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更新日:2026年4月10日
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かながわ障害者雇用優良企業へのインタビュー記事です

管理課長 青木 孝文さん
「企業の社会的責任を果たしていきたい」という当社の思いが大きな理由です。基本理念の「人間尊重」に基づき、障がいなどに関わりなく、一人ひとりが、かけがえのない存在として個性を認め合い、そして尊重し、「障がいのある人が生き生きと働き続けられる会社」を目指しています。障がい者雇用によって企業価値の向上や、採用競争力を強化し、多様性を受け入れることで、社員同士の相互理解や協力体制を強化する狙いもあります。
2017年から、障がい者の採用のための情報収集や環境整備を、私を含めて2人の社員が中心となって取り組んできました。
当初、私たち担当社員は、障がい者雇用に関する知識がなかったため、ハローワークや障害者就労支援施設などに出向き、知識を増やしていきました。その延長線上で、障がい者を5名以上雇用する場合に選任することが義務付けられている「障害者職業生活指導員」の資格を取得しました。その後、障がい者の職場定着を支援する「企業在籍型ジョブコーチ」の資格を取得しています。企業として専門知識を備えることは、障がい者の御家族に安心感を提供する上で大切だと考えました。
また、社内の誰もが採用プロセスのノウハウを活用できるようにするために、雇用管理マニュアルを作成しました。選考基準は「作業スキル」「社会性」「性格」の三つに分類し、採用者のイメージを明確化しました。そして、約1か月のトライアル雇用を通じて、適性や業務遂行能力を確認し、その評価を基に採用を決定していきます。
現在、重度障がいの方を含めて、3人の知的障がい者が働いています。
当社は、デファレンシャルギアなどに内蔵される自動車部品のほか、チタンコーティング処理を施したカトラリーなどを製造しています。それらの精密さから、障がい者が現場で作業を行うことは難しいと判断し、外部委託していた清掃の一部を、本人の作業能力や適応性に応じて任せることとしました。
障がい者雇用に備えて、掃除の手順が分かりやすくなるようマニュアルを作り、1日の業務フローを作成しました。また、空間認知が苦手な特性のある重度知的障がいの方を採用した際には、手順が視覚的にも分かりやすくなるよう、清掃場所のフロアやテーブルに番号を振ったり、ごみ箱や、ごみを集める位置に印を付けたりして、アドレス化しました。
また、タオルを干す洗濯ばさみも、タオルの色に合わせて色分けするほか、柄の長い掃除道具で蛍光灯を割らないように蛍光灯カバーを設置したり、掃除道具を乗せるカートを自社で製作したり、障がい者の特性や清掃場所に合わせた、オリジナルな対応を行いました。
当社は製造業なので、こういったマニュアルや制作物の作成は得意です。また、障がい者雇用をきっかけに清掃業務の内製化ができ、コストの削減にもつながっています。
当社が障がい者雇用の本格的な導入を決めてから採用に至るまで、約1年間かかりました。行政などから、様々なサポートやアドバイスを受ける中、障害者就労支援施設でもある秦野精華園のお力添えで、現在に至ることができました。現在も秦野精華園とつながりを持ち、障がい者支援の一助になれるよう、施設で製造・販売されている商品を購入するなど、施設利用者の就労訓練の場として協力しています。
当社のような中小企業ですと、障がい者の採用や就業定着のための支援は、他の業務と兼務になります。実際、私も、総務と経理を行いながら、日々のサポートも行っています。自社の社員として責任を持つことは大切ですが、就職から定着までの過程では、障がい者自身の精神面・生活面が不安定になりやすく、企業側にも大きな労力と精神的負担が生じます。そのため、何かしらの就労支援機関に相談することが、雇用の安定と定着を図る上で重要だと考えています。
管理課 清掃担当
田中 雅樹さん

働きやすい環境を求めて前職を辞めた後、秦野精華園の就労支援サービスを利用して当社に入社しました。採用前には見学や実習を行い、相談しやすい雰囲気が印象的で、ここなら長く働けると感じました。現在は、事務所や会議室などの掃き掃除や拭き掃除、ごみの回収などを行っています。
青木管理課長や同じ部署の社員の方に相談しています。最初は上手にできないことが多くありましたが、今ではスムーズにできるようになりました。自分が任されている清掃を、元気に楽しく行いながら、人と会ったら笑顔で挨拶をすることも忘れません。私が笑顔でいれば、ほかの方も笑顔になれると思うからです。社内の皆さんのお名前も覚えるようにしていて、休憩時間には世間話をすることもあります。そして、清掃業務で一緒に働いているスタッフが困っていたら、助けになれるよう心掛けています。

これからも私たちが、けがをしないように周りの状況をよく確認して、当社での仕事を続けていきたいです。そして、自分が担当したことがない清掃場所も挑戦してみたいです。
(令和7年11月18日取材)
このページの所管所属は産業労働局 労働部雇用労政課です。