障がい者が働く現場見学会第1回 横浜編【終了しました】

掲載日:2019年12月23日

障がい者が働く現場見学会を開催します!
~実際に障がい者が働く現場を訪ねてみませんか~【終了しました】

 県内では、すでに多くの障がい者が企業の貴重な人材として働いていますが、これから障がい者を雇用しようとしている企業の皆さまからは「障がい者と一緒に働くイメージがわかない」「障がい者にどんな仕事を任せたら良いのだろう」といった声も聞こえてきます。

 そんな悩みを持つ企業の皆さま、実際に障がい者が働く現場を訪ねてみませんか?

 障がいについての理解を深め、雇用を進めるためのヒントが得られるかもしれません。

 本イベントは終了しました。ご参加いただき、ありがとうございました。
 当日の概要を掲載しました。

 第1回は横浜地域の企業や社会福祉法人をめぐり、事務センターや特別養護老人ホームで障がい者の方が働く現場を見学しました。

日時

2019年11月5日(火曜日)

訪問先

(1)リゾートトラスト株式会社 横浜支社(横浜市港北区)

 ・業種:総合サービス業
 障がい者雇用の促進と、全社的な業務の効率化を担うリゾートトラスト株式会社横浜支社横浜事務支援センターを見学させていただきました。

リゾートトラスト1

  1. 人事企画部CSR推進室北沢氏による企業紹介

 当社はホテル事業・レストラン事業・ゴルフ事業・メディカル事業の4つの事業を軸に展開する総合リゾート企業グループです。
 現在、当社は3.28%の障害者雇用率となっておりますが、最初から障がい者雇用に積極的な会社ではありませんでした。13年前から障がい者雇用に取り組み始めましたが、きっかけは、労働局からご指導があったことです。ホテルなので最初は視覚障がいの方によるマッサージを考えましたが、リゾート地は通常最寄り駅から車で20分から30分の立地になります。また、ほとんどの社員はその近くの寮で生活しますので、なかなかマッチングは進みませんでした。そういう中で、銀行出身の役員から「銀行は事務センターを本社機能の中に付けている」という話があり、その提案から首都圏に事務支援センターを造りました。この「事務支援センターで配慮された環境を作って働いていただく」というところからスタートしています。現在、名古屋・大阪・東京・横浜それぞれの支社に、事務支援センターを設置しています。
 横浜事務支援センターは、2年前に開設し、現在13名の障がい者の方に働いていただいています。基本的に、障がい者の皆さんに配慮された環境としては、色々な業務を集めてきて、サポートスタッフという指導者を置き、そこの中で障がいに応じた配慮をしていくという方法をとっています。また、スタッフの障がい種別は知的障がい、精神障がい、視覚障がい、失語症、半身まひ等様々ですが、この障がいだから雇う、ということはしていません。当社の雰囲気・仕事にマッチングするかどうかということを見させていただいています。事務支援センターとは、当社の業務の効率化を担う存在で、センターが社内の各部署から依頼を受けた業務を請け負うことで、各部署が自分たちの専門業務により特化して仕事ができるようにしています。
 基本はパートの6.5時間、10時から17時半まで、もっと出来るという方は7時間に、さらに他の部署でも可能という方は準社員登用させていただいています。逆に、6.5時間が難しい方は、5時間や4時間などの時間帯も用意しています。
 当社は障がい者の方に働いていただければよいのではなく、会社にいかに寄与するかということを考えています。業務をいかに考えていくかというところでは、例えば契約書や名刺の作成は、今まで外注していましたが、変更が多かったり、統一されていないものが多かったりということがあり、ブランドイメージの保持ということで当センターで内製化しました、このことで、経費削減に繋がっています。また、様々な業務のデーターベース化をかつては外注していましたが、お客様のリストや契約書のPDF化といったものを内製化することで、情報セキュリティーの向上を図っています。そして、営業現場での長時間労働の改善撲滅の観点から、事務の部分の業務を我々事務支援センターに持ってくることで時間を効率化して、営業は営業に、サービスはサービスに特化した仕事をしていこうとしています。
 職場における合理的配慮について、障がい者の方のそれぞれの特性に合わせてチェック表やカードを使っていますが、我々が独自に作っているものではなく、支援機関の方が作成してくれたものをそのまま職場に持ち込んでいます。いかに障がい者の方が自立して、仕事を回して頂くかがポイントになりますので、我々も障がい特性を把握していった方がやりやすいということがあります。
 採用方法について、当社では、必ず実習を経て採用をしています。その中で「この人だったら働けるかな」、「この会社だったら良いかな」とお互いにマッチングをします。また、通院休暇制度があります。精神障がいの方は4週に一回は通院がある方が多いので、その通院を保証するという意味合いを込めて年間最大12日間としています。
 最初は障がい者雇用とは何なのか、というところからスタートしましたが、今では色々な賞をいただくこともあります。このことで会社の付加価値を上げていく、そして、経営の中心にもっていくということをしています。

2.働く現場の見学

 北沢氏のご案内により、実際に障がい者のスタッフが働く現場を見学させていただきました。

  リゾートトラスト2  リゾートトラスト3

3.質問会

 現場の見学後、視覚障がい当事者のスタッフの方にもご登壇いただき、質問会を行いました。

リゾートトラスト4

Q1.現在ご担当の仕事の内容について教えてください。

A(当事者のスタッフ)
私は今年の7月に入社したばかりで、現在はダイレクトメールの作成や、お客様にハガキに貼っていただくプライバシー保護シールの枚数を数える仕事など、手で触って確認が出来る業務を中心に担当しています。
A(北沢氏)
視覚障がい者のスタッフの場合は、手が目の役割を担います。ですから、手で触れた感覚で分かる仕事を中心にやっていただいています。またこの方が7月に入社なさってから、社員がとても優しくなったなと感じています。通勤の途中に駅で見かけたら、営業の社員も含めて「一緒に行きますか」と自然に通勤に同伴してくれますし、みんながこの方に挨拶してくれるので、社内の雰囲気が優しくなったなと強く思います。こういった点でも、入社していただき本当に良かったと思っています。

Q2.就職活動を行うに際して、心配だった事や不安だった事があれば教えてください。また、就職後に企業に求めることについて教えてください。

A(当事者のスタッフ)
心配だったことは、私は視覚障がいがあるため、履歴書の手書きができません。手書きではない履歴書を企業の方が見たらどう思われるかということを心配していました。幸いこの会社はエクセルで入力した履歴書でも問題ないと言ってくれたので、安心したことを覚えています。また、就職後に企業に求めることとしては、通勤ラッシュを避けた出勤時間と退勤時間を認めてもらいたいということです。
A(北沢氏)
通勤の配慮ですね。皆さん一人で通勤してきますので、信号の所では、誰か近くの人に声を掛けて手伝ってもらうのですよね。
A(当事者のスタッフ)
会社に対して気を付けて欲しい事は、私は社内の皆さんの名札を目で確認することができませんので、お名前を声で伝えていただきたいとお伝えいたしました。そうすれば、皆さんの声のアルバムを私の中に持つことができ、皆さんのことを覚えることができます。また、私がこの会社に入って、特に恵まれているなと思うことは、私が社内を移動しようとすると、障がい者のスタッフの方も含めて皆さんが自分の仕事を止めて、「前に段ボールがあるよ」といったように声でのサポートをしてくれることです。

Q3.今後出来るようになりたいお仕事があれば教えてください。

A(当事者のスタッフ)
具体的にこれがやりたいという仕事はまだ思い浮かびませんが、今まで学んできた仕事の分量を少しずつ増やしていって自分の技量を高めていきたいです。また、サポートスタッフの方との話し合いの中で、自分が会社から求められている役割を認識して、その役割を果たしていきたいと思っています。
A(北沢氏)
当社では月に一度、必ずサポートスタッフが障がいのあるスタッフ全員と面談をしています。そして、その中で先月の振り返りと、来月の目標を確認しています。また、当社では省力化が進み、パソコンでの単純入力作業などは全くない状態です。しかし、人の手で出来る仕事、人の手でなければ出来ない仕事はこれからも必ず残っていきます。当事者のスタッフにはこのような人にしか出来ない仕事を担っていってくれればと思っています。

(2)社会福祉法人絆会 リアメゾン戸塚(横浜市戸塚区)

 ・業種:特別養護老人ホーム

 精神障がい者を中心に、13名の障がい者スタッフが働く社会福祉法人絆会リアメゾン戸塚を見学させていただきました。

リアメゾン戸塚1

1.施設長松岡氏による施設紹介

 当施設は医療法人紺医会グループに属し、2014年より特別養護老人ホームと短期入所生活介護(ショートステイ)を運営しています。施設の特徴はユニット介護を行っていることで、10名程度の入居者の方が同じユニットでともに生活し、同じスタッフがローテーションを組み24時間体制でケアにあたっています。入居者の方の日々の生活を家族のようにケアしていくのが当施設の特徴です。
 また、当施設は「食」をとても重視しており、他の特別養護老人ホームや介護老人保健施設は食事を外部の委託業者にお願いすることが多い中、自前で調理師を雇い給食を作っているのも特徴です。
 介護業界は慢性的に人手不足であり、当施設も例外ではありません。この人手不足を解消する存在として、またダイバーシティ推進の観点から、当施設は障がい者雇用に取り組んでいます。特に私の前任の施設長は障がい者雇用の推進に熱心で、多いときはスタッフの2割程度が障がい者のスタッフでした。現在は、13名の障がい者スタッフが勤務しており、その半数以上が精神障がい者のスタッフです。しかし、これは精神障がい者のスタッフを積極的に雇用しているからという訳ではなく、面接し、当施設とマッチングした方が偶然精神障がい者の方が多かった結果です。
 障がい者のスタッフは介護職が11名、事務員が1名、ドライバーが1名で、介護職のスタッフは実際に現場で介護業務を担っています。介護の経験がなく採用された方もいますので、その方は先ずはコップ洗いやお茶出しといった介護の周辺業務からスタートして、徐々に出来る業務を増やしていっています。このように本人の成長に応じて新しい仕事を任せることで、やりがいを持って仕事に取り組んでもらえればと思います。また、介護士の資格を持ち、経験がある方もいますので、その方は他の介護スタッフと同様に、入居者の方の身体介助を含む介護業務を行っています。加えて事務員、ドライバーのスタッフもともにとても優秀な方で、特に事務員のスタッフは国民健康保険団体連合会への介護サービス費の請求といった重要な仕事を任されています。
 このように当施設は障がい者雇用に取り組んでいますが、取り組む中でまず重要だと感じることは、「なぜ障がい者を雇うのか」という理由の明確化です。この点が明確になっていないと、周囲から反発があったり、雇用推進の取組が途中でぶれてしまいます。また、受け入れるに際しては、どの職場で受け入れるのか、メンタル面のケアを周りのスタッフがどのように行うか等の受け入れ体制を事前に構築しなければなりません。受け入れ体制の事前構築が不十分で、本人が職場に適応できなかったことが早期の離職につながってしまった事例があり、そのことはとても反省している点です。また、受け入れの際にはハローワーク等から助成金を受けられる場合があります。
 受け入れ後の定着の局面では、専任の指導員の配置と、就労支援機関の方の支援がとても重要だと思っています。自分たちの内部に専任の指導員を配置するだけでなく、適宜外部の支援機関の方の助言を受けるようにして、内外で本人の定着を支えることが大切だと思います。
 また、入職後直ぐに大きな責任やプレッシャーが伴う仕事を任せずに、徐々に段階を踏んで仕事を任せていくことや、専任の指導員と定期的に面談を行うことが職場への定着につながっています。
 私個人としては、自分から障がい者のスタッフにアプローチすることを心がけています。スタッフの中にはなかなか自分から気持ちを発信することができない方もいます。だからこそ、私からの声かけを日々こまめに行い、「今日はちょっと声に力がないな」や「今日はちょっと表情が暗いな」という小さな変化に気づいて、悩みや困りごとを早期に解決するようにしています。また、相手にこちらの意図や気持ちがしっかりと伝わるよう、ゆっくり、優しく、わかりやすく接することを心がけています。特に仕事で指摘や注意をしなければいけない場面では、そのことを意識しています。さらにメンタル面のフォローでは、毎日夕方「今日あったこと」や「不満」を聞いて、また翌日すっきりした気持ちで出勤できるようにしています。
 そして、本人が自分の仕事にやりがいを感じることも職場定着に向けて大切なことです。そのためにその人の適性を見て、その人に合う仕事を割り振ることや、よく褒めること、自分自身の成長を実感する機会を多く作ることを心がけています。
 今後は障がい者のスタッフの中から介護のリーダーを務める人材が育つこと、またそのリーダーが新しく入ってくる障がい者のスタッフを指導していくというように、障がい者雇用にともに取り組む存在を育てていきたいです。またそのようにして、障がい者雇用の良い流れができるよう今後も取り組みたいです。

2.働く現場の見学

松岡氏と介護スタッフのご案内により、実際に障がい者のスタッフが働く現場を見学させていただきました。

3.質問会

現場の見学後、当事者のスタッフの方にもご登壇いただき質問会を行いました。

リアメゾン戸塚2

Q1.現在ご担当の仕事の内容について教えてください。

A(当事者のスタッフ)
入居者の方の食事の介助や、排せつの誘導、オムツ交換等を行っています。

Q2.お仕事をなさる中でのやりがいと大変だなと思うことを教えてください。
A(当事者のスタッフ)
やりがいは入居者の方の笑顔を見ることができることと、入居者の方から挨拶をしてもらえることです。また、大変だなと思うことは、自分の言葉が入居者の方に上手く伝わらないときです。

Q3.上手くいかない時、どうやって解決していますか。

A(当事者のスタッフ)
そのような時は、色々なやり方を試すようにしています。例えば、以前の声かけはここが良くなかったから、次はこういう声かけにしようとか、自分が立つ位置が悪かったのではないか等を自分の中でもう一度検討して解決しています。
A(松岡氏)
当事者のスタッフの方はとても前向きな方で、何か困ったことがあってもまずは自分で考えて解決してくれます。以前に一度だけ相談に来たことがありましたが、その時も私からのアドバイスを活かして、翌日上手くいきましたと報告してくれました。この方のようにあまり相談にいらっしゃらない方もいますが、紺医会の別の職場に勤務していた時は、毎日決まった時間に相談にいらっしゃる方もいました。自分で解決するだけでなく、相談に応じる存在がいることも大切かなと思います。

Q4.とても頑張っていらっしゃる様子を拝見しました。そんなご自分に対するご褒美を買うことはありますか。

A(当事者のスタッフ)
自分へのご褒美にスイーツを買ったりして気分転換しています。また、自分の子どもに何か買ったりもします。

主催

神奈川県・神奈川労働局(別ウィンドウが開きます) 

 

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本文ここまで
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