ウィルチェアーラグビー(パラリンピック)

掲載日:2018年8月6日

競技会場

国立代々木競技場(東京都)

競技概要

ラグビーやバスケットボール、アイスホッケーなどの要素が組み合わさった球技で、バスケットボールと同じ広さのコートを使い、専用の車いす(ウィルチェアー)に乗った選手が4対4で対戦する。専用の丸いボールをパスや膝の上に乗せるなどして運び、車いすの前後4輪のうち、2輪がトライラインに達するか通過すると1トライとなる。

四肢に障がいのある選手を対象とし、筋力テスト、体幹機能テスト、動作の機能テスト、競技観察を実施し、選手ごとに、障がいの程度の重い方から順に0.5点から3.5点まで0.5点刻みで「持ち点」が与えられている。1チームの持ち点の合計は8点以内で編成しなければならず、選手起用も戦略のポイントとなる。車いす競技のなかで唯一、車いすでのタックルが認められており、激しいぶつかり合いも見どころだ。

種目

  • ウィルチェアーラグビー (混合)

競技の魅力・見どころ

ウィルチェアーラグビーの大きな特徴は持ち点制で、選手は障がいの程度に応じ、重いほうから順に0.5点から3.5点まで0.5点刻みで7クラスに分類されている。1チームは12名で、コート上の4選手の持ち点の合計を8点以内でチーム編成しなければならない。実は、男女混合の競技で、女子選手が出場するときは1人につき0.5点の追加点が与えられる。もし、女子2名が含まれれば、チームの持ち点合計は9.0点で編成できる(最大4名10点まで)。

持ち点制のルールにより、障がいの軽く運動能力の高い選手(ハイポインター)だけでなく、重い選手(ローポインター)にも出場チャンスが生まれる。ハイポインターは機敏に動き、主に攻撃的な役割を担当し、ローポインターは防御的な役割を担い、相手ディフェンスを車いすで止めてハイポインターのために進路をつくるなど、チーム一丸でトライを取りにいく。

競技用車いすにも2種類あり、役割分担がある程度分かるようになっている。攻撃型の車いすは相手の守備をかいくぐり、狭いスペースでも機敏に動けるよう凹凸がなく、主にハイポインターが使用する。防御型の車いすは前部に長いバンパーが突き出しており、相手の車いすにぶつけたり引っ掛けたりして相手の動きを止めるのに使う。主にローポインターが使用する。ハイポインターが華麗な車いす操作(チェアーワーク)で得点を重ねる影で、ローポインターの献身的な動きがある。また、ハイポインターの動きをローポインターが果敢なタックルで阻止するシーンも必見だ。

ラグビーといっても、前方へのパスは認められている。足で蹴る以外はボールを投げたり手で打つことでパスをしたり、膝の上にボールを載せたりして巧みに運んでいく。ただし、膝に乗せて運ぶときは10秒に1度、ドリブルをするか、パスをしなければならない。

1試合は8分間のピリオドを4回繰り返す。バスケットボールのようにプレイのタイム制限がある。たとえば、攻撃側が40秒以内にゴールしないと相手にボールの所有権が移る40秒ルールや、ボールを持ってから12秒以内にセンターラインを越えなければならない12秒ルールなどがある。スピーディーなボール展開が必要であり、時間管理も勝敗の重要な要素だ。

タイムアウトもベンチ側から2回、コートの選手から4回までコールできる。ピンチのときに戦況打開のきっかけにすることもでき、どのタイミングでコールするかもチーム戦略の一つとなる。試合終了間際の行き詰まる局面で、一つのタイムアウトが逆転のきっかけになることもある。

見どころは、車いす競技のなかで唯一、ルールとして認められている、車いすでのタックルだ。大音響が響き渡り、勢い余って車いすが転倒するなど迫力満点。タイヤのパンクは頻繁におきる。ただし、車いすの後方からぶつかるなど危険なタックルは反則となる。ボール以外に、相手の身体や車いすに触れたり押さえつけたりすることも禁止で、そうしたファウルを犯した選手は1分間、または相手がトライを決めるまでペナルティーボックスに入らければならない。

2020に向けた競技の展望

ウィルチェアーラグビーは手と脚に障がいがある、比較的重度な障がいの人にもできるスポーツとして1970年代にカナダで考案され、各地に広まった。パラリンピックにはアトランタ1996大会で公開競技となり、シドニー2000大会から正式競技となっている。

以来、メダルを獲得している国はオーストラリア、アメリカ、カナダ、ニュージーランド、日本の5カ国のみに限られている。オーストラリアが2012年、2016年で初めて連覇を達成し、安定した強さを誇るが、2度の金メダルを獲得しているアメリカや発祥国カナダ、日本などが後を追う。

現在、世界最強選手の呼び声が高いのは、オーストラリアのライリー・バット(クラス3.5)だ。1989年、先天的な四肢障がいで生まれたバットは、12歳で競技を始め、15歳でパラリンピックに初出場。以来、強豪オーストラリアのエースとして活躍。その得点力は圧倒的で、初優勝を果たしたロンドン2012大会で全試合通算160得点を記録。リオデジャネイロ2016大会ではアメリカとの決勝戦で27ゴールをたたき出し、金メダルの獲得に貢献した。果たして、バットの勢いを止めるのは誰か。ハイポインターによるプライドをかけた戦いも注目だ。

<日本>
ロンドン2012大会で4位に終わった悔しさをバネにした強化が実り、リオデジャネイロ2016大会では初の銅メダルを手にした日本だが、リオデジャネイロ2016大会以降、新たに東京2020大会での金メダル獲得を目標に掲げ、アメリカ人のケビン・オアー氏をヘッドコーチに招聘するとともに、新生日本が始動した。これまでにアメリカとカナダをメダルへと導いてきたケビンの手腕と経験に期待がかかる。選手起用の幅を広げて女子選手など新メンバーも加え、切磋琢磨してさらなる高みを目指す。

 

(公益財団法人)東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会公式サイトより転載

選手紹介 インタビュー

山口 貴久(やまぐち たかひさ)さん -ウィルチェアーラグビー Class1.0-

山口選手

※画像をクリックするとyoutubeで視聴できます。

≪プロフィール≫

横須賀市出身。1981年生まれ。19歳の時に交通事故に遭い四肢麻痺となる。26歳で団体競技の車椅子ツインバスケットボールを始める。チームメイトの紹介でウィルチェアーラグビーに出会う。2016年のリオパラリンピックでは日本初となる3位に入賞し、銅メダルを獲得。「不撓不屈」の精神で、東京パラリンピック競技大会への出場を目指す。

(主な成績) 

競技種目:ウィルチェアーラグビー Class1.0

16年 9月 リオパラリンピック出場 銅メダル

インタビュー -不撓不屈-

インタビュー全文(PDF:309KB) / テキスト版はこちらをご覧ください(ワード:21KB)

山口選手サイン

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本文ここまで
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