水泳(パラリンピック)

掲載日:2019年9月2日

競技会場

オリンピックアクアティクスセンター(東京都)

競技概要

パラ水泳は第1回パラリンピックローマ1960大会から行われている。競技はできるだけ条件を揃え公平に行えるよう、選手は障がいの種類や程度、運動機能などによりクラス分けされ、それぞれのクラスごとに競う。選手はそれぞれの障がいに応じて全身を駆使し、独自のスタイルで泳ぐ。その個性豊かなフォームは、「残されたものを最大限に活かす」というパラリンピックの精神を強く体現する。
ルールはオリンピックとほぼ同じだが、選手の障がいに合わせて、スタート方法など一部が変更されている。

競技の魅力・見どころ

パラ水泳は、日常的に車いすを使う選手から、四肢切断や脳原性まひ、視覚障がいや知的障がいなど、多様な障がいを対象とする。選手は障がいクラス別に競技するが、たとえ同じクラスでも、それぞれの身体の状態は千差万別だ。そのため選手は試行錯誤の末、自分の身体に最も合う泳ぎ方を見つけ、練習をくり返すことで泳ぎを磨き上げていく。

競技の勝敗は「誰よりも速く泳ぐこと」。そのために抵抗を少なく推進力を最大にし、まっすぐ最短コースでゴールを目指すのだが、障がいがあるとその「早く泳ぐ技術」が難しいのである。

例えば下半身が麻痺しキックができない選手は、上半身の筋力や動きで補うことが必要だ。腕や脚に欠損や変形がある選手は、できるだけ姿勢を水の抵抗の少ない理想の形(ストリームライン)に近づけ、上下左右のバランスをとりながら泳げるよう身体の使い方を工夫する。

視覚障がいクラスの選手の中には、自分の位置を目で確認することが難しい選手もいる。そのため、まっすぐ泳げずにタイムロスすることも少なくない。練習を繰り返し、バランスの良いフォームを身につけたり、左右どちらかのコースロープに身体を触れさせて位置を確認したりするなど、自分なりの方法を体得していく。個性あふれる泳ぎ方を見比べて、それぞれの工夫を知ることもできる。

また、プールの壁を目で確認できない選手もいる。そのため、ターンやゴールのときに壁にぶつかってケガをしないよう安全のため、コーチなどがプールの上から選手に合図を送る。特にS11(全盲)クラスの選手には合図を送ることが義務付けられている。合図は選手の頭や身体に棒でタッチ(タッピング)して行う。合図を送る人を「タッパー」、合図を送る棒を「タッピングデバイス」と呼ぶ。選手はタッパーのおかげで、恐怖心を取り除き、思い切って泳ぐことができる。ただし、最適なタイミングでタッチすることは難しく、タッピングが勝負を分けることもある。タイミングは選手のスピードや泳法によって調整が必要であり、選手とタッパーは日々練習を重ね、信頼関係を高め、コンビネーションを磨く。

競技ルールはオリンピックの競泳にほぼ準ずるが、障がいに合わせて一部変更されている。特にスタート方法は多種多様だ。自由形や平泳ぎ、バタフライは飛び込み台からスタートすることが基本だが、障がいによって台からの飛び込みが難しい場合は水中からスタートすることもできる。水中スタートや背泳ぎはスタート台に設置されたスターティンググリップを握り水中からのスタートを基本とするが、握力の関係や切断などの障がいによりグリップを握ることが難しい場合は、ベルトなどの補助具を使用したり、ひもやタオルを口にくわえたりしてスタート体勢を取ることも認められている。ゴールも同様だ。両手タッチが原則の平泳ぎやバタフライであっても、障がいによっては上半身の一部でのゴールタッチが認められている。

2020に向けた競技の展望

パラ水泳はパラ陸上競技に次いで出場選手の多い競技だ。選手の年齢の幅が広く、何大会にもわたって活躍したり、1大会で複数のメダルを手にしたりするスター選手も少なくない。

例えばリオデジャネイロ2016大会で、地元の大声援も味方につけ、金メダル4つを含む合計9個のメダルを量産したダニエル・ディアス(ブラジル)の大活躍は記憶に新しい。生まれつき手や脚に欠損や変形があり、歩行のときに義足を使うディアスは、パラリンピック初出場の北京2008大会で9個のメダルを手にして以来、3大会連続で合計24個のメダルを獲得し、リオデジャネイロ2016大会終了時点では男子パラ水泳選手として史上最多のメダリストになった。

女子では先天的に両脚に障がいがあることにより義足を使う、ジェシカ・ロング(アメリカ)がその1人。リオデジャネイロ2016大会で合計6個のメダルを獲得するなど、アテネ2004大会から4大会連続で金メダル13個を含む合計23個のメダルを手にしている。両選手とも東京2020大会でのさらなる飛躍が期待される。

リオデジャネイロ2016大会では視覚障がいクラスでも歴史的な記録がいくつか誕生した。まず、男子S11の100m自由形でブラッドリー・スナイダー(アメリカ)が56秒15をマークし、30年ぶりに世界記録を塗り替えた。また、女子S13の50m自由形ではアンナ・ステツェンコ(ウクライナ)が27秒34で20年ぶりに世界記録を更新したのだ。

パラ水泳の競技レベルが向上していくとともに、今後ますます記録は更新され続けていくだろう。

<日本>
日本選手団は、アーネム1980大会からリオデジャネイロ2016大会まで、10大会連続でメダルを獲得し、世界で存在感を放ってきた。個人では、河合純一(視覚障がい)がバルセロナ1992大会からロンドン2012大会まで6大会連続出場し、金5個を含む合計21個のメダルを獲得。これは全競技を合わせた日本人選手のなかで歴代最多となる。また、成田真由美(肢体不自由)はアトランタ1996大会からリオデジャネイロ2016大会まで5大会に出場し、合計20個(金15)のメダルを獲得し、今も現役として後輩たちをけん引する。東京2020大会では、全盲のエース木村敬一や上肢障がいの山田拓朗、知的障がいクラスの津川拓也、中島啓智といったリオデジャネイロ2016大会のメダリストをはじめ、若手選手たちの活躍も目覚ましく、活躍が大いに期待される。

 
(公益財団法人)東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会公式サイトより転載

選手紹介 インタビュー

林田 泰河(はやしだ たいが)さん -パラリンピック水泳競技-クラスS14、SB14、SM14-

林田選手

※画像をクリックするとyoutubeで視聴できます。

≪プロフィール≫

横浜市出身。平成元(1989)年生まれ。7歳の頃、母親の勧めで水泳を始める。持ち前のストイックさから記録を伸ばし、全国大会での優勝だけでなく、日本記録を更新するほどに。2016年のリオデジャネイロパラリンピックでは男子100メートル平泳ぎ(知的障がい)に出場、7位入賞を果たす。現在(2018年)は、横浜市職員として働く傍ら、「金メダル獲得」を宣言し、東京2020パラリンピック競技大会を目指している。

(主な成績)

競技種目:パラリンピック 水泳(競泳) クラスS14/SB14/SM14

2017年9月 ジャパンパラ競技大会100m平泳ぎ 第3位、100mバタフライ 第7位

2016年9月 リオ2016パラリンピック競技大会 100m平泳ぎ 第7位

2016年7月 ジャパンパラ競技大会 100m平泳ぎ 優勝、100mバタフライ 第5位

インタビュー -継続は力なり-

インタビュー全文(PDF:459KB) / テキスト版はこちらをご覧ください(ワード:37KB)

林田選手サイン

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本文ここまで
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