平成23年度黒岩知事との“対話の広場”(地域版)県央会場 実施結果

掲載日:2018年3月15日

意見交換時の様子

概要

黒岩知事との"対話の広場"地域版(県央会場)
日時 平成23年11月1日(火曜日)18時30から20時30分
会場 ハーモニーホール座間
テーマ マグネット県央-地域の魅力をみんなで考えよう!-
内容

1 知事のあいさつ
2 地域の事例発表
(1)ロボット研究開発拠点都市推進プロジェクトチーム アトム
幹事長 北村 正敏 氏
(2)神奈川工科大学創造工学部ロボット・メカトロニクス学科
教授 山本 圭治郎 氏

3 意見交換

4 知事によるまとめ

参加者数 155名

知事のあいさつ

はじめに

「対話の広場」にお越しいただき、ありがとうございます。神奈川県知事の黒岩祐治です。知事に就任して約6カ月半がたちました。

対話の広場について

対話の広場は、県政について県民の皆さんと直接お話する場で、3種類あります。
今日実施する「黒岩知事との“対話の広場”(地域版)」は、県内7地域で開催し、地域の魅力について、みんなで考えていくものです。

私は「いのち輝くマグネット神奈川」の実現を目指すと言っています。「マグネット神奈川」とは、人や物を磁石のように引き付ける神奈川という意味です。そのような神奈川になるためには、それぞれの地域がマグネットの力を持つことが何より大事ではないかと思っています。そう思って、「対話の広場(地域版)」を実施しています。

二つ目は、県庁で開催する「黒岩知事との“対話の広場”Live神奈川」です。
県政へのアドバイスを頂いている私のブレーンの会議を「知恵袋会議」と言いますが、そこで出されたテーマについて、県民の皆さんと直接お話しするのが、「“対話の広場”Live神奈川」です。これまで2回開催しましたが、1回目のテーマは「自殺」でした。知恵袋会議委員の柔道の山下泰裕さんから、「自殺者が年間3万人もいる日本の状況はおかしい。『いのち輝くマグネット神奈川』を目指すのなら、神奈川から自殺をなくすことに取り組んではどうか」と言われ、確かにそうだと思い、このテーマで実施しました。

参加者の方たちから生々しいお話をお聞きし、どうすればいいか考えました。例えば、「こころの電話相談」の電話代の話が出たのですが、電話代くらい大した事はないというのは、元気な人の発想なのです。死んでしまおうかと思っている人にとっては、電話代がとても大きなハードルになる場合もあるという話を聞きました。そこで、電話代を無料にすることを補正予算案に盛り込みました。このように、皆さんから頂いたご意見は、可能な限り、すぐ県政に反映したいと思っております。

三つ目は、「緊急開催!黒岩知事との対話の広場-かながわスマートエネルギー構想の実現に向けて-」です。
私は選挙戦で、太陽光発電を一気に普及させたいと言いました。その公約をバージョンアップし、今回、県議会で「かながわスマートエネルギー構想」を提示しました。これは新しい政策なので、きちんと県民の皆さんにも説明しなければなりません。
新聞等には、「公約を撤回した」などと書いてありますが、私は撤回したつもりは全くありません。その事をきちんと説明するため、テーマをエネルギー政策に絞った対話の広場も実施していきます。

エネルギー政策について

今日のテーマは地域のマグネットですが、せっかくの機会ですので、エネルギー問題について、少しだけ話をさせていただきます。

(1)東日本大震災直後の神奈川の状況

東日本大震災後、福島第一原子力発電所の事故による計画停電が実施されました。その頃、選挙に立候補し、箱根や鎌倉に行ったのですが、お客さんが全然いないのです。お客さんが来ない旅館はつぶれます。計画停電は大きな問題なのです。

我々は、東北が震災で大変な事になり、東北を救援しなくてはと思っていました。もちろんそれは大事だけれど、足元の神奈川も下手をすると一気に崩壊してしまうかもしれないという危機感を持ちました。早くエネルギー不足を補わなければいけないという切羽詰まった気持ちになりました。

そこで、一番早くエネルギーを補えるのは何かと考えました。ソーラーパネルなら、屋根に付ければすぐに電気が生まれます。これをどれだけ普及させられるか、選挙戦が始まるまでの8日間で考えた結果、神奈川の半分の世帯には付けられると考えて、「200万戸分」という数字になりました。きちんと精査して積み上げた数字でなかったことは認めますが、強力なメッセージを出したいと思い、200万戸分と言いました。そして、当選させていただいて知事になり、4年間で200万戸分をどう付けるかを一生懸命考えてきました。

(2)「かながわスマートエネルギー構想」

私は、「理論上ソーラーパネルはタダで付けられる」と言いました。ソーラーパネルを付けると電気が生まれ、その電気を電力会社に買い取ってもらうことができるからです。ソーラーパネルを付けるのにかかった金額が回収されれば、結果としてタダになります。

家にソーラーパネルを付けると、費用はそのころ200万円ぐらいかかりましたが、銀行のソーラーローンを利用することもできます。そして、自宅のソーラーパネルで発電し、家庭で使わずに余った電気は、余剰電力買取制度により買い取ってもらえます。標準的な一軒家の売電収入等は月額1万円ぐらいなので、年間収入が12万円です。今の制度は、余剰電力買取が10年間できますから、10年間で120万円となります。

また、ソーラーパネル設置には、国、県、市町村から補助金が出ます。自治体によって金額は違いますが、合わせて大体20万円から30万円ぐらいです。売電収入と合わせると150万円です。あとの50万円が今の段階では自己負担分になります。

我々は国会に対して、自己負担分を圧縮することはできないかと声を上げました。そして、8月末、再生可能エネルギー法が成立しました。これは、発生した電気を全量買い取ってもらい、売電収入を得る仕組みが明記された法律ですが、住宅用は余剰買取のままでした。この問題を解決するために、いろいろと知恵を出しています。この法律は、一軒家だから余剰電力買取というのではなく、発電量が10キロワット未満の場合が余剰電力の買取対象になります。一軒家では大体3.3キロワットぐらいの発電量なので、10軒まとめて一つのグループをつくれば、33キロワットになります。10軒で一つという考え方を適用できれば、余剰買取ではなく、全量買取となります。

また、パネルの値段はどんどん下がって、今は180万円ぐらいです。そうなると、自己負担は30万円ということになります。

私は、神奈川からエネルギー革命を起こすと言ってきました。革命とはどういうことか。例えば、携帯電話は、最初の頃はショルダー型の大きな物でした。その後あっという間に小さく薄くなり、メールやインターネットができ、買物ができるまでに進化しました。

エネルギーも同じです。選挙の時と今では状況が全然違います。政府も新しいエネルギー政策をいろいろと考え始め、2030年までに全体のエネルギーの21パーセントを自然エネルギーにしたいと言っています。私も、中長期のエネルギー政策を打ち出すべきだと思い、2020年度を見据え、「かながわスマートエネルギー構想」を出しました。
選挙戦の最中は「太陽光発電」と言っても皆さんに分かってもらえなかったので、私はソーラーパネルを持ち歩きました。それが今ではソーラーパネルのコマーシャルが流れ、家電量販店に特別コーナーまでできるようになりました。

エネルギーは創るだけではありません。この夏、皆さんが経験された「省エネ」があります。エネルギーの使用量を減らせばエネルギーを創ったのと同じことです。また、蓄電池を用いた「蓄エネ」もあります。ソーラーパネルで生まれた電気は、すぐ使わないと無駄になりますが、それを蓄電池でためれば夜に使えます。これは夜に発電したのと同じことになります。

「創エネ」「省エネ」「蓄エネ」の三つを合わせた新しいエネルギー体系をつくり、2020年度までに、省エネで4パーセント分、そして「創エネ」と「蓄エネ」を合わせて16パーセント分、全部で20パーセントとする新しい目標に変えました。2030年に21パーセントと言っている政府に対し、10年前倒しとなりますので大変高いハードルになります。しかし、これに向かってやっていこうと、一生懸命動いています。選挙中、「ソーラーパネルを4年間で200万戸分付ける」と言っていたものが、今回、新しい目標になりましたので、お伝えした次第です。

今日は地域の振興がテーマですので、エネルギーについての説明はここまでとさせていただきますが、納得できないという方は、お手元に質問用紙がありますので質問を書いてください。この時間の中で、お答えできるものはお答えしたいと考えています。

開催地域のマグネットについて

地域がマグネットの力を持つためにはどうすればいいのか。私は、県央地域は神奈川県の中で最もポテンシャルがある所だと思っています。この地域が元気になることが、神奈川全体が光り輝くために一番大事だと思っています。県央にどのようなマグネットの“タネ”が眠っているのか。それを見つけて引っ張り上げたら、どんなふうに光り輝くのか。

今日は地域のお二人の方に事例発表をしていただきます。その後は私がキャスター兼知事として、進めていきたいと思っています。この会は、こちらから一方的にお話するものではありません。対話の広場ですので、どんどん質問してください。何でも構いません。シナリオがなく、どこに向かうか分かりませんが、真剣勝負でいきたいと思います。それでは、お二人の事例発表をお願いします。

事例発表

北村 正敏さん(ロボット研究開発拠点都市推進プロジェクトチームアトム幹事長)

北村 正敏さん

私どもチームアトムは、印刷屋、写真屋、看板屋、酒屋などの経営者6人が集まってつくったグループです。グループの目的は、県央地域を世界に名だたる福祉ロボットの拠点都市にすることで、60歳を過ぎたおじさんたちの大きな夢でもあります。

私たちは厚木青年会議所に所属していたころからの仲間です。青年会議所は40歳で卒業なのですが、現役のころ、スウェーデンのチャルマース合唱団のコンサートを企画しました。この合唱団は、ノーベル賞受賞祝賀会にも招かれる大学生の合唱団です。来日した彼らに会って、ショックを受けたことがありました。それは、彼らが「私たちは素晴らしい首相を選んだ。20年後のスウェーデンは、こんなふうになるんだ」と、わくわくした様子で話していたことです。私たちは感銘すると同時に、日本の総理大臣は、20年後、30年後の日本について何か語ってくれただろうかと話し合いました。

それから20年ほど経ち、日本でも地方分権とか、地域主権という声が上がるようになってきました。「こんな日本にしたい」と国が言うのをいつまでも待たず、自分たちで住民主導型のまちづくりができるかもしれないと期待を持ちました。どのような未来になるかを予測し、それに向かってまちづくりに取り組んでみようということになりました。

そこで頭に浮かんだのが、皆さんご存じの鉄腕アトムです。私は60歳ですが、子どものころ、鉄腕アトムの漫画に魅せられ、大きな夢を抱いたことを覚えています。その時の漫画にあったのが、高層ビルと、その合間を走るハイウェイ、空を浮く列車でした。あの時代に描かれていたことが一つずつ現実になってきています。では、その先はどうなっていくのか。漫画を読んでいくと、「人」「ロボット」「地球環境」という三つのキーワードに気付きました。この三つの融合した未来像が鉄腕アトムに描かれていたのです。私たちは、ロボットをテーマにした未来づくりというものに取り組んでいくことに決めました。

県央地域に県央経営者会という会があります。厚木市、伊勢原市、秦野市、平塚市、海老名市、座間市、大和市、綾瀬市の経営者約180名が集まり、これからの県央湘南地域をつくっていこうという会です。この会が、未来のアイデアコンテストを実施し、私たちの代表が未来のロボット構想で特別賞を頂きました。このコンテストがきっかけで、審査員の神奈川工科大学の山本圭治郎教授と知り合うことができました。

私たちの構想を山本先生にお話した結果、協力して一緒にやっていくことになりました。また、県央経営者会ともリンクしながら活動をしています。

チームアトムには三つの大きなテーマがあります。
一つ目は、県央湘南地域をロボット拠点都市とするため、ロボット企業を誘致することです。
二つ目は、「こんなロボットあったらいいなコンテスト」の実施です。
三つ目は、山本教授が開発された福祉ロボットを実用化し販売すること、さらには地域の産業にしていくことです。

初めに述べたように、私たちは店の経営者で、ロボットとは何ら関係ありません。ただ、この地域に何とか新しい産業を誕生させたいと思っているのです。というのは、地域には自動車産業で発展してきた企業も多いのに、今、自動車産業は中国やベトナム、タイへ流れています。そこで、そういった企業が復活できるように、ロボット産業に火がつけられたらと思い、活動を始めています。

今日は、山本先生が開発された福祉ロボットのパワーアシストスーツとパワーアシストハンドを紹介していただきます。先生、お願いいたします。

山本 圭治郎さん(神奈川工科大学創造工学部ロボット・メカトロニクス学科 教授)

山本 圭治郎さん

私は20年ぐらい前から、介護者のアシストをするロボットを開発しております。例えば、ベッドの患者さんを持ち上げ、車椅子に下ろす動作は腰痛を引き起こします。特に在宅介護の場合、これから老老介護も増え、そのような動作を困難に感じる方も多くなるでしょう。また、介護施設でも、介護士が不足する可能性が指摘されています。近い将来、機械を使って助けなければいけない時代が来ますが、では、機械に完全に任せていいのかという問題があります。私は介護の現場から人がいなくなってはいけないと考えています。そこで、何とか介護者の腰痛問題を解決したいと思いました。
パワーアシストスーツの開発に当たり、基本的デザインコンセプトを四つ決めました。

一つ目は、絶対に安全であることです。機械を使ってお世話しますが、事故を起こしてはいけない。人がいつも機械を見ていて、何かあれば止めなければいけない。もしも機械が暴走したら、自分の体を張って暴走を止める。介護する側は健常者なので、その方の最後の力で暴走を止めるという考えです。

二つ目は、違和感や威圧感が少ないことです、介護される方から見て、何かまがまがしいものが寄ってきて抱き上げるというような感じは絶対に避けたい。そのために、機械を介護する方の体の後ろに持っていき、患者さんから見えないようにしたい。そして、肌と肌との接触が阻害されないようにしたいと考えました。

三つ目は、快適であることです。例えば、ロボットは歯車とモーターの組み合わせで関節を回しますが、動きが非常に硬いのです。硬い機械から力をもらうというのは心地悪いので、何とか柔らかく力をアシストしたい。そこで空気の力を利用したエアバッグを使います。これは風船のような袋で、柔らかいが力持ちです。例えば縦横10センチの面に、圧力を1気圧かけると、100キログラムの重さを支える力を出すことができます。

四つ目は、機械を身に付けた人が、自由に動きながら、必要な時に必要な力をもらう仕組みです。例えば、筋肉が関節を動かす力の量を測り、それに応じたアシスト力をつくります。筋電図や脳波を使うことも考えられますが、まだまだその信号が当てにならない面があります。そこで力を出すと筋肉が硬いなる現象を利用し、その硬さを非常に簡単な方法で電気信号に変えるという方式にしました。
パワーアシストスーツは、体の前面にはベルトのような布がありますが、患者さんに接する所には全く機械はありません。足もベルトがあるだけです。力をアシストするエアバッグは、ゴムの袋を布でカバーしたものです。膨らんだ状態で肘をアシストしています。腰用のエアバッグや膝用のエアバッグもついています。少しかさばるのが難点ですが、アコーディオンのように扇状に開いたり縮んだりします。

パワーアシストスーツは人型構造です。肩から足の底まであるので、背負うものではありません。多少重さがかかりますが、装着して自分で立つことができます。人が機械の中に前から入り込むというような形になります。

通常、指で押せば筋肉の硬さが分かりますが、このスーツでは、指先に相当するシリコンの出っ張りが筋肉を押し、硬さを測るセンサーの役割をします。このセンサーは、上腕二頭筋、脊柱起立筋、大腿直筋に貼り付けます。

パワーアシストスーツは、力を出すためにリンク機構という出っ張った金属とベルトの組み合わせがどうしても必要です。しかし、介護の場では、振り向いた時に背中が壁にぶつかる危険性があります。それを解決するのが、アシストハンドに使用しているベローズやエアシリンダーで、今、開発中です。

また、現在のパワーアシストスーツは、機械の中にバッテリー、ポンプなど全部入っているため、どうしても大きくなってしまいます。そこで、機械をスリムにする方法も研究しています、在宅介護の場合、寝室、トイレ、浴室と、移動するルートが決まっているので、それぞれの部屋から空気や電気をもらって、機械を動かすということも考えています。

先ほど、ベローズの名前を出しましたが、これを使ったものを一つご紹介します。スポイトのプラスチックの蛇腹部分をベローズといいます。アシストハンドでは、これを指の関節の上に置いて、空気を出し入れし、関節を曲げたり、伸ばしたりします。非常に簡単な仕組みで、安全でソフトな力がもらえます。脳梗塞で片麻痺の方であれば、健常側の手を使って、自分の意志でグー・パーをします。自分の意思でやることが脳の回路を再生する一番のポイントになります。また、麻痺した手でペットボトル等を握って、口元に運ぶということも目指しています。

パワーアシストスーツで持ち上げた状態

このベローズというものは、空気を入れると膨らんで筋肉が伸び、吸うと縮んで筋肉を引っ張るというものです。腕の後ろ、股関節、肘裏、くるぶし、そういう関節に付けることによって、歩行や動作のアシストができます。重い物を持ち上げるパワーアシストスーツほどの力は無理ですが、不自由になった体を動かす程度なら、これで何とかなります。例えば、足の関節はちょっと大きめのベローズで動かすことができます。これも今開発しています。

もう一つエアシリンダーというものがあります。これは水鉄砲や注射器のようなものです。空気を入れると、グッとシャフトが外へ出て、吸い取ると引っ込むという簡単なものです。これも目立たないようにスリムなものを試作中です。

今からパワーアシストスーツを装着したところをご覧いただきます。音と、エアバッグのかさばるところを見てください。両足の大腿部の黒い筒はバッテリーです。後ろにポンプが付いており、ゴムのチューブでエアバッグに空気が入ります。アシストするのは肘と腰です。
バッテリーが切れても空気が入って逆流しないので、この力はずっと維持しています。歩く時も力は必要なく、患者さんをずっと持ち上げていられます。以上で私の話を終わります。

北村 正敏さん(ロボット研究開発拠点都市推進プロジェクトチームアトム幹事長)

私どもチームアトム、県央経営者会、神奈川工科大学は産学協働の形で、県央地域に新しい産業や未来のまちづくりを夢見て活動しております。

パワーアシストスーツとパワーアシストハンド等は、東京の「先端技術館@TEPIA」に展示されています。また、先日、東京ビックサイトで開かれた国際福祉機器展にも展示させていただき、少しずつ盛り上がってきています。今日のような発表の場所も与えられ、6人のメンバーもますますやる気になっています。皆さんのご協力や後押し、頑張れの一声でも頂き、5年後、10年後、20年後、福祉ロボットの拠点都市県央と呼ばれるようなまちになり、県を越え、日本を越え、世界に羽ばたいていけたらと思っています。どうもありがとうございました。

意見交換

<知事発言>

お二人の話は、元気が出る、夢のある話だった。選挙戦の最中、北村さんから県央を元気にしたいというお話を聞き、大変なエネルギーを感じた。面白い人がいると思い、今日、お招きした。
県央をロボットの産業都市にしていくというのは、いい話だと思う。しかもロボット産業と福祉が組むというイメージが強くなっていけば、すごいのではないか。まさにマグネットで、日本全体が注目する県央になっていくための形ではないかと思った。
北村さんの夢を語るという話は、胸にくるものがあった。

<事例発表者発言(北村氏)>

チャルマース合唱団の若者たちが、生き生きわくわくしているのを見て感銘を受けた。当時の日本はバブルがはじけ、教育問題もいろいろあった。もし10年後、20年後の未来像を国の偉い人が語ってくれたら、経済も活性化し、子どもたちも未来を夢見ることができるのではないかと思った。

<知事発言>

マグネットというのは引き付ける力なので、どのような地域かというイメージがすぐに浮かばないと、引き付けられない。福祉ロボット最先端の地域と聞けば、すぐに分かるし、行ってみたいという感じになるのではないか。

福祉ロボットと言えば、筑波大学の山海嘉之先生が開発された、障がいを持った方が着る「HAL」というスーツがある。脳の電気信号を読み取りモーターを回すことで、歩けない人が立ち上がって歩くというものであった。山本先生が開発されたロボットは、介護をする人をサポートするもの。福祉ロボットには2種類あるんですね。

<事例発表者発言(山本氏)>

この違いは大変大きく、同じ福祉ロボットでも全く別物である。
障がいのある方が装着するロボットは、非常に重要な分野である。しっかりした信号を受け取り、動かす。スピードを要し、遅れがあると心地よくないので、そのあたりが難しいところである。このロボットには、力のあるモーターを使用する。
私が開発しているロボットは介護用なので、ゆっくりした動きの方がよい。しかし力は要るので空気を使う。二つは全く別のものである。

<知事発言>

以前、山海先生から福祉ロボットの話を聞き、技術というのはすごいものだと思った。そのロボットは、脳の電気信号を読み取り、それによってモーターを回す。人間が歩きたいと思った時に「歩きたい」という信号が出て動くロボットを作った。完璧なものができたと思ったのだが、実際に使ってみると、みんな転倒してしまう。なぜかと思って研究したところ、人間の脳と動きの関係は、もっと複雑なことが分かった。「歩きたい」という信号が行く時にはもう足が出ていないといけない。だから瞬間的に予測し、予測する電流まで感じ取ってモーターを回さないと、思いどおりに動くことはできない。
そういうロボットと、山本先生が開発されている介護用ロボットを組み合わせると、状況が一変してくるのではないかと思う。
福祉ロボットというと、ロボットが動き回って何かやってくれそうな感じがするが、実際には人間と一体となっているというのも、興味深い。

<事例発表者発言(山本氏)>

人間と一体になっているから安全。勝手に動き回られると、本当に制御できなくなってしまう。何かあった時に非常に危険である。

<知事発言>

今日拝見したロボットの実用化はいつごろか。

<事例発表者発言(山本氏)>

来年売り出すというのがアトムの命令なので、何とかしたい。

<知事発言>

アトムの命令とは、お茶の水博士みたいだ。
さて、皆さんには一つの事例を見ていただいたが、この件についてでも、それ以外のことでも言いたいことがあれば、手を挙げてください。

<参加者発言1(海老名市・男性)>

福祉ロボットの開発に対し、行政からどのくらい補助金が出ているのか。
また、ロボットを導入した介護施設にも補助金を出すなど、産業と福祉の両方からマグネットになるように、県も力を貸してほしい。お金については、海老名市にも座間市にも削れるところはたくさんある。

<知事発言>

県の財政は非常に厳しい状況である。ただ、産業というのは、税金で補助しているうちは、それほど広がらない。本当に魅力的な産業ならば、お金は自然に集まってくるはずだ。

<事例発表者発言(北村氏)>

私たちのチームアトムは、援助などを受けるのはやめようとしている。生意気だが、日本人は政治や行政に甘えすぎている。どこまで踏ん張れるか分からないが、とにかく自立し、援助などに頼らないでやっていこうというのが、メンバーの考えである。

<知事発言>

素晴らしい。その心意気が大事だと思う。
山本先生、これが本当に発展していく産業ならば、どんどんお金が集まってくるのではないか。

<事例発表者発言(山本氏)>

私も文部科学省の科学研究費を頂いたことがあるが、ほかの国庫系補助金は頂いていない。大学の予算の重点配分でお金をもらっており、今はそれで十分。筑波大学のロボットは相当お金がかかるが、私のロボットで使うのは、ゴムの袋、家庭用の血圧測定器の中に入っているポンプ、バッテリーなので、アトムでも何とかなる。

<知事発言>

福祉ロボットを産業の形にしていきたい。これから超高齢社会をどう乗り切るかというのが日本の一番の課題であるので、ニーズもある。特に神奈川県は高齢化の進み方がものすごく速い。それをどう乗り切るかというモデルを作るときに、福祉ロボットが産業の一つになっていて、県央地域に全国から人が見に来るというのが、私のマグネットのイメージである。

<参加者発言2(厚木市・男性)>

知事に二つ質問がある。県央地域で一番に思いつくマグネットの要素は何か。また、県央の魅力とエネルギーの関連をどのように考えているかお聞きしたい。

<知事発言>

県央地域で、一番のポテンシャルを感じるのは、様々な中小企業の技術が集まっていることである。しかし、地域として、どうしていくかという視点が弱いと思う。そのアイデアの一つとして、福祉ロボット産業が見えてくれば、いろいろな企業が持っている能力を発揮でき、さらに、新しい技術や産業が集まってくることも考えられる。

ただ、県央地域といっても広いので、地域全部が一つのマグネットでなくてもいい。福祉ロボットの最先端が厚木だとすると、ほかの地域はそれぞれのマグネットを考えてもいい。
エネルギー関連の質問もあったが、スマートタウンという発想もあるのではないか。藤沢市では「Fujisawaサスティナブル・スマートタウン構想」と言って、パナソニックの工場跡地を利用してソーラーパネルを付けた住宅を建設し、電気自動車を走らせるなど、新しいまちづくりを地域全体で進めている。この応用で、エネルギー産業がどんどん集まってくるまちにするというコンセプトもある。

要するに分かりやすくなければ駄目だということである。あそこにはこんなものがある、とすぐに見えることが、すごく大事なことだと思っている。

<参加者発言3(座間市・男性)>

県央地域は、海側の地域と比べてこれといったマグネットはないように感じている。昨年ドイツへ行ったが、バスの車窓からいたる所にソーラーパネルが見えた。ドイツではソーラーパネルを業務用に設置することが多い。私は、日本も戸建て重視ではなく、ドイツのように業務用として設置し、ある区域を全部太陽光発電で賄うという方法がいいと思う。もちろん太陽光発電は天候に左右されるので、天気が悪い時には電力会社から電気を買うことになるが、この方が、皆さんが革命的だと思うのではないか。
もう一つは地域の活性化である。県央地区の事業所の数はどんどん減ってきている。今の状況では、県央地区の活性化はかなり難しいのではないかと思っているが、知事はどうお考えだろうか。

<知事発言>

戸建て住宅にソーラーパネルを、と言ったのは、「自宅の屋根にソーラーパネルを付けると、すぐに電気が使えます」というのが一番分かりやすいと思ったからである。もちろん県内にはアパートやマンション住まいの方が多く、電気は家庭用だけでなく、業務用もある。

ここで、何を目指すのかという基本について整理すると、新しいエネルギー体系をつくるということ。その時に三つの大原則があると考えている。

一つ目は、原子力発電に依存し過ぎないこと。今すぐ原子力発電を全部やめることはできないが、現実に、もう福島第一原子力発電所は使えない。停止中の原子力発電所の再稼動や、新たな原子力発電所の建設も難しいと思う。また、耐用年数の問題もあるので、新しい原子力発電所ができなかったら、いずれ無くなることになる。つまり、脱原発はもう理念ではなく、そうならざるを得ないのである。だから、原子力発電に依存し過ぎないエネルギー体系をつくらなければいけない。

二つ目は、環境に配慮すること。脱原発だからといって、火力発電所をどんどん稼動して、CO2をたくさん出すことは許されない。環境に優しいことが必要である。

三つ目は、エネルギーの地産地消を推進すること。これまで、我々は福島の皆さんにあれだけのリスクを負わせていながら、日常生活を当たり前のものとして享受していたことに気付いた。このことから学んだのは、自分たちで使うエネルギーは自分たちの近くで創ることを目指すべきだということである。

この三つの原則を踏まえると、太陽光発電は一つのアイデアであり、ほかにも風力発電や水力発電、バイオマス発電などが考えられる。太陽光発電では、集合住宅の住人に対して、「屋根貸し」という方策を考えた。例えば、公共施設やビルの屋上などを貸してもらい、ソーラーパネルを設置することを考えている。川崎の京浜臨海部は地面にはメガソーラーがあるが、工場屋上は空いている。ここ借りて、ソーラーパネルを設置する。ソーラーパネルは断熱効果があり、エネルギーのロスを減らすことができる。さらに、屋根貸しなので、売電収入の一部は返ってくる。工場の人に話したら、大歓迎だと言ってくれた。

集合住宅の人のためには、「マイパネル構想」という新たな方法を考えた。例えば、近くの公民館の屋上に大きなソーラーパネルを設置し、何列目の何段目は私のソーラーパネルだと買ってもらい、売電収入の一部が戻ってくる仕組みである。こうやって、太陽光発電を広げていきたい。
二つ目の質問の、事業所が減っていることだが、この地域は潜在力があるので、それを皆さんで本当の力にしてほしい。しかし、地元にどんな潜在力があるのか、意外と知られていない。今日はロボットの話だが、ほかにもたくさんあるはずだ。そういうものを本当のマグネットの力にしていった時に、新しい産業が生まれると思っている。

私が「エネルギー革命だ」と言っているのと同じで、言い続けていると注目されて人が集まってくる。最近、海外のメディアが取材に来る。エネルギー政策は通常、国が行うものなのに、どうして県がやっているのかといって、取材に来ている。

円高や不況で、多くの会社は海外へ出て行ってしまう。だからといって、政府に何かしろ、補助金を出せというのではなく、地域の潜在力を掘り起こし、マグネットの力にする。そうすると、人や物が集まってくる。それによって経済が活性化し、雇用も増えてくるという、良い循環をつくっていきたいと考えている。

<参加者発言4(海老名市・男性)>

海老名市には自営の飲食店が多く、自営業のノウハウを教えてくれる「喰の道場」がある。希望者は道場にお店を出し、数年後、別の場所に自分のお店を持てるという仕組みになっている。最近では大企業ほどいい物をつくらないので、このように、中小企業や自営業者、個人事業者たちに、ノウハウを教えるところがもっとあったらよいと思う。

先ほどのロボットを拝見して思ったのだが、介護者がロボットをすぐ着けられるかということにあまり目が向けられていないと思った。若者など、いろいろな人のアイデアを取り入れる仕組みをつくってほしいと思う。

<事例発表者発言(山本氏)>

パワーアシストスーツの脱着をいかに容易にするかは当初からの課題である。今はようやく1分で着けられるようになった。介護には様々な仕事があるので、すぐに脱着できることを目指している。そのためには、パワーアシストスーツが大きくては駄目である。必要な所だけを残してどこまで削ぎ落とせるかが、ポイントになる。売り出す際には、腕をはずして足腰だけにするなど、そういうところから始めたいと思っている。

<知事発言>

「喰の道場」のような発想は面白いと思う。地域を活性化するには、ベンチャースピリットが必要だ。北村さんの話が面白いのは、「おじさんでも自分たちがやる」という、ベンチャースピリットにあふれているからである。地域で、そういうベンチャースピリットを大きく育てるような流れがつくれたら、もっと活力が出てくると思う。

<参加者発言5(横浜市・男性)>

音楽で人とまちをつなぐNPO活動をしており、宮ヶ瀬湖周辺との連携交流の音楽事業を模索している。地域の魅力を掘り下げる事業は様々あるが、地域間交流事業の前例は非常に少ない。地域内のことはNPO法人や市民団体が頑張るが、地域間交流は県にもアシストしてもらいたい。地域間交流と文化事業に関して、知事の考えをお聞きしたい。

<知事発言>

私は、マグネットの話をするときに、よく「擦り合わせるとより強い磁力が生じる」という言い方をする。例えば、異業種交流というのがあるが、社長さん同士が仲が良いだけで、本当に会社の技術などを擦り合わせていることは少ない。異業種の技術を擦り合わせた時に新しいものが生まれる。これがマグネットだ。地域間交流というのも同じことである。つまり、違う地域を擦り合わせることによって、新しいものが生まれてくると思う。

地域間交流の推進のためには、県のアシストが必要だということだが、この対話の広場もそういう思いでやっている。今日、いろいろなお話を聞き、皆さんもたくさんの発見があったのではないか。もう既に擦り合わせているのだ。例えば、うちの会社とあのロボットで何かできるかもしれないと考えた方がいるかもしれない。この場が、一つのきっかけになっていくと思っている。

また、文化事業は大好きな分野である。私は日野原重明先生の企画・原案のミュージカル「葉っぱのフレディ」のプロデューサーを以前からやっている。神奈川には地域ごとのミュージカルがあると聞いている。それらを擦り合わせれば、さらに面白くなると思うので、そういうこともやっていきたい。

音楽には力があって、例えば湘南と言えば、湘南サウンドというイメージが浮ぶ。サザンオールスターズ、加山雄三、チューブ。でも、みんな相当の年齢だ。ということは、新しいそういう音楽をつくっていくことが地域のブランド力へつながっていくのではないか。文化事業、音楽事業もマグネットの大きな柱になると思っている。

<参加者発言6(座間市・男性)>

座間市民に関心がある行政の話題といえば医療である。県央地域は救急医療の面で大きな問題を抱えている。今日は地元の方々も多く参加しているので、医療のグランドデザイン構想について、知事の考えをお聞かせいただきたい。

<知事発言>

現在、医療のグランドデザイン策定に向け、プロジェクトチームを設置している。医療のグランドデザインを都道府県単位で検討しているのは、神奈川が全国で初めてである。日本の医療は霞が関主導で、全国一律の医療体制である。地域主権の医療を行うべきだと言っているが、国は今のところ駄目だと言っている。

県央地域の医療体制の問題については、座間市長からも大変な状況をお聞きしている。医療の世界は規制がとても多い。その最大のものが病床規制であり、地域のベッド数を全部国が決めてしまう。地域の実状を訴えても、国は変えない。例えば、既存の人口10万人当たりのべッド数は、厚木市の場合は834床だが、座間市は342床しかない。明らかに不均衡を生じている。県としては何とかしたいが、国の規制がある。

だから、神奈川全体でどういう医療の形をつくっていくか、グランドデザインを検討している。もし、国が神奈川全体でやるのが駄目だと言ったら、医療特区を作る。ただ、ベッドの規制の問題については、平成25年度に国が全体の医療計画の見直しを行うので、その中で解決するように話を持っていくという方法もある。救急医療も非常に厳しい状況なので、九都県市首脳会議で病床規制の緩和を提案し、国に要望していこうと思っている。

神奈川独自の医療の実現のため、今訴えているのが、ポリオワクチン接種の問題だ。ポリオワクチンには、生ワクチンと不活化ワクチンがあり、不活化ワクチンはウイルスが死んでいるので接種してもポリオにかからない。ところが、生ワクチンはウイルスが生きているので投与するとごくまれにポリオにかかる子がいる。世界の先進国は全部不活化ワクチンを使っている。現在、生ワクチンを使っている国は少なく、アジアではモンゴルと北朝鮮と日本だけである。

現在の日本では、自然にポリオを発症することはなく、発症するのは生ワクチン投与によってのみである。政府は麻痺が起こる率を100万人に1.4人と言っているが、救済申請中の例も聞いているから本当はもっと多い。私は厚生労働省の予防接種部会のメンバーだったので、不活化ワクチンの早期導入を訴えたが、変わらなかった。そういう状況の中で、政府もやっと1年半後の導入を決めた。すると、母親の気持ちとしては、1年半後の導入まで待とうという気持ちが起きてくる。ただ、今でも不活化ワクチンを打つことはできないわけではない。これは医師がワクチンを個人輸入しているもので、1回5,000円ぐらいかかる。何か問題が起きても補償制度はないが、不活化ワクチンを打ってほしいと母親たちが殺到している。一方で、今はお金がかかるので、1年半接種を控える人も増えている。ワクチンを本来打つべきだが打っていない人の割合が、全国で17パーセント、神奈川県では21パーセントになっている。

9月に中国でポリオが発生し、日本に入ってくるかもしれない状況だが、母親たちが接種控えをしているので、子どもたちは危険にさらされている。そのために、厚生労働省はすぐに生ワクチンを飲めという通知を送ってきた。これに対し、神奈川は県が不活化ワクチンの個人輸入を代行すると言ったところ、小宮山厚生労働大臣は、「予防接種行政上望ましくない」と言ってきた。私は、望ましくないのは国の方だと言っている。

神奈川独自で良いと思うことはどんどんやり、医療は神奈川を見習えという形をつくっていきたい。これが、私が考える医療のグランドデザインである。

<参加者発言7(座間市・女性)>

商工会で座間市商工業者の支援をしている。今、経済状況は厳しいが、元気な飲食店があることをPRしたい。

商工会では、平成20年度に地域経済の活性化を目指し、食によるまちおこしの事業を立ち上げた。まず、座間市内の地域資源を掘り起こし、まちおこしの可能性を検討した。21年度は地域資源をさらに絞り込み、22年度は絞り込まれた地域資源、粉食の文化、高座豚、市の花「ヒマワリ」をキーワードに、商工会と飲食業者が連携し、「座間ヒマワリすい豚(とん)」を開発した。今年度はプロジェクト委員会を設置し、11月の販売開始に向け、現在広報活動を積極的に行っている。加盟店36店舗は、のぼりやステッカーを店頭に表示してお客さんを迎える準備をしている。

座間は地下水が豊富で、とても水がおいしい。おいしい水と各店の工夫で座間の「ヒマワリすい豚」を座間市のB級グルメとして展開していきたい。

さらに、農商工の連携を強化し、農業者と商工業者が経営資源を持ち寄り、関連商品や新サービスの開発等に取り組むことで、地域活性化を図っていきたいと考えている。座間ヒマワリすい豚で、マグネット座間、元気な座間を目指していきたい。

<知事発言>

今、B級グルメがはやっている。B-1グランプリで優勝した地域には、多くの人がやってくる。これがまさにマグネットである。座間市はヒマワリをあちらこちらに植えており、ヒマワリのまちである。さらに、「ヒマワリすい豚」もあるというのは、非常にいいと思う。見てみたい、食べてみたいという気になる。

また、農商工連携も大事なことだと思う。農業、商業、工業を擦り合わせていく中で新しいものが生まれる。これを育てるとともに、マグネットとしてこれからPRしていただきたい。

<参加者発言8(綾瀬市・男性)>

県の科学技術政策についてだが、長洲一二知事の時代に、「かながわサイエンスパーク」を立ち上げ、お金や人をつぎ込んだが、成果が精査されていないと思う。葉山に湘南国際村をつくる時に、海外からも技術研修生を受け入れ、かながわサイエンスパークの拡大を図るということだったが、現在、民間人に分譲されているという状態だ。神奈川科学技術アカデミーも、同様の典型例なのではないか。もう少し精査をしていただきたいと思う。

東日本大震災後、東北にボランティアに行ったのだが、留守にしている間の県の対応が非常に辛辣だと感じた。ボランティアに行った人たちが、県営住宅の家賃や自動車税を払わないと、県は遠慮なく徴収する。ボランティアは、無償でやっている。また、被災者が困っているのを見れば、自分のお金を渡すこともある。そういう事情があるのに、県が税金や家賃を納めるのは当然だと言うのがどうにも理解できない。このことを知事としてどう考えるのか。

<知事発言>

今のお話で、よく分からなかった部分があったので、もう少し説明してほしい。

<参加者発言8>

現地では義援金は個人に届いておらず、被災者の生活は非常に厳しい。食料品を買いたいがお金がないと言われて、ボランティアがお金を出すことが何度かあった。ボランティアの中には、年金暮らしの人もいて、半年も東北に行っていたので県営住宅の家賃や県税を当然払えない。それでも、県は滞納だという。その辺が理解できない。事情があるのだから、県は県民が頑張っていることに対してもう少し理解してほしい。

<知事発言>

被災地に行っていた神奈川県民の税金を免除しろということか。

<参加者発言8>

免除しろとは言わないが、滞納したとしても年金から取り立てることはないと思う。そういうことを平気でやっていることについて、もう少しお調べいただきたい。

<知事発言>

そういうご指摘があるなら調べることにする。ボランティアは、自発的に行うもので、その気持ちは大事だと思っている。ボランティアに対する県の支援がどういう形でできるか、検討課題にしたいと思う。

前半のお話で、かながわサイエンスパークが十分に生かされてないということについては、我々も同様の問題意識をある程度持っている。今日、皆さんに「神奈川県科学技術政策大綱骨子」をお配りしたが、現在「神奈川県科学技術政策大綱」を検討中である。皆さんからご意見、提案を頂ければ、参考とさせていただきたい。

知事によるまとめ

最後に、かながわスマートエネルギーについてのご質問について、お答えしたいと思います。
一つ目は、メガソーラーの設置は農地法や森林法などの規制のために困難な面があるが、どのように改革していくのか、という質問です。

確かにメガソーラーというのは、その土地の何パーセントまでしか設置できないなど、様々な規制があります。これについては、神奈川県全体をグリーンイノベーションの特区にしたいと申請している最中ですので、特区制度の活用なども含め、法改正、法の柔軟な運用を働き掛けていきたいと思っています。

二つ目は、県立高校にソーラーパネルを付けてほしいというご要望です。これは、「屋根貸し」で付けていきたいと考えています。

三つ目は、ソーラーパネルの需要は高まるが、供給に問題はないのか、という質問です。これは既に、業界で競争が始まっているので、まず問題ないと思います。

四つ目は、風力、小水力、太陽熱など太陽光以外の再生可能エネルギーには取り組まないのか、という質問です。これはどんどん取り組みたいと考えています。また、温泉の余熱を使った発電なども考えていきたいと思っています。

今日お答えできなかった部分については、ホームページ等でお答えしたいと思っています。また、先ほどご紹介した、かながわスマートエネルギー構想だけに絞った対話の広場がありますので、聞いてみたいという方は是非お越しください。

今日は皆様のご協力を得て、私もたくさんのことを学ぶことができました。地域の可能性をみんなで掘り起こして、大きな夢を持って、それに向かって進んでいきましょう。日本中から注目される県央地域をみんなでつくっていきましょう。
今日はその第一歩です。どうもありがとうございました。

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