平成27年度 第2回 審議結果

掲載日:2018年4月6日

様式3

審 議 結 果

次の審議会等を下記のとおり開催した。

審議会等名称

神奈川県観光審議会

開催日時

平成27年9月9日(水曜日)10時00分から12時00分

開催場所

横浜情報文化センター大会議室

出席者

会長に◎、副会長に○

(順不同)
相京 俊二 (公社)日本観光振興協会旅行振興部長

兼観光地域づくり・人材育成部長

青木 利行 (公財)横浜観光コンベンション・ビューロー専務理事
○井手 太一 (公社)神奈川県観光協会副会長

近藤 亜子  KNT-CTホールディングス(株)訪日旅行部課長
櫻井 和秀 京浜急行電鉄(株)鉄道本部営業部長 

菅原 康洋 小田急電鉄(株)CSR・広報部長
高野 陽子  日本政府観光局(JNTO)経営管理部経営計画グループマネージャー

○高橋 始 (一財)箱根町観光協会専務理事

松原 彰子 慶應義塾大学経済学部教授

◎山口 一美 文教大学国際学部教授

小野寺 慎一郎 県議会議員

国松 誠 県議会議員

杉本 透 県議会議員

松本 清 県議会議員 

荷見 雄二 国土交通省関東運輸局観光部観光地域振興課長

次回開催予定日

平成27年11月

問い合わせ先

観光企画課観光戦略グループ

電話番号 045-210-5765

ファックス番号 045-210-8870

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下欄に掲載するもの

議事録

議事概要とした理由

 

審議経過

1.開会

金子観光部長のあいさつ

八尋観光企画課長が委員数20名に対し、2分の1を超える15名の出席を確認し、審議会が成立することを報告

 

2.議題

(1) 神奈川県観光振興計画の改定について

 

-事務局説明(資料1)-

 

(山口会長)

ただいまの説明について、何か意見や質問はありますか。

 

(小野寺委員)

今、国で、観光地域づくりの推進主体である「日本版DMO」を確立していく取組が進められています。観光振興計画の中で、例えば大柱3「観光関連産業の成長促進」の中の中柱「観光振興を担う人材の育成」に、観光地域づくりをリードする中核的な人材等の育成について書かれていますが、神奈川県としては、「日本版DMO」に関して、どんな要素として取り込んでいくのか、お考えがあれば教えてください。

 

(八尋観光企画課長)

小野寺委員からお話のあった「日本版DMO」についてですが、国の地方創生の流れの中で、全国で組織を構築していく取組が進められているところで、本県でも各地域、市町村の方で組織立ち上げの動きがあると聞いております。地域の方で、市町村や民間事業者等が連携して、具体的に組織を作っていくということであれば、県も一緒に推進していこうと考えております。

ただ、今のところ、DMOの設置について、県として、まだ具体的な検討の段階まで至っておりませんので、今回の改定に係る基本的な考え方の中には記載がございませんが、視野にはいれております。

 

(小野寺委員)

具体的に、DMOの設置を目指すということであれば、しっかりと取組を反映させていただきたいと思います。

 

(国松委員)

大柱2「外国人観光客の誘客促進」の中で、「戦略的なプロモーションを推進する」との記載がありますが、具体的な内容について教えてください。

 

(脇国際観光課長)

これについては、これからターゲットを明確にしていくのですが、例えば日本の中でも関東の人と関西の人では味の好みが違うわけで、このようなニーズの分析を徹底的にやっていきます。そして、ニーズの分析結果に沿ったものを県内から観光資源として洗い出し、それを海外へ発信していこうと考えています。

今までですと、神奈川県が売りたい物をプロモーションしていましたが、今後、まずは海外の方がどんな物に対して興味を持っているのかを探った上で、県内の観光資源をPRしてまいります。

 

(国松委員)

もう少し具体的な分析方法について御説明をお願いします。

 

(脇国際観光課長)

現在、検討しているのは、いわゆるビッグデータと言われているものです。これは、国が中心になって進めている取組で、海外のお客様が持っていらっしゃる携帯電話の情報を基にして、どこの国からの方が県内のどこを訪れているのかといった分析から始めていきたいと考えています。この結果がわかると、「実はこんな所に海外の方が行っていたのか」といったことが見えてくると思いますので、そこを中心に分析を進めていこうと考えています。

 

(国松委員)

県がこのような取組を実施していくと、「街が好き」「温泉が好き」「海が好き」など、外国人の好みが色々と出てくると思いますので、各市町村や各市町村観光協会と連携をしながら進めていただきたいと思います。市町村はお金を使ってこのレベルの分析をすることが難しいと思いますので、是非、連携をよろしくお願いします。

 

(松本委員)

先ほど、目標数値として、入込観光客数を2018年に2億人とすることが掲げられていますが、神奈川県を訪れる観光客の特徴としては、近隣県から来る観光客が多く、日帰りが大変多い点が挙げられます。単に観光客数を増やすだけではなく、遠隔地からの誘客によって長く滞在する観光客を増やし、消費をしてもらうといった視点も必要だと思います。

東京に隣接していることから、難しいとは思いますが、今、申し上げた点が非常に重要と思います。その点についてはどのようにお考えでしょうか。

 

(八尋観光企画課長)

目標値に関して、宿泊者を増やすことが重要であるとのお話がありました。我々も、県の観光客は日帰りの割合が多く、宿泊者が少ないことを認識しております。現行の計画の中でも、入込観光客数と併せて延べ宿泊者数を目標値として設定しており、新しい計画も同じように設定していく予定です。

 

 

(松本委員)

具体的な対策はいかがでしょうか。

 

(八尋観光企画課長)

先ほどのインバウンドの取組にもありましたが、ターゲットを絞ることが必要だと考えています。首都圏の日帰り観光客のみをターゲットにするのではなく、宿泊をしていただけるエリアにPRをしていく取組も進めていきたいと考えております。

 

(金子観光部長)

計画の改定に係る基本的な考え方の中の「1 神奈川県の観光をめぐる環境や動向の変化等」に「(2)さがみ縦貫道路や北陸新幹線の開通を活かしたプロモーションの推進」の項目があります。このような背景を宿泊に結びつけることを考えると、距離にして200kmの範囲である北関東や東北、北陸方面が重点的にプロモーションを進めていかなければならないエリアとなります。このエリアから宿泊客を呼び込み、観光消費額の増加に結びつけたいと考えております。

 

(井手副会長)

大柱2の「外国人観光客の誘客促進」について、海外の富裕層に対する取組について、何かお考えがあれば教えてください。

 

(脇国際観光課長)

台湾や中国、韓国といった国は、既に、一般の方々も含めてたくさんの観光客が来ていますが、その次のクラスはまだそれほど多くはありません。国をターゲットにしていきますが、最初に手をつけていくべき層は富裕層だと考えており、そのような方々のニーズを把握していかなければなりません。

先日、香港に行った際、例えば、いくら高くてもよいので、箱根でいい宿泊施設を紹介してほしいといった声がありましたが、圧倒的に情報が不足しているのが現状です。このようなハイクラスの方が求めるものを見つけ出して、旅行商品を企画していくことが必要だと考えております。

 

(井手副会長)

日本では、京都で初めて実施された、富裕層向けのラグジュアリーな旅行の商談会があって、来年、東京で実施されると聞いていますので、神奈川県も手を挙げていただきたいと思います。

 

(脇国際観光課長)

クルーズトレインの「ななつ星in九州」は非常に人気があると聞いていますので、そのようなものを参考にしながら取り組んでいきたいと思います。

 

(近藤委員)

外国人旅行者の訪問者数を2018年に201万人に増やすとしていますが、毎年の伸びでは約5%程度を見込まれているようです。一方、国は140ないしは150%と大きく伸ばしており、神奈川県の目標が少し抑制されているのはなぜでしょうか。

また、東京は宿泊予約が取れない状態で、先日、台湾の旅行会社と話をした際、高崎を東京と称して宿泊させているとこのことでした。栃木や群馬の方は、東京の代わりに泊まってもらおうという動きがあります。

既に、大阪においては、和歌山は当然ながら、滋賀県も大阪の宿泊エリアに入っており、特に目立った観光地がない所でも宿泊者が増えているので、観光地のある神奈川県としては千載一遇のチャンスだと思います。他県の皆さんは鼻息が荒く、上を見ていますので、個人的には、もう少し高い目標を立てたらいかがかなと思います。

 

(金子観光部長)

本県を訪れる外国人観光客を2018年に201万人と設定した考え方ですが、2014年の「観光立国実現に向けたアクション・プログラム2014」で、2013年の訪日外国人旅行者数1000万人から2020年に向けて、2000万人の高みを目指すこととされ、本県においては、それに合わせて途中経過ということでこの数字を置いております。従って、決してこれでよしとしているわけではございません。

今の状況ですと、この目標とよりさらに増える可能性もありますが、一方で中国の経済状況を見ると、今のように多くの観光客においでいただける期間が長く続くかどうかの不安もあります。色々な要素はありますが、201万人でよしとしているわけではなく、それ以上を目指してまいります。

 

(相京委員)

観光振興計画の体系はよろしいと思います。ただ、目標値のうち、外国人旅行者の訪問者数は妥当な数字だと思いますが、入込観光客数の2億人は、現状の人口の推移から考えると非常に厳しい数字ではないでしょうか。これから観光振興計画として、3年間のロードマップを作っていく中で、入込観光客数を増やすことを重点的に書き込んだ方がよろしいのではないかと思います。

また、大柱3「観光関連産業の成長促進」の中に、「観光に関する新事業創出や事業拡大の促進」の中柱がありますが、宿泊施設不足の現状がある中で、「Airbnb」のような宿泊施設のマッチングビジネスに対しては、適正な規制をしながら競争環境を維持する必要があると思います。宿泊者が増加した場合、受け皿が足りないならば、今後、中柱、小柱を立てていく際は、バランスよくお考えいただきたいと思います。

もう1点、これまで、国の統計を基にしている目標値が出ていますが、観光客が増加してきている状況ですと、ビッグデータの活用など、そろそろ神奈川県独自の統計を取り、スピード感をもって数値を把握することが必要なのではないでしょうか。そうすれば、今回の箱根のような状況においても対策が取れると思います。

 

(金子観光部長)

宿泊施設については、2020年のトップシーズンにおいては完全に足りないと言われております。その中で、民泊についての規制緩和の話もございますし、神奈川県の場合、国家戦略特区の指定を受けた区域において、空き家を外国人の宿泊施設として活用できるよう、今後、必要な条例の制定を検討しています。これによる宿泊人数の増加や、新しい宿泊施設の建設の話も出ておりますので、全体のキャパシティが調整できると考えています。

また、観光振興計画の目標値ですが、これは「かながわグランドデザイン」で設定している数値を基にしていますが、相京委員から御指摘があったとおり、今までの観光の統計は、推計に推計を重ねて成り立っておりますが、ビッグデータを使うことになりますと、より実績に近い数値の蓄積ができると考えられます。これが分析できれば、おのずと統計の取り方が異なり、目標設定も変わってくる可能性がありますので、今後、取れるデータはしっかりと取っていきたいと考えております。

 

(菅原委員)

まず、外国人観光客向けのプロモーションについてです。先週、マレーシアのクアラルンプールで実施された旅行博に出展したのですが、現地のテレビ局で、プロモーションのテレビ番組などの情報がどうやって伝播していくのかについて、伺ってきました。それによると、テレビ番組から出発して、SNSに流れ、それがあちらこちらに拡散し、結果として、紹介された場所が人気スポットになるとのことでした。我々の年代が考えるプロモーションとは異なる流れであることを実感した次第ですが、各国でどういったプロモーションの形が最適なのかを調べながら、具体策を検討する必要があると考えています。

もう1点が、受入環境の整備についてです。私のいる鉄道会社では、最初は看板の整備をしましたが、外国人のお客様がだんだん増えてきて、それだけでは不十分となりましたので、最近は駅員全員に基本の英会話を勉強させています。また、iPadを使いながら御案内する方法も採っており、片言でもよいので、人と人が接するサービスがあると、お客様が大変喜んでくださいます。高いレベルを望むというよりは、基本となる部分を少しでも整えていくことが肝心だと思います。

 

(脇国際観光課長)

プロモーションについては、テレビから発信される情報が効果的な場合もありますし、SNSだけで展開していく国もありますので、その国の特徴ごとに進めてまいります。

また、受入環境の整備については、ハード面とソフト面があり、ソフト面では例えばムスリム観光客のおもてなしに関するセミナーを、慶應義塾大学との協働で来週実施するなど、今後も様々な取組を進めてまいります。

 

(櫻井委員)

1点目は、大柱2「外国人観光客の誘客促進」についてで、誘客には2つアプローチがあると思います。1つは今まで神奈川を知らなかった方に来ていただくためのアプローチ、もう1つはリピーターへのアプローチとして、これまで行った場所以外にも足を運んでいただけるような仕掛けを考える必要があると思います。

大柱1「魅力ある観光地の形成」の中に、中柱ウ「広域での周遊ルートづくり」がありますが、既存の観光地を1つ1つPRしてもなかなか伝わりません。例えば、箱根に匹敵するコンテンツがあるのかもしれませんが、それが伝わっていないのが実情ですので、ストーリーを持たせて、他の観光地と組み合わせたアピールができたらよいと思います。

例として、世界遺産に登録された群馬県の富岡製糸場が稼動していた時代、そこで生産された生糸が、陸運や水運で東京や神奈川にやってきたり、山梨で生産された生糸が八王子に集積され、それが絹の道を通って横浜に辿り着いたりといった歴史があります。そして、横浜から絹製品が世界中に輸出され、日本の近代化の礎を築きました。このような産業遺産がストーリーとして繋がるとよいルートになり、例えば世界的なブランドのスカーフが、横浜の大岡川の流域で染色されていたなど、これまで周知が難しかった地域もアピールできるのではないかと思います。

もう1点は、先ほどビッグデータのお話がありましたが、最も有用なデータはWi-Fiを活用したデータではないかと思います。私共が持っている羽田空港国際線ターミナルの案内所の様子では、外国からのお客様のほとんどは、Wi-Fiで情報収集を行っています。ただ、Wi-Fi事業者によって、国籍の把握はまちまちです。

また、最近は、外国人の方が元々持っている携帯電話にSIMカードを差し込むことによって、日本でも使えるようになっていますが、SIMカード購入時に属性までは把握しないため、こちらも国籍がわかりません。これについては神奈川県だけの取組では難しいので、国へ働きかけていただければ、少し状況が把握しやすくなるのではないかと思います。

 

(荷見委員)

ビッグデータのお話がありましたが、国の方も訪日外国人のデータは入っておりません。今は、先ほどお話のあった、携帯電話からデータを取っている状況で、10月には訪日外国人のデータが入ると聞いております。関東地区では10月8日に自治体を含め、一般の方も対象に、説明会を実施する予定ですので、御興味のある方は是非御参加ください。

 

 

(2) 神奈川県観光振興条例について

 

-事務局説明(資料2-1から2-3)-

 

(山口会長)

ただ今の説明について、何か意見や質問はありますか。

私から質問ですが、資料の2-3に宿泊客の満足度の項目があり、満足度が高く、喜ばしい結果となっていますが、具体的にどの部分に満足だったかについて分かれば教えてください。

 

(諸星グループリーダー)

このデータは、県が毎年度実施している「観光客消費動向等調査」の結果に基づくものですが、この調査の中でどの項目に対して満足しているかについての設問は設けておりません。

 

(山口会長)

今後のことを考えると、より具体的な情報があれば、そこを伸ばせばよいですし、足りないところは、そこを変えていくことができると思います。

 

(杉本委員)

資料2-3を見ると、観光客数は増えていますが、観光消費額は増えていません。観光は、経済のエンジンを回すために重要な分野ですので、入込観光客数や宿泊者数が増えたということに留まるのではなく、観光消費額を増やす方策を講じなければなりません。

なぜ、観光消費額が増えないのかについて、掘り下げて研究し、なおかつ問題点を見つけて、それを将来に向けて活かしていく必要があります。

 

(八尋観光企画課長)

平均観光消費額のうち、日帰りは若干増えていますが、宿泊は増えていませんので、宿泊客を増やす取組と併せて、宿泊した方にいかにしてお金を落としていただけるかについて、例えば、泊まった後に、県内を周遊していただける仕組みづくりなども考えていきたいと思います。

 

(高野委員)

資料2-3に出ている観光消費額は、外国人に特化したものはあるのでしょうか。

 

(脇国際観光課長)

外国人に特化した観光消費額につきましては、平成21年度から24年度までは、国の緊急雇用創出事業の制度を活用して、調査を行っていました。その後、財政的な問題から、統計が取れておりません。

先ほど、杉本委員から御意見があったとおり、観光は経済のエンジンを回す役目がございますので、消費額の統計は取っていかなければならないと考えております。外国人は長期滞在となり、国内観光客とは傾向が異なってくると思いますので、観光客全体の消費動向等調査とは別に独立して調査するために、予算要求をしていきたいと考えております。

 

(高野委員)

先ほど、宿泊のキャパシティのお話がありましたが、おそらく横浜はほぼ、これ以上宿泊者を受け入れられないほどの高い客室稼働率だと思われますので、今、まだ外国人宿泊者が少ない地域にいかに泊まってもらうかが、県を含め、行政の役割だと思います。

今後、宿泊をさらに促進し、観光消費額を伸ばすためには、ビッグデータなどの活用による分析を通じて、お客様がまだ行っていない場所に外国人観光客を回す取組を進めていただきたいと思います。

 

 

(3)箱根・大涌谷関連の県の取組について 

 

-事務局説明(資料3)-

 

(山口会長)

ただいまの事務局からの説明について、何か意見や質問はありますか。

 

(櫻井委員)

箱根地域への入込観光客数が減っているということですが、減った分がどこへ分散し、吸収されているのか、あるいは旅行そのものを取りやめているのかについて、分析やデータはありますでしょうか。

 

(金子観光部長)

本日、箱根町観光協会専務理事の高橋副会長が御出席されているので、箱根の現状をお話しいただいた上で、後ほど御質問にお答えいたします。

 

(高橋副会長)

県をはじめ、皆様には大変な御支援をいただいておりますことに厚くお礼申し上げます。

それでは、まず、箱根町の概要についてです。年間約2,000万人強、1日平均にすると55,000人のお客様をお迎えしております。現在、気象庁は噴火警戒レベル3を発表しており、それに伴う立入規制が大涌谷の周辺約1kmの範囲になっています。この範囲は、箱根全体の面積の約3.3%に相当します。

6月30日に噴火警戒レベルが3に引き上げられ、現在もこの状態が続いていますが、万が一に備え、8月26日にレベル4・5発令時の避難マニュアルを策定しました。これを踏まえて、各地域においても、マニュアルを策定することになっています。

レベル3の入山規制の状況の下、県道734号線の早雲山駅から姥子駅までの約5kmが通行止め、また、大涌谷を通過するハイキングコースが閉鎖となっています。さらに、箱根ロープウェイの桃源台駅から大涌谷を経由して、早雲山に至る全線が運休となっており、代替バスが5月20日より運行を開始しています。夏休みのお盆期間中は、この代替バスが特に外国人観光客の方で混雑し、立ち席が出る状況でした。

避難の状況ですが、建物数32棟、居住者数35人、避難者数54人となっています。6月30日に噴火警戒レベルが3に引き上げられて即日に、54人全員の避難が完了しています。

次に入込観光客数の状況です。毎月初めに、宿泊業、飲食業、物産業、観光施設業、交通業に対して調査をしておりますが、各業種ともに減少が続いています。この状況は箱根だけではなく、小田原を中心とした近隣の市町の飲食業や物販、卸売業、足柄上郡ですと造り酒屋など、多くの産業にも大きな影響を与えています。8月分につきましては現在調査中ですが、宿泊業の場合、8月1日現在の予約状況で前年比60.4%であったのが、お盆の前後はお客様が増えましたので、おそらく70%近くになるのではないかと思います。ただ、8月の下旬から9月の上旬は雨が続きましたので、また元に戻ってしまった状況です。

最も心配される温泉についてです。現在、箱根の総源泉数が477あり、そのうち利用源泉数は250となります。毎分20,123ℓの温泉が湧いており、このうち大涌谷供給の温泉は、仙石原、姥子、強羅の一部となっており、全体湯量の約9%を占めています。しかし、噴火警戒レベル3が発令された後、温泉供給施設本体に立ち入りができず、温泉の供給量が低下、あるいは完全に供給できない場所があり、やむを得ず休業している施設もあります。強羅の一部では既に、温泉供給を受ける会社を変えているところもありますが、出口の見えない中で苦慮しております。

先週の日曜日に温泉地学研究所からの情報がありまして、毎日、気象庁から地震のデータが発表されており、6月26日から火山性地震が多発し、月末までの5日間で806回、7月は234回、8月は70回でしたが、9月1日から8日の15時までは3回となっております。箱根湯本で体感する地震は、7月以降、ほとんどありませんでしたが、一部、火口付近に隆起が見られることもありまして、噴火警戒レベルの引き下げには至っておりません。ただ、シルバーウィーク明けの9月末まで、落ち着いた状況が続けば、噴火警戒レベルが下がるのではないかとの情報も入っており、何とかそうなってほしいと思っております。

このような状況の中で、箱根町の観光に関する予算は厳しく、箱根町観光協会の予算もほとんどなく、当面の観光プロモーションはなんとかなる程度ですが、先を見据えて、国の地方創生先行型交付金の上乗せ交付分にエントリーをしています。最高限度額5,000万円ということで、町観光協会に誘客宣伝委員会がありますので、交付金がいただければ、ここを中心に誘客を進めていきたいと考えております。

 

(山口会長)

ありがとうございました。それでは、今の御説明を受けて、何か御意見や御質問はありますでしょうか。

 

(金子観光部長)

先ほどの櫻井委員から御質問のありました、箱根で減った観光客はどこへ行ったのかについてです。富士山という視点から考えますと、河口湖・山中湖や静岡県に移動している場合もありますし、一部、熱海にも行っているという噂もある一方、熱海は箱根の影響を受けて観光客が減っているという情報もあり、錯綜しているのが現状で、どこに観光客が拡散しているかについては、分析できていません。

 

(高橋副会長)

現在、観光プロモーションで各地を回っていまして、その際ヒアリングをすると、現在約6割を占める日本人のお客様のほとんどは、現地の事情に詳しいリピーターです。外国人観光客につきましては、箱根湯本駅前の総合観光案内所における直近3ヶ月の状況によりますと、利用が前年比141%になっています。一方、日本人のお客様は76.4%と激減しています。

利用者全体に占める割合は日本人のお客様が3分の2、外国人の方が3分の1となっています。箱根全体では2,000万人のうち、約70万人が外国からのお客様です。箱根に来る前に情報が入手できないこともあるようで、現地に着いて初めて正確な情報を知るお客様がいらっしゃいますが、丁寧に御案内をしておりますので、クレームはほとんどありません。

日本人のお客様の場合、箱根は首都圏から至近距離ですので、噴火警戒レベルが3の今、いつでも行ける箱根に敢えて行かなくてもよいとの声も聞かれます。安心・安全を担保できない中でのプロモーションはなかなか難しいのですが、今後を見据えて取組を続けてまいります。

 

(相京委員)

箱根町周辺市町への影響があるとのことですが、箱根町の宿泊施設について、どのエリアの状況が悪いのか、また、湯河原や真鶴といった町外まで影響を受けているのかという点について、感覚的でよいので教えてください。

 

(高橋副会長)

先ほど御紹介した宿泊のデータにつきましては、箱根温泉旅館ホテル協同組合の約100軒に対する調査結果で、主な宿泊施設は加入しておりますので、この結果がほぼ、箱根全体の状況を捉えていると言えます。地域ごとの状況は、我々の感触からしますと、箱根湯本についてはおそらく平均より10%程度良い状況で、箱根全体の約6割が箱根湯本に集中しています。強羅、仙石などの宮ノ下から上の地域についてですが、最も厳しいエリアは、仙石、姥子で、おそらく前年比40から50%ではないかと思われ、地域間で格差があります。

ただ、比較的、お客様がいらっしゃっている箱根湯本周辺でも、「温泉は大丈夫ですか」という問い合わせが現在でもあり、正確な情報を発信していますが、特定のエリアは安全であるということは言えないので、アピールが難しいと感じています。噴火警戒レベルが2に下がり、温泉供給施設が少しでもメンテナンスできれば、上の方のエリアにもお客様にいらしていただけるのではないかと思います。

また、近隣の湯河原あたりでは、箱根をキャンセルした修学旅行の団体客が移っているなど、プラスとマイナスの要素があるようですので、ほとんど影響はないと思います。一方、小田原や足柄上郡の物産には影響があり、特に小田原は箱根を観光した方の多くが訪れ、ドライブインなどで消費をしてお帰りになるため、飲食業などがかなり影響を受けているようです。

 

(山口会長)

県の取組について、何か御質問や御意見はありますでしょうか。

 

(松原委員)

資料3の2ページ目の「2 火山活動に対する安全対策の強化」の「(1)大涌谷の観測機器の整備について」とありますが、温泉地学研究所に集約されるのか、気象庁のデータに反映されるのか、どのように集約されるのでしょうか。

 

(金子観光部長)

分かる範囲で御説明させていただきますと、今回は、温泉地学研究所の機器の整備で、データも温泉地学研究所で集約します。

 

(杉本委員)

県で、かながわお楽しみクーポンを発行しましたが、小田原、箱根あたりでは売れ残っているのでしょうか。お楽しみクーポンを発行したのは、箱根支援が目的だと思います。しかし、箱根では地元の方たちがこのクーポンを買っていません。これが果たしていいのかどうかと疑問に思います。箱根に限ったクーポンが作れればいいのですが、それはなかなか難しいと思いますので、箱根に貢献できる方法をお考えいただければと思います。

もう1点、箱根は保養所が多くあります。先ほど、高橋副会長から御説明のあった姥子は、温泉供給が最初に止まりましたが、保養所が多くある地域で、公の保養所が早々に閉鎖している状況です。このような公共団体に営業継続を働きかけることは、県の役割ではないでしょうか。もう少しきめ細かに現状を分析し、県としての取組を御検討いただきたいと思います。

 

(八尋観光企画課長)

かながわお楽しみクーポン券は全県で使えますが、もう少し箱根で使っていただける工夫をしたいと考えております。箱根の観光案内所で販売をしていますが、それが分かりにくいといった状況もございますので、観光客の方がクーポンを買って、買い物をしていただくとともに、クーポン券が売れ残っているところもありますので、それを実際に使っていただけるところへ回す仕組みも考えてまいります。

 

(金子観光部長)

公の保養所に関しては、閉鎖するということ自体があまり印象としてよくないと思われますので、県として、閉鎖をしないでほしい旨を伝えていきたいと思います。

また、お楽しみクーポンについては、箱根湯本の駅前では、例えば日帰り温泉に使う方などに好評だということですので、さらにアピールして、日帰りのお客様にも使っていただき、消費額を伸ばしていきたいと考えております。

 

(杉本委員)

本日、小田急電鉄から菅原委員がいらっしゃっているので、この際、お願いですが、キャンペーンを都内で行っていただけるとありがたいです。

 

(菅原委員)

我々も、どのタイミングで誘客に向けたキャンペーンなどをやったらよいか、常々考えているところですが、関係機関と調整の上、検討していきたいと思います。ただ、噴火警戒レベルが3から2に下がることは大変ありがたいことですが、噴火警戒レベルが1にならないと、箱根ロープウェイが運行できないことには変わりなく、元の状況には戻りませんので、これを考えますと、かなり長期戦になると考えております。

 

 

(4)ふるさと旅行券・ふるさと名物商品の販売について 

 

-事務局説明(資料4)-

 

(小野寺委員)

神奈川県よりも先行してふるさと旅行券の販売を実施した自治体では、様々な課題が指摘されていました。「かながわ旅行券」をコンビニエンスストアでの先着順の販売とすることについて、前もって何らかの不安要素はなかったのでしょうか。全国に5万件近くあるコンビニエンスストアで、1回の発売枚数が1万5,000枚ということは、あっという間に売り切れてしまうことが想定されます。

本来は、県外の方に買っていただいて、神奈川へ来ていただくのがよいとは思いますが、地元の方にも「かながわ旅行券」のPRをしておりましたので、その分、相当な苦情がありました。

また、8月に販売方法を変えましたが、その際の周知徹底の方法はどうであったのか、御説明をお願いします。

 

(八尋観光企画課長)

「かながわ旅行券」は、地方創生の一環で販売したもので、域外からの観光客を呼び込むことを主眼に置いています。そのため、全国各地で幅広く買っていただくために最も便利な方法は、コンビニエンスストアでの販売であると考えましたが、7月3日の販売分1万5,000枚は2分で完売してしまいました。

この枚数について、もっと多く販売する方法もありましたが、初回においてはどのような反応があるかを見るために、全体15万枚のうちの1割を販売することとしましたが、購入希望者が殺到する結果となりました。これを踏まえ、抽選方式に方法を変更した次第です。

また、抽選方式に変更した際の周知についてですが、県のたよりでの広報が最も効果があるのですが、なるべく早い時期に販売をしてほしいとの声がありましたので、時間的に県のたよりの紙面を確保することができなかったため、ホームページでのお知らせとともに、タウンニュースでの周知をいたしました。

 

(金子観光部長)

今回の旅行券の発行に当たりましては、全国的な販売のため、コンビニエンスストアを使いましたが、複数回販売を行うため、まず1回売ってみて、売れ方、売れる地域を分析し、2回目以降を実施しようと考えていました。しかし、分析する間もなく、売り切れとなってしまいました。

また、今回の目論見では、リピーターというよりは、新規に来ていただく方を開拓したいという考えがございました。自治体によっては、コンビニスンスストアで販売しても売れ残ったとの話を聞いておりましたので、神奈川がどの程度の人気なのかを知るために、試行的な意味合いも含め、初回の販売を行ったところ、大変な人気となりました。

しかし、お年寄りをはじめとする機械が不得手な方が購入できないこともございましたので、公平性を勘案し、皆様に均等に機会を提供することとし、残りのすべての枚数を抽選方式での販売に変更することにしたという経緯がございます。抽選方式では申し込みが1倍に満たないのではないかと心配していましたが、おかげさまで3倍を超える御希望がありました。

 

(小野寺委員)

通常であれば、即時完売は喜ばしいのですが、コンビニエンスストアでの発売時に、列に並んで購入を楽しみにしていた方もいらっしゃいましたので、がっかりされた方も大勢いるはずです。また、苦情を言っても委託先の旅行会社から返事がないなどの声も聞いております。

一方、旅行券が買えなくても、旅行会社店舗等での宿泊プランの販売によって希望の宿泊プランが買えた方もいらっしゃいました。こちらの全体の販売量はどうなっているのでしょうか。

 

(金子観光部長)

コンビニエンスストアによる旅行券の購入ができなかった方を想定して、インターネットサイトによる宿泊プランの販売を当初から用意しておりました。インターネットサイトによる販売が予想以上に好評でしたので、店頭での販売分をこちらに回して対応いたしました。

また、「いいじゃん神奈川」の旅行商品は、5割引で販売しておりますので、委員の皆様も是非、御参加ください。

 

(山口会長)

そろそろ予定の時間が迫ってまいりましたので、本日の議事はこれで終了いたします。

 

3.閉会

以上

資料1 神奈川県観光振興計画の改定について[PDFファイル/16KB]

資料2-1 神奈川県観光振興条例について[PDFファイル/8KB]

資料2-2 神奈川県観光振興条例[PDFファイル/15KB]

資料2-3 神奈川県観光振興計画の目標値達成状況[PDFファイル/16KB]

資料3 箱根を守り抜こう!-緊急アピール-[PDFファイル/183KB]

資料4 ふるさと旅行券・ふるさと名物商品の販売について[PDFファイル/140KB]

参考資料 かながわグランドデザイン実施計画プロジェクト編(抜粋)[PDFファイル/1.44MB]

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県の重点施策
  • ヘルスケア・ニューフロンティア
  • 未病の改善
  • さがみロボット産業特区
  • 県西地域活性化プロジェクト
  • かながわスマートエネルギー計画
  • 東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会
  • ラグビーワールドカップ2019
  • マグカル
  • ともに生きる