トライアスロン(パラリンピック)

掲載日:2018年6月20日

競技会場

お台場海浜公園(東京都)

競技概要

1人で3つの種目(スイム、バイク、ラン)を連続して行い、その合計タイムで競うトライアスロン。パラリンピックでは、リオデジャネイロ2016大会から正式競技となっている。レースの距離はオリンピックのちょうど半分となる「スプリント・ディスタンス」で、スイム(750メートル)、バイク(20キロメートル)、ラン(5キロメートル)の計25.75キロメートル。レースは男女別に行われる。

障がいの内容や程度により6クラスに分かれ、クラスごとに競技方法が一部異なる。座位クラス(PTWC)は、バイクはハンドサイクルを使い、ランでは競技用車いすを使う。立位クラス(PTS2~5)はバイク、ランでは障がいに応じて義足など補装具を使用でき、バイクの改造なども認められる。視覚障がいクラス(PTVI)は、競技全体を通して同性のガイド1名と競技を行う。スイムからバイクへ、バイクからランへと種目を移行する過程の「トランジション」にも注目したい。

競技の魅力・見どころ

 クラス 特徴 障がい

 PTWC(座位)

 下肢に障がいあり車いすを使用する選手  バイクはハンドサイクルを、ランは競技用車いすを使う
 PTS2~5(立位)  上・下肢の切断や機能障がいなど肢体不自由の立位の選手
(障がいの重い方から2~5に分けられる)
 バイク・ランパートは義足など補装具の使用が認められている。
 PTVI(視覚障がい)  視覚に障がいのある選手  同性のガイドと競技する。バイクはタンデム(2人乗り)車を使う

<クラス分け(2017年度以降)>

リオデジャネイロ2016大会で初めて採用されたトライアスロンは、男女各5クラスあるうちの3クラスずつが実施された。その後、障がいの内容や程度の違いによる競技力の差をより公平化するようクラス分けの基準が再検討され、5クラスから6クラスに細分化された。今後マイナーチェンジが加えられる可能性はあるが、東京2020大会は新たな6クラス制のもと、男女各4クラスが実施される予定である。

PTS(立位)クラスは機能的障がいの程度に応じて3クラスから4クラスに細分されている。

また、PTWC(座位)とPTVI(視覚障がい)クラスには、それぞれPTWC1(重度)とPTWC2(軽度)、PTVI1(IBSAのクラス分類によるB1、全盲)とPTVI2(IBSAのクラス分類によるB2、弱視)、PTVI3(IBSAのクラス分類によるB3、弱視)というサブクラスが設定されている。より公平に競えるよう、時差スタートか一斉スタートの場合はより軽度のクラスの実走タイムに、規定の補正時間を加算する。

一例を挙げると、PTWC男子の補正時間は3分16秒に規定されており、例えば、時差スタートの場合はPTWC1選手のスタート後、3分16秒後にPTWC2選手がスタートし、一斉スタートの場合はH2選手の実走タイムに一律3分16秒が加算されたのち、H1の選手と合わせて順位が決定することになる。

トライアスロンは国際トライアスロン連合(ITU)が統括し、ITUのルールに則って行われるが、さまざまな障がいの選手が安全に公平に競技ができるよう、障がいの内容や程度に応じてそれぞれルールの一部もアレンジされている。

スイム、バイク、ランそれぞれのパートの見どころを紹介しよう。

スイムパートは、PTWCクラスの選手はニーブレイスの使用が認められており、PTSクラスでは補装具などの使用は認められていない。PTVIの選手は同性のガイドが横を泳いでサポートする。また、スタートはどのクラスも飛び込まず、あらかじめ水中に入った状態で行う。

バイクパートは、クラスごとに使用する自転車が異なる。PTWCはリカンベント型(仰向けに横たわるタイプ)のハンドサイクル(手でクランクを漕いで進む)を使う。PTVIはタンデム(2人乗り)自転車を使い、ガイドが前、選手が後ろに座り、協力して漕ぐ。PTSクラスはロードバイクを使うが、障がいに合わせた改造も認められている。例えば、ペダルを義足で踏みやすい形にする、腕の障がいに合わせて片手でブレーキやギアチェンジを可能にする、ハンドルの位置などを調整するなどである。

ランパートでは、PTWCは競技用車いすを使い、PTSは義足や杖など必要な補装具を装着し、PTVIはガイドとロープでつながって走る。

もうひとつ、「第4のパート」とも呼ばれ、次の種目へと移るトランジションも重要なポイントだ。選手は障がいによって、ウエットスーツを脱いだり、シューズを履き替えたりすることが難しい場合もあり、また、それぞれ使用する機材や補装具などが異なる。合計タイムに大きく影響するので、いかにトランジションの時間を短縮するかが工夫のしどころ。ウエアや義足などの補装具を脱着しやすいよう改良するなど、「モノ」の開発・工夫も欠かせない。選手を「モノ」で支える職人の技術と情熱を感じることができる。

さらに、障がいのある選手たちをサポートする、「ヒト」にも注目だ。まず、視覚に障がいのあるPTVIの選手を支える「ガイド」は、選手の目の代わりとなり安全にフィニッシュまで導く役割を担う。選手と同性で、全パートを一人でサポートしなければならないため、トライアスリートとしての高い競技力と、さまざまな状況に応じた的確な判断力などが求められる。

また、PTWCの選手とコンビを組む「ハンドラー」は、トランジションエリアでウエアの着脱や競技機材への乗り換えなどをサポートする。「ガイド」も「ハンドラー」も選手とともに戦う重要なパートナー。日頃から練習をともにし、チームワークを磨いている。選手と、彼らをサポートする「ガイド」「ハンドラー」たち。人と人とが深い信頼関係を築き、メダルを目指して限界に挑む姿は感動的だ。

2020に向けた競技の展望

オリンピックと同様に国際トライアスロン連合がトライアスロン部門も統括していることもあり、多くの大会がトライアスロンと併催されている。強化が共に行われている国も見られ、トライアスロン人気の高い欧米諸国での普及が進んでおり、強豪国である、イギリス、アメリカなどの選手がトライアスロンでも強さを見せる。

リオデジャネイロ2016大会では男女合わせて6クラスが実施され、それぞれ初代チャンピオンが決定。男子PT1はイェツェ・プラット(オランダ)が、PT2はアンドリュー・ルイス(イギリス)、PT4マルティン・シュルツ(ドイツ)、女子PT2はアリッサ・シーリー(アメリカ)、PT4はグレース・ノーマン(アメリカ)、PT5はケイティ・ケリー(オーストラリア)が金メダルを獲得した。

しかし、リオデジャネイロ2016大会以降、新しいクラス分け制が導入され、今後の勢力図にどう影響するかが注目される。特に、3クラスから4クラスに細分された立位クラスは、選手の実力が拮抗し、より白熱したレースが期待される。

他競技から転向してきた選手も少なくなく、それぞれ得意種目をもつ選手も多い。先行型、後半追い上げ型などレーススタイルもさまざまで、順位の入れ替わりも激しく、最後まで目が離せないのも魅力の一つだ。

<日本>
リオデジャネイロ2016大会には4選手が出場。女子は秦由加子(PT2)で6位入賞を果たし、山田敦子(PT5)が西山優ガイドと9位に入った。男子は木村潤平(PT1)が10位、佐藤圭一(PT4)が11位と、それぞれが精一杯の戦いを見せた。東京2020大会に向けて、リオデジャネイロ2016大会出場を逃がした選手のほか、他競技からの転向組も増え、選手層の厚みが増している。東京2020大会での実施クラスは未定(2018年1月時点)だが、競技力の強化や使用機材の改良など、日本チームとしての底上げを図り、さらなる躍進を目指している。

(公益財団法人)東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会公式サイトより転載
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