障害者雇用優良企業インタビュー(大興紙工株式会社)[No.40]
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横浜市港北区新羽町2812
前原代表取締役に聞きました。
今回は、大興紙工株式会社前原代表取締役にお聞きしました。
障害者雇用のきっかけについて教えてください。
30年くらい前に、ライオンズクラブで、養護学校にお手伝いに行ったのがきっかけで、障害者雇用を始めました。
-それはどういった気持ちからですか。
当時はバブル期で、会社としても余裕があったんですよね。養護学校の子どもさん達を雇っても会社は大丈夫だし、子どもさん達のお手伝いができればいいなと思って2人雇用しました。始まりはそこからです。
障害者の方は、何名いらっしゃいますか。
今(平成27年7月)現在で3名働いています。今年4月に1名が体調不良で退職しましたが。毎年実習も受け入れていて、知的障害の方を2名受け入れています。
実習の期間はどれくらいですか。
1回3週間の実習を2回やります。1回目の実習が6月頃で、そこで適性などを見た上で、希望があれば2回目の実習に入ります。
-実習を通じて、変化などはありますか。
最初は不安そうですね。だけど慣れてくると、現場の人たちとの対人関係もうまく行くようになって、安心してくるみたいです。
-実習ではどんなことを担当してもらうのですか。
比較的単純な作業をしてもらいます。ダンボールの仕切りを組んだり、バリ取りをしたり、機械の前受けをしたり。それらの仕事を3週間のうちにぐるぐる回します。それで適性を見るわけです。
障害者雇用を進める上で、どのようなことに配慮していますか。
体調管理については気をつけています。本人の具合が悪ければ、親御さんに電話してすぐ帰すようにしています。薬を飲んでいる人もいるから、それには気をつけています。
-他にはどうですか。
うちの会社は障害者の方も社員として採用しているし、障害者でも特別扱いしていません。社員旅行にも一緒に行きますし。
-それはいいですね。
毎年違う場所に、バス貸切で行くんですよ。それから、会社には社員がやっている親睦会があります。2ヶ月か3ヶ月に一回、ボウリングをやったり、納涼会をしたりしています。それにも障害者の方は参加しています。
-そういうところでコミュニケーションを取っているのですね。
うちの会社には事業所が3つあるので、社員同士であってもコミュニケーションを取りにくい場合があります。なるべくコミュニケーションを取る目的でも、そういった場を設けています。
コミュニケーションは大事ですね。実習の時も必ず現場の人をつけて、会話するように言っています。会話すれば打ち解けてきますから。
実習では、作業ができるかだけではなくて、コミュニケーションができるかどうかも見ているんです。現場の人たちとうまくコミュニケーションが取れるとうまく行きますし、その後も長く勤められます。
障害者の方の能力を引き出すための秘訣は何でしょうか。
適性を把握することが大事だと思います。実習のときに複数の作業をやってもらうのもそのためです。
後は、障害者の方は、教えたことを忘れてしまうこともありますが、根気強く教えることも大切ですね。根気よく教えればしっかり覚えてくれます。
訪問を終えて
前原さんは、障害者雇用を始めたきっかけに、あまり深い考えはなかったと仰っていました。きっかけはそうであっても、30数年もの間、自然体で障害者雇用を続けて来られたことはとても素晴らしいことだと感じました。
(平成27年7月31日取材)