平塚保健福祉事務所 ノロウイルスを知っていますか

掲載日:2018年5月11日
冬場になると学校や保育園、老人ホーム等で多発する胃腸炎。風邪?それとも食中毒?
以前は原因が分からず、「いわゆる冬場のお腹に来る風邪」とされていましたが、検査技術の進歩により、この胃腸炎の多くはノロウイルスによるものだということが分かってきたのです。

ノロウイルスってどんなウイルスですか?

極めて小さな球形のウイルスで、とても感染力が強く、感染すると吐き気、下痢、嘔吐、発熱等の症状を起こします。以前は小型球形ウイルス(SRSV)と呼ばれていましたが、2002年に「ノロウイルス」と命名されました。

どのように感染するのですか?

次の1~3の感染様式があると考えられており、同じウイルスが原因であっても、感染経路の違いから1,2の場合は食中毒、3は感染症の扱いとなります。
  1. 汚染されたカキ等の二枚貝を生あるいは十分に加熱しないで食べた場合
  2. 食品取扱者(調理をする人や食事の介助をする人)が、ノロウイルスに感染しており、その人の手指等を介して汚染された食品を食べた場合
  3. 患者の便や吐物からの二次感染

患者の便や吐物からの二次感染はどのように起こるのですか?

患者の便や吐物には、大量のウイルスが含まれています。(便1g当たり100万個程度)
家庭内や保育園、老人ホームなどの集団生活の場では、患者の便や吐物の処理をした人が、その際手指等に付着したウイルスによって感染することや、吐物等が付着した床面やおもちゃ等施設や環境への汚染がもとで、施設内の他の人へ感染が広がることがあります。
  1. 小学校の感染の一例
    下痢患者→トイレ→履物→床の汚染→床の雑巾がけ→感染
  2. 保育園の感染の一例
    嘔吐→床の汚染→吐物処理→手の汚染→他の園児の感染
    嘔吐→床の汚染→床でのハイハイ→指しゃぶり→他の園児の感染
  3. 老人ホームの感染の一例
    嘔吐→素手で吐物処理→介助者発症→他入所者の介助→感染拡大

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ノロウイルスに感染するとどのような症状がでますか?

ノロウイルスは極めて強い感染力を持っており、10~100個程度のウイルスで発症します。
感染から1~2日後に、主として吐き気、嘔吐、下痢、腹痛を発症しますが、同時に38℃程度の発熱や関節痛等風邪に似た症状を伴う場合もあります。
通常、これらの症状が1~2日続いた後体調は回復しますが、便中には2週間以上もウイルスが排出され続けることがあります。

ノロウイルスの消毒には何が有効ですか?

一般によく使用されている逆性石鹸や消毒用アルコールは、ほとんど効果がありません。
器具や施設等の消毒には、次亜塩素酸ナトリウム(塩素濃度200ppm)または熱湯(85℃以上で1分以上の加熱)が有効です。
手指に使用できる有効な消毒薬は残念ながらありません。手指についたノロウイルスを直接失活化することができないため、石鹸を使い十分に手洗いをすることで、手からウイルスを洗い落とすよう心がけてください。

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便や吐物からの二次感染を防ぐためにはどうしたらよいですか?

集団生活の場では、患者発生時の施設等環境面の消毒が非常に重要となります。
また、保育園や老人ホーム等では、便や吐物の処理を行う人が、食事の介助を行う場合もあるため、処理時の専用着衣の使用や処理後の手洗い等、人が介する二次感染の予防も重要です。
ポイントは、「すぐに拭き取る」「乾燥させない」「消毒」「手洗い」です。

  • 便や吐物の処理をする際には必ず使い捨てのマスクと手袋、専用のエプロン等を着用します。処理後はそれらをはずし、石鹸を使用して十分な手洗いを行います。
  • 汚物中のウイルスが飛び散らないように、便や吐物をペーパータオル等で静かに拭き取ります。使用したペーパータオル等は、すぐにビニール袋へ入れ、濃い目の次亜塩素酸ナトリウム(キッチンハイター等4%の場合は250ml量り水で10リットルに希釈し1000ppmとします)を加えて密閉し廃棄します。オムツ等はできるだけ揺らさないように扱いましょう。
  • 便や吐物が付着した床等は、次亜塩素酸ナトリウム(キッチンハイター等4%の場合は50ml量り水で10リットルに希釈し、200ppmとします)で浸すように拭き取ります。
  • 汚れた衣類等は熱湯又は次亜塩素酸ナトリウムで消毒した後、他のものと分けて洗濯をします。(次亜塩素酸ナトリウムは強い漂白剤ですので、色ものなど材質を考えて使用してください)
  • ノロウイルスは非常に小さいため、乾燥すると容易に空中に漂い、これが口に入ることで感染するケースもあるため、便や吐物は乾燥させないよう、すぐに拭き取ります。
  • 発症者の入浴は最後にする等、非発症者と区別をし、更に入所者間のタオル等の共用は避けましょう。

感染予防と感染拡大防止のポイント

  1. 自分が感染源にならないように、「カキの生食」などの感染リスクの高い食品は食べないようにしましょう。また家庭を含め、調理前、食事前およびトイレ後には必ずよく手を洗いましょう。
  2. 感染拡大を防止するポイント
    • 胃腸炎症状がある場合には、従事を控えましょう。
    • 患者発生時は、吐物や汚物の処理、汚れた場所の消毒を確実に実施できるよう施設内でマニュアルを作成し、徹底を図りましょう。

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