5人制サッカー(パラリンピック)

掲載日:2018年6月20日

競技会場

青海アーバンスポーツ会場(東京都)

競技概要

5人制サッカーは別名「ブラインドサッカー」としても知られる、視覚障がいのある選手を対象とするサッカー。1チームは4人のフィールドプレーヤーとゴールキーパーで構成される。ゴールキーパーは晴眼(視覚障がいの無い選手)、または弱視の選手が務めるが、フィールドプレーヤーは視覚障がいのある選手でなければならない。

フィールドプレーヤーは個々の見え方による有利不利をなくすため、アイマスク(目隠し)着用の義務があり、視覚を遮断した状態でプレーする。チームにはFPの目の代わりとなる「ガイド」と呼ばれるメンバーがいて、相手ゴールの裏に立ち、ゴールまでの距離や角度などの情報を声や音で伝える役割を担う。

ボールは中に鉛が仕込まれた特製のボールで、転がると「シャカシャカ」と音が鳴る。選手はボールの音やガイドの声などを頼りにプレーするが、想像以上に激しく、スピーディーなプレーに驚かされる。

周囲の音声に耳を傾ける選手を妨げないよう、観客にはプレー中、静寂が求められる。ただし、得点が決まったときは大きな歓声で選手を称える。このメリハリある観戦スタイルも、5人制サッカーの醍醐味だ。

種目

  • 5人制サッカー(男子)

競技の魅力・見どころ

5人制サッカーは国際ブラインドスポーツ連盟(IBSA) が統括し、ルールは国際サッカー連盟(FIFA)のフットサルをもとに、視覚障がいのある選手がプレーできるよう一部がアレンジされている。

例えば、ピッチは40メートルx20メートルのフットサルコートを使うが、サイドライン上には選手やボールが飛び出さないよう、高さ1メートルほどのフェンスを立てる。フェンスはまた、選手が触って自分の位置を知る目安にしたり、ボールを意図的に蹴ってバウンドさせ、その跳ね返りを利用してパスしたりする目的でも使われる。

人間は外界から情報の約80パーセントは視覚から得ているとされるが、視覚を遮断した状態でプレーするFPのために情報を補う工夫もさまざまある。例えば、ボールを持った相手に向かっていくときは衝突を避けるため、守備側が「ボイ」と声をかけるルールがあり、違反するとファウルになる。

また、フィールドプレーヤーに情報を与える役割は味方チームの3名が担う。ゴール裏から「8メートル、45度、シュート」のように、ゴールの位置などを伝えるガイド、主に守備に関する情報を与えるゴールキーパー、そして、監督(コーチ)がサイドフェンスの外からピッチ中盤の選手に指示を出す。それぞれ声をかけられる範囲が決まっており、範囲外の選手に声をかけるとファウルになる。

試合中にファウルを犯すと、相手チームにペナルティキック(PK)が与えられるのだが、5人制サッカーでは2種類のPKがある。1つは、ペナルティエリア内でファウルがあった場合の「PK」で、ゴールから6メートルの位置にキッカーが立ち、ゴールキーパーと1対1でシュートを行う。もう1つ、「第2PK」と呼ばれるPKがある。前半と後半それぞれで、チームの累積ファウル数6つ目から相手チームに与えられ、キックは1つ目の「PK」よりも遠い、8メートルの位置から行う。

5人制サッカーの見どころはアイマスクを着けた選手が視覚以外の感覚を駆使してプレーする点だ。ボールの音からは位置だけでなく、転がり方やスピードなども把握するし、チームメートとの声かけによるコミュニケーションも重要なカギとなる。また、足先の感覚を駆使したドリブルは華麗で、相手の息遣いや仲間の声を頼りに守備の隙間を見つけ、巧みに抜いていく動きは圧巻だ。試合は想像以上に目まぐるしく展開し、最後まで気を抜けない緊張感がピッチを覆う。

2020に向けた競技の展望

リオデジャネイロ2016大会後、ルールの一部が改正された。主な改正点の1つはゴールのサイズで、従来のフットサルサイズ(幅3メートルx高さ2メートル)からフィールドホッケーサイズ(幅3.66メートル×高さ2.14メートル)に拡大された。得点の可能性が高まる分、失点の危険性も高まったと言える。

もう1つは試合時間の変更で、従来はサッカーと同じ、時計を止めずに試合を進行させるランニングタイムによる前・後半25分ハーフだったが、新しいルールではプレーが続いている間のみ試合時間を計測するプレイングタイムによる20分ハーフに変更された。この方式では、ボールアウトやファウルなどで計時が止まるので、実質的には試合時間の延長になると思われる。これらのルール変更は戦術にも影響し、体力も問われる。今後、各国の戦い方にどんな影響が見られるか、注目される。

強豪国としては過去4大会をすべて制しているブラジルが絶対王者だ。だたし、2位以下は変動していて、ロンドン2012大会はフランスが銀メダル、スペインが銅メダルを手にしたが、リオデジャネイロ2016大会ではイラン、アルゼンチンと顔ぶれが変わった。北京2008大会では中国も銀メダリストになっている。

世界的なサッカー人気もあり、5人制サッカーの普及・強化も各国で進んでいる。東京2020大会ではブラジルがその牙城を保つのか、はたしてどんな国が上位に名を連ねるのかに注目したい。

注目選手の筆頭は世界ナンバーワン選手として名高い、ブラジルのエースにして主将のリカルド・アウベスだ。リカルジーニョの愛称でも知られ、パラリンピックを含めた主な国際大会のタイトルはほとんど手にしている。

アウベスは、自身のパラリンピック初出場だった北京2008大会で母国の2連覇に貢献する活躍を見せた。主将として臨んだリオデジャネイロ2016大会では決勝戦で貴重なゴールを決め、1-0でイランを下し母国の連勝を守るなど、王者ブラジルの技術的、精神的支柱でもある。アイマスクをしているとは思えない巧みなボールさばきや豪快なシュートは必見だ。

<日本>
5人制サッカーが日本でプレーされるようになったのは2001年からで、以来、国内リーグ戦なども行われ、普及・強化が進められてきた。日本代表は2014年世界選手権で過去最高順位となる6位(12カ国中)に入っている。パラリンピックはこれまで、あと1歩で出場を逃がしてきたが、東京2020大会は開催国として初出場が決まっている。チームは競技歴15年を数えるベテラン黒田智成と2016年から主将を務める川村怜の両エースを軸に、若手も成長を見せ選手層は厚みを増している。国内合宿や海外遠征を重ね、東京2020大会でのメダル獲得を目指す。

(公益財団法人)東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会公式サイトより転載
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