自転車競技(パラリンピック)

掲載日:2018年6月20日

競技会場

伊豆ベロドローム(静岡県)、富士スピードウェイ(静岡県)

競技概要

パラサイクリングとも呼ばれる自転車競技がパラリンピックの正式競技に加わったのは、ロード競技がニューヨーク・エイルズベリー1984大会から、トラック競技がアトランタ1996大会からになる。

対象は身体障がいと視覚障がい。トラック(バンクと呼ばれる自転車競技専用の走路)競技とロード(一般道)競技とがあり、それぞれ複数種目が行われる。オリンピックとほぼ同じルールで行われるが、より公平な競技を行うため、障がいに応じて四肢障がい(C)、下半身不随(H)、脳性まひ(T)、視覚障がい(B)の4つのクラスに分かれ、さらに障がいの程度によって細分され、男女別に競う。

大きな特徴はクラスごとに使用する自転車が異なる点で、各選手の障がいの特性に合わせて一部改造も認められている。Cクラスは通常の競技用2輪自転車を使い、Hクラスは手で漕ぐハンドサイクルを使う。Tクラスは3輪自転車を使い、Bクラスは2人乗りタンデム自転車で、前の席に乗る晴眼者とともに競技を行う。

バラエティ豊かな自転車で速さや操作技術を競いながら、トラック競技では時速60キロメートルを超すようなスリルとスピード感、ロード競技では集団の中での駆け引きなど見どころも多彩だ。

東京2020大会ではリオデジャネイロ2016大会と同じく全50種目が実施され、のべ230選手の出場枠が決まっている。種目は以下の通り。

種目

  • トラック

・C1-2-3 1km タイムトライアル(男子)

・C1-2-3 500m タイムトライアル(女子)

・C1-5 チームスプリント(混合)

・C4-5 1km タイムトライアル(男子)

・C4-5 500m タイムトライアル(女子)

・C1 パシュート(男子)

・C2 パシュート(男子)

・C3 パシュート(男子)

・C4 パシュート(男子/女子)

・C5 パシュート(男子/女子)

・C1-2-3 パシュート(女子)

・B 1km タイムトライアル(男子/女子)

・B パシュート(男子/女子)

  • ロード

・H2 ロードレース(男子)

・H3 ロードレース(男子)

・H4 ロードレース(男子)

・H5 ロードレース(男子/女子)

・H2-3-4 ロードレース(女子)

・C1-2-3 ロードレース(男子/女子)

・C4-5 ロードレース(男子/女子)

・B ロードレース(男子/女子)

・T1-2 ロードレース(男子/女子)

・H2 タイムトライアル(男子)

・H3 タイムトライアル(男子)

・H4 タイムトライアル(男子)

・H5 タイムトライアル(男子)

・H2-3 タイムトライアル(女子)

・H4-5 タイムトライアル(女子)

・C1 タイムトライアル(男子)

・C2 タイムトライアル(男子)

・C3 タイムトライアル(男子)

・C4 タイムトライアル(男子/女子)

・C5 タイムトライアル(男子/女子)

・C1-2-3 タイムトライアル(女子)

・B タイムトライアル(男子/女子)

・T1-2 タイムトライアル(男子/女子)

・H2-5 チームリレー (混合)

競技の魅力・見どころ

パラリンピックの自転車競技の大きな特徴は、障がいクラスごとに使用する自転車が異なる点だ。それぞれ求められる操作テクニックも異なり、選手には自転車のもつ性能を最大限に引き出す技術の習得も必要だ。競技ルールはオリンピックとほぼ同じだが、障がいに合わせた自転車の最小限の改造も認められている。

Cクラスは切断やまひなど四肢障がいを対象とし、障がいの程度の重いほうからC1~C5の5クラスに細分される。競技用の2輪自転車を使用するが、安全性確保のため各選手の障がい特性に合わせ、ハンドルの形を変えたり、ペダルに義足を固定できるようにしたりなどの改造もできる。

Hクラスは、下肢に切断やまひ、運動機能障がいなどがある選手を対象とし、程度の重いほうからH1~H5の5クラスに分かれる。使用する機材はペダルを手で漕ぐ3輪のハンドサイクルで、仰向けで乗るタイプと膝をついて前屈みに乗り体重をかけて漕げるタイプの2種類があり、前者はH1~H4の選手が、後者はH5の選手が使う。

Tクラスは脳性まひや重度の四肢障がいがある選手を対象とし、程度によってT1~T2の2クラスに分かれる。バランスが取りやすく安定感のある3輪自転車を使う。車幅があるハンドサイクルや3輪自転車にはコーナーや追い抜きでの操作テクニックも必要だ。

Bクラスは視覚障がいを対象とするが、見え方によるクラス分けはなく、1クラスのみで行われる。2人乗りのタンデム自転車を使い、パイロットと呼ばれる晴眼の選手が前の席に乗ってハンドル操作などを担い、後ろに視覚障がいの選手が乗る。前後のペダルは連動しているので、両者は息を合わせて漕ぎ、ペースアップやコーナー手前の減速などのタイミングも合わせねばならず、ミスすれば、転倒・落車の危険もある。日頃の練習で磨いた阿吽の呼吸のコンビネーションにも注目だ。

基本的に速くゴールした選手や最速タイムの選手が勝ちとなるが、パラリンピック競技ならではの特徴として、「計算タイム制」がある。これは、複数のクラスを統合して競技を行う場合に、実走タイム(実際の記録)にクラスごとに設定された「係数」を掛け合わせて算出された「計算タイムで順位を決める方法」だ。例えば、C3、C4、C5の選手が一緒に競う場合、C5選手のタイムを100パーセントとし、C4選手のタイムには98パーセント、C3選手のタイムには93パーセントという係数をそれぞれ掛け合わせ、実走タイムより速いタイムを算出した上で、順位を決める(係数の数字は参考例)。

2020に向けた競技の展望

トラック競技は短距離での決戦となるので加速力や絶対的なスピードが求められ、ロード競技は市街地など屋外の長距離コースで競われるので、スタミナも考慮したペース配分や駆け引きなども勝負のポイントとなる。チームスプリントやリレーなどの団体種目では、各国のチームワークにも注目だ。

自転車競技の盛んな欧米勢、特にイギリスやアメリカ、オーストラリア選手らが圧倒的な強さを誇る。近年はプロ選手も増えており、他競技から転向し活躍する選手も多い。例えば、アレックス・ザナルディ(イタリア)は元F1ドライバーで、レース中の事故による両脚切断後に自転車競技(ハンドバイク)に転向。パラリンピックにはロンドン2012大会で金メダル2個、銀メダル1個を獲得する鮮烈なデビューを果たし、リオデジャネイロ2016大会でも金メダル2個、銀メダル1個を獲得。50代半ばで迎える東京2020大会での動向も注目される。

また、左手先の発育不全という先天性障がいのあるサラ・ストーリー(イギリス)は、まず水泳選手としてバルセロナ1992大会から4大会連続でパラリンピックに出場。2005年に患った感染症の影響で自転車競技に転向すると、北京2008大会からトラック、ロードとも圧倒的な強さを発揮。水泳と合わせ、7大会で金メダル14個を含む、全25個のメダルを手にしている。2008年には北京オリンピックにも出場、個人追い抜きで8位入賞を果たした、自転車大国イギリスのスター選手の一人だ。

東京2020大会では果たして、メダルを量産してきた欧米列強が牙城を守るのか。あるいは、王者を脅かす新勢力が現れるのか。楽しみは尽きない。

<日本>
日本チームもこれまで欧米の強豪選手に割って入り、複数のメダリストを輩出している。競技は日本パラサイクリング連盟(JPCF)が統括しており、2017年9月現在、強化指定A選手4名(男子3、女子1)、B選手5名(男子3、女子2)、同育成選手4名(男子4)を中心に競技力強化が進められている。例えば、強化指定A選手の野口佳子(C3)は、2017世界選手権ロード大会ロードタイムトライアルで世界チャンピンとなり東京2020大会での金メダル最有力候補選手として活躍が期待されている。また、藤田征樹(C3)は北京2008大会からリオデジャネイロ2016大会まで3大会連続で全5個のメダルを獲得している。

(公益財団法人)東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会公式サイトより転載
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