平塚農業高等学校

掲載日:2018年4月2日

水稲栽培をコア・カリキュラムとした相関学習の取組【神奈川県立平塚農業高等学校】

はじめに 

平塚農業高等学校は平塚市の西部にある農業高校で、園芸科学科、食品科学科、農業総合科の3学科が設置されています。平塚市は水稲栽培が盛んに行なわれており、神奈川県内の市町村別の生産量で1位となっている県内の米どころです。そこで、本校では平塚地域の主要な農業となっている水稲栽培をコア・カリキュラムとした相関学習の授業を実施しています。

水稲栽培は園芸科学科の1学年の科目である「農業と環境」、全校生徒が2学年もしくは3学年で選択できる「作物」、3学年の「課題研究」で行なっています。収穫したお米は1学年全学科共通科目「家庭総合」と3学年選択科目「食文化」において実際に調理実習で食材として用い、学校で生産された旬の新米を味わいます。

1 水稲栽培

「農業と環境」では水稲栽培を概論的に学びます。主な授業内容は田植えと稲刈りと夏の出穂(開花)の観察です。田植えは手植えで行い、稲刈りは手鎌で1株ずつ刈り取り、今では珍しくなった掛け干しで天日による乾燥を行ないます。足を取られながら泥まみれになって田植えをした体験は、黄金色に染まり、垂れた穂を収穫する稲刈りの充実感へと繋がります。天日による乾燥は現在の主流である乾燥機の30倍近い時間を必要としますが、じっくりと乾燥させることでお米のしっとりとした食感や食味は素材自体がもつ本来の輝きを保つことができます。

現代では体験することのできない作業を体験することで農業を原理から考える力を身に付けさせ、素材本来の味を実感することで農産物の活かし方や加工方法について学ぼうとするきっかけを与えています。田植え前は水田へ入ることを戸惑う生徒も多くいますが、体験後は「とろりとした水田の土の感触は柔らかいクリームチーズのようだ」、「3株でご飯1膳だと思って植えるようにした」、「1本のイネが成長することでこんな多くの穂をつけることに驚きました」といった言葉を耳にしました。

田植え稲刈り

田植えの様子 稲刈りの様子

1学年の水稲栽培で興味を持った生徒は2学年もしくは3学年の選択科目「作物」で種まきから収穫までを体系的に学びます。この科目の大きな特徴は、研究活動や比較調査から作物の特性や生育過程を学んでいく点にあります。平成28年度は中生品種の「さとじまん」と早生品種で神奈川県の新しい奨励品種「はるみ」の組み合わせによる栽培管理方法の研究活動を実施しました。また、現代のお米の特性を理解することを目的に有色米や「さとじまん」や「はるみ」の原種にあたる「愛国」の生育比較調査も実施しています。これらの授業での体験は3学年の科目「課題研究」に繋がっており、平成28年度は8人の生徒が水稲栽培について研究活動を実践し、新たな水稲栽培の可能性を示してくれました。

有色米水田掛け干し

有色米水田 掛け干し

2 調理実習

1学年の「家庭総合」では2、3学期に食生活分野を学習します。調理実習では学校で収穫したお米を炊いて、自由献立で弁当を作ります。平成28年度は赤米・黒米の試食もかねて作りました。「おいしい」「色がきれい」「酢飯にしたらどうだろう」「栄養的には」などさまざまな感想が出て、各自が調理や栄養について関心をもって実習に取り組みました。

赤米、黒米の炊飯完成したお弁当

赤米・黒米の炊飯 完成した弁当

 

3学年の「食文化」は3学科共通の選択科目です。最後の実習では「平農マルシェの松花堂弁当」と題して、本校の生産物を利用した「おもてなし弁当」を各班で企画しました。味付けはもちろん、器や盛り付けにも工夫を凝らし、「平農のお米を花型で盛り付けよう」「梅干をご飯の花の芯にしてみたら」など、生徒たちも満足のいく充実した実習となりました。

おもてなし弁当1おもてなし弁当2

おもてなし弁当1 おもてなし弁当2

3 1年間の学びを通して

生徒自身が生産した農産物を、自ら調理し、食べる体験は、生産から調理加工を体系的に学ぶ意味合いだけではなく、自ら食べることは生産物の最終的な自己評価となります。また、自身が生産した農産物を利用した調理実習を実施することで学習意欲の向上へとつながりました。今後も平塚農業高校にある豊かな授業資源を活用して生徒が学びと共に充実感を得ることのできる授業を、教員間で協力し合いながら実践していきたいと考えています。

お問い合わせ先

神奈川県立平塚農業高等学校

電話:0463-31-0944

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