横須賀明光高等学校

掲載日:2018年6月26日

姉妹校交流で育む福祉と国際の心【神奈川県立横須賀明光高等学校】

1 学校紹介 

 横須賀明光高等学校は、平成20年4月に国際科と福祉科からなる集合型専門高校として開校しました。すべての生徒に国際的な視野と福祉の心、優れたコミュニケーション能力を育むことを目標とし、その一環として姉妹校交流を行っています。平成29年の12月に、台湾の新北市にある丹鳳(ダンフォン)高級中學と新たに海外姉妹校交流協定を締結しました。その丹鳳高級中學の生徒30名と教職員3名が約1週間教育旅行として日本を訪れ、そのうちの半日を本校で過ごしましたので、今回はそのときの様子を紹介したいと思います。

 

2 わずか3時間で何ができるか

 平成30年4月16日の午前9時から12時まで、丹鳳高級中學の高校生と中学生が本校を訪れることになりました。これまで韓国や中南米、タイやマレーシア、シンガポールなど様々な国の生徒たちと交流をしてきましたが、3時間というわずかな時間での交流はあまり経験がありません。この短い時間で何ができるのか、頭を悩ませる日々が始まりました。国際科の教員が中心となり、福祉科や体育科の教員をはじめとした様々な教員の知恵を借り、生徒たちのアイディアも取り入れながら計画を立てました。時間の制約から、全校生徒と深く交流するのは難しいだろうと判断し、平成29年12月の姉妹校協定締結式に参加した代表生徒4名を中心に今年の11月に台湾へ研修旅行に行く2年次生から有志を集め、総勢30名を中心に、交流活動を行うことが決まりました。その生徒たちと綿密な打ち合わせをし、教室の飾りつけをしたり、英語や中国語のフレーズを確認したり、それぞれの生徒が自分の役割に応じて「できること」を行い、実りのある3時間にするために準備が始まりました。

準備
                 準 備

3 期待と不安

 丹鳳高級中學の生徒を乗せたバスが本校に到着し、両校の代表生徒総勢59名が会議室で顔を合わせました。期待と不安が入り混じった、独特の緊張感に包まれる中、両校長のあいさつと共に、いよいよ交流が始まります。まず行われたのはペア決めです。本校生徒と丹鳳高級中學の生徒が1名ずつペアになり、3時間を共に過ごします。ペアになった両校の生徒がスムーズに交流活動を行えるよう、本校の生徒は責任をもって行動しなければなりません。また、ほとんどの台湾の生徒にとっては、日本に来るのは今回が初めてでした。そのような生徒にとっては、ペアになった本校生徒の印象がそのまま日本全体の印象につながることもあるでしょう。どのような生徒とペアになるのか、それぞれの生徒は緊張しながらクジを引いていました。ペアが決まると、お互いに自己紹介をし、学校案内へと繰り出しました。

出会い

               出会い

ペア決め

ペア決め

 

4 緊張は、いつの間にか自然体の笑顔へ

 生徒たちは、主に英語を使って交流していました。しかし、両校の生徒にとって英語は外国語であり、なかなか思うようにコミュニケーションが取れず苦労している様子も見受けられました。それでも、自分なりの英語を駆使し、一生懸命交流をしていました。

 学校案内が終わると、次は授業体験です。目隠しをした生徒を誘導しながら動くガイドランニング、車いすバスケットボール、パラリンピック種目にもなっているゴールボール、手話講座、ベッドメイキングの5つの授業に分かれます。どのようなスケジュールで動くのかを事前に伝えられている本校生徒は、スムーズに動けるよう様々なことを考えながらぺアの生徒のサポートをする必要があります。体を動かす授業の場合には体育館履きや体育着に着替える必要がありますが、何をいつどこに持っていく必要があるのかをうまく伝えられなかったりして、慌てて忘れ物を取りにいく姿が散見されました。言葉がうまく通じないことから、ジェスチャーなども交えながら必死にコミュニケーションを取り、なんとか一つ一つの問題をクリアしいきます。ペアの生徒のそばにいて、何をすればいいのか、どのような授業なのかを説明しながら一緒に行っていくのです。そのように一緒に体を動かしながらコミュニケーションをとっていると、いつの間にかそれぞれのペアの中に笑顔がたくさん見られるようになってきました。「お互いのことが少しずつ分かってきて仲良くなれた。自然体の笑顔になれた。」「仲良くなれると、絆は深まる。」といった生徒の言葉がとても印象的でした。

ガイドランニング

               ガイドランニング

 授業体験が終わると、今度は全校生徒が集まり、体育館で交流式典が行われました。記念品の交換、ダンスや歌、演奏などを両校が行い、交流を深めました。丹鳳高級中學との姉妹校交流がいよいよ始まるのだということを、全校生徒がきっと実感したことでしょう。

 

5 別れと約束

 密度の濃い3時間はあっという間に過ぎ去り、ついに別れを告げるときがきました。ペアになった生徒たちは、それぞれハグをしたり握手をしたり、また会う約束をし、バスへ進んでいきました。別れを惜しむようにいつまでも手を振り続ける生徒たちに見送られながら、バスは次の目的地へと去っていきました。

見送り

               見送り

 

 

 「福祉と国際の勉強をさせるのは何のためなのか。」「受験のためなのか、就職のためなのか。」、多忙な日々の中で、私たち教職員は時にその答えを忘れてしまうことがあるかもしれません。しかし、生徒たちはいつもそんな私たちに思い出させてくれます。福祉を学ぶのは、困っている人に手を差し伸べることができるようになるため、国際について学ぶのは、違いを受け入れ異なる考えを尊重する力をつけるためです。今回の交流で、生徒たちは見事にその二つの力を発揮し、交流を成功させてくれました。福祉と国際の心が合わさることで、困っている人がいても、違う考えを持った人がいても、ともに生きていくためのやさしく力強いコミュニケーション力がきっと身につくことでしょう。福祉と国際の心が出会う場所、それが横須賀明光高校なのです。

 「もっと深くコミュニケーションが取れるようになりたい。」「バディの生徒にもう一度会いたい。」交流の後、生徒たちから様々な声が聞こえてきました。今度は11月に、本校の2年次生が研修旅行で台湾に行き、丹鳳高級中學を訪問する番です。今回生徒たちの心に芽生えた思いが11月にどのように花開くのか、非常に楽しみです。今度は3時間ではなく、4日間(3泊4日)台湾に滞在することができます。どうすれば福祉と国際の種をより多くの生徒たちの心に蒔くことができるのか、今回生まれた芽をどのように育むのか、本校の教職員は、今日も楽しく頭を悩ませています。

集合写真

               集合写真

 

 

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