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更新日:2023年3月23日

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障害者雇用優良企業インタビュー(社会福祉法人孝楽会)[No.81]

かながわ障害者雇用優良企業のインタビュー

管理統括部部長永野様、総務課瀧嶋様、今野様に聞きました。

孝楽会

横浜市神奈川区菅田町1番地1
http://keyakisou.jp/

障がい者雇用のきっかけについて教えてください。

平成20年頃に、これまで外部の障がい者施設に委託していた入居者の方の洗濯業務を、けやき荘内部での直接雇用に切り替えたことが、障がい者雇用のスタートです。

ー現在雇用されている方の人数と障がいの種別を教えてください。

今は、知的障がいの方が3人、精神障がいの方が2人の5人です。

精神障がいの方は、職場定着に難しい面もあるかと思いますが、どのようにして定着させることができましたか?

トライアル雇用を経て採用しましたが、介護課で3ヵ月、洗濯室で3ヵ月の合計6ヵ月間のトライアル雇用を行いました。洗濯室では、リーダーの方がマンツーマンで指導を行い、また、横浜市の障害者就労支援センター(以下「支援センター」)の方と本人に関する話し合いを密に行った結果、定着に至ることができました。

ーマンツーマンでの指導に加え、支援センターのサポートも重要だったのでしょうか?

そうですね。支援センターの方は、精神障がいの方の内面を理解しているので、「この仕事をこのような方法で行います」という話をすると、「そのように話すとこのようなとらえ方をしますよ」という点をアドバイスしてくれます。そのアドバイスに従い、説明の仕方を変える等様々なアプローチを繰り返して、定着を図っています。また、一番大事なことは、本人がここで働きたいと思ってくれることなので、そう思ってくれるようなサポートを考えています。

ー精神障がいの方は体調や気持ちの波が大きい面もあるかと思いますが、普段の体調の管理やメンタル面のサポートはどのようになさっていますか?

朝に来て、急に具合が悪くなったので帰りますということも当然あります。そのような場合は、すぐに代わりの人が出勤してもらうような、周りでサポートする体制を整えています。また、働きやすい環境を作るという面では、リラックスできる場所を作ったり、なるべくこちらから話しかけて、何かあったら遠慮しないですぐ言ってくださいと伝えています。

ー障がい者の方の職場での様子はいかがでしょうか?

以前から障がい者の方が働いていますので、職場環境はできています。例えば洗濯室の業務では、入居定員が220名いますので、洗濯の量も膨大で、また正確に入居者の方のところに持っていくというのは、かなり複雑かつレベルが高い仕事ですが、他の職員と協力し、分担しながら行ってくれています。また、介護課の職場は、和気あいあいとして対話の多い職場ですので、人間関係の輪にもすんなり入りましたし、最近では入居者の方とのレクリエーションも一緒にできるようになって、こんなこともできるようになったのかと成長を感じています。

ー一緒に働く職員の方の役割も大事ですね。

そうです。とても大事だと思います。

ー働きやすい環境なのですね。

入居者の方も親切ですし、親戚みたいな感覚でかわいがってくれます。

障がい者の方にやっていただく業務はどのように決定しましたか?

特に障がい者の方向けの仕事というのは作っていません。もちろん、指導が必要ですし、時に厳しいことも言いますが、洗濯室の業務で言えば、畳んで、衣類の名前を見て、そして入居者の方へ正確に運ぶというのは、とても高度な仕事だと思います。それでも障がいの有無で仕事に区別はしていませんし、賃金にも差をつけてはいません。

ー障がい者雇用を始めて良かった点を教えてください。

本人が成長する姿を見ることができる点です。また、職場の障がい者の方を自分の家族として見るような雰囲気ができたことが良かったと思います。もちろん大変なこともありますが、少人数のところで働くと、お互い家族のような感覚になって、時には家族のように叱ったりと、そのような職場を作ることができよかったです。

ーでは、あえて少人数の職場に障がい者の方を配属なさっているのですか?

そうです。洗濯室には字が読めない障がい者の方、時計が読めない障がい者の方がいらっしゃいますが、周りのみんなが字を教えたり、段ボールで時計を作って、5分、10分ということを教えてくれています。やはりそれは少人数で近い距離にずっといるからこそできることだと思います。

これから障がい者雇用を始める企業にアドバイスをお願いします。

障がい者雇用を始めるに際しては、不安もあると思いますし、想像がつかない面もあると思います。しかし、心を開けば障がい者の方も心を開いてくれます。いきなり大人数の職場ではなく、配属するセクションを考えて、少人数の家庭的なところへ配属することが大切だと思います。そういう雰囲気で受け入れると良いと思います。

訪問を終えて

障がい者の方を自分の家族のように考える職場だからこそ、定着することができるのだと思いました。また、洗濯室を見学させていただきましたが、温かい雰囲気が印象的でした。

(平成30年6月22日取材)

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