審議結果「小・中学校における政治的教養を育む教育」検討会議(第3回)

掲載日:2018年4月27日

「小・中学校における政治的教養を育む教育」検討会議(第3回)

審議(会議)結果

次の審議会等を下記のとおり開催した。

審議会等名称

「小・中学校における政治的教養を育む教育」検討会議(第3回)

開催日時

平成29年2月24日(金曜日)14時30分から16時30分まで

開催場所

かながわ県民センター12階第一会議室

出席者

西野 偉彦(座長)、福田 茂、加藤 雄司、坂本 和彦、井上 和子(敬称略)

事務局:遠藤教育局支援部長、古島専任主幹兼GL、下反指導主事、吉澤指導主事

所属名、担当者名

所属名、担当者名 教育局支援部子ども教育支援課

 教育指導グループ 吉澤、下反

電話番号 (045)210-8217(直通)

ファックス番号 (045)210-8937

掲載形式

  • 議事録

審議結果

【司会(古島専任主幹兼GL)】

ただいまから「小・中学校における政治的教養を育む教育」検討会議第3回を開催いたします。

お手元の次第に即して、進行させていただきます。

開会にあたり、神奈川県教育委員会教育局支援部長、遠藤より御挨拶を申し上げます。

 

【遠藤支援部長】

みなさん、こんにちは。支援部長の遠藤でございます。

委員の皆様方におかれましては、何かと御多用のおり、第3回となります検討会議にお忙しい中、御出席いただきまして、誠にありがとうございます。

昨年の10月28日に行われました第2回の会議から、これまで作業部会を2回開催し、先月2月1日には横浜国立大学教育人間科学部附属横浜小学校にて5年生の検証授業を、さらに2月7日には附属鎌倉中学校にて2年生の検証授業を行い、指導資料案を作るに当たっての検討を重ねてまいりました。

多く委員の方々にも、この検証授業にご参加いただき、実際に授業を見ることで「政治的教養を育む教育」についての、大変貴重な御意見をいただきました。誠にありがとうございました。

また、座長の西野先生におかれましては、指導資料案の作成にあたり、多くのご示唆をいただきました。

中でもわたくしたちが大変感謝しているのが作業部会にも毎回、オブザーバーとして御助

言をいただきました。本当にありがとうございます。

本日、委員の皆様方に検討をお願いしますのは作業部会にて作成した指導資料(案)の内容を検討していく会でございます。

県教育委員会といたしましては、指導資料を次の3点に気を付けて、作成いたしております。

1点目は、新しいことをやらねばならないというものではないということ。今まで各学校でやってきている実践を示していくこと。

2点目は、小中9年間の系統立てたものであること。

3点目は、一過性のものではなく、根付くものを作っていくということ。

本日の会議が最後の検討会議になります。指導資料が県内の小・中学校において学校現場の先生方が安心して活用できるように、かながわの子どもたちにとってその授業が有益なものであるように、委員の方々には忌憚のないご意見を頂き完成に向けていきたいと考えております。

本日も、活発なご審議をお願いして、挨拶といたします。どうぞよろしくお願いします。

【司会(古島専任主幹兼GL)】

それでは、資料の確認をさせていただきます。まず、次第がございます。出席者名簿、検証授業の概要、そして指導資料案がございます。過不足等ございませんでしょうか。

続きまして検討会議の委員の皆様、及び事務局を御紹介させていただきます。

配布させて頂きました、出席者名簿の順に、自己紹介していただきますようお願いします。

でははじめに、西野座長からお願いいたします。

(委員、事務局の自己紹介)

 

【司会(古島専任主幹兼GL)】

本日、金子委員と森委員から欠席の連絡を頂いております。

それではこれからの協議の進行につきまして、西野座長にお預けいたします。西野座長、よろしくお願いいたします。

【西野座長】

それでは、これより検討会議を進めていきたいと思います。

まず、私の方からひとことごあいさつさせて頂きます。

今回はご多忙のところお集まりいただきましてありがとうございます。

今回の検討会議は第3回ということで、これまで進めてきました検討会議としては最終回となります。これまでは作業部会、検討会議は過去2回。それから、先程遠藤部長からございましたように、2回目の検討会議の後に作業部会単体としては2回、その後、検証授業ということで横浜国立大学教育人間科学部附属横浜小学校と、同じく鎌倉中学校で行い、協議など重ねて参りました。

今回、これから事務局からご説明がありますけれども、小・中学校における政治的教養を育む教育の、お手元にある指導資料を完成に向けて皆様から御意見、御協議を頂きたいと考えております。

ご忌憚の無い意見をいただけますようによろしくお願いします。

では、最初に、今申し上げました附属横浜小学校並びに、附属鎌倉中学校での検証授業の報告を事務局からお願いします。

【事務局(吉澤指導主事)】

それでは、よろしくお願いいたします。

お手元の資料の、「小・中学校における政治的教養を育む教育検証授業の感想・意見の概要」という資料をご覧ください。合わせて指導資料の6-4、24ページと25ページになります。

こちらの指導資料を使った授業ということで2月1日に附属横浜小学校で授業をいたしました。

授業して頂いたのは作業部会の担当の先生でございまして、実際にこの指導資料の内容を使って5年生の、ご自身のクラスで授業をしていただきました。

何人か委員の先生に御出席いただきまして感想を頂きましたが、子どもたちが東日本大震災のとき、今の小学校5年生は幼稚園だったということであまり記憶に残って無い。はっきりとした記憶が無いまま、この防災という単元を扱っていました。附属小学校の子どもたちということもあって、非常に活発な意見が出ていて、「自分たちに何ができるか」という学習問題でグループ協議等しました。

授業者のねらいは、子どもたちの考えを深めたいということで、東日本大震災の津波の映像を子どもたちに見せました。すると、「こんなにすごいのか。」「波のスピードってこんなに速いんだ。」と初めのころに考えていた災害に対する考え方が変わりました。ここで先生が一言、言います。「本当にみんな、大丈夫なの。」「考えていた自分の防災の意識で大丈夫?」と、新たな問いを提示しました。私が見ていたグループでは、「ペットを連れて行けるかな。」とか「周りのことを考えている余裕が無いよ。」とか、そういった意見から一つの意見にまとまっていくという、合意形成のプロセスが見られた授業でした。

後ほど、感想の欄を見ていただければお分かりになると思いますが、協議では、グループごとに分かれて作業部会の先生、検討会議の委員の方々の御意見をいただきました。そこでは、「子どもたちの合意形成の形とは様々」、「一つの意見にまとまっていくのが合意形成では無い」、というような意見がありました。いろんな意見で納得する部分とか子どもたちが自分の意見を説得できるように説明できる部分が、非常に見られた授業だと思います。

続いて2月7日、こちらは指導資料9-2、42ページ、43ページをご覧ください。

これも指導資料を使った授業で中学校2年生の同じ防災を扱いました。こちらは、鎌倉の防災について、地理的分野の授業の「身近な地域」で、子どもたちがこれまで学んできたいろんな知識を生かした授業でした。この授業で、最初に感じたのは、生徒が説得できる数字を用いて、例えば、これだけお金がかかっているとか具体的な数字が出てきたことです。そのなかで、自分たちの当事者意識、つまり住んでいる町の防災、毎日通っている学校の防災、地区の防災ということで、子どもたちが自分ごととして考えていただいた授業だと感じました。

特に私が印象に残っているのは、とある生徒が、津波が来たときに、鎌倉の駅前の中で一番高い建物は東急ストアだと調べてきてですね。「東急ストアが一番高いなんて心細い。」とつぶやいたのが非常に印象的でした。自分たちが住んでいる場所の防災を、地理の授業で扱い、自分達で非常によく調べ上げてきて、その資料を根拠として意見を表明していくという授業でした。

この授業も委員の方々や、作業部会の先生方に見ていただきました。協議の中では、生徒から出てきた様々な意見をどのようにまとめていくのか、という課題が出ました。

自分のこととして捉えられた授業だっただけに、様々な意見をどのように整理するかということが、今後の課題になろうかというところです。

簡単ですが説明とさせて頂きます。

【西野座長】

ありがとうございました。

そのほか参加していただいた委員の方々から御感想などありますでしょうか。特によろしいでしょうか。詳細につきましてはお手元の配布資料に概要の方をご覧ください。

それではこの、指導資料(案)と書かれた冊子についての検討に入って参ります。

事務局より説明をよろしくお願いします。

【事務局(吉澤指導主事)】

最初に主に検討していただきたい点を4つ、説明させて頂きます。

まず1点目。こちらの指導資料(案)についての全体の構成についてです。

1枚、おめくりください。1ページ、網掛けしてあるところが今回お出しするところです。というのも、今お話した附属横浜小学校と鎌倉中学校の実践の様子を盛り込みたいと考えております。実際、授業を見てきて記録の写真等も撮ってきておりますで、子どもたちが実際どういう反応をしたのかというあたりも、成果と課題を踏まえて掲載したいと思います。

大まかな内容構成としては、1に「政治的教養を育む教育とは」、2に「政治的教養を育む教育」で何を身に付けたいのかという視点、3点目に政治的教養を育む教育で系統的に育む力というのは発達の段階においてどのようなものがあるのか。4の項目として政治的中立性の確保、5の項目から指導例ということで小学校から社会、特別活動、総合的な学習の時間、そして9の項目から中学校の社会、特別活動、総合的な学習の時間、12に先程お話しました指導例の実践例、13に選挙管理委員会の取組になります。特に学校現場が政治的教養を育む教育に取り組む際、実際に投票箱や記載台などを扱う際、どこに連絡したらよいのか、どういう取組が出来るかというヒントを選挙管理委員会のページに載せております。14に資料、おわりに、という内容の構成です。これについて御意見をいただけたらと思います

2点目。この指導資料案でも、委員の方々の御意見を伺いたいと思います。

2ページ、3ページに国の動き、神奈川県教育委員会の高等学校の政治参加教育の動きについてまとめさせて頂きました。

4ページ、5ページの小・中学校における政治的教養を育む教育のとらえについては、のちほど詳しく説明していきたいと思いますが、特に御意見を頂ければと思います。

三点目。同じく指導資料の10ページ、11ページ。4番の項目「政治的中立性の確保」についてです。先ほど部長からもございましたように、学校現場の先生が安心して活用できるということを指導資料のねらいとしております。そういった点で政治的中立性の確保というのは非常に重要なページになろうと思いますので、こちらの内容も後ほど詳しくお話をしたいと思います。

最後4点目は指導例についてということについて、5の項目12ページからということで指導例について御意見をいただければと思っています。以上でございます。

【西野座長】

ただいま、事務局より指導資料についてご説明いただきました。

まず主に検討する4点のうち1番と2番、指導資料全体の構成並びに2番目の政治的教養を育む教育の神奈川県の捉えについて。この2点について検討していきたいと思います。

まずは委員の皆様にお読みいただく時間を設けますので資料をお読みください。4、5分ほどお時間を取らせて頂きます。ではよろしくお願いします。

【西野座長】

それでは、まだお読みいただいているかと思いますけれども一番最初の全体図、それぞれ一番最初のページを検討して参りますので、まず一番最初の指導資料の全体の構成について、検討協議をさせていただきたいと思います。

1ページの目次をご覧ください。資料全体の構成に付いて、これまでもございましたけれども御意見などございますでしょうか。順番とかあるいは文言とかというところです。

ご意見等ある方、いらっしゃいますか。よろしいでしょうか。また後ほど思い出されてご指摘いただいても構いませんので。

それでは2ページ、3ページの小・中学校における政治的教養を育む教育のところの、神奈川県の教育の取組の大きな概念や、県のこれまでの取組については何かございますでしょうか。気になった点とか、文言とか。

よろしければ次のページに移らせて頂きます。

それでは4ページ、5ページの主な検討する点の2番目ですけれども、「政治的教養を育む教育」のとらえというところでございます。

ここに書いてある太いカッコの中にあることについて、事務局からお願いします。

【吉澤指導主事】

そもそも政治的教養を育む教育について、神奈川はどう捉えているのということで、第1回、第2回の検討会議の中でも話題になっているところだと思います。

作業部会等での意見も踏まえながら、「政治的教養を育む教育」をどのようにとらえているのかを、お示しいたしました。

まず、太カッコのところをご覧ください。4ページです。

ここに、政治的教養を育む教育の「政治的教養」をこのようにとらえるということでを示しました。ちょっと読み上げます。

「政治そのものの仕組みや政策について学ぶだけではなく、児童・生徒の発達の段階に応じて、自分の身の周りや住んでいるまち等の身近な問題から現実社会における社会的な諸問題まで、それらを自分ごととしてとらえ、話し合いながら、相手を尊重し、様々な意見を調整しつつ、合意形成のかたちを考え、意思決定に至る過程を取り上げて、社会参画につなげること」

ここは、第2回のときも議論になったと思いますが、政治のとらえ方というのは非常に幅広でございますが、いわゆる、政治の仕組みとか政策を勉強するだけのものではない、というのを第一に挙げています。

つまり、児童が、小学校低学年から自分たちのクラスのこと、あるいは家族のこと、学校のこと、発達の段階によってそれがだんだん広い視野になってきます。例えば住んでいる町から住んでいる市、県、そして日本、さらに国際社会における現実社会の諸問題に至るまで、自分だったらどう考えるのか、友達の意見を聞きながら、ひとりよがりの意見にならず、相手の意見を聞き、尊重しながら、その意見を調整して合意形成をしていく。

ここでいう合意形成は、ひとつの答えを考えるという意味ではなく、例えばA案、B案があったら、どちらか一方を決めるという考えではなくて、C案が出てきてもいいじゃないか。A、Bを合わせたAB案でもいいじゃないか、そういうような話し合いで合意形成の形を考えるというようにとらえております。

そして最終的には、「政治的教養を育む教育」の重要なところになりますが、意思決定、自分の意思を持って、そして社会に繋げていくこと、社会参画につなげていくこと、そこを「政治的教養を育む教育」のとらえとして考えています。

非常に一文が長いですが、児童・生徒のそれぞれの場面の流れでつかんで頂きたいという思いもありましてこのような文章になっております。

【西野座長】

ありがとうございます。まず、この太カッコのところまで。下の3つについてもまた後で説明いただきますけれど、ここにつきまして検討委員の皆様から何かありますでしょうか。

御意見、あるいは御質問などございますでしょうか。

【井上委員】

「自分ごと」という言葉を使われています。「他人事」というのはよく使われますけれども、「自分ごと」というのは教育の現場において、違和感無く使われるものなのでしょうか。私は特に教育に携わっているわけではないので、一般的には「自分のこととしてとらえる」とかそういう言い方の方がわかりやすいのかなあと思うのですが。

【西野座長】

ありがとうございます。先生方、いかがでしょうか。この点につきまして、「自分ごと」というのは教育現場では使われますか。

【福田委員】

やはり、丁寧なのは「自分のこととして」という扱いだと思いますが、「自分ごと」という言い方も確かにします。それは、いろいろな研究会でも使われますので特に私は違和感はありません。

【西野座長】

「自分ごと」もしくは「自分のこととして」は、今後、また最終調整したいと思います。

他にございますでしょうか。よろしいでしょうか。

【坂本委員】

今までの意見を非常によくまとめて頂いたと思います。政治というのを「政治的教養」と捉えて、政策や仕組みを学ぶことではなく、きちんと神奈川県として「政治的教養」をとらえて、どの科目や教科でもやれるよ、というメッセージとして伝わっている、というのを感じました。

【西野座長】

ありがとうございます。他によろしいでしょうか。それではこの太カッコにつきましては以上ということで。下のそれぞれの「政治的教養を育む教育」を実際に進める上での、3点のポイントにつきまして、事務局からお願いします。

【吉澤指導主事】

それでは、その下のところです。実践を進め上で大切にしたいところということで、まずは1点目です。

こちらについては、先程もお話したように、主に小学校の高学年や中学校で取り上げることが多いと思われる現実社会における社会的な諸問題。わたくしも社会科の教員でしたので、公民的分野を扱う最初の単元で、「夫婦別姓問題をどのように考えますか」とか、エネルギー問題だと「原子力発電所についてどのように考えますか」、という現実社会での諸問題等です。

一つの答えではなく、様々な議論や解決の方策があるというところを踏まえて、現実や事実をしっかりと認識することが大事だと思っています。一面的な見方ではなく多面的な考えがあり、その事実をしっかりと認識すること。そして、よりよい社会って何だろうと自分なりに追究していくことが大事だと思っています。

よりよい社会というのは、持続可能な社会を形成すると書いてますが、みんなが幸せになる、そして最終的には未来につながっていくというイメージで考えています。いわゆる学習指導要領の社会科の最後の単元で、「よりよい社会をつくるために」という単元がありますが、そこに書かれている言葉を引用させていただきました。

【西野座長】

ありがとうございます。今、説明いただきました、「主に小学校の高学年や中学校で」というところで、委員の方々からご意見等はありますでしょうか。

【井上委員】

解説に「正解」という言葉がありますけれど、「正解」だと○か×かという感じになってしまうと思います。今、説明されたときは、「解決の方策」という言い方をされていて、右のページでも、「幼児には幼児の」っていうというところで「問題解決の方策」とありますので。ここについては、「社会的な諸問題については解決の方策は一つに定まらない」、とかその様な感じの方がよいと思いました。

【西野座長】

ありがとうございます。「解決の方策」ですね。先生方がご覧になって混乱とか、誤解をされないような文言にしたいと思います。

【吉澤指導主事】

井上さんがおっしゃったところは前のページの2ページの国が作成した高校生向けの副教材の中に2点目の点の枠線のところから引用いたしました。一段目のところに、「正解がひとつに定まらない問に取り組む学び」というのがあります。確かにこれは、高校生向けのものですし、前後の関係を見ますと井上さんのおっしゃったとおりの言い方の方がいいかと思います。

【加藤委員】

今回の検証授業を拝見して、大きく3つ感じたことがあります。その中で、ここに掛かってくることが一つ出てきたのでお話したいと思います。

最初の太枠の中で出てきた、「政治的教養」のとらえ方があったんですが、「話し合いながら相手を尊重し、様々な意見を調整しつつ、合意形成の形を考え、意思決定に至る過程を取り上げて、社会参画につなげること」とあります。そこが肝だと思うのですが、では、そういうことができるようにするために、例えば、民主的な雰囲気の学級づくりをしたいとか学年経営であったり、学校を作らなければならない。そこの根本的な部分が、3つの大切なことの前に入ってきてもいいのかなあと。つまり、子どもが自由に他者を尊重して堂々と意見を言っていた姿とか、リベラルなクラスの雰囲気だとか。そういうものがあってこそ、学習が出来る土台があると。そういったものを抜きで、いきなり次の3点が大事であるというなら、そこの共通理解を図らないと困るのかと思いました。

【西野座長】

加藤委員の御意見で何かありますでしょうか。

【吉澤指導主事】

加藤委員のおっしゃったように、何かを言えない雰囲気というのは中学校の学校現場でも感じたことがあります。人前で意見を言ってはいけないような雰囲気だとか。学級づくりの土台に何でも言える雰囲気が必要だ、ということがあって初めてこの社会的な諸問題の意見を求めることができるというのがあるので。大切である、の前にまず雰囲気を備えたうえでという文言を付け加えてもと思いました。

【西野座長】

ありがとうございます。他に加藤委員の御意見に何かありますでしょうか。

確かにこれを作成していく中においては、ある意味、前提として作ってきた部分はありますが、より丁寧にするためにも。コンパクトな形で入れられたらと思います。よろしいでしょうか。

他に1点目のカッコについてございますでしょうか。

では、2点目のカッコについて説明お願いします。

【吉澤指導主事】

前回の第2回の検討会議の中でも委員の方からもお話を頂きましたし、作業部会の中でも、先生方からお話を頂いたところをまとめさせて頂きました。

教育と付くと、何か新しいものに取り組まないといけないのではないか、というような考えを持たれがちです。また「政治的教養を育む教育」という新しい教育をしなくてはいけないのか、と学校の先生方が考えてしまわないように、新たな知識や技能を勉強するのではなく、今まで日常的に学校でやってきた授業に、この「政治的教養を育む教育」の視点を持つことが大事なんだという説明をしております。

それが6、7ページにあります「学びのプロセス」のところでございます。この視点を持っていくこと、そして先程も出ましたように、これは社会科だけではないということ。全ての教科、領域においても、活用できるものですということをまとめています。

【西野座長】

ありがとうございます。委員の皆様からございますでしょうか。

一点、わたくしからの補足ですが、新たな知識や技能や学習方法を求めるわけでないのではなく、求めることもある、現場の先生方の工夫ではそれもされることがあってもいいのではないかという意味で、「求めていくだけでなく」とされています。いかがでしょうか。

これを読まれた現場の先生方が、これまで取り組んできたことの積み重ねの中でやっていけばいいんだというのが伝わればいいというわけですけども。

【坂本委員】

「新しい技能、学習方法を求めていくだけではなく」という部分は、求めてもいいともいうわけですよね。そこの題材を使って、話し合われた中で知らなければ課題解決方法が出てこないという設定になっていて、「では、どんなものがあるだろう」っていう仕組みをつくってもいいと。

【西野座長】

そうですね。時代は変わってきているわけですから、先生方の判断で求めていくことも大切だろうと思います。しかし、それを強調しすぎると負担に感じられかなと思います。

【吉澤指導主事】

西野座長のおっしゃるとおりだと思います。

【西野座長】

今の坂本委員の発言に関連して、何かございますでしょうか。その他、二点目のカッコの部分について何かありますでしょうか。また後で、この点について気になったということで御指摘いただいても構いません。

それでは次のページの三点目のカッコについて説明お願いします。

【吉澤指導主事】

三点目。小学校・中学校・高等学校の12年間を見通し、発達の段階に応じた指導を系統的に行っていくこと、ということであくまでもここは我々が検討しているのは、義務教育段階で小学校から中学校三年間で終わりではないということです。これは高等学校、もちろん社会人になってからも大事にして欲しい、ということと、継続的に、発達の段階に応じながらそれがどんどん広い視野になっていくことを示しています。

特に私が印象的だったことを、ここに載せました。これは作業部会の中で、話し合ったことですが、幼稚園でも遊びの中で砂場の道具を使うときに幼児なりにその砂場の道具をどう使えばいいか、どのようにすればいいか、「私が使ったから、次は○○ちゃんどうぞ」というような、合意形成があるのではないか。「問題解決の方策」というのは幼児には幼児の発達の段階に応じた合意形成の形が様々ある。一つの形を求めるのではなく発達の段階で、だんだん階段状的な形で発達していくのではないかなと思っています。この図でも細い線がだんだんに太くなっていき社会人につながっていくという系統的なイメージのものを載せました。

【西野座長】

ありがとうございます。それではこの三つめのカッコについて、委員のみなさまから御意見などございますでしょうか。

【加藤委員】

先程の三点のうちの一つなんですが、例えば12年間を見通して、我々は特に小中連携に取り組んでいるところですけど、いまお話にあったとおり、幼稚園、保育園からも既に始まっている環境の中で子どもたちが育つ。神奈川県が目指す生徒像あるいは次のページに来る身に付けたい力に反映して、細かく書かれていると思うのですが、例えば、それをまとめた形で一つの生徒像という神奈川の目指す生徒像という形で取りまとめたものがあれば良いと思います。小学校の教員も、中学校の教員のイメージが共有化されるというようなところがあるのかなと思ったのですが。むりやりそれを作るとかではなく、それを身に付けさせたり、身に付けたい力というのであればそれはそれでいいのではないか。そこは県としてどうお考えですか。

【吉澤指導主事】

神奈川が目指す子ども像というのは、第一回の検討会議で検討委員から頂いた御意見です。その前のページに教育ビジョンというのがありまして、教育ビジョンで目指すべき人間像が非常に密接に関わります。ここは神奈川の目指している、常日頃、私たちが目指している教育ビジョンですから、この三つの視点から自己肯定感をつなげるというのが目指すところの視点なのかと。目指す子ども像としてとらえながらも、この視点を交えていくのかなあと感じます。

【加藤委員】

神奈川が目指している人間像は私も承知しています。私が思うのは、「政治的な教養を育む教育」に特化してそれを作るか作らないか。作らないのであれば身に付けたい力という視点でいいと思います。それの視点を押さえるという認識でよろしいですか。

【吉澤指導主事】

そのように今は考えております。

【西野座長】

今の加藤委員の御質問について私の考えですが、そういったものを考えたうえで、今回は小・中学校でしたけれども、高校との接続性、それから幼稚園や保育園の接続性を策定するかどうか、たぶん次の段階に行くのではないかと思います。

他に御意見等ありますでしょうか。

下の「政治的教養を育む教育の発達の段階に応じた問いの設定における系統的なイメージ」のところについては何かありますでしょうか。

それでは、この4ページ、5ページの「政治的教養を育む教育のとらえ」というところにつきまして、ただいま委員の皆さまから御意見、御質問いただきましたが、次に進むに当たって全体的に何かありますか。

ないようでしたら6ページから7ページにつきましては基本的に変わっておりません。

ここで一旦休憩をはさみまして休憩後10ページの「4政治的中立性の確保について」協議をしたいと考えております。

これまでに何かございますか。御質問などございますか。

【井上委員】

7ページの記述ですけども、先生に対して「明確にしましょう」といってる部分や、それから「課題を自分事としてとらえられるように設定 しましょう」というのも先生に対してだと思うのですが、「気付きましょう」というのは児童・生徒に対してではないかと思うのですが。もし先生に対しての問いかけなら、「気付かせましょう」にするとか、一番下の「単元のまとめを書かせたり」の「書かせたり」は先生に対してだと思うのですけれども、「自己評価しましょう」というのは生徒が「自己評価しましょう」ということだと思うので、それを整理した方がいいのではないかと感じました。

【西野座長】

ありがとうございます。整理したいと思います。

【吉澤指導主事】

井上委員のおっしゃったように、指導資料ですので教員向けということで、教員が主語になるような形で修正していきたいと思います。

【西野座長】

他に6ページ、7ページについてございますか。はい、ありがとうございます。

その他休憩に入るまでに何かございますか。後ほどまたお伺いしますので休憩のときに御覧いただければと思います。

それではこれより10分ほど休憩を取りたいと思います。

 

<休憩>

 

【西野座長】

それでは再開してもよろしいでしょうか。

それでは続いて10ページ、11ページの「政治的中立性の確保について」の協議を始めたいと思います。

これについてまず事務局から説明お願いします。

【吉澤指導主事】

10ページ、11ページをご覧ください。10月の第2回の会議でも後半部分でこちらの意見を委員の方々から頂きました。その際、西野座長の方からもありましたように、第一に安心して学校の先生方に指導資料を使って頂きたいということを大前提として書いております。

その際、基本は「何々してはいけない」という禁止事項を記載するのではなく、「何々しましょう」とポジティブな考え方のものを載せていきたいということを話したと思います。そこで、三つのポイントをまとめさせて頂きました。

まず、「国の政治的中立性の確保について」は、高校生向けに文科省の通知や副教材等にQ&Aという形で具体的なものが載っています。これは、あくまでも高校生向けということで、国の根本には教育基本法第14条第2項があります。その部分が基本的な国の考えとなります。小・中学校に向けての政治的中立性の確保については、文科省の通知その他は発出されていません。ないからといって先生方が安心して授業ができるためには、必要なところです。しかし、禁止事項ばかりをあげてしまうと、授業がしばられてしまうのではというのがありました。

まず現実社会で起こっている諸問題では、様々な見方・考え方があり、それらを提示したものをとらえましょうということです。先生方は「提示をしなければいけない」「指導しなければいけない」ではなく、「様々な見方があるんですよ」、「からというような形もあるんですよ」と様々な見方・考え方を知ることによって、自分の考えが深化したり深い学びにつながっていくのではないか、と考えています。

二点目は、多用な意見を引き出せるように児童・生徒の意見を聞きながら授業を行いましょう、ということで、生徒が持っている多様な意見を引き出せるように、児童・生徒の意見を聞きながら、正解がひとつに定まらない問い、課題が多い中で、自分の意見を持ち、他者の考えを聞くことによってその考えが再構築できる。多様な意見を聞くことが大事だということをいっています。それを引き出していくことが大切ということです。

三点目。こちらも最初のとらえのところで話しましたが、相手を尊重する指導をしましょうと。特に意見がひとりよがりになってしまったりとか、他人の意見を一切聞かない、自分の意見が一番というようなものではなくて、他者の意見を聞いて尊重することで成り立っているということでポイントを載せました。

ここについても最初にお話したように低学年から使えるものですし、対立の見解だけではなく身近な問題を話し合うような授業でも必要なことです。

この件については西野座長に海外の件を例に紹介して頂きながら検討したところ、神奈川県として小・中学校の児童・生徒の政治的中立性の確保としてまとめさせて頂きました。

【西野座長】

ありがとうございました。わたくしの方から少々補足させていただきます。

基本的には今、吉澤指導主事から御説明ありましたとおりでございますけれども、第一回目の検討会議から申し上げておりますが、この「小・中学校における政治的教養を育む教育」を指導する際のポイントについては先程もございましたように、今の段階では中学校の指導の留意点だとか、この教育基本法の第14条以外は出ていません。都道府県レベルとしても神奈川県の設定は初めてということもありまして、先程申し上げたように、とにかく先生方が安心して授業を、この教材を使ううえで安心出来るような意味を込めまして、ポジティブなポイントということでございます。

このポイントを作成するに当たってイギリスやスウェーデン、そしてドイツのボイテルス・バッハ・コンセンサスを参考にしております。ボイテルス・バッハ・コンセンサスと順番は完全に遺書ではございません。あくまでも参考にしておりまして、文言や中身が変わってございますけれども、特に(1)ですね。ボイテンスバッハコンサスサスでは二番目の項目なんですけど、ここはほぼ同様の意見で、論点をきちっと提示していくことで児童生徒の見方・考え方を多角的に取り込んでいくようにしています。

ただ、文言や解説に当たって、まだ決定稿ではございませんので先生方から、今日初めてご覧になったかと思われますので、忌憚の無い率直なご意見を伺いたいと思います。委員の皆様、何かございますでしょうか。

【吉澤指導主事】

国の通知その他を掲載しなかった点についてですが、当初、高校の通知や副教材を参考にさせていただいたんですが、やはり通知の全文だとどうしても膨大になりまして、一部を切り取るとなぜそこだけ注目して、なぜ切り取ったのか、抜粋したのかという見方になるかと思いました。また全文を載せてしますと文字だらけになってとても2ページには収まりきらず、逆に見ないのではないか。高等学校向けの通知で小・中学校でも非常に参考になるのではないかと思われますが、先生方が使っていくうえでは、やはりある程度コンパクトに、神奈川らしいものを出した方がいいということで、あえてこの国の通知やQ&Aについては掲載しなかった次第です。

【西野座長】

ありがとうございます。いかがでしょうか。お気付きの点とか。まさにポイントも直前まで調整を重ねておりました。これからも完成に向けて精査していきたいと思います。

【坂本委員】

ここに書いてあること自体には問題はないのですが、これで本当に政治的中立性の確保について、教える側は安心して教えられるものでしょうか。じゃあどうしたらいいのかというのは、出てこないのですが、さっき後ろ見てここにあるようなイメージで、挙げてある内容があればこのことに注意して話をすれば問題はないのでしょうけど。中学校のどこまで内容を扱うか。小学校では大丈夫かと思うのですが。中学校3年生の公民あたりになると現実的な社会的諸問題でという時に、これだけで安心できるかなと。その題材は使わないとなると、政治的教養を伸ばしていくためには、別問題になります。それを扱いながら安心して扱えると。そういう不安が今あります。実際に高校では、あぶないなあと心配な部分がある。そういったことを含めて前回、前々回にそういったことがあるのかなあと。どうしたらいいというのがないので困っているのですが、心配になりました。

【西野座長】

ありがとうございます。事務局から何かございますか。

【吉澤指導主事】

一回目の検討会議で「気になる」とおっしゃっていたところですね。実は先日2月7日の附属横浜小、附属鎌倉中の検証授業の時に感想の中で、「こういうような授業を進めていくことが大切なんだとわかった、安心してできるかというのが心の中でずっと引っかかっていたんですけども、こういう言葉を使っていくことが大事なんだ」という言葉をある委員からいただきました。「やってはいけない、からしてはいけない」というものより、このように授業していきましょう、全体的のみんなの意見を聞きましょう、と書きました。「いろんな想定があることを知りましょう」、「もっと知っておきましょう」、という方が授業としては成立ができたと思っています。

実は、附属鎌倉中はあえて、作業部会の先生ではない社会科の先生に授業していただきました。あまりこちらからは指示をせずに、どのような授業になるか、一つの見方に偏ったら、指導資料の内容が通じなかったんだな、と思うつもりでやってもらいました。指導資料の内容をよく読んで自分で思った授業をやってみてといった形で。すると、あのような授業だったので、理解していただいたかな、という感触をもって作らせて頂きました。ただ、これで本当に安心できるのかというのは、委員のおっしゃるとおりだと思います。ただ禁止事項を並べていくと限りなくなってしまいます。逆に束縛感があって出来なくなってしまうのではないかというような懸念も感じるところがあります。先生方、委員の方々の御意見を聞きたいなと思います。

【西野座長】

ありがとうございます。じつはこの高校の副教材、活用のための指導資料があるわけなんですけど、この中に学校における指導に関するQ&Aは、この一番目が、政治的教養を育むために政治的に対立する見解がある現実の課題、具体的な政治の事情を授業中指導する際にどのような点に留意したらよいでしょうかというアンサーがこれだけあります。基本的にはコンパクトに書いてあることを、どちらかというとネガティブとまでは言いませんが、厳しめに書いてあるということです。これを書いていくと、これだけで何点もとなっていくので、ある意味コンパクトな形で書いていったというわけですけども。いかがでしょうか。これを御覧いただいて、坂本委員からの御指摘を踏まえて。加藤先生、いかがでしょうか。

【加藤委員】

西野座長が先程ドイツの例を挙げられていたじゃないですか。これはドイツのものから3つ抽出されたものなのですか。

【西野座長】

いえ、ドイツの政治的中立性に関する原則は3つなんです。

【加藤委員】

ほぼ一緒なんですか。

【西野座長】

ほぼ一緒です。申し上げますね。一つ目はここで言えば二番目にあたるのですが、実は原案には教員は生徒の意見を押し付けないというのがあったんですが、ネガティブすぎるのと、生徒の意見を聞きながらという形で変えたということです。

一番目は、これは日本語訳ですが、学問や政治の世界で論争があることは、授業の中でも論争があることとして扱わなければいけない。これは、まさに様々な見方・考え方があるということです。

三番目はやや違うのですが、ドイツの方は先生の関心ではなく生徒の関心、理解に基づいた授業を心がけましょうと。関心については学びのプロセスの最初に自分の身の周りに関心を持つと書いてあるわけですからそれはそこに含まれていると。むしろ自分の意見だけではなく、相手の意見も尊重することを指導しましょうという。根本的な部分ですけど。政治的教養に限らずですが入れた方がよろしいのではないか。1と2がボイテルス・バッハに近いということであります。

【加藤委員】

一番懸念されるのは、教育がある一定の価値観であるとか、そういったものに偏っているということですね。そういったものに対する禁止ではなくて、積極的に加えてという言い方になっているのは良くわかりますし、苦労を相当なさっていると思います。我々も社会科の教員としてはそこを一番注意しながら授業を行うようにやってきていますから。とは言うものの、むずかしいところですね、ここの表現は。

【西野座長】

ありがとうございます。他にはなにかありますか。

【井上委員】

最初に加藤委員が言われた、まずは自由に議論できる環境をところがすごく、うーんとなりました。そういう環境があって子どもたちが自由にいえる環境をまず整えて、このようにしましょうって。あまり子どもたち自由に調べさせたらいろんなところから、自分の見聞きしているところから持ってくる。そういうことがいろいろ自由に言える雰囲気だったり。先生はこういうけど、僕はこうすればいいんじゃないかと思う、とか言えるような環境を整えて、この三つっていう。

【加藤委員】

それがまず原則としてあって、前提として。

【西野座長】

それを中に入れるということも大切ですね。それこそ一番上に入れることが大切ですね。ま、ややもすると1、2はテクニカルなところがありますのでそこを前提として一番上に入れる、一番最初に加藤委員が言われたことを盛り込むということも。繰り返しですけども決してドイツのものを導入しようとしているわけではなく、それは参考ですから。4つのポイントでもそれはいえますから。

福田先生、いかがでしょうか。

【福田委員】

このつくり自体が中学校の最終形のようなものを目指した書き方になっているのを重々承知の上なんですが、9年間の連続性という書き方をしたときに、小学校低学年の子どもたちとか中学年の子どもたちには、とても似つかわしくない表現の仕方がとても多いですね。それを考えると。一つの文章に収まりきれないのだろうとは思うのですけど。小学校の政治に限らずひとつの関係性であるとか、身に付けるための学びであるとかを段階的に踏んでいくのではなく、スパイラル、スパイラルで、行って戻って、行って戻ってという話が多いんです。そういう中で他者との距離であったりとか考え方を尊重するであったりとか。それこそ言われたら嫌なことであったりとか積極的であったりとかしながら学んでいく。たぶん、この書き方だと、小学校では表現できないんだろうなと思います。ただそういうことを抜きにしてしまうと、小中という言葉を使ったときに、ちょっと待ってくださいという話になってしまうので、どうやって文章に出来るのかずっと考えていたんですが、ちょっと戻っちゃってもいいですかね。

たとえば8ページ、9ページの小学校の特別活動とありますけれども、小学校の中と低の書き方が全く同じなんですね。表現が。これはありえないですよ。おそらく低学年が生活上の課題について考えることができるか。とてもとても高度な書き方なので、これは高学年の子どもたちでもいいかなと。そんなことでもちょっと考えたときに、今話題になっている中立性ということについては、小学校のレベルだとここに反映されないだろうなと思っています。むしろ、相手の言うことをきちっと聞ける、であるとか、相手の立場を尊重できるであるとか。そういうものが学級経路の中で自然に営まれるような学級づくりを先生方は考えたときに、視点で盛り込めるような文が入ってくるといいなあと。まさしく最終形、小学校段階を抜きにした中学校の最終形で目指す姿ということで聞かれて読まないと、私は納得できないような。違和感があって意見が言えなかったんです。そういう議論って、今までなかったですかね。

【古島専任主幹兼GL】

ありがとうございます。まず一つ目の8ページ、9ページの特別活動の系統的な学びの育成の整理は検討段階です。今後、検討して反映させていきたいと思います。

次におそらく小学校の視点という部分が難しく感じられるのは、例えば10ページにお示しした三つのポイントの1番、現実の社会で起こっている課題にはという書き方にあるのだと思うんです。

【福田委員】

はい、そうです。

【古島専任主幹兼GL】

子どもの身近な問題について、十分対立の場面が考えられます。合意形成の必要な場面は、校内でもあるし、発達段階で子どもたちの周辺にもあると思います。そういったことを含めた書き方にすることが必要ではないかと思います。今、坂本委員や先生方がおっしゃってくださったような、例えば、検証授業の中では誰もが被害にあう可能性がある津波が題材ですが、住民の立場、観光客の立場、海に近い人の立場、海から離れている人の立場、様々な立場があって、話し合いがもたれたという部分で、材料選びのところでかなり工夫されていたと思うんです。ここに書かれていることは非常に当たり前のことだけれども、この当たり前を題材選びから子どもたちの発言の環境からいろいろこまごま考えていくと当たり前のことを当たり前にする難しさ、大切さというのがあるのかなということを感じました。書き方は小学校の発達の段階でもあてはまるように検討させて頂きたいと思います。

【西野座長】

ありがとうございます。まさに今おっしゃってくださいましたけども、まだ小・中学校における政治的中立性ですけども、小学校と中学校のそれぞれが、更に学年によって違うわけですけれども、そういった点は十分でなかったと思います。是非反映して検討をしたいという風に思います。

ありがとうございます。この点などにつきまして何かご意見などございますか。

【遠藤指導部長】

中と高の逆のつながりの部分、おそらく坂本先生が気にされている部分に感してはちょっと検討させてください。今ちょっと思ったのは、Q&Aや高校で使われている部分は参考に載せておいて、中学校の公民の部分は先生にはそれが見られるような形にするとか方法があると思います。公民的分野の授業では、参考がございますのでご覧くださいとか。そんなことも考えられるかなと思います。それはまた、吉澤指導主事と西野座長で相談するということで。

【西野座長】

ありがとうございます。そういった方向で。慎重性が求められるかと思いますので検討したいと思います。

他に中立性の確保について何かございますか。この文言も、当然ながら確定ではございませんので。こういった点が必要だとか、そういったことも。今、今日、ここで初めて御覧頂いたかと思いますので、お気付きになられましたらメール等で事務局のほうへお送りいただければと思います。私も拝見したいと思います。

この10ページ、11ページについては、今の段階ではこれで確定ということではなくて検討するということでよろしいでしょうか。

それでは続きましてこの指導例、4番目の指導例についてでございます。この指導例については12ページから最後の59ページ、60、61ページは県と市区町村の選管の所在地ですけれども最後まで渡っておりますので、ここで全部読んで頂くのは難しいんですけども、全体を通して吉澤指導主事から。

【吉澤指導主事】

はい。実はここが指導主事や現場の先生、小・中学校の教頭先生たちからなる作業部会で作成していただいたんですけども、指導主事もそれぞれの学校で経験してきたことをふまえながら、子どもたちの姿を考えながら作ってらっしゃったなあと感じています。毎回、非常に熱のこもった議論が出来たと思っています。それぞれの思いがほとばしって、これをまとめるのが大変だったのですが、文言とか、よく見ると書体の違いが随所にあって一つ一つ事務局でチェックしないといけないと思うところがありますが、流れについては左のページには単元の構成、政治的教養を育む願う姿としてポイントを一つないし三つくらいまで挙げて頂き、右のページには政治的教養の育成につながるポイントとして、左のページに上げたポイントを詳しくしていく、そのポイントについても私についてはかなり幅を広めにとって、作業部会の先生方にお願いしました。例えば事業展開例として、子どもと先生の対話形式という形で出ているものもいくつか載せています。例えば6-4のページを御覧ください。これは実際の授業を見てやり取りがあったというものを載せさせて頂きましたし、その他、中学校の指導例でも、いくつかそういう形で載せさせていただいたものがあります。すべてが同じ形式には取れないところがありまして、例えば、教科と領域で単元と、活動を取り上げるものもあるので。特別活動のページについては単元の流れという形ではなく、活動の流れとか、主な活動という形で入れさせていただいているのがあります。こういうような活動を取り上げたり、こういった活動の流れでやっていくといいよ、というようなポイントに特別活動や総合的な学習は多くまとまっています。非常に多くのポイントを出しすぎても見づらいですし、逆にポイントが少ないとその単元を取り上げる必要がないとなるので、ここでは最初に申し上げたとおり、本来ですとどの教科でも、どの領域でも、たとえば道徳的でも十分に取り上げられるような内容ではあるんですが、全てを取り上げるとなると大変になるので、指導資料としては社会科と特活と総合という形で小、中の段階に応じてできるようにしています。

この単元をこの通りにやってくださいというとなってしまうと、先生方が生徒の活動や実態にそぐわないものもあると思います。そういった視点を大切にして欲しいということで、次のページにはそれを載せてまとめさせていただいています。

【西野座長】

ありがとうございます。

今、吉澤指導主事からございましたけども、ここに至るまでは、おそらく二回目の指導資料をいただいたときには、作業部会の先生方に作っていただいたものを要約した形だったので、フォーマットもバラバラだったと思います。先生方が、自分が授業する場合これだったら出来るというのがすべてのページにありますので、そういった意味で現場の先生方にとって見やすい、使いやすいものが出来ているかと思います。

それでは、この指導資料を1ページずつ見ていくと時間の限りがございますので何か全体を通じて、何か気になったところ、現場の先生方が使うにあたって気になる点など、お気付きの点ございましたら皆様から頂きたいと思います。

【坂本委員】

はい。今、お話にあったように、小・中の社会科、特別活動、総合的な学習の時間ということで示した6ページのところに、指導資料でも特に示すことにしました、という文言が入っていて。ただこれに限ったことではなく他でもやってもらいたいみたいな文章をこの文章に入れて頂ければと。このまま見ると、社会科の先生だけがやるよということになってしまいそうで。今回については扱いやすいということで出したけれども、国語でも他の教科でもという趣旨のことを書いて頂ければと思いました。なんとなく中学校になると社会科がやれよという感じになってしまう。

【加藤委員】

はい。それに関連して。こういう観点で一年間指導計画を立てます。社会がほぼ中心になります。あとは道徳とか特活とか総合とか、そういうのが中心になりますよね。一年間、どういう力をつけたいのかということの中で、年間計画で横断的なプロセス、プログラムを作っていく必要がある。次の段階で。そこはどう提示していくのか、やった以上は評価していかなくてはいけない。そのへんを検討してはどうか。計画はどうか。その2点、お伺いしたい。

【西野座長】

事務局、いかがでしょう。

【事務局(吉澤指導主事)】

加藤委員、おっしゃっているように、重々感じているところであります。まず横断的な年間のプログラム、そして学校の教育課程の中で最初に教育目標があり、それに応じた学年目標、育てたい子どもたちの学校としてのビジョンがあって、教科の目的から年間指導計画をたてていくと思うので、そういったものはここに提示をというのも最初議論の中では、作業部会であったんですが、これを出すとこれがモデルになって、これをやっていかなければいけない。その教育目標等を学校が出している中でそれを基にしてという文言でいくと、なかなか言葉だけでは伝わらないことが出てきてしまうのではないか、と判断いたしました。来年度の課題として、この年間のプログラムをどのように立てていくか、各学校の年間指導計画も課題になろうかと思います。

もう一点、評価のあり方です。私たちが指導助言するときは、評価規準も見ますので、指導案とすると、評価規準が必要になります。指導と評価の一体化は必要ですが、この指導資料でいえば、「学びのプロセス」のところが評価の観点として絡めていけるのではないかと思います。評価規準については、来年度の課題としていきたいなあと思っております。

【西野座長】

ありがとうございます。今の加藤委員の質問に関連して、皆様から何かありますでしょうか。

【福田委員】

はい。この指導資料は次年度以降にどのように検証していくのでしょうか。そのメンバーというのはどういうメンバーになるのでしょうか。

【吉澤指導主事】

仮称で名前等も決定しているわけではないのですが、来年度県内4校の実践協力校という形でこの指導資料を使った実践協力校の指定をして行きたいと考えています。具体的には小学校2校、中学校2校、県域から、それぞれの4つの地区から出していただく。趣旨としては、この指導資料の「政治的教養を育む教育」のねらいを現場の先生に広めたい。その学校だけではなく、例えば管内の市町村教育委員会の指導主事や近隣の学校の先生方に見に来ていただいて、実際に協議をして、有識者を交えたメンバーで指導資料の趣旨を広めていきたいと考えています。年間の実施回数とか、メンバー等はこれからの検討になっております。

【福田委員】

ありがとうございます。一つちょっとお願いですが、「学びのプロセス」は小学校と中学校とでは言葉を変えなければいけないかなあって思います。これから検討されると思うのですが、先程も言いましたが、「再構築」という言葉は小学生は使わないんですね。できないとまちがいってことになりますので指導事例で出す場合には不適切かなあって思います。そういう箇所が何箇所かある気がします。

【吉澤指導主事】

とくに小学校の部分の「学びプロセス」のところですね。

【福田委員】

同じような言葉でも例えば「発見する」とか、「話し合いでまとめる」とかって言葉を、低学年のうちでは当然使うし、「再構築」とか、1年生とか2年生ではとても無理ですよ。それは吟味していかないといけないところですよね。

【西野座長】

まさに発達の段階に応じて作っていくことですよね。

【福田委員】

現場の先生に使って頂くには、大事なポイントかと思います。

【西野座長】

ありがとうございます。他にございますでしょうか。よろしいですか。繰り返しになりますが、これが完成版ということではございませんので今日の協議を受けて、今年度中には指導資料を作っていくと、完成をするということでございます。

それでは「政治的教養の育む教育」の指導資料の検討して参りましたけれども、事務局より今後のスケジュール、指導資料案のスケジュールと、いま少しございましたけども来年の方向性などについてお願いいたします。

【事務局(吉澤指導主事)】

まず、指導資料につきましては本日頂いた委員の方々の御意見を反映させていただいて、事務局で再度修正を加え検討を重ねていきたいと思います。ある程度、指導資料が完成しましたら、委員の皆様にメールでお送りして内容を見ていただくということを考えております。指導資料についても、いくつか私のほうも細かい語句や字体の違い等も発見をしましたので、ひとつひとつ校正していく中で、先生方とメールのやりとりをしつつ、完成していきたいと思います。

今のところ、3月10日前後には先生方に確認をお送りする目安で考えております。予定通り、県内小・中学校、中等教育学校に配付をしたいと考えております。これが指導資料のスケジュールとなります。

来年度の方向性ですが、今お話しましたけれども現段階で来年度の予算等、まだ決定ではないんですけども、来年度も「政治的教養を育む教育」として継続していく方向で考えています。その中で実践協力校という形で、仮称ですが、「政治的教養を育む教養連絡会」という形で有識者の先生、そして教育委員会及び今の検討会議のメンバーに近いようなスタッフを構成員として、年4回程度、協力校を見に行くような形になるかと思います。

そのためには多くの先生方に、授業を見に来ていただき、それぞれの事務所管内にもって帰って広めてほしいと思います。政令指定都市についても、神奈川県として、チーム神奈川の発想で取り組んでいきたいと考えています。

現段階では実践協力校にはこういった趣旨に沿った授業検討をしていただくところから授業提案をしていただいて、指導例にこだわらずその学校で教科等を決める。つまり、国語でもいいし、算数でも英語でもいいのではないか。この趣旨に沿ったもので事例を発表してもらい、有識者の方を踏まえながら、また管内の担当の市町村教委の指導主事の方に見ていただきながら学校現場の先生方にも見ていただいて、欲しいと思います。もう一つは、評価の部分でありますとか、年間指導計画の位置付け等もけんとうできれば、と思います。

【西野座長】

はい、ありがとうございます。それではこれにて第3回の協議を終了するわけですけれども、今年度として今回が最後になりますので今日ご出席の4名の委員のみなさまから一言ずつ感想など言っていただければ幸いなんですけども。福田先生から一言ずついただけますでしょうか。

【福田委員】

本当に大変なことだなあと実感しました。やはり子どもたちが系統的に育っていくという学びの中で新たな視点で私たち現場でのそういう教育をしていかなくてはいけないんだなあと改めて感じた会議でした。ありがとうございました。

【加藤委員】

非常に難しいテーマで私も一年間みなさまから御示唆いただきまして勉強させていただきました。ありがとうございました。価値観の多様化とか様々な複雑な社会の中で子どもたちがたくましく生きていかれるような力を付けさせるためには何がいいのかというのを念頭に置きながら発言してきたつもりですが、力になれず申し訳なかったです。一年間ありがとうございました。

【坂本委員】

小学生がどうなのかというのはいろいろ教わった部分がありますし、それを受けて中学、高校という部分を考える意味では、非常にいい機会を頂いたなと思っております。その他にも「政治的教養」って必ずこういう風に取られると決まった方向性がありこれを全体的に伝えていければと思いました。本当にいろいろ、一年間ありがとうございました。

【井上委員】

一年間いろいろ勉強させて頂き、最初は教育のことが全然わからないので大丈夫かなあと思ってたんですけども、本当に参加させていただいてよかったと思っています。先の参議院選挙で神奈川県の18歳、19歳以下の投票率が全国2番だったのですが、そういうのもやっぱり地道に神奈川県の県立高校で政治参加教育をずっとやってきた賜物だとみています。こうして今回、小・中学校においても「政治的教養を育む教育」ということを進めていかれるということなので、将来的にこのように政治に参加していく、社会に参加していくという協力を得て大人になっていくという子どもたちがどんどん増えて、投票率の向上にもつながっていければいいと思います。本当にありがとうございました。

【西野座長】

みなさま、ありがとうございました。最後に私の方からごあいさつさせていただきます。この一年間本当に先生方にお世話になりまして、ありがとうございました。小・中学校から、参議院選挙から18歳以上に引き下がることを受けて、主権者教育や政治的教養を育む教育が高校から積極的に導入されるということになりましたけれども、以前より高校生になっていきなり社会に関心をもったりということでなくて、段階的に系統的にやっていくことが私どもの考えでございました。そういった持論があったわけですけれども、今回、神奈川県が国や全国に先駆けた形で小・中学校から取り組むという挑戦といいますか、行うにあたってそれを検討して会議の一員を務めさせていただきましたことを大変光栄に感じております。

一年間取り組むなかで、先程、福田先生がおっしゃられていましたけれども、今回は小・中学校でしたけれども、本来は学年、場合によってはクラスごとに、児童・生徒一人ひとりによって違うわけですから、こういった指導資料をつくっていくのは非常に難しい作業でございました。

今年度はたまたま参議院選挙があったということで初めての国政選挙という、18歳以上となって初めての選挙ということで注目を浴びましたが、今はもう20歳選挙権とは言わないように、いずれ18歳選挙権もごく普通のことになっていくことかと思いますので、社会的に注目されていったとしても持続的に、まさに地道に現場の先生方に取り組ませていただければと考えております。一年間お世話になりました。ありがとうございました。

では本日の協議の方はこれで終わりとなります。

委員の皆様、熱心なご協議、ありがとうございました。

司会を事務局に引き継ぎたいと思います。

【司会(古島専任主幹兼GL)】

ご協議ありがとうございました。

本日いただきました御意見を基に、指導資料を修正し完成させて頂きたいと思います。熱心な御協議ありがとうございました。また今後もご協力いただきますのでよろしくお願いします。

では最後に閉会の挨拶を支援部長遠藤より申し上げます。

【遠藤支援部長】

本日は熱心な御協議ありがとうございました。今日、いただいたものを事務局と相談させていただいて、委員の方々にはメールでまた送り返させていただきます。ぜひ御覧いただき、ぎりぎりになると思うんですけども良いものを作り上げていきたいと思います。神奈川の政治的教養を育む教育、この一冊がまず第一歩になる。この後は、実践校での取組ですとか、だんだんにバージョンアップというようにしていきたいと思います。三年に一度は参議院選挙がございます。それに伴って、世の中がどのように選挙をやっているんだということになりますので、これは単発ではなく、つなげていきながら作っていくものと考えていかなければならないということです。まずは、今日、第一歩ということで、引き続きよろしくお願いいたします。まず、これが一冊目という位置付けでやっていきたいと思います。本当に委員の皆様には一年間活発な御意見、貴重な御示唆ありがとうございました。感謝申し上げます。

【司会(古島専任主幹兼GL)】

では以上をもちまして、「小・中学校における政治的教養を育む教育検討会議」第3回を閉会させていただきます。ありがとうございました。(終了)