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更新日:2026年4月10日
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かながわ障害者雇用優良企業へのインタビュー記事です

代表取締役 伊藤 正貴さん
障がい者雇用に取り組み始めたきっかけは、法定雇用率の達成が目的でした。当初、最低1名の障がい者を雇用しなければならない状況の中で、ハローワークなどに相談しながら求人を行いましたが、雇用が長続きしないことも多く、また、業務に適した人材に出会うことができず悩んでいました。
当社には、先代からの「誠心・誠意・誠実」という社是があります。2014年に、先代の父から会社を引き継ぎ、この言葉に恥じない経営を行うためには、どのようにすればよいかを考えたとき、障がい者雇用を「社会的責任」から「人材戦略」へと据え直すことが、社是の遵守につながるという考えに至りました。
そこで、一時的な採用ではなく、長く働ける若手人材の育成に着眼し、特別支援学校の新卒者採用に踏み出しました。
ものづくりの現場は、難易度の高い作業や大型製品の扱いもあります。障がい者の新卒採用に関しては、当初、安全面への不安や、チームワークへの懸念もありました。
そこで、まず、就職説明会で出会った藤沢支援学校の先生方に相談し、現場を見学していただきました。その際、「この業務は、支援学校の生徒も対応できるのではないか」と具体的な提案を頂き、業務内容を選定しました。また、先生方からの要望で、採用前に、2週間の実習を行っています。
新卒採用をスタートしたのは2011年です。初年度は2名、その後も新卒採用を継続し、現在では14名の社員が、各部署で活躍しています。
採用前に2週間の実習を行う中で、学校の先生方から「栄和産業での実習は、生徒たちの自己肯定感が高まるきっかけになっている」とのお言葉を頂くことが多くありました。その話を聞いたとき、私自身、ものづくりの企業でありながら、教育の一端を担えていることに、大きな喜びを感じることができました。現在では、一人でも多くの生徒に「働く楽しさ」「仕事ができる喜び」を実感してもらいたいとの思いから、13校の特別支援学校と連携し、延べ200名以上の生徒の実習を受け入れています。
また、会社としても、障がい者雇用を推進する中で、本人の努力と周囲の指導で、一人前の技術者に育て上げることができると気付きました。当社では、障がいの状態にかかわらず、昇給・昇進の基準は全社員共通です。入社後1年間は、定期的な面談を実施し、相談しやすい環境を整えることで、働きがいを持って、長く働き続けられるようサポートしています。当社が目指すダイバーシティ経営、インクルーシブ企業の土台ができたことが、障がい者雇用の最大のメリットと言えます。
アナログ時計の短針・長針・秒針が読み取れない知的障がいの社員への配慮として、デジタル式の時計に変更しました。
また、4時間勤務からスタートした精神障がいの社員に、基準となる勤務時間(8時間)で働けるよう、少しずつ勤務時間を増やしていったのですが、結果、気持ちが高揚して眠れなくなる日があるという報告がありました。このケースでは、対象社員の働きやすさを考慮して、生活状況を見極めながら半日の勤務に戻すことで、離職を防ぐことができました。
誰もが活躍できる会社を目指し、製造ラインのほかに、重度の障がいがある社員も働ける部署として、2017年に「名刺事業部」を新設しました。障がいのある社員が、パソコンで名刺のデザインや制作を担当しています。最近では、綾瀬市役所とも購買契約を結び、品質と価格の両面で高い評価をいただくなど、名刺事業が口コミで広がり、販路が拡大しています。
将来的には、障がいのある社員が自立した生活を送れるよう、衣食住が整ったグループホーム型の社員寮を設立し、安心して暮らしながら働ける環境をつくりたいと考えています。今後の社会に望むことは、障がいの有無を、右利き・左利きや血液型の違い程度に受け止められるようになることでしょうか。ゆくゆくは「障がい者雇用」という言葉自体がなくなってくれたらと思います。
当社は、これからも障がい者雇用を「社会的責任」から「人材戦略」へと意識を転換し、特性に応じた業務設計を進めながら、多様な人材が活躍できる会社づくりを続けていきます。
製造部 溶接担当
田中 寿樹さん

2025年4月に学校からの紹介で、正社員として入社しました。仕事は、バスの骨組みに部品を付ける作業と、仕上げ(スパッタ取りと油拭き)を担当しています。この会社を選んだのは、働きやすいと思ったからです。作業時は、不良品を出さないよう心掛がけています。
周りの先輩方と同じくらいの仕事量をこなせるよう頑張りたいです。
自分がつくった製品が使われているバスを目にすることがあると楽しいです。部品が全国で使われていることにも、やりがいを感じます。
(令和7年10月23日取材)
このページの所管所属は産業労働局 労働部雇用労政課です。