車いすフェンシング(パラリンピック)

掲載日:2018年6月20日

競技会場

幕張メッセBホール(千葉県)

競技概要

脊髄損傷や下肢切断による、下肢に障がいのある人を対象とする車いすフェンシングは、「ピスト」と呼ばれる装置に固定した競技用車いすに座り、上半身だけで競技する。相手を剣で突くとポイントになるなど、ルールは立って行うオリンピックのフェンシングとほぼ同じだ。だが、フットワークが使えず相手との距離が近く、一定なので、剣さばきのテクニックやスピードが重要なポイントになる。スピーディーな展開の中、息詰まる攻防が続き、一瞬たりとも目が離せない。

選手は座位バランス能力などにより、カテゴリーAとBの2つのクラスに分かれ、3種目を競う。メタルジャケットを着た胴体だけを突く「フルーレ」、上半身の突きを行う「エペ」、上半身の突きに斬る動作が加わった「サーブル」の3つで、いずれも男女別に個人戦とエぺ、フルーレは団体戦(3対3)が東京パラリンピックで行われる。

クラス分け

  • カテゴリーA
    腹筋があり、十分な座位バランスがある
  • カテゴリーB
    腹筋がなく、座位バランスがない

種目

エペ

  • 個人 カテゴリー A(男子/女子)
  • 個人 カテゴリー B(男子/女子)
  • 団体(男子/女子)

フルーレ

  • 個人 カテゴリー A(男子/女子)
  • 個人 カテゴリー B(男子/女子)
  • 団体(男子/女子)

サーブル

  • 個人 カテゴリー A(男子/女子)
  • 個人 カテゴリー B(男子/女子)

競技の魅力・見どころ

車いすフェンシングは剣やマスク、ウエアなどの道具はフェンシングと同じものを使い、相手を突いたかどうかを電気信号によって機械的に判定する電気審判器を使う点も同じだ。

ただし、大きな違いはピスト上に固定された車いすに座って行うので、上半身の動きだけで競うことだ。オリンピックのフェンシングのように、足を使って前後に移動するなど全身で戦えないため、相手と至近距離で絶えず突き合うことになる。正確な剣づかいのテクニックはもちろん、高い集中力や強い精神力も必要だ。
 

試合はまず、2台の車いすの車輪をピスト上の中央線(センターバー)に対して110度の角度で固定することから始まる。続いて、両選手間の距離を決める。2選手の腕と剣の長さを測り、短いほうの選手に合わせる。こうして1試合ごとに準備を整え、試合開始となる。

競技中は車いすの座面からお尻を離してはいけない、足はフットレストに常に置かれていなければいけないなどのルールもある。そのため、使用する車いすは選手ごとに体格や障がいに合わせて規定の範囲内でカスタマイズした競技専用のものを使用する。

体を固定するベルトや剣を持たない側のアームレストは体のバランスを保ち、安定した剣さばきにも欠かせない重要なパーツである。

試合時間は、個人戦の予選では3分間で5トゥシュ(突き)先取制、決勝トーナメントでは3分間を3セット行い、15トゥシュ先取制で行われる。また、1チーム3選手で戦う団体戦では1人が3分間5トゥシュ先取制の試合を3セットずつ行い、最高9セット中に45トゥシュ先取か、タイムアップ時点で得点の多いほうが勝ちとなる。個人戦、団体戦とも、同点の場合は1分間の延長戦がサドンデス方式で行われる。

座ったままの競技ながら、かなりの接近戦で目まぐるしい攻防が繰り返され、時には車いすがピストごと傾くほど激しさも見られる過酷な競技だ。息を弾ませ、汗だくの選手による、まさに真剣勝負が見どころだ。

2020に向けた競技の展望

車いすフェンシングは第1回パラリンピックである、ローマ1960大会から正式競技となっている。中世ヨーロッパの騎士道として発達したフェンシングから派生した車いす競技で、フェンシング人気の高いヨーロッパ諸国で特に盛んだ。現在はアメリカやアジアなどにも広がり、約40カ国・地域で行われている。
 

パラリンピックへの出場は世界ランキングで決まるが、詳細は大会ごとに見直される。ロンドン2012大会は上位20位までに出場権が与えられたが、リオデジャネイロ2016大会では上位12位までで同一国から2名までに変更された。東京2020大会における出場枠は、2020年4月の国際連盟理事会で決定される。

世界ランキングを上げるには、年に数回開催されるワールドカップを転戦したり、2年に1度の地域選手権や世界選手権に出場したりするなどして、ランキングポイントを積み重ねる必要がある。

世界の勢力図としては、歴史的にヨーロッパ諸国やロシアで盛んだが、中国や香港も強豪国に名を連ねる。ドーピング問題によりロシア選手が不参加となったリオデジャネイロ2016大会では個人10種目、団体4種目が行われ、中国が個人で6、団体で3つの金メダルを獲得し、圧倒的な強さを見せた。

個人選手としてリオデジャネイロ2016大会で注目を集めた一人はイタリアのベアトリーチェ・ヴィオ(カテゴリーB)だ。1997年生まれの彼女は元々フェンサーだったが、11歳のときに病気のため両手足の切断を余儀なくされた。リハビリを経て車いすフェンシングに転向以降、世界で唯一の両手足欠損のフェンサーとして2013年頃から世界的に活躍。リオデジャネイロ2016大会ではパラリンピック初出場ながら、フルーレ個人に参戦。連覇を狙った中国選手を下して金メダルを手にし、期待に応えた。フルーレ団体ではメンバーの一人としてイタリアの銅メダル獲得にも貢献。東京2020大会では個人戦連覇など、さらなる活躍が期待されている。

<日本>
シドニー2000大会から北京2008大会まで連続出場を果たした日本。東京2020大会では再び、多くの選手を送り、メダル獲得を目指す。日本車いすフェンシング協会(JWFA)は強化策としてまず、リオデジャネイロ2016大会後にパラリンピック金メダリスト(シドニー2000大会、アテネ2004大会)で、香港のフン・イン・キー氏をヘッドコーチに迎えた。また、京都に常設の練習拠点を設け、JWFA強化指定選手らを中心に定期的に合宿を実施。ワールドカップなど海外転戦の機会も増やし、選手強化に取り組む。2017年2月のW杯ハンガリー大会で、櫻井杏理がカテゴリーB女子エペ個人で初の銀メダルを獲得。チームに弾みを与えた。

(公益財団法人)東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会公式サイトより転載
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