中央農業高等学校

掲載日:2018年4月2日

いのちの大切さを伝える「中農・畜産科学科」の取組み【神奈川県立中央農業高等学校】

命はぐくむ学校

本校は、明治39年(1906年)に創立され、平成27年度で109年目を迎える伝統ある農業高校です。県立高等学校の中で一番広い敷地をもち、温室、水田、野菜ほ場、飼料ほ場、牛舎、豚舎、鶏舎、実験棟など充実した施設があります。
園芸科学科・畜産科学科・農業総合科の3学科があり、生徒たちは、農作物の栽培や動物の飼育などの実験・実習を通じて「命を守り、育てる心」を培うとともに「自然との関わり」「協働の楽しさ」について学んでいます。

特色あるアイガモ農法

校内にある約5,000平方メートルの水田では、3学科それぞれの生徒たちが基礎科目である「農業と環境」のなかで水稲栽培を学習しています。畜産科学科では、平成10年度より水稲栽培に環境にやさしいアイガモを導入したアイガモ農法に取り組みはじめました。
アイガモ農法とは、アイガモ(カモとアヒルの雑種)のヒナを水田に放して、殺虫剤・除草剤による殺虫・草取りの替わりに除草・害虫の駆除をしてもらい、減農薬で米を作る農法のことです。農薬・除草剤を使用しないことは、環境保全につながります。また、持続可能な日本の農業文化・食文化を守っていくことにつながります。

研究推進校としての取組み

平成25年より県立高校教育力向上推進事業Ver.II「いのちの尊重に関する教育」研究推進校として、生徒と教師と県民の方々が、様々な取組みを共に行い、生命を大切にする心や食物及び自然などに感謝する心を育むことをめざし、各種講座を企画することにしました。
畜産科学科ではこの目標達成のため、アイガモのふ化に始まり、飼育、そしてそのアイガモをいただくことを中心として、「いのち」について学びながら、生徒の自己有用感の育成をめざしています。

生徒が企画・運営する7回の講座

科目「課題研究」では、アイガモ農法の研究をしている生徒や、酪農教育ファーム活動、動物ふれあい体験をテーマにしている生徒たちによって、企画・運営が行われています。
平成26年5月29日の講座「アイガモ誕生(ふ化)をみよう」では、お母さんの代わりにふ卵器で温めていた卵からヒナがかえる様子を、地元の保育園児18名を対象にふ化時に合わせ観察してもらい、タッチングしてもらいました。
平成26年6月15日の講座「アイガモの赤ちゃんを田んぼに放してみよう」では、ふ化時の様子を動画で視聴してもらった後にアイガモ農法の説明をしました。当日は、田植え後約2週間経った水田に、生後2週間前後のアイガモのヒナを放しました。

田んぼに放す前の成長したヒナを手に取り観察する様子
田んぼに放す前の成長したヒナ

田んぼに放したヒナが泳ぐ様子を見守る参加者の様子
田んぼに放した後ヒナを見守る参加者

平成26年7月5日と6日の両日「アイガモと一緒に草取りをしよう」と銘打ってアイガモが気持ちよく泳ぐ水田に一緒に入って、除草をしました。

除草した草をどっさりと持つ参加者たち
田んぼでの草とり

平成26年8月2日と3日の両日、水田に放しておくと稲の穂を食べてしまうことから、「アイガモの引っ越しを手伝おう」という企画を実施し、アイガモを水田から飼育舎に引っ越しさせました。

アイガモを手に取り、引越しさせている様子
アイガモの引っ越し

平成26年11月1日、「アイガモの体を勉強しよう」を実施しました。この講座では、飼育してきたアイガモの体の構造を知ることと、食材として利用され調理されたアイガモを試食することを目的に実施しました。

包丁を手に取りアイガモを解体している様子
アイガモの解体

 

各講座には、延べ107名の参加者がありました。参加者からは、「生徒さんが中心となって進めてくれたので、娘も緊張がやわらいで農業を近い距離で知ることができたと思います。」「アイガモをはじめて抱っこした子供が、とてもうれしそうにしていたので、連れてきてよかったです。」「アイガモが見ないうちにすごく大きくなっていてびっくりしました。」「今まで1回も解体したことがなかったから緊張した。でも先輩方や先生がていねいに教えてくださったので、アイガモの体について学べたし、すごく勉強になった。」との言葉をいただきました。

いのちの尊重に関する取組みを終えて

担当した生徒たちは、「食に感謝し、残さない、“いただきます”、“ごちそうさま”などの言葉が大切に思えた。」「一般の方にわかりやすく話をするのが大変でした。全体をとおして命を中心としたことなどを何も知らない人に上手く伝えられるよう苦労しました。小さい子どもに対して集中して話を聞いてもらうにはどのように話をしたらよいかなどが大変でした。でも、しっかりと返事をしてくれたり、『わかりやすかった』などの声が聞けたのでとてもうれしく、やって良かったと思いました。」等の感想を述べていました。
アンケート結果では、参加者より、生命を大切にする心を育て、食物及び自然などに感謝できた講座であったと多くの回答がありました。また、単発のイベントでなく、アイガモ農法一連の流れの中で講座が組まれていたことで、次への興味につながるとの意見をいただきました。
生徒に自主的にイベントを企画・運営することで、自己肯定感の向上を図り、他者理解を深め、食物及び自然などに感謝する心と実践力を身に付けることができました。今後も県民の方々にいのちの大切さや農業の持つ教育力の高さを発信していきたいと思います。

 



お問い合わせ先

神奈川県立中央農業高等学校
電話:046-231-5202
 

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