三ツ境養護学校

掲載日:2021年3月25日

発達段階に応じた食に関する指導の取組【神奈川県立三ツ境養護学校】

1 学校紹介

 本校は、昭和46年に開校し、令和3年度で創立50周年を迎えます。肢体不自由教育部門(小学部・中学部・高等部)と知的障害教育部門(高等部)の児童・生徒が在籍し、県立瀬谷西高等学校の分教室では、知的障害教育部門(高等部)の生徒が学んでいます。

2 食に関する指導の取組

 子どもたちが食に関する正しい知識と望ましい食習慣を身に付けることができるよう、学校においても積極的に食育に取り組んでいくことが重要となっています。今回は、学校全体で食育を組織的、計画的に推進するために、本校で取り組んでいる「食に関する指導」について紹介します。

(1)発達段階や個に応じた指導

 本校では、児童・生徒の実態に基づき、発達段階に応じた「食に関する指導」を学校全体で実践しています。また、健康状態の維持・改善や自立活動の視点なども加味して取り組んでいます。
 さらに、保護者の要望や意向等を十分に考慮し、食に関する資質・能力の三つの柱(知能・技能)(思考力・判断力・表現力)(学びに向かう力・人間性)及び六つの視点(食事の重要性・心身の健康・食品を選択する能力・感謝の心・社会性・食文化)を踏まえて指導します。
 教育活動と食に関する指導は、児童・生徒一人ひとりに応じた学習内容や題材・教材・学習活動等を関連付け、教科を横断的に指導できるよう、また、学校行事や教科等の指導と学校給食を結び付け、多様な効果が上がるよう、「食に関する指導の全体計画」を作成しています。

(2)地場産物の活用

 地場産物の活用では、神奈川県産の野菜・米・畜産物・加工食品の学習を行っており、学級や作業班等で野菜の栽培収穫をしています。また、知的障害教育部門の高等部の生徒が栽培収穫した食材を給食で提供しています。
 その他、給食献立に旬の食材を取り入れたり、食材の収穫や調理の様子を載せた「ランチタイム通信」の発行、収穫から調理までの動画の作成などに取り組んでいます。

(3)個別相談指導

 個別的な相談指導は、配慮食・食物アレルギー・食事姿勢・自助具の適正等の課題の改善を目的とし期間を決めて定期的、継続的に指導を進めることにより、行動変容を促し、改善あるいはより良好な生活を行うための習慣を獲得できるよう取り組んでいます。支援体制は、学級担任が中心となり、校内の関係教職員及び外部関係機関職員、保護者と連携をとりながら行っています。

(4)家庭・地域・事業所等との連携

 家庭・地域・事業所等との連携にあたり、児童生徒の食生活の大部分を担う家庭での実践が不可欠です。このため、本校では、保護者に対する助言や必要に応じて家庭への支援などを行っています。令和2年度は、感染症対策として、食育動画を配信する工夫を行ったほか、保護者対象試食会でも動画を作成し、調理工程や衛生管理や食育の取組を児童生徒と一緒に視聴できるよう配信することで、家庭における食育推進を支援しました。

3 授業の紹介

(1)小学部

 小学部では、食材を用いて五感を刺激するような内容を盛り込んで、指導を行っています。小学部1年が行った、「夏野菜に触れてみよう」という授業では、子どもたちが水に浮かべた野菜をつかみ、表面を触ったり、臭いを嗅いだりして、野菜の特徴を学びました。また、タブレット端末を使って、身近な夏野菜が自分たちが食べている給食の材料に使われているということを学びました。
夏野菜に触れてみよう
 小学部3、4年では、「そうめんの感触を感じよう」という授業で、流しそうめんという食文化を通して、加熱による食材の特性の変化を学びました。子どもたちは、乾麺を折ったり転がしたり、茹でたそうめんを触って手にまとわりつく感触を体感したりしました。さらに、流しそうめんとして水にさらすことで、つるつるとした感触になる変化を楽しく学んでいました。
そうめんの感触を感じよう

(2)中学部

 中学部1年では、野菜にカラフルな色をつけ、野菜スタンプを作りました。生徒たちは、スタンプを押してできる形から、野菜の形や切った時の形の違いを通して、野菜に興味関心を持ち、また、絵で描かれた鍋の中に、スタンプした野菜や魚介類の絵を置くことで、鍋に入れる食材を学習しました。
野菜スタンプ

(3)高等部

 高等部では、「目で見て確かめる」というシリーズの授業を行いました。
 弁当に入れる料理の比率(主食:主菜:副菜=3:1:2)や、使われている食材の働き分けを行い、栄養バランスを確認したり、清涼飲料水に含まれる砂糖の量を学習したりしました。実際に、生徒たちが秤を使って清涼飲料水に含まれる砂糖の量を測ってみて、たくさんの量の砂糖が含まれていることに驚いていました。一日に摂取する砂糖の量も知り、将来、生活習慣病にならないよう、自己の食生活を管理する能力を高めました。
どのくらい使われている?砂糖の量

(4)分教室

 分教室では、日々の指導の中に、食に関する指導が組み込まれており、毎朝、自分が前日に食べた夕飯の献立の食材について、働き分けを行っています。食品の働きを学習することは、栄養バランスを考えて食品を選択し、生涯健康に過ごすことができる基盤になります。この食品の働き分けは、すぐには身に付かないので、毎日の日課として継続して取り組んでいます。
夕食を考えよう

4 学校給食週間

 令和3年1月下旬に、学校全体で学校給食週間の取組を行いました。
 学校給食は、明治22年山形県の小学校で始まり、戦時中は食糧不足で中断されました。戦後、子どもたちの体格向上のために給食が再開され、これを記念して1月24日から30日までが学校給食週間となりました。

学校給食週間

 今回の学校給食週間では、二つの食育目標((1)食に関して感謝の気持ちを表現する態度を養うこと。(2)各地域の産物、食文化や食に関わる歴史等を理解し、尊重する心を持つこと。)をもとに、様々な取組を行いました。肢体不自由教育部門は、給食関係者への感謝の気持ちを表した手形やメッセージを掲示しました。知的障害教育部門は、各クラスで決めた給食の標語を掲示しました。
地場産の説明・地場給食
【学校給食週間2日目の給食】
(世界の料理から中国料理)ごはん・牛乳・油淋鶏・三浦大根とベーコンのスープ 

 後日、給食の標語の選考を行い、優秀賞と特別賞を選出し、選ばれたクラスには賞状と副賞が授与されました。副賞は、給食のリクエストの権利で、3月に実施しました。
標語優秀賞・特別賞画像

  • 給食標語の優秀賞
    「冬にもコロナにも負けずにじょうぶな体をつくろう」
  • 給食標語の特別賞
    「全ての食材にかんしゃをこめて味わおう」

5 最後に

 令和2年度は、新型コロナウイルス感染症による影響で、調理実習や調理員との会食等はもとより、対面での日常の給食指導も今まで通り行うことができませんでした。しかし、フェイスシールドを装着した給食指導や食育動画の配信、食育掲示物の活用等、教職員の連携・協働において多角的な工夫が生まれ、食に関する指導が継続的、横断的に実践されています。
 令和3年度は、学校給食及び食育の関連イベントを企画しています。今後も、本校の児童・生徒たちが意欲的に学べる授業を展開していきます。

 

問い合わせ先

神奈川県立三ツ境養護学校
電話:045-365-3711
(掲載内容は掲載日現在のものです。最新の情報は各県立学校のホームページでご確認ください。)

本文ここまで
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