更新日:2018年7月24日

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管理者のワーク・ライフ・バランス

はじめに

 短い時間で最大の効果を上げたい。そのために時間外労働を削減したい-管理者であれば誰でも抱える問題です。

 時間あたりの生産性が向上することで残業を減らすことが可能です。残業が減れば、時間に余裕が生まれ、今以上に自己啓発に時間を振り向けることが可能になり、部下の能力の向上につながります。結果として自部門の業績向上につながります。

 でも、どうやって生産性を上げれば良いのかわからない管理者も多いのではないでしょうか?さっそく今日からでもできる時間外労働削減のヒントを考えてみましょう。

仕事の優先順位や無駄を見極める

 管理職が仕事全体を戦略的・計画的に組み立てることで、部下の仕事は格段に効率的になります。すぐに仕事に取り掛からず、最短距離でゴールにたどり着く方法を考え、その上で仕事に着手しましょう。

1.必要工数を明確に設定し、仕事の優先順位や無駄の見極めを行う方法
プロジェクト単位で朝礼や終礼を行い、業務の進捗度や仕事の優先順位を確認する方法があります。もちろんメールでも結構です。
また週単位で残業状況を確認し、残業が発生する要因と対策を部内会議で検討します。

2.成果物のイメージを具体的に共有する
 部下に仕事を頼んだものの、「求めているのはそれじゃなくて、本当はこういうものが必要だったのに・・」「だったらそれを先に言ってくださいよ。」という場面は誰でも経験があると思います。やり直しは時間がかかるだけでなく、納期までの時間がない中、頼む側も頼まれる側も嫌なものです。
 この状態を避けるには、やるべきことを明確にし、上司の指示の曖昧さや部下の思い込みが発生しないようにすることが不可欠です。
 例えば、「顧客用の資料を作成してほしい」場合、事前に部課長が資料作成者に対して資料の要件及び最終イメージを具体的に指示し、後でやり直しや修正する時間を最小限にとどめ、作成時間の短縮を図る工夫が大切です。
 そのためには、作成に取り掛かる前に十分に上司と部下でコミュニケーションをとり、成果物のイメージを共有することが大切です。

3.会議の半減や資料の事前配布等
 会議への出席を負担に思っている管理者も多いと思います。会議の時間・会議の時間・出席する人数・資料作成の時間をそれぞれ1月2日にしたら、それだけで従来会議にかけていた時間を削減できます。

会議資料は要点を事前に整理し、事前配布を徹底し、会議は意見を出して決定をする場とします。

会議時間は上限時間を設定します。例えば最長30分や60分まで、定刻5分前に終了することを目標とし、時間を常に意識しながら会議を進めます。
緊張感を持たせるため、タイマーをセットするのも効果的です。
会議室の予約につき、30分以上は取らないよう社内で徹底する方法もあります。
会議を行う時間帯についてもルールを設定し、17時以降の会議を禁止することも検討しましょう。

管理者が自分の仕事をする時間をスケジュールに組み込む

 管理者は、部下の進捗管理や相談に加えて突発的な案件の対応などマネージャーとしての仕事もある上、自分が担当するプレイヤーとしての仕事もあります。日中は部下の対応に終始し、夕方部下が帰ってから自分の仕事をすることが多いのではないでしょうか?
 そこで、自分の仕事をするための時間をあらかじめスケジュール表に入れて確保する方法を検討してみましょう。

【例】報告書の提出が1週間後に迫っている場合、その3日前に資料作成のため3時間を確保したい。

 まず〇月○日は報告書作成のため3時間業務に集中させてもらうことを部下に公言し、それまでに必要な決済やコミュニケーションを部下と済ませましょう。当日は、その3時間を最大限集中して自分の作業を行います。

会議室を使用することが可能であれば、会議室に一人こもって仕事をする方法もあります。
在宅勤務が認められている場合、当日の午前中は自宅で資料を作成し、午後出社する方法もあります。
早朝勤務が認められている場合、1時間早めに出社し、早朝の誰にも邪魔されない時間帯に報告書を何日かに分けて仕上げるという方法も可能です。

 自分の集中力を最大限に発揮できる時間帯、方法を見つけて活用しましょう。

(執筆:株式会社マーシャル・コンサルティング 代表取締役 上岡 弓見子氏)

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