車いすテニス(パラリンピック)

掲載日:2018年6月20日

競技会場

有明テニスの森(東京都)

競技概要

車いすに乗ってプレーする車いすテニスは、2バウンドまでの返球が認められている以外はテニスと同じルールで行われる。コートの広さもネットの高さ、用具なども同じだ。なお、2バウンド目はコート内でも外でもよい。

テニスは相手のボールを追いかける俊敏さが必要だが、車いすテニスは片手にラケットを持ちながら車いすを漕ぎ、コート内を動き回らねばならない。テニスのテクニックに加え、車いすの操作(チェアワーク)にも高い技術が必要だ。

試合カテゴリーは男女シングルス、ダブルスに加え、四肢まひの重度障がいがある選手を対象とした、男女混合の「クアード」があり、それぞれシングルスとダブルスがある。クアードの選手は障がいの程度により、電動車いすの使用やラケットと手をテーピングで固定するなどが認められている。なお、パラリンピックは3セットマッチで行われ、2セット先取したほうが勝ちとなる。

種目

  • シングルス(男子/女子)
  • ダブルス(男子/女子)
  • クアード シングルス(混合)
  • クアード ダブルス(混合)

競技の魅力・見どころ

車いすテニスは1970年代にアメリカで生まれ、パラリンピックではバルセロナ1992大会から正式競技となっている。国際テニス連盟(ITF)が車いす部門も統括し、世界4大大会(グランドスラム)でも車いすテニスの部が実施されている。近年はプロ選手も多数生まれ、世界を転戦するなど、国際的な知名度も高く、人気競技の一つだ。

2バウンド以内での返球が認められている以外、ルールはテニスとほぼ同じなので、観戦しやすい。見どころは車いすを巧みに操作しながら繰り出される多彩なストロークだ。相手からの返球が到達する地点にすばやく移動した上で、コースを正確につくボールコントロールや、迫力あるスマッシュには舌を巻く。ボールを打つ時は車いすの座席から臀部を浮かせることはルールで禁止されているので、相手選手の頭上を越す絶妙なロブショットなども見応えがある。

驚きのプレーに欠かせないのは、「チェアワーク」と呼ばれる車いす操作の巧みさだ。テニスでは左右に機敏に動くサイドステップが多用されるが、車いすは構造上、真横への動きはできない。車いすをすばやく回転させ、回り込むように移動させる。脚を地面につけて車いすを操作したり、ブレーキをかけたりすることは禁止されている。

選手がプレーしやすく、巧みなチェアワークを実現するために、テニス用の車いすにはさまざまな工夫がある。たとえば、背もたれなど競技に不要なパーツは極力そぎ落として軽量化を図ったり、タイヤを大きくハの字型に傾けて回転性を高めたりしている。また、前、または後方への転倒を防止するため、前後2つずつ補助車輪も取り付けられている。選手はさらに、自身の体格や障がいに合わせ、ルールの範囲内でカスタマイズする。

相手からの返球に対応し、素早く的確な打点に入るために、選手は相手の体勢やラケットの向きなどからボールのコースをある程度予測してプレーしている。時には、あらかじめ自分のショットをコントロールして、相手が打ち返せるコースを制限し、最終的に自分の得意なショットにつなげられるように戦略を立てたりする。ラリーの展開で先を読み、正確にコースをつくテクニックも見逃せない。

2020に向けた競技の展望

近年、車いすテニスの普及、人気の高まりとともに、競技人口も増え、ジュニア層を対象にした強化なども進んでいる。競技レベルも上がり、実力拮抗でラリーが続き、長時間にわたる熱戦も増えている。

パラリンピックへの出場は世界ランキングが重要な要素となる。選手は世界ランキングを得るためにランキングポイントを獲得できるツアー大会を転戦し、ポイントを積み重ねなければならない。ランキングは週一度、ITFによって更新されるが、年間を通してコンスタントに試合に出ていないと、ランキングは自然に降下してしまう。近年は実力が拮抗しており、ランキングの入れ替わりも激しく、目が離せない。

4年に1度のパラリンピックのメダリストも、若手の台頭などもあり、大会ごとに変化が見られる。男子シングルスは国枝慎吾(日本)が北京2008大会とロンドン2012大会で史上初の2連覇を果たした。しかし、リオデジャネイロ2016大会のメダリストは、ロンドン2012大会とは顔ぶれが一新。金メダルを獲得したのは急成長を見せるゴードン・リード(イギリス)だった。

女子はオランダの選手層が厚く、世界ランク8位以内に常時、2~3選手がランクインするほどだ。中でもエステル・フェルヘールはシドニー2000大会からロンドン2012大会まで4連覇の偉業を達成するなど圧倒的な強さを誇り、ロンドン2012大会では銀、銅メダリストもオランダ選手だった。フェルヘール引退後のリオデジャネイロ2016大会でも金、銀メダルはジェシカ・グリフィオン、アニク・ファンクートのオランダ勢が手にしたが、銅メダルには上地結衣(日本)が食い込み、その一角を崩した。

クアードでは、デービッド・ワグナー(アメリカ)など欧米勢が強かったが、リオデジャネイロ2016大会はダイラン・アルコット(オーストラリア)が初めてシングルスの頂点に立った。アルコットは車いすバスケットボールから転向した異色選手で、リオデジャネイロ2016大会ではヒース・デビッドソン(オーストラリア)と組んだダブルスも制している。このダブルスも面白い。ツアー大会では他国の選手と組む選手も少なくないが、パラリンピックでは母国の選手と組んで戦う。普段あまり見られないペアが力を合わせ、チームワークよく戦う姿も、パラリンピック車いすテニス・ダブルスの楽しみの一つだろう。

<日本>
日本勢は近年、世界での存在感を増している。なかでも、北京2008大会、ロンドン2012大会と男子シングルスで史上初のパラリンピック連覇を飾った国枝慎吾や、リオデジャネイロ2016大会で女子シングルス銅メダルに輝いた上地結衣。2人はグランドスラム大会でも何度も優勝を果たしているトップ選手だ。また、クアードでも諸石光照、川野将太がリオデジャネイロ2016大会でベスト8に食い込んでいる。東京2020大会では成長を遂げる若手選手たちも含め、厚みを増す日本勢のさらなる活躍が期待される。

(公益財団法人)東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会公式サイトより転載
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