いて空気にさらしてから、水に2〜3分さらす。 新たまねぎ・紫たまねぎがあれば、水分が多く辛味が少ないので、お好みで使用してもよい。 (※3)生とうもろこしを使用する場合   水からゆで、沸騰後3分を目安にざるに上げて冷まし、粒を芯から離しておく。 ● プックリやわらかく仕上げるポイント ● 水からゆでると水分をより多く吸収し、一粒一粒がプックリとして、やわらくジューシーな仕上がりになる。 その上、熱いうちにラップに包んで冷やしておくと、しわ防止に(固くなりにくく)なる。 地球や人にやさしい快適なものづくり環境を実現し、世界一のものづくりを目指すその精神が 社員ひとりひとりの意見を大切にする食堂の環境づくりにもあらわれていました。 お昼時間でにぎわう食堂。 楽しい食事が、社員の元気を引き出します。 ご協力ありがとうございました!