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更新日:2026年4月10日
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かながわ障害者雇用優良企業へのインタビュー記事です

代表取締役社長 市川 聡さん
経営理念に「感動創出企業」を掲げる当社で、障がい者雇用のきっかけとなったのは、「日本で事業の拡大を考えるなら、障がい者雇用は企業の社会的責務」という、ある方の言葉と熱意に感銘を受けたからです。現代社会にも通じる経営哲学をもつ松下幸之助氏の“企業は社会の公器”という言葉と共通する思いを感じました。
情報システム技術を扱うIT業界では、当初、障がい者雇用の前例も少なく、国が定める法定雇用率を達成するのは難しいと考えていました。ですが、少しでも障がいがある方の力になりたいと考え、2016年から、障害福祉サービス事業所「アール・ド・ヴィーヴル」が展開する障がい者アートをリース契約し、本社の小田原と東京の社内に展示しています。アール・ド・ヴィーヴルは、小田原を拠点とする社会福祉法人が運営する事業所で、アート作品の入替え時には、作者も交換作業に来社してくださるので、かねてより障害がある方と当社社員との交流の機会がありました。
また、同じ頃、当社でデータ入力システムSICS(シックス/Sunnet Input Cloud System)を開発していたことも天命だったのかもしれません。今までにはなかった、AIを活用した正確で作業効率のよいシステムの創出を、地元の特別支援学校の実習生の協力も得て実現しました。2018年に初めて、東京本社で営業事務として障がい者を採用し、2019年には本社の小田原で、SICSの開発に携わった実習生を採用しました。小田原で採用した2人は、現在ではプログラミング開発もできるようになり、戦力となっています。
また、SICSの開発によって、2025年現在で、三つの特許を取得することができました。
情報システム開発を扱っていることもあり、あらゆる人が利用しやすい、インクルーシブデザインに配慮した業務展開は、新たな強みにもなっています。利益至上主義という物差しだけでは難しい、他者を思いやる心や社会貢献意識は、SDGsの実践にもつながっていると思います。
障害福祉サービス事業所「アール・ド・ヴィーヴル」にご協力いただき、管理職には福祉現場での実習を行いました。受入れ部署の社員には、行政主催の社員研修に参加するなど、同じ職場の仲間としてイメージしやすくなるよう、意識づくりからアプローチしました。
障がいのある社員に対しては、窓口となるトレーナー的社員を配置し、相談しやすい体制をとっています。社内では、ほかの社員と机を並べる座席配置で、在宅勤務も可能です。初めから、うまくいったわけではありませんが、彼らが一生懸命働く姿を間近に見ることで、周りの社員も根気強く支えることができたと思います。
一口に「障がい」と言っても、それぞれで特性が異なります。障がい者雇用を避ける理由を100個考えるよりも、一緒に働く方法を考えてみてはいかがでしょうか。本社の小田原では、知的障がいのある5名が働いています。また、2025年には、北海道にある長沼ワーケーションオフィスで重度身体障がいのある社員を1人採用するため、バリアフリーにリフォームしました。
障がいのある方の可能性は無限大です。彼らの可能性も見据えて、当社では特別支援学校などからの実習生の受入れとともに、学習教材としてSICSを無料提供しています。

デスクワークに興味があり、在学していた学校の職場実習がきっかけで、時期を3回に分けて、合計4週間半ほど当社を訪問しました。数字入力は得意だったので、SICSでの作業は、すぐに慣れることができました。現在は、SICSでのデータ入力やプログラミング開発に携わっています。SICSでの作業は、AIによる文字認識率が向上されているので、今では私が文字を入力することは少なく、確認作業が主な作業です。
毎日、終業前に専用ツールを使い、当日の業務を改善・反省するための日報を書いています。その内容は、市川社長をはじめ課員に共有され、困ったことなどがあれば、上司や周りの皆さんに反応していただけるので、見守ってもらえる安心感や自信にもつながります。
プログラミング開発に関わる実務を増やすため、スキルアップのための学習を行っています。以前、私が担当したプログラミング開発では、多くの障がい者アートを所有する「アール・ド・ヴィーヴル」の作品管理システムを手掛けました。当社で学んだ知識を活かして、作品の登録・検索・修正・削除ができるよう工夫しながら制作したプログラムです。これからも、皆さんに喜んでいただけるようなプログラミング開発を行いたいです。
同期の谷岡さんと同じ学校出身で、パソコンは得意ではありませんでしたが、障がい者雇用の中でも募集が少ないデスクワークに興味があり、職場実習から一緒に参加しています。当社は、幅広い年齢層の方が在籍され、話しやすい雰囲気も印象的でした。現在は、クラウドサービスとして展開している住民税試算システムのコード修正などを受持ち、100を超える自治体の更新作業を手分けして担当しています。お客様のデータをお預かりして、納期までに仕上げる必要があるので、スピードも意識しながら正確に入力できるよう努めています。
幅広い年齢層の方が働く会社ですが、上司やほかの社員の方と机を並べる座席配置ということもあり、困ったことがあれば、すぐに聞くことができます。
自分で考えたプログラムを実装できることは、やはり達成感があります。プログラミングの学習もしっかり行える環境なので、実務で活かせるよう励んでいます。
(令和7年10月28日取材)
このページの所管所属は産業労働局 労働部雇用労政課です。