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更新日:2026年4月10日
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かながわ障害者雇用優良企業へのインタビュー記事です
営業推進室長 髙橋 秀章さん

当社の代表が「正しいこと、自分が良いと思うことをしていきたい」と考えています。経営理念は、「お客様の言葉に耳を傾け、お客様と価値観をひとつにすること。お客様の満足が私たちの満足。」としています。会社経営をしていく中で、行動に移したことの一つが障がい者雇用でした。経営者として、社会に関わる中で、出会った物事や人への感謝の気持ちが生まれ、また、何のために会社を経営していくのかを考えたときに、行き着いたのが社会貢献であると強く思ったようです。この二つを発展させた結果、障がい者雇用に結び付いたのだと思います。
私は、前職で我が国最大級の助成財団で様々な公益事業に携わり、また、出向で障がい者を含めた就労困難者の雇用創造を勉強する機会を得ました。代表の理念の一つである「障がい者雇用」を実現しようとしたときに、ノウハウを持った人ということで御縁がありお声掛けいただきました。
まずは、一般就労としてイマジネーション株式会社があります。ここでは、ITの開発保守、BPO(コールセンター、審査業務、データ入力)があり、多岐にわたり障がい者が活躍できるように日々工夫しています。ところが、障がい者雇用を続けていく中で、一般就労では雇用創造が適わない方々を目の当たりにしました。この方々、もう少し教育や支援環境があれば一般就労できるのにと思う方々です。そのような課題を解決する手段として、新たに、就労継続支援A型事業所「イマジネーションライフ」を設立しました。
恐らく、障がい者雇用に取り組んでいる多くの企業が、当事者と業務のマッチングや社内環境の情勢にはかなりのご苦労があると思います。当社の採用は、就労希望があった場合、書類だけで判断するのではなく、必ず一度は面接をします。履歴書や職務経歴書だけでは分からない本人の思い、目標やその背景が、雇用においては特に重要なことだと考えているからです。実際に対話する中で、障がい特性や本当にやりたいこと、得手不得手、いろいろなことを見極めて業務適正を探っています。
多い年では年間50人ぐらい面接をしました。しかし、最終的に採用となるのは、そのうちの1〜2割です。当然、残りの8割の中には、もう少し条件を緩めることや、よりよい工夫があれば雇用できたのでは、という合否のボーダー上の方もいるわけです。不採用の理由は様々ですが、そういった、あと一歩だった方に、一般就労へ行く機会を創造できる場を提供したいという気持ちで、就労継続支援A型事業所の設立が決まりました。もちろん、採用できなかった方全員を雇用できるわけではないですが、一定の成果は上げていると思っています。
これは決して雇用の受け皿やセーフティーネットというわけではなく、そもそも組織で活躍や利益貢献に寄与してくれるだろうと思って雇用しているわけですから、可能性を常に期待していることと、機会を活用してほしい という思いです。
雇用して長く働いてほしいと思っていても、働き続けられない方もいます。逆に、ある時点では雇用できないと思った方が、社会に出るうちにフルタイムで働けるようになったということが往々にしてあります。そうなったときに、組織こそ違いますが、同じ母体の組織間で、その時の状況に応じてステップアップ・ダウンできるというのは、かなり強みになると思います。障がいの特性、その程度や実態、配慮すべき事項などが把握できているわけですから。
他方、社会的には、A型事業所の評価は様々です。世間の目は気になりますが、障がい者の「雇用」をどのように実現し、障がい者の雇用環境を持続可能なものにしていくかという工夫があっても良いと思います。どういう場面であれ、「雇用」は大事かつ重要なことだと考えています。
障害者雇用を義務としている仕組みは、事業者にとって「やらされ」になっている事業者もおられると思います。やりたくない、あるいは、できない組織は事実として存在すると思います。現に神奈川県内の障がい者雇用義務の事業者は5000者近くありますが、6割前後が未達です。我々は、障がい者雇用の一つの活用事例として、特許を活用しています。固定の帳票を項目ごとに細分化することで、誰もが入力業務を行うことができる分散入力システム「ANTONE」によって、雇用創造を実現しています。
日本全体に目を向けると社会全体で障がい者を受け入れる環境が不可欠です。厚生労働省の調査では、2016年から2022年の6年間で、精神障がい者の数は1.5倍程度に増えたという結果が示されました。これを各事業者がどう捉えていくのかというのは、ポイントになるのではないでしょうか。組織ごとに考え方があると思いますが、「雇用」ということだけに焦点を当てて考えれば、健常者と障がい者を分け隔てなく扱う価値観を醸成できる組織風土が醸成できれば障がい者雇用は実現できると考えています。
コールセンター担当 山下 久美子さん
7年前、難病をきっかけに足が不自由になりました。病気の影響で、3年ぐらい仕事ができなかったのですが、何とか働こうと仕事を探しているときに出会ったのがこの会社でした。業務は、コールセンター業務と事務作業を主に担当しています。
生まれついての障がいではないので、過去には、いわゆる普通の会社勤めもしましたし、飲食業界や生保レディ、ピアノの先生など、いろいろとやってきましたが、コールセンターは初めてでした。せっかく新しいことをするなら、今までと違うことをしたいという気持ちで、この仕事を選びました。
皆さんによくしていただくので、すごく働きやすいです。周りの仲間からは、障がいがあることを気にしているようには見えていないと思いますが、実際は、自由さが失われていますし、治らない難病ですし、自分の障がいについては、かなり引け目に感じています。
できるだけそういった弱みを見せたくないと思っていますし、働いていると忘れられる瞬間もあります。
「こうなりたい」という理想があるわけはないですが、できるだけ長く働ければと思います。以前は歩けない状況で、働きたい気持ちがあっても、誰かに面倒を見てもらわないといけないような状況でしたが、今は、歩行器こそ使いますが、歩けますし、仕事があることで前向きに暮らしています。定年もないので、元気な限りは働きたいですし、働くことで、元気で居続けたいです。
(令和7年10月30日取材)
このページの所管所属は産業労働局 労働部雇用労政課です。