更新日:2023年12月22日

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神奈川総合産業高等学校

神奈川県立神奈川総合産業高等学校の活動内容を紹介するページです。

「創る」課題研究【神奈川県立総合産業高等学校】

1 学校紹介

 本校は「教養・科学・技術」が学べる全国唯一の総合産業科の専門高校です。英語では「Liberal Science&Arts Academy」と表記し、頭文字をとってLiSAの愛称で親しまれています。国語、数学などの共通教科の科目に加えて、4系1分野(工学系、情報系、環境・バイオ系、科学系、リベラルアーツ分野)の専門科目を横断的に学ぶことができます。単位制であるため、生徒は自らの興味・関心や進路希望などに応じて自分だけの学習計画を作成します。また県内随一を誇る豊富な施設・設備も本校の特長です。そのため、高い専門性を有する課題研究を行うことができます。

2 課題研究

 今回ご紹介する課題研究は、多くの生徒が2・3年次に選択する科目です。1年次での学習や自らの興味・関心をもとに、4系1分野から1つ選択します。その中で4人程度の班に分かれ、課題を見つけ、解決のために1年間または1年半の間、研究をしていきます。
 以下、本校が所有する旋盤やロボットアーム、無菌操作のできるクリーンベンチ、3Dプリンターなどの充実した施設・設備を活用した課題研究の実践例です。

2-1 工学系

 工学系では、ものづくりを通して課題研究を行います。令和4年度には、“ボールの回収がもっと楽になればいいな”という野球部の生徒の思いから、『ボール回収機の開発・製造』というテーマの研究が行われました。
 その中で、まず生徒は、数値制御実習室のレーザー加工機や、溶接実習室にある溶接器具を使いこなし、試作機1号機を製作しました。一度ではうまくいかず、“部品の材質の影響でボールが回収機に入らなかったり入ったボールが抜け落ちたりする”問題が生じましたが、“入ったボールが操作時には抜け落ちず、取り出したいときには簡単に取り出せる構造”を考察し、試作機2号機、3号機と、試行錯誤をしていました。
 ものづくりにおいては、検討段階では想像できない課題が新たに見つかることがあります。工学系の課題研究では、ものづくりの中で試行錯誤を通じて、生徒の課題解決力を育成しています。

試作機画像

2-2 情報系

 情報系では、主にコンピュータプログラミング、調査研究、コンピュータ制御についての課題研究を行います。
 本校のコンピュータ実習室には、レゴマインドストームを使用できる環境があります。コンピュータ制御の課題研究では、“レゴマインドストームを使用した建造物のセキュリティシステムの開発”というテーマを設定した生徒がいました。
 レゴマインドストームは走行ロボットの製作に使用されることが多いものですが、建造物のセキュリティシステムの製作では、複数のコンピュータ、複数のセンサーを活用することで、異常時に警報音が鳴る仕組みを構築しました。

セキュリティシステムの運用実験画像
※レゴマインドストーム・・・デンマークのLEGO(レゴ)が発売している、プログラミング可能なロボットキット。ブロックを使って、さまざまなロボットを簡単に組み立てられる。

2-3 環境バイオ系

 環境バイオ系では、環境問題と微生物を用いた発酵・分解を中心に取り上げた研究を行います。本校には、高圧蒸気滅菌機(オートクレーブ)やクリーンベンチなど、バイオテクノロジーの研究を可能にする施設・設備が充実しており、生徒は様々な研究に挑戦することができます。
 研究例としては、『アレルギー成分を取り除いたバター作り』があります。特定のタンパク質に着目し、タンパク質を分離したモノ(ギ―)を作って豆乳と混ぜることで、バターの代用品を創り出し、調理への応用を成功させました。また『日常にあるモノから生分解性プラスチックを作製し、既存のものとの比較・改善を行い、環境に配慮した新しい素材の実用化』では、自作プラスチックを土に埋めての分解実験、温室効果ガスの成分と量を比較する燃焼実験、液体の持ち運びを想定した耐久値比較実験を行いました。改良段階ですが、環境負荷の少ない生分解性プラスチックの発明を実現しました。

2-4 科学系

 科学系では、理科4科目と数学を中心に取り上げた研究を行います。研究例としては、物理学『竹串を用いた耐震構造』、化学『救難器具の制作』があります。
 『竹串を用いた耐震構造』では竹串を用いて様々な家の形(構造)を作り、おもりを乗せて振動させることで、強度の高い構造を導く研究を行いました。『救難器具の製作』では、重曹、クエン酸、水の化学反応により二酸化炭素を発生させることで、浮き輪などの救難器具を素早く膨らませる研究を行いました。
 その他、脳科学『人間の記憶』で、様々な暗記方法の効果を単語テストで比較したり、数学『ブラックジャック必勝法』のように、ゲームを数理的に考察したりした例もあります。多様な研究が認められる中で、生徒は自分でテーマを考え、意欲的に、創造的な研究結果を出しています。

竹串を用いた耐震構造実験画像竹串を用いた耐震構造実験結果画像

2-5 リベラルアーツ分野

 リベラルアーツ分野は、国際、芸術、家政学、社会学、心理学、野外調査など、多岐に渡る分野において課題研究を行います。近年では、経済学と心理学を組み合わせ、オリジナルキャラクターを用いた『校内で流行を生み出すには』というテーマの研究や、外国語の効率的な学習方法を編み出すため、生徒を対象とした学習実験を伴う研究、また相模川に関する野外調査、色彩心理学を用いた研究などが行われました。ほかにも、他の4系に協力を仰ぎ、実習室や情報処理室を用いた実験を行う班や、3DCG作成ソフトや3Dプリンター等の校内の様々な設備を活用した研究も見られます。このように、総合的な学問として、生徒の創造性を活かした研究を行うことのできる分野です。

リベラルアーツ分野の調査用作品画像

3 生徒研究発表会

 生徒研究発表会は、毎年9月と3月に実施される本校の一大行事です。課題研究を受講した生徒もしていない生徒も参加し、いつも大変な盛り上がりを見せます。
 学びの共有とともに、発表生徒にとっては、長期にわたって全力で取り組んだ研究について、数百人もの生徒や教員からフィードバックが得られる、貴重な機会だといえます。

ポスター発表ステージ画像

4 中学生の皆さんへ

 本校の施設・設備の充実は県内随一で、専門的な実験装置や実習教室、200台のパソコンなどが、皆さんの学びを支えます。また冷暖房を完備した校舎、清潔感のあるトイレ、太陽光あふれる食堂などは、皆さんの学校生活を快適なものにします。前面の座席を取りはずすことも可能な視聴覚室、機材豊富なトレーニングルーム、ハードコート2面のテニスコート、本格的な弓道場などは、皆さんのチャレンジ精神に応えます。
 今はまだ将来何をしたいかはっきりしない方も、是非本校へ入学してください。充実した環境でチャレンジすることを繰り返せば、自分の将来が見つけられると思います。


お知らせ
tvk「NEWSハーバー」内で、本校の取組が紹介されました!

tvk3ch「Way to go」(YouTubeサイトに移動します。)

令和5年10月13日【神奈川総合産業高等学校】課題研究I・IIの取組(別ウィンドウで開きます)


 

問合せ先

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電話:042-742-6111
(掲載内容は掲載日現在のものです。最新の情報は各県立学校のホームページでご確認ください。)

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