障がい者雇用のための企業交流会「はじめの一歩」(横浜地域?)【終了しました】

掲載日:2018年11月5日

 「障害者の雇用の促進等に関する法律」では、従業員45.5人以上の企業を対象に、障がいのある方を2.2%以上雇用することとしています。
 一方、中小企業の皆様からは「どうやって障がい者雇用を進めたらよいか分からない」、「どこに相談したらよいのか分からない」といった声も聞こえてきます。
 そこで、県では、先輩企業の体験談や質問会を通して、普段は聞けない事柄を自由に聞きながら、参加企業間のつながりも作れる企業交流会を開催します。

 ※本イベントは終了しました。ご参加いただきありがとうございました。
 ※当日の概要を掲載いたしました。

  • 日時:2018年9月12日(水曜)13時から16時40分(開場12時30分)
  • 場所:横浜市立大学金沢八景キャンパス YCUスクエア(8号館)ピオニーホール
    (横浜市金沢区瀬戸22-2)
  • 参加者数:23名

プログラム(当日の様子)

障がい者雇用の事例紹介
横浜市立大学人事部人事課障害者雇用推進室 瀬尾智氏

事例瀬尾様

 今日は障がい者雇用にとって大事な視点であると日頃感じていることや、本学の取組についてお話しすることで、皆様の今後の障がい者雇用に少しでも参考になればと思います。

 平成28年4月に施行された障害者差別解消法では、「障がいとは、社会の側にあるハードルで相対的なもの」という社会モデルの考え方が取り入れられました。エピソードを紹介しますが、かつて北米大陸沖に「みんなが手話で話した島」がありました。その島は遺伝性の聴覚「障がい」の人が多数で、コミュニケーション手段としての共通言語は手話だったそうです。そうした環境においては、聴覚に「障がい」が無くても手話ができない人は「障がい者」となるわけです。障がいを相対的なハードルと捉え、そのハードルを無くす、低くする努力が障がい者と関わる周囲の人たちに求められるという視点は、障がい者雇用の現場でも非常に重要なポイントの一つと考えられます。横浜市立大学では、平成28年4月に障害者雇用推進室を立ち上げ、法人全体を横断した取組を行っていますが、その一つに障がい者理解のための研修実施があり、職員の意識啓発、障がいの有無に関わらず、誰もが安心して働ける土壌づくり、組織風土づくりを目指しています。「個々の障がい者の状況に応じた環境の変更や調整」とされる「合理的配慮」の考え方を、組織全体や個々の職場にどう定着させ実践していくか、現実的にはなかなか難しい場面もありますが、一つ一つ進めていけたらと思っています。   

 一人ひとりの障がい者に応じた配慮を行うには、その人のハードルが具体的にどのような点にあるのかを適切に把握する必要があります。そのために、挨拶や声掛け等、日頃のコミュニケーションとともに、定期的な面談も重要な要素と考えています。「なにか困ったことがあればいつでも言ってください」という声掛けも大事ですが、自分からは相談しづらいと感じる方もいます。面談を週や月に一度と設定しておくことで、「普段はなかなか言えないけれども、面談の時に言おう」と思ってもらうことができます。
 市大の障害者雇用推進室は相談窓口としての役割も担い、定期的な面談をしたり、随時の相談にのったりしています。日常の利害関係のない場所に相談できる窓口があることで、業務面や体調面、人間関係などで困ったことがある場合に、「ハードルを低くする」役割を一定程度果たせることもあります。
 面談をする中で何度か経験したのは、特に精神障がいの方の場合、こちらが様子を見て「調子が良いな」と感じる時の方が、むしろ気をつけるべきということです。「かなり調子が良さそうだな、少し残業してやってもらおうか」というように仕事をお願いすると、一生懸命取り組んだ反動で、疲れが出てしまうことがあります。調子が良さそうに思える時ほど、あえてブレーキをかけることも必要な配慮であると思います。精神障がいの方について更に言いますと、重いノルマを課さないことや、体調や気分の変化により突然休んだ場合に周りがフォローできる体制をあらかじめ築いておくことも、本人のプレッシャーというハードルを下げる意味で有効と考えます。
 「先入観をもたないこと」も、必要な配慮につながる大切な要素です。この先入観を排除するために、採用時に、採用の判断やその方の支援に必要な情報以外の詳細までは聞かない、採用後も、その方の過去の歩みが一方的なイメージの植え付けにつながることのないよう「まっさらな状態で、普通に接する」姿勢がとても大切であると考えます。

 次にお話するのは「業務の切り出し」についてです。障がい者雇用の成否の鍵を握る重要かつ継続的なテーマといえます。私は約8年前、横浜市立大学附属病院でスタートした障害者雇用チームの指導員になったのですが、障がい者の方にどのような仕事をしてもらうかという点に非常に頭を悩ませました。様々な部署に出向くなどして関係性を構築し、バンソウコウカットやビニールひも通し等、医療系の補助作業を中心に少しずつ作業実績を重ねました。依頼作業を地道に丁寧に行うことで、「あのチームにやってもらえると結構助かるよ」と評判が広まり業務量を増やしていきましたが、「これで一定の業務のボリュームを確保できた」という段階に至るには約2年かかってしまいました。今日ご参加いただいた皆様にとっても、作業の切り出しは難しいテーマであると思います。私の経験から申しますと、始めから完成形を作りだそうとするのではなく、こうやったらうまくいったとか、これはうまくいかなかったというように、試行錯誤を繰り返しながら取り組む姿勢が大切と感じています。

 3つめのテーマは、適材適所の人員配置、言葉を換えれば障がい者と業務、配置部署のマッチングをどうすれば良いかについてです。
 横浜市立大学では、金沢八景キャンパスと附属の2つの病院に「環境整備チーム」というチームを作っています。更に本年4月からは、金沢八景キャンパスで事務支援に特化した「事務支援チーム」が活動を始めています。このように、障がい者がチームとなり仕事をする「集約型」の職場があるのと同時に、各部署に1名ずつ配置する「分散型」の職場もあります。集約型の職場と分散型の職場が併存することが本学の障がい者雇用の特徴であり、人的交流や作業の相互乗り入れを行うなど、特徴を活かす工夫をしています。また、適材適所の配置のため、本学では採用選考実習を実施しています。数日から一週間、実際に現場で働いてもらい、職場や業務とのマッチングはどうかを見る機会を設けています。お互いのマッチングを見極めるステップを経ると、適材適所に配置できる可能性が高まり、本人が持ち味を発揮して働ける状況や離職率の減少につながります。
 雇用現場では、障がい者の方ができること、できないことの見極めを適切に行うことが重要です。本人の努力で克服すべきことと、周囲の助けを借りるべきこととの見極めです。その際、就労支援センターや就労移行支援事業所にアドバイスを求めることも有益ですので、普段から支援機関や支援者との関係性を築いておくと良いと思います。
 「コーヒーカップを一つ書いてください」という指示に、皆様は何を書くでしょうか。あくまでも例えばという前提ですが、カップだけを書いた方は、何事にも忠実に取り組み正確にこなす一方で、杓子定規で融通が利かない面があるかも知れません。カップ以外にコーヒーの中身やスプーン、ソーサー、クッキーまで書いた方は、応用力があり柔軟、気が利くなどの点で優れている反面、お節介で余計なことをする傾向が強いかもしれません。要するに、人の強みと弱みはしばしば表裏一体であるということです。障がい者の方の「強み」をなかなか見つけられなかったとしても、その方の「弱み」を徹底的に見つめ直して、その弱みの見方を変えると、それが強みになるケースを、私は何度か雇用現場で経験しました。例えば、作業をするスピードが遅い場合でも、丁寧かつ正確に作業をしていると見ることもできるわけです。

 以上のことを踏まえて、まとめとして申し上げたいことは、障がい者雇用は試行錯誤しながら一歩一歩進めていくものということです。ご清聴いただきありがとうございました。

障がい者の雇用現場の見学

横浜市立大学の人事課障害者雇用推進室の説明を交えて、同大学の環境整備チームと事務支援チームの職場見学を行いました。

    ホール清掃               ホワイトボード説明

県障害者雇用促進センターの紹介

障害者雇用促進センターの担当者が、センターの担う機能や実施している事業の紹介を行いました。

現場で働くご本人のお話

実際に働いている障がい者ご本人とその支援員の方にご登壇いただき、就労から現在に至るまでの従事業務や就労する中で感じる思い等ご自身の体験についてお話しいただきました。

当事者のお話し

グループトーク(質問会)と障がい者雇用ミニセミナー

働く障がい者ご本人とその支援員の方を囲んで、直接いろいろ聞くことができる座談会形式のグループトーク(質問会)と障がい者雇用に役立つミニセミナーを行いました。

障害者雇用ミニセミナー       グループトーク(質問会)

交流会 

閉会の後、参加者同士で自由に情報交換や名刺交換を行う、交流会を実施しました。

主催・共催

【主催】神奈川県
【共催】横浜市 横浜市立大学 神奈川労働局 ハローワーク横浜 ハローワーク横浜南 ハローワーク戸塚