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更新日:2026年4月10日

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障害者雇用優良企業インタビュー (社会福祉法人啓生会)

かながわ障害者雇用優良企業へのインタビュー記事です

実習から育てる、できるを活かす共生雇用

社会福祉法人啓生会の井上 施設長兼理事に聞きました

施設長兼理事 井上 政江さん

障がい者雇用のきっかけを教えてください

直接のきっかけは、10年以上前に養護学校(特別支援学校)から相談があったことです。1年間、週1回の実習を行った結果、障がいのある方ができる仕事の確認ができたことで雇用につながりました。

そもそも、なぜ実習を受け入れたかといえば、そこには法人としての基本的な考え方や理念がありました。当法人では、人種や性別、信仰、価値観、障がいの有無などは全てその人の個性と解釈しています。そうした個性が組織の中に共存することは、歓迎すべきことで、それにより人の痛みを知り、成長する機会につながると思っています。個々人の力量を知り、無理のない仕事量を振り分け、働きやすい職場づくりをすることで、各自の持てる力を十分に発揮して、やりがいをもって仕事をしてほしいと思っています。

きっかけこそありましたが、採用は思い切ったことではなく、理念に基づいた自然の流れだったと思っています。

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障がい者の職場定着に向けて取り組んでいることを教えてください

障がい者を雇用しつづけることは、簡単なことではありません。人間ですから、お互い腹が立つこともあると思います。そうした中で施設の管理者は、それぞれに配慮すべきことを日々考え、共存の実現を目指してくれています。順風満帆ではないですが、皆がよい顔をして働いてくれるようになって、うれしく思っているところです。

ただ、悩むことも多いです。

遅刻が多かったり、昼休みの時間をオーバーしたり、時間にルーズなところが、なかなか改善できない人もいます。これは、いまだに指導中です。雇用している障がい者の、そうした仕事以外の部分の指導は苦労します。

また、以前に一度、ハローワークの障がい者フェアに参加して4人を採用したのですが、3人が退職してしまい、離職率がかなり高くなってしまったので、その後の採用に、慎重になったこともありました。病状と仕事内容の兼ね合いが悪いということと、人間関係の問題が大きかったので、それぞれの個性という理念に立ち返って、個別に対応しています。

デイサービスでは、視覚・聴覚・知的障がい者4人が勤務しています。

今、4年目の知的障がいのある職員は、来たときは何もできませんでしたが、人懐っこさがあって、利用者から可愛がられる才能があったと思います。仕事で失敗したとき、何が間違っているのか伝わりづらいこともあるので、どうして駄目なのか、理由をきちんと伝えます。それでも伝わらないこともありますが、そこは、少しずつ積み重ねていくようにしています。

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障がい者と共に働く中で、感じていることはありますか

日頃は、先輩しかいない環境で、仕事のことを教わることが多いのですが、学生が研修に来たときは、いつもよりも少し意識的に動いていると感じることもありました。この先、後輩ができると、また仕事への向き合い方の変化や、人間的な成長があるかもしれません。

障がい者同士でも、お互いに支え合っていることもあります。例えば、視覚障がいがあって資料を読めない方には、知的障がいの方が読んであげたりします。また、知的障害の方が読めない文字を、視覚障がいの方に教えてもらったりもしています。自身にサポートが必要だから他者をサポートできないわけではなく、「できる」「できない」を補い合うということは、誰もが同じです。

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今後、どのように障がい者雇用を進めていきますか

障がいとその特性に対して理解を深めることは、できる仕事の仕分けにもつながります。そのため、可能な限り、仕事の仕分けを細かく行うことが、障がい者が働く上で重要になると考えています。

学校や職業訓練ではなく雇用という形態ですが、指導者が必要になります。指導者は、その方の障がいの特性を知り、他の職員にも共有し、協力してもらう、それが多様な人材の共存につながります。

今年度から当法人では、同一事業所において、介護保険サービスと障害福祉サービスの両方を提供する「共生型サービス」を、デイサービスで開始しました。今後はショートステイにも導入して、様々なサポートが必要な人を一元的にサポートできる、地域社会に開かれ、地域社会に根差した施設になりたいと考えています。そのためには、人材についても多様性が大切です。変わらず積極的に、障がい者・外国人・高齢者の雇用を行っていきたいと思っています。

障がい者雇用を検討している企業に向けて、メッセージをお願いします

障がい者雇用は、企業にメリットがあるというだけでなく、広く社会貢献でもあります。

しかし、受け入れることが直接、社会貢献になるわけではなく、また社会貢献になるから受け入れているわけでもありません。小さいことの積み重ねがあって、その人ができることをやってもらうことが、大局的な視点で、よい社会をつくる方向に向かっていけばと思っています。

当法人では、障がい者に限らず、外国人や高齢者も雇用しています。どのような背景であれ、その人ができる仕事を、できる範囲でするということには差はありません。それぞれの人間性や、仕事に対する熱意の方が大切です。結果的に、多様性を認め、分け隔てなく人に接することができるようになればいいのではないでしょうか。

(令和7年11月12日取材)

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