ホーム > 産業・働く > 労働・雇用 > 雇用・就職支援 > かながわ障害者雇用優良企業 > 障害者雇用優良企業インタビュー (有限会社光製作所)
更新日:2026年4月10日
ここから本文です。
かながわ障害者雇用優良企業へのインタビュー記事です
代表取締役社長 丸山 裕司さん

2023年の新卒採用で、採用目標人員に満たなかったことがきっかけです。同時に、円安の影響で、ベトナム人の技能実習生の応募者も激減しました。少子化と円安のダブルパンチで、今後の若手採用に不安を持ちました。
障がい者雇用について準備を進めていた折に、中途採用募集で偶然、精神障がいのある岩田さんと出会いました。前職を1日で辞めたとのことでしたが、働きたい人に、挑戦するチャンスを与えるのが当社の精神であるため、雇用を決めました。
結果、岩田さんの働きぶりは満足のいくものでしたし、先輩従業員たちの育成能力の高さも確認できました。これ以来、採用難の対策としての障がい者雇用を、積極的に進めています。
働き方はフルタイムに限らず、いろいろですが、短時間勤務として採用した場合は、品質管理検定(QC検定)4級の合格をもって、パートタイム雇用から正社員雇用に昇格できる仕組みもあり、2025年には、2人が正社員に昇格しました。
障がい者雇用を決断したときは、全社的に反対という状況でした。
ものづくりの現場は、「フルタイムで男性の仕事」という慣習が強い業界です。女性を現場に入れようというときや、短時間労働で雇用しようとしたとき、いずれも反対意見はありました。自分とは違うから駄目という発想が先に立ってしまったわけです。
採用後は、従業員に「利他の心」が育まれました。「誰かの苦手や欠点は、それができる誰かがカバーすればいい」というチームワークが生まれました。女性が働き始めたときも、外国人が働き始めたときもそうでしたが、「親切にする」「親身になる」「見守る」「寄り添う」といった相手を思いやる温かい風土は、より深く根付いたと感じています。
日本人の障がい者が、外国人従業員に文章を読んだり、代筆したりと、サポートする様子も見られます。これまで、サポートを受ける側だった障がい者が、「誰かの役に立つ」という経験を通して、働くことへの「やりがい」を感じて意欲的に働いていることは、人間的成長といった観点においても、生産性の向上という観点においても、企業にとってプラスであると感じています。
障がい者であることを隠さず、オープンにすることで、配慮が必要であることの理解や協力を得やすい環境をつくりました。
正式に採用する前には、就労体験を実施し、仕事を知る・お互いを知ることで、本人と周りの人との不安を極力減らしました。就労時間は、本人の要望を聞き入れ、短時間から始めて、月に一度の面談で話し合いながら、就労時間を徐々に伸ばすようにしています。
あわせて、現場では、面倒見がよく、包容力のある社員に、障がいのある社員の見守り役をお願いするとともに、複数の社員に、寄り添い役をお願いしました。外部の就労支援機関とも協力して、メンタルサポートにも取り組んでいます。配慮は必要ですが、過保護はしてはいけません。「配慮しない配慮」も重要だと気付きました。
また、雇用する側の話となりますが、行政をはじめとした支援機関が想像以上に充実していることを、初めて知りました。就労体験という賃金が発生しない形でのトライアルができたり、障がい者雇用についての出張講習を無料で受けられたりもします。かつては、横浜市戸塚区にある就労支援センターのサポートを受けていましたが、現在も、綾瀬市にある就労支援センターのサポートを受けています。
「人を育てる」の一言に尽きると思います。
失われた30年で本当に失ったものは、人に教える・人を育てる時間を無駄と決めつけ、生産性や利益を追い求め過ぎて、「人を育てる」から「人を買う」ことで、即戦力と優秀な人だけに頼ってきたことです。人間の本質は、「人に伝える能力がある」ことであり、親は全てのエネルギーと時間を費やして、自分が受け取ってきたものを我が子に伝えている。
障がい者雇用、合理的配慮などは、いかにも難しいものと捉えられがちです。
しかしながら、実際に取り組んでみると、「ただ人を育てる」というだけのことです。「教える側の人材がいない」という言葉をよく聞きますが、残念な言葉です。我が社では、10年間で人を育てようというつもりでやっています。次の世代に伝わるまで教え、伝え続ける会社でありたいです。社会全体でいえば、排除の世界ではなく、見えないハードルが撤廃されるように前進できればよいと思いますし、そのチャンスは至る所にあると感じています。
機械加工担当 岩田 一也さん

この会社に入る前も、何社か仕事を経験してきました。光製作所では、プレスや金型の製作など、現場の仕事であれば、何でもやります。
臨機応変に動くということは苦手なので、「一つ一つやればいい」と言ってもらえることは大きいと感じています。仕事をマンツーマンで教えてもらえますし、私が覚えるスピードを考えて、指導していただいています。
困ったときは、先輩社員や支援センターの方にも連絡しますし、仕事以外のことを話せる仲間もたくさんいます。
「この人じゃないと仕事が回らない」と言われるような人になりたいです。今では障がいのある人に指導することもあります。この会社に来て、最初は仕事を教えてもらうのは、ただ「教える」という一つの形だけだと思っていましたが、教え方・伝え方は一通りではないと感じています。
(令和7年10月30日取材)
このページの所管所属は産業労働局 労働部雇用労政課です。