障がい者が働く現場見学会第2回 県央編【終了しました】

掲載日:2020年11月13日

障がい者が働く現場見学会を開催します!
~実際に障がい者が働く現場を訪ねてみませんか~【終了しました】

 県内では、すでに多くの障がい者が企業の貴重な人材として働いていますが、これから障がい者を雇用しようとしている企業の皆さまからは「障がい者と一緒に働くイメージがわかない」「障がい者にどんな仕事を任せたら良いのだろう」といった声も聞こえてきます。

 そんな悩みを持つ企業の皆さま、実際に障がい者が働く現場を訪ねてみませんか?

 障がいについての理解を深め、雇用を進めるためのヒントが得られるかもしれません。

 本イベントは終了しました。ご参加いただき、ありがとうございました。
 当日の概要を掲載しました。

 第2回は県央地域の企業や職業訓練施設をめぐり、工場で働く障がい者の方の就労現場や障がい者の方の職業訓練の現場を見学しました。

日時

2019年11月18日(火曜日)

訪問先

(1)日本フルハーフ株式会社(厚木市)

 ・業種:輸送用機械器具製造業
 障がい者のスタッフがスキャン作業をはじめとする事務やリサイクル作業、部品の組立作業など、幅広い業務に従事している日本フルハーフを見学させていただきました。

日本フルハーフ

1.泉川生産総務部部長による会社紹介

 当社はトラックの架装メーカーで、トラックの荷台に載せるボディー等を製造するメーカーです。
 この厚木工場が本社で、障がい者のスタッフは大部分が厚木工場に勤務しています。中でも、厚木工場の軽作業場で働く障がい者は、製品の製造に必要な部品をアッセンブリ(組立)しており、製造ラインのスタッフから「製造ラインでの作業がとても楽になりました」という声がたくさん寄せられています。
 その言葉を励みに、障がい者のスタッフは働いていますし、障がい者のスタッフが製造部門を支える関係を築くことができ本当に良かったと思っています。
  当社ではどのように障がい者雇用を推進していくべきか現在も試行錯誤をしています。本日はその試行錯誤の様子をご見学いただき、少しでも皆さんのご参考になればと思います。

2.生産総務部成井氏による障がい者雇用の取組み紹介

 当社は全従業員1,386人に対して、40人の障がい者を雇用しており、法定雇用率を達成している状況です。また、障がいの種別としては身体、知的、精神障がいのある方が在籍しております。
 次に障がい者雇用のきっかけですが、かつて当社は法定の障がい者雇用率を達成できない状況が続き、平成24年には雇用の不足数が5名となり、ハローワークの雇用率達成指導を受ける寸前の状況になってしまいました。これをきっかけに障がい者雇用に本腰を入れて取り組むこととなり、ハローワークや相模原の障害者職業センターのご指導をいただきながら、仕事の切り出しを行い、障がい者の合同就職面接会を通じて3名の採用を行いました。
 最初は総務部門で仕事を切り出しましたが、それだけでは法定雇用率の達成はできないため、製造部門に協力を依頼するとともに、障がい者の業務指導を担う指導者の選出を依頼しました。そして指導者の下、工場において従来は作業の片手間に行っていた単純な部品の組立を切り出し、障がい者のスタッフのための軽作業場を立ち上げました。
 具体的な業務を一つ紹介いたしますと、リベットという部品にパッキンを取り付ける作業があります。従来、製造部門で行っていましたが、単純作業でかつ、必要量が1日約1万本と非常に多いため、軽作業場に作業を切り出しました。このほか、現在は様々な業務が製造部門から切り出されています。
 このように業務を切り出してもらうためには、製造部門の障がい者雇用に対する理解が欠かせません。そのために、製造部門の部長やグループリーダーが出席する定例会議で会社の障がい者雇用の状況を説明するとともに、本人の許可を得て、受け入れる障がい者の障がい特性について説明しました。また、受け入れに際しては、何かトラブル等が生じた場合は、私たち生産総務部が相談窓口になるということも伝えました。
 就労後は就労移行支援事業所や障害者職業センターの方のアドバイスを受けながら職場定着を図っています。また、ジョブコーチにも、就労状況が安定するまでフォローをしていただいています。ジョブコーチは、本人が会社には相談しづらいことを含めて、様々な相談ができる存在としてとても重要なので、当社の求人票にもジョブコーチの支援制度を利用することは必ず明記しています。
 加えて、職場定着に向けてはご家族との連携がとても大切となります。特に知的障がいのあるスタッフは、本人との意思疎通が難しい面もありますので、ご家族と日頃からコミュニケーションをとるため、職場に実際に来ていただき、お話しをする機会を設けることもあります。
 障がい者のスタッフとの日頃の接し方については、特別なことはしておらず、他のスタッフと同じように接していますが、聴覚障がいのあるスタッフには筆談を交えてコミュニケーションを取ったり、知的障がいのあるスタッフとは書類のやり取りをご家族と行ったりと、それぞれの障がいの態様に合わせた配慮を行うようにしています。また日々の様子をよく観察して、いつもと様子が違うなと感じたときは必ず本人に声をかけるようにしています。一緒に働き始めて長い時間が経ちましたので、最近では本人の日々の些細な様子の変化にも気づくことができるようになりました。
 日々の業務については、それぞれの職場に指導を任せており、実際に作業をしていく中で、業務を習得していきます。業務マニュアルを各職場で作成しており、このマニュアルについては、全社でフォーマットが統一されていますが、障がい者のスタッフ向けに作業工程をより細かく、かつより分かりやすく編集したマニュアルも別に整備しています。また、何か問題が起きた時も、まずは各職場で対応と解決を図っています。しかし、職場だけでは解決が難しいことが起きる場合もありますので、その際は私たち生産総務部の者が出向いたり、ジョブコーチに来ていただき解決を図っています。
 しかし、当社もまだ障がい者雇用については試行錯誤の段階で、失敗例もあります。例えば、本人の能力が高いために、障がいのないスタッフと同じ負荷をかけてしまったり、適切なタイミングで声かけができず本人が悩んでいることや不満に思っていることに気付くことができなかったこともありました。これらの失敗により退職に至ってしまったケースもありますので、今後はこのようなことがないよう、対応の仕方を日々模索しています。
 今後解決するべき課題もあります。それは、障がい者のスタッフのご家族が高齢となることで、支援を受けることが難しくなっていく場合に、どのように障がい者のスタッフの生活支援をしていくか、また、ご本人が加齢により能力が衰えていくことにどのように対処していくかといった事です。これらについて現在、各職場の指導者と話し合うとともに、支援機関の方に相談しながら解決の方法を考えています。
 まとめとして、当社の障がい者の採用の流れと、障がい者雇用を進める中で大切だと思うことについてですが、採用については、身体・知的・精神のいずれも筆記試験を課さず、現場実習を1週間から2週間程度行い、実習先の職場とのマッチングや身だしなみ、時間を守って出勤できるか等を見て採用を決めています。また、採用後は、繰り返しになりますが、ご家族、支援機関の方と連携するとともに、ジョブコーチの方の助けも借りて職場定着を図っています。現在は、障がい者雇用への理解が社内の各部署にも広がってきており、社内の各部署から仕事の依頼が来たり、作業に必要な工具を分けてもらったりと、社内で障がい者雇用に対する協力体制が出来上がりつつあります。
 障がい者雇用を進める中で大切なことは、その必要性を社内に理解してもらうことです。これが十分に理解されていないと、仕事の切り出しが進まず、社内の協力体制を構築することもできません。また、支援機関の力を借りることも大切です。社内の助けを得るだけでなく、外部にも障がい者雇用にともに取り組む仲間を作るとよいと思います。そして、定期的に面談を行い、本人の悩みや困っていることに迅速、かつきめ細やかに対応することも、長く勤務してもらうためには大切なことです。

3.働く現場の見学

 障がい者のスタッフが書類のスキャン業務や部品の組立を行う軽作業場及び工場から出る廃棄物を回収・分別するリサイクル場を見学させていただきました。

4.質問会

 働く現場の見学後、質問会を行いました。

日本フルハーフ2

Q1.軽作業場とリサイクル作業場を見学させていただきましたが、その他に障がい者の方が働く職場はありますか。

A1.
 最近の障がい者雇用では、主にスキャン業務または軽作業場で働くスタッフとして採用しています。健常者で通常勤務していたけれどもケガや病気により障害者手帳を取得したスタッフもおりますので、その場合は可能な限り元の職場で勤務してもらっています。中には製造現場で溶接等の仕事をしている方もいます。
 また、精神障がいのあるスタッフで、共同作業が苦手な方については一人でできる作業を用意することもあります。


Q2.一人で通勤ができない障がい者の方はいますか。

A2.
 現場実習時に通勤については一人で可能であることを確認していますので、一人で通勤できない障がい者のスタッフはいません。
 

(2)職業訓練法人 神奈川能力開発センター(伊勢原市)

 知的障がい者の方が、一人ひとりの適性や能力に応じて、就労に必要な基本的な知識や技能を学び、職業的自立をめざすための職業訓練施設である職業訓練法人 神奈川能力開発センターを見学させていただきました。

1.訓練現場の見学

 須山所長の案内のもと、職業訓練の内容について説明を受けるとともに、訓練現場の見学を行いました。

 能開センター 能開センター2
                                                      木材加工作業の様子

  能開センター3 能開センター4
                                                     介護補助作業の様子

  能開センター5 能開センター6 
                 データ入力作業の様子                               フォークリフト操作作業の様子

2.質疑応答

 職業訓練の様子を見学した後に、質問会を行いました。

能開センター7

Q1.センター修了生の就職後の定着支援について教えてください。

A1.
 当校は開所32年を迎え、これまで887名の修了生が社会に出ています。また、統計では卒業生の就職率は8割となっており、この8割という就職率は、他の知的障がい者訓練施設の就職率と比較すると、高い就職率であると自負しています。
 ご質問いただきました定着支援について、当校は「定着指導」という名前で行っており、卒業生の就職後3年間は当校の指導員が就職先の企業に赴き、就労や生活上の課題について、本人と企業の方を交えて面談し、助言・指導をしています。その他に来所での相談や電話での相談も受け付けており、また、「りんどう会」という卒業生とその保護者の会の活動を通じても定着指導をしています。りんどう会は毎月第3日曜日に活動しており、当校の指導員も参加して、相談事があればその際に助言・指導しています。
 このような3年間の企業訪問による助言・指導に加えて、3年間が経過した後も、電話や来所による相談の受付や、りんどう会の活動を通じての助言・指導によって、高い就職率と定着率を実現できていると考えています。

Q2.訓練生の障がいの程度と出身校について教えてください。


A2.
 訓練生は全員知的障がい者として手帳を取得しています。障がいの程度については、最も障がいの程度が軽いB2判定の方が多いですが、B1判定の方も在籍しています。また、障害者職業センターにより、職業判定上の重度知的判定がなされた方もいます。
 訓練生の出身校については、特別支援学校や養護学校、あるいは私学のサポート校など様々な学校から入所しています。そして来年度からは、知的障がいのある生徒が、知的障がいのない生徒とともに学ぶインクルーシブ教育実践推進校の卒業生も入所してきます。
 

Q3.修了生がパートや契約社員、派遣社員ではなく正社員での雇用を希望する一番の理由は何ですか。

A3.
 修了生の保護者が正社員での雇用を希望するということが一番の理由です。やはり保護者の方は正社員の方が安心であると考えています。しかし、私たちは雇用形態にはこだわらずに、障がい者に対する会社の理解度及び受入体制はどうであるかを最も重視するように話しています。
 また、当校では訓練生に対し、会社の求める業務と自身の障がい特性が最もマッチする求人を探して就職活動をするよう指導しています。
 会社の人事部門と実際に障がい者を受け入れる現場で、障がいに対する理解や障がい者雇用そのものに対して温度差があることが多く見受けられます。企業の皆様に対しては、現場における障がい者に対する理解を深めていただき、現場でも障がい者が働ける体制を整えていただきたいと思っています。

Q4.先ほど介護補助作業の訓練でベッドメイキングを行う様子を見せていただいたところ、2年生の生徒が1年生の生徒に教えているようでしたが。

A4.
 その通りです。施設管理技術コースの生徒にはヘルパーの資格を持つ者もいますので、2年生が1年生に指導することも行っています。
 障がい者が働くということは厳しい面もありますが、今後障がい者の方を採用し、一緒に働いていただけるのであれば、障がい者の特性は一人ひとり異なることをご理解いただき、少し長い目で見守っていただければと思います。
 また、障がい者は反復訓練を通じて多くの技能を身につけることができます。そのこともご理解いただき、ぜひ障がい者雇用を推進していただければと思います。

主催

神奈川県・神奈川労働局(別ウィンドウが開きます) 

 

このページの先頭へ戻る

 


 

本文ここまで
県の重点施策
  • 未病の改善
  • ヘルスケア・ニューフロンティア
  • さがみロボット産業特区
  • 県西地域活性化プロジェクト
  • かながわスマートエネルギー計画
  • 東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会
  • 神奈川県発、アート・カルチャーメディア「マグカル」
  • ともに生きる社会かながわ憲章
  • SDGs未来都市 神奈川県 SDGs FutureCity Kanagawa