第68回神奈川文化賞受賞者プロフィール

掲載日:2019年11月19日

神奈川文化賞

内田 あぐり(うちだ あぐり)さん <芸術>

内田さん

 現代日本画を代表する作家のひとりであり、その傑出した素描力と絵画に対する冒険的な取組によって、身体をテーマに強靭な世界観を放つ作品を描き、新たな日本画の可能性を示してきた。
 学生時代から公募展などで作品を発表し、高い評価を得ながらも、その表現は固定観念に縛られず、確かな日本画の才幹が認められる一方、伝統技法の枠にとらわれない作品群は、現代日本画として新たな地平を開いてきた。
 1993年第12回山種美術館大賞を受賞し、現代日本画を代表する存在として注目を集めた。
 2002年「第1回東山魁夷記念日経日本画大賞展」で大賞を受賞。
 2000年代から武蔵野美術大学在外研究員やメキシコ政府スカラーシップ特別プログラム等で、アメリカやメキシコ、ブラジルなどにも活動の幅を広げている。
 数十年にわたり、積極的に作品を制作し続けている一方、2018年近代美術館葉山館で開催されたワークショップ「貝を描く、貝で描く」の講師を務めるなど、日本国内や海外において、後人の育成にも貢献している。

〔葉山町〕

前田 正博(まえだ まさひろ)さん <工芸>

前田さん

 横浜を拠点に半世紀以上にわたり創作を続け、伝統の世界に独自の現代感覚を取り入れ、工芸の世界に新風を吹き込んでいる。
 一貫して磁器の素地に色彩豊かな絵付を施した器を制作し、独自の境地を広げ、新しい色絵磁器の世界を切り拓いてきた現代工芸界をリードする作家のひとりである。
 塗り重ねが可能な洋絵具を使用し、重厚さを感じさせる独特の色絵磁器の世界を確立、国内外から高い評価を受けてきた。真っ白な磁器の素地を削り成形後、本焼きして彩色。この彩色作業を丹念に繰り返すことで、奥行きのある複雑な表面効果を出しており、唯一無二の前田正博スタイルと言われている。華やかでありながら繊細、かつ重厚感のある作品は、圧倒的な存在感と日常使いの実用性を併せ持ち、ファンも多い。色絵磁器の現代的可能性を追求しながらも、陶芸の魅力を醸し出す作品を生み出している。
 横浜・馬車道に前田正博磁器研究所を開設。近年は地域に積極的に目を向け、親子や子どものための陶芸体験やワークショップなども開催しているほか、国際交流基金事業として2016年にラトビアでもワークショップを開催するなど、陶芸を通じた社会活動にも取り組んでいる。

〔横浜市〕

宮﨑 輝生(みやざき てるお)さん <工芸> 

宮崎さん

 祖父の代からの「芝山師」(貝や象牙等を素材とし、レリーフ状に彫刻した文様を漆器や家具等に嵌装を行う職人)の家に育ち、1951年、父・宮﨑正徳から象嵌技術を習得。さらに、芝山師の杉山新平、平田松五郎両氏に師事し、芝山彫刻を習得。
 芝山彫刻は、現在の千葉県・成田空港近くの芝山村で始まり、江戸を中心に受け継がれてきた技術。開港期の横浜で海外への輸出品として着目され、大量の職人が横浜へ流入した。1893年シカゴ万博の出品作が入賞したことで、横浜独自の横浜芝山漆器が形成された。大正、昭和と輸出を中心に栄えたが、第二次世界大戦の空襲で職人が離散し、現在では継承者はごくわずかとなっている。
 この横浜芝山漆器を伝承する職人として、1996年、横浜マイスター(第1期)に選定。伝統を生かしつつ、現代生活に応じた新しい作品を発表するかたわら、寺社仏閣の古美術品や文化財の修復なども手掛け、1997年、寒川神社遷宮に伴い、御帳台の螺鈿の調製を担当。
 現在、「横浜芝山漆器研究会」で展示会や講習会を行うなど後進の指導にあたり、技能の伝承に努めている。
 2010年 横浜文化賞を受賞。
 2010年 ゴールデン・ドラゴン賞を受賞。(キンゼイ国際芸術財団:米国)

〔横浜市〕

伊藤 玄二郎(いとう げんじろう)さん

伊藤さん

 雑誌書籍出版の株式会社「かまくら春秋社」を鎌倉市に設立して以降、真摯に文化・教育活動、地域・社会貢献活動を展開し、継続している。
 里見弴、小林秀雄、永井龍男、小島政二郎といった近代日本文学史に足跡を残す鎌倉在住の文学者たちの支援を得て地元商業界との協働を実現し創刊した月刊「かまくら春秋」は、2019年(令和元年)6月には590号に達した。出版界にあっては稀有な雑誌として高く評価されている。
 また、所謂「鎌倉文士」と呼ばれる作家たちの拠り所となっていた「鎌倉ペンクラブ」を2001年(平成13年)に第二次として再興した。現在同クラブの会長として、文化活動の一層の活性化を目指し、市民向け公開講座の開催や「鎌倉かるた」、「鎌倉百人一首」の制作など長年にわたる活動を続けている。
 次世代育成にも積極的に取り組み、関東学院大学のゼミ生と立ち上げた「建長寺親と子の土曜朗読会」は760回を越え、「鎌倉かるた大会」は17年間継続している。鎌倉ユネスコと協働の星槎大学オープンカレッジ「鎌倉高徳院星槎塾」は5年20回を数えるなど、子どもから大人までの文化意識を醸成する幅広い催しを、息長く開催している。
 また、神奈川が誇る国の重要文化財「氷川丸」を物語化して書籍、映画等により啓発、喧伝した。

〔藤沢市〕

神奈川文化賞未来賞受賞者プロフィール

井関 エレナ(いせき えれな)さん <芸術>

井関さん

 横浜市でバレエ教室を主宰する母の指導を受け、小学校時代に国内のコンクールで入賞を重ね、2012年、米ニューヨークでの一流ダンサーの登竜門とされる国際コンクール「ユース・アメリカ・グランプリ(YAGP)」のファイナルまで出場、海外へ飛躍する契機となった。
 2014年9月にベルリンの国立バレエ学校に留学し、翌月、ベルリン国立バレエ団の公演「くるみ割り人形」第1幕の主役に抜てき。同年11月~12月に13歳でベルリンの歌劇場に立ち、堂々とした演技を披露。
 2018年2月にはオーストラリア・ウィーンで開催された「ヨーロピアン・バレエ・グランプリ」ジュニアのソロ部門でグランプリ。以降も国際コンクールに積極的に挑み、2018年7月にはブルガリア東部のバルナで行われた世界三大バレエコンクールのひとつ「バルナ国際バレエコンクール」で3回の選考を勝ち抜きジュニア女性部門3位に輝いた。ベルリン国立バレエ学校の教官から技術力を高く評価されている。
 2019年1月に行われたベルリン国立バレエ団のオーディションに合格し、2020年1月入団予定。
 2019年8月開催の「横浜バレエフェスティバル」で、「エスメラルダ」のバリエーションを披露。神奈川のバレエ文化の発展への大きな貢献とともに、一層の世界的な活躍が期待されている。

〔ドイツ・ベルリン〕

今野 玲央(芸名 LEO)(こんの れお)さん <芸術>

れおさん

 横浜インターナショナルスクールで9歳の時に同校の音楽の授業(邦楽プログラム)で箏と出会い、箏の演奏家であるカーティス・パターソン氏の指導を受け始める。14歳から沢井一恵氏に指導を受ける。現在、沢井筝曲院講師。東京藝術大学在学中の箏アーティスト。
 横浜インターナショナルスクールの邦楽プログラムの教育課程から巣立った異色の存在。海外公演も行うなど、日本文化の発信にも積極的に取り組んでいる。
 2017年にアルバム「玲央1st」でメジャーデビュー。2018年には「情熱大陸」、「題名のない音楽会」などのテレビ番組に出演し話題を呼ぶ。
 また、同年2枚目のアルバム「玲央Encounters:邂逅」を、2019年6月には卓抜した演奏・テクニックと斬新なアプローチで箏の魅力と更なる可能性を惹き出した名曲カバーアルバム「玲央 RE BORN」をリリースするなど活発な音楽活動を続けている。
 若手の登竜門である「くまもと全国邦楽コンクール」で最優秀賞・文部科学大臣賞を受賞するなど、確かな実力を持つ。大学卒業後は、プロとしての活躍にも一層期待がかかる。
 2019年 第29回出光音楽賞受賞。

〔東京都〕

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