更新日:2018年7月24日

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仕事と家庭の両立―男性の育児―

 昨秋に「イクメン企業アワード」「イクボスアワード」「イクメンスピーチ甲子園」が一緒になったイベントで、男性の育児三昧の時間を過ごしました。「イクメン」という言葉が世間に浸透したことを実感、育休さえ取れば(取得させれば)OKなんていうのは一昔前の話、イクメンの活躍が根を張り、様々に芽吹いた感じが楽しかったです。

 ワーキングマザー両立応援カウンセリングでも同じです。最近は夫婦でいらっしゃる方も増えましたが、積極的な態度を持つ夫からは、子育てに関わりたい、大変な思いをしている妻を助けたい、という気持ちがよく伝わってきます。本当の意味での「夫婦で育児をしていこう!」という気概を感じ、頼もしく思うのです。

 出産・育児の時の妻の不安は大きいものです。NHKの番組で「産後クライシス(造語)」が話題になりましたが、カウンセリングにおいても、育児は想像していた以上に大変で、「体力的のみならず精神的にもきつい」「子どもが泣き止まない」「夜中に何度も起こされる」「復帰が不安で仕方がない」等よく聞きます。そのようなときに、夫が寄り添うといいますか、一緒に悩んでくれたり相談に乗ってくれれば、例え物理的なサポートが難しかったとしても、精神的には随分違うのです。

 国もこの点には注目していて、妻の産後2か月以内の夫の休暇取得を促進していくことを目指す、「さんきゅうパパプロジェクト」も立ち上がっています。

 この時期に夫の関わりが少ないと、妻に「危機的だったあの時、何もしてくれなかった」という意識が残ってしまったり、「こんなに大変なら二人目は無理」と、第二子を持つことへの躊躇につながる傾向にあります。このことは調査でも明らかになっていて、夫が物理的・精神的に寄り添えていると、二人目も安心して持てるというところでしょう。

 『働くママ・プレママのための両立応援ブック』に、渥美由喜さん作成の「女性の愛情曲線」のグラフがあります。これは、子育て期に夫が育児に関わらない場合、「妻の夫への愛情は右肩下がりになっていく」ことを示したもの。これは本当にそうですね。カウンセリングでも、女性の皆さんこの“傾斜具合”に実感を持ってうなずき、笑顔が出てしまいます。

 女性活躍関係の講座をしていると、男性参加者から、「男性は、本音では育児に参加したいと思っていない」等言われることがあります。妻に、「自分は生活を変えたくない、君が育児も家事も全部するなら仕事に復帰していいよ」と言う夫も。

 これらの意見は、翻せば育児家事が大変だと分かっていて関わりたくないという意志表示なのでしょうか。その背後にある自分勝手、思いやりの無さが、妻には愛がないこととして映るのは当然でしょう。なんだかもったいないですよね、子どもや妻との素敵な愛情体験を逸してしまっているのですから。

 育児はずっと続くものです。子供が成長すればするほど、父親との関係性は子供にとって大切なものとなるでしょう。子どもの反抗期には親としてどうしましょうか? 大きくなってから急に子供とコミュニケーションを取れ、関係性を築けといわれても、なかなかそうはいきませんね。

 イクメンイベントで、育児休業を取得した男性からは、「子どもの成長を目の当たりにできた」「大変だったけど可愛さを満喫!」「子供と一緒に、自分も父親として成長できたと感じる」「育児と家事をして、こんなに妻は大変だったのかとわかった」「妻から喜ばれた」「子どもの誕生で働き方を考えるきっかけになった」等、実感のこもったコメントがたくさん発表され、会場は、妻や子どもへの愛、イクボスの部下への思いやりに溢れていました。

 また、5日間など短い期間でも、男性社員の育休取得率100%を達成する会社もあり、単なる休暇ではなく、育児家事をするために休むという体験から得られることは、男性社員にとってもその妻にとっても貴重なものになっていると紹介されていました。

 今の時代の男性にとっての育児との両立。大変な中にもどれだけの楽しさがあるのか、忙しい仕事の中でワーク・ライフ・バランスはどうなっているのか、役立つサイトがいろいろ出ているので、皆さんもチェックしてみて下さい。素敵な体験談など、楽しいですよ。

まず、このサイトはいかが?

育メンプロジェクト(厚生労働省)

企業の取組から個人の体験談、父子手帳コーナー、参考になる情報満載です。

http://ikumen-project.mhlw.go.jp/

子育てパパ応援ウェブサイト「ヨコハマダディ」(横浜市)

『パパブック―父親を楽しもう―』は、子どもとの関わり合いがよくわかる、具体的で楽しい冊子です。

http://hamadaddy.city.yokohama.lg.jp/papabook/

(執筆:ワーキングマザー両立応援カウンセリング カウンセラー 桂 香代子氏)

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