神奈川県青少年保護育成条例の改正骨子案

掲載日:2018年4月26日

神奈川県青少年保護育成条例は、青少年の健全な育成を阻害するおそれのある行為や環境を規制し、青少年を守っている条例です。

県では、最近の青少年を取り巻く社会環境の変化などを踏まえ、この条例の見直しを進めています。

このたび「改正骨子案」をまとめましたので、皆様のご意見を募集いたしました。

現在の条例の概要

  • 目的
    • 青少年の健全育成を阻害するおそれのある行為を防止することを目的としています。
  • 青少年とは
    • 青少年の定義を「小学生以上18歳未満」としています。
  • 深夜外出の防止
    • 保護者は、特別な事情もなく青少年を深夜(23時~4時)に外出させてはいけません。
    • 保護者の承諾なく青少年を深夜に連れ出してはいけません。
    • カラオケやまんが喫茶は、深夜に青少年を立ち入らせてはいけません。
  • 有害な環境からの保護
    • 有害図書類(成人向けの雑誌・ビデオなど)を青少年に販売してはいけません。
    • 有害がん具類(大人のおもちゃなど)を青少年に販売してはいけません。
    • 残虐なゲームソフトを青少年に販売してはいけません。
  • 有害な行為の禁止
    • 出会い喫茶(一時的な交際を仲介する営業)は、青少年を立ち入らせてはいけません。
    • 青少年にみだらな性行為やわいせつな行為をしてはいけません。
    • 青少年に入れ墨を施してはいけません。
  • 条例の実効性を高めるための規定
    • 県は、条例の規制対象となっている店舗に立入調査を行い、指導などを行います。
    • この条例には罰則もあるので、警察が取締りを行っています。

改正の方向性

  • 青少年の健全育成のためには、社会全体で協力していくことが必要です。
    このため、新たに、県民共通の基本理念やさまざまな立場の大人の責務などを条例に盛り込みます。
  • 情報化の進展などにより青少年を巡る新たな課題が深刻化しています。そうした課題に適切に対応するため、規定全体を点検し、条例の実効性を高めることを目指します。
  • 条文の内容ごとに章編成を行い、分りやすく再構成します。
    • 現在の条例の主な章
    • 総則
    • 青少年の健全な育成を阻害するおそれの ある行為の制限等
    • 改正後の主な章及び内容
    • (1)総則(目的、定義、基本理念、責務に関する規定で構成)
    • (2)社会環境の整備関係(有害図書類、有害がん具類等、主に青少年を取り巻く社会環境の整備に関する規定で構成)
    • (3)健全育成阻害行為の制限関係(みだらな性行為等、主に青少年に対する有害な行為の制限に関する規定で構成)
    • (4)インターネット環境の整備関係(携帯電話の弊害への対策を中心に、インターネット対策に係る規定で構成)
    • (5)関係者の協力関係(青少年指導員の委嘱や活動根拠、青少年の立ち直り支援等の規定で構成)
    • ※このほか、児童福祉審議会、立入調査、罰則などに関する規定があります。

青少年保護育成条例改正骨子案

(1) 総則

(ア)目的

青少年の健全な育成に関する基本理念や関係者の責務を明らかにし、良好な社会環境の整備を促進し、青少年の健全な育成を阻害する行為を防止することにより、青少年の健全な育成を図ることとします。

(イ)基本理念

次の理念を県民が共有して青少年の健全育成に取り組むこととします。

a 青少年は健全に成長し、自立した社会の一員となる存在である

b 県民は青少年への影響を意識して行動する

c 社会全体で青少年を守り、支え、育てる

(ウ)関係者の責務

県、保護者、県民、事業者について、青少年の健全育成に関する基本的な役割としてそれぞれの責務を定めます。

a 県の責務

青少年の健全育成に関する総合的施策の策定、実施

県民の自主的活動の尊重及び市町村その他の関係機関、関係団体との連携

啓発活動の推進による条例の周知

b 保護者の責務

青少年の健全育成に関する第一義的責任の自覚

青少年の基本的な生活習慣や規範意識の習得

c 県民の責務

青少年を取り巻く社会環境の整備

地域活動への参加等、青少年の社会参加の促進

d 事業者の責務

事業活動における青少年への配慮

青少年の健全育成に関心を深め、県の施策に協力

(エ)定義

青少年の定義について、「小学校就学の始期から満18歳に達するまでの者(婚姻により成年に達したものとみなされる者を除く)」の下限を削除し、乳幼児も条例の保護育成の対象に加える等、所要の改正を行います。

背景・考え方 ~(1) 総則~

理念・責務

青少年の健全育成のためには、青少年を取り巻く大人がそれぞれの立場で役割を自覚し、行動することが重要です。このため、県民全員が共有できる分かりやすい「基本理念」や「責務」を定めて、社会全体で青少年の健全育成に取り組めるようにしたいと考えています。

定義

乳幼児もこの条例で守ることができるよう、青少年の定義を「0歳~18歳未満」にします。

(2) 社会環境の整備関係

(ア)有害な営業への対応

再三の指導に従わない等、悪質な営業について、次のとおり定めます。

図書類自動販売機業者に対し、違反に係る自動販売機の撤去等を命令

有害広告ビラの戸別頒布を行った広告主に対して、以後の頒布行為の中止を命令

性的ながん具類の販売者に対して、青少年の目に触れる場所への陳列を禁止

(イ)有害指定基準の追加

有害興行、有害図書類等の指定基準について、卑わい系、残虐系の2分類のほか、犯罪や自殺等を誘発助長するものを位置付けます。

背景・考え方 ~(2) 社会環境の整備関係~

有害な営業への対応

青少年に有害な図書類を自動販売機に収納して販売することは禁止されていますが、この規定に違反して販売を行っているケースがあります。

このため、有害な図書類を収納しないよう再三の指導を行ったにもかかわらず従わない場合には、事業者に対して有害な図書類の除去などを命令できる規定を設けます。

また、青少年に有害な広告ビラがポストに投げ込まれるケースが発生しています。現在の条例では、投かんした行為者に禁止を命じることができるとしていますが、広告主等に対しても、ポストへの投函の中止を命令する規定を設けます。

有害指定基準

現在の条例では、有害な図書類などの青少年への販売等を制限する基準として、卑わいなもの、残虐なものの2つの分類があります。

しかし、近年、自殺の方法や違法な薬物の栽培方法など、自殺や犯罪行為を助長する図書類などが出版されています。

現在の条例では、こうした自殺・犯罪を助長するような図書類については、施行規則で基準を設け、青少年への販売等を制限できるような仕組みになっていますが、これを条例本文に明記して、基準を明確化します。

(3) 健全育成阻害行為の制限関係

(ア)保護者による深夜の連れ出しへの対応

保護者は、自らの娯楽・遊興目的で、青少年を深夜に連れ出さないよう努めることとします。

(イ)個室営業への規制

有害な個室飲食店を青少年の立入禁止場所として指定する現行規定の趣旨を活かし、飲食店以外の有害な個室営業の店舗についても、個別に指定して青少年の利用や従事を禁止できることとします。

(ウ)風俗営業等の広告宣伝業務等への従事制限

性風俗関連営業などで青少年を広告宣伝業務等に従事させることを禁止します。

(エ)質受け・買受けの制限

青少年からの買受け禁止(保護者の同意がある場合等を除く。)規制を免れ、商品券等と交換している店舗に対応するため、交換を禁止します。

背景・考え方 ~(3) 健全育成阻害行為の制限関係~~

保護者による深夜の連れ出しへの対応

小さな子どもを連れて深夜の繁華街で遊ぶ保護者が増えていると言われており、子どもの生活習慣の乱れや、健康への悪影響が心配されます。そこで、保護者は、深夜に自らの娯楽・遊興を目的として青少年を連れ出さないよう努めるという規定を設けます。
※この場合、様々な事情も考慮し、保護者への罰則は設けません。

個室営業への規制

風営法などの法規制を免れる個室営業が出現し、青少年が性風俗まがいの業務に従事させられるといった事件が発生しています。そこで、そうした店舗を個別に 指定して、青少年の利用や従事を禁止できる規定を設けます。

風俗営業等の広告宣伝業務等への従事制限

風俗関連の営業などで、少女をティッシュ配布などのアルバイトに従事させることをきっかけに、違法に接客サービスをさせる事例が発生しています。このため、こうした広告宣伝業務等に青少年が関わらないよう従事制限を行う規定を設けます。

質受け・買受けの制限

青少年から物品を買い取る行為は、万引きなどにつながるおそれがあるため、保護者の同意がある場合を除いて禁止されています。しかし、買い取る代わりに商品券などを渡している店舗があり、小学生が保護者に隠れて中古品を持ち込んでいるケースがあります。そこで、保護者の同意のない交換についても禁止する規定を設けます。

(4) インターネット環境の整備関係

青少年に普及している携帯電話は、有用な面もある一方で、最近の主な用途であるインターネットを利用することに伴い、次の問題が発生していることから、これらの弊害を防止するために必要な事項を定めます。

有害情報へのアクセス

有害サイトを介した犯罪被害の発生

就寝時間の深夜化等の生活習慣の乱れ

(ア)フィルタリングの徹底

事業者は、フィルタリングの必要性等について保護者に説明

保護者が青少年の携帯電話のフィルタリングを解除できる理由を限定した上で、解除する場合は、事業者に理由を申し出

事業者は、保護者の解除理由について契約期間内は記録保存

(イ)有害サイトや生活習慣の乱れへの対応

事業者は、インターネット接続を制限できる機種や機能(サイト閲覧機能の停止、深夜時間帯の接続制限等)について保護者に説明

保護者は、青少年の成長に合わせ、インターネット接続を制限できる機種や機能の活用に努めます

(ウ)事業者に対する措置

事業者が保護者への説明義務等を履行しない場合、知事は勧告、公表を行います。

背景・考え方 ~(4) インターネット環境の整備関係~

フィルタリングの徹底

「青少年ネット環境整備法」により、青少年が使用する携帯電話には原則としてフィルタリングを設定することが義務付けられました。しかし、保護者が不要とした場合には解除することができるようになっているため、青少年が容易に出会い系サイトなどにアクセスし、犯罪に巻き込まれるケースが後を絶ちません。

そこで、フィルタリングを徹底するため、事業者にはフィルタリングの必要性などを店頭で説明することを義務付け、保護者には青少年の携帯電話のフィルタリングを一定の理由がなければ解除できないことなどを規定します。

生活習慣の乱れなどへの対応

フィルタリングをすり抜ける有害サイトも存在し、また携帯電話の使いすぎによる就寝時間の深夜化も指摘されています。このため、事業者に対して、サイト閲覧自体に一定の制限を設ける機能や、年齢に応じた機種の活用について説明することを義務付けます。

取組の進め方について

携帯電話の弊害への対策は、県の取組だけでは大きな効果は得られません。そこで、近隣の都県や携帯電話事業者と協力して、フィルタリングの徹底などに取り組みます。

(5) 関係者の協力関係

(ア)青少年指導員

各地域において青少年健全育成活動を行う青少年指導員の委嘱や活動の根拠を明らかにし、併せて、この条例に違反している店舗について、知事に立入調査や指導を行うよう要請できることとします

(イ)青少年の立ち直り支援

非行青少年等の立ち直り支援の取組を促進するため、家庭、学校、地域、警察等の連携の推進について定めます。

背景・考え方 ~(5) 関係者の協力関係~

青少年指導員

県内では5,000人以上の青少年指導員の方々がさまざまな青少年健全育成活動をしています。こうした方々の委嘱や活動根拠を条例で定めることで、活動の広がりを支援します。

青少年の立ち直り支援

神奈川県は児童生徒の暴力行為や少年の非行事件が全国的にも多くなっています。次代を担う青少年の健全な成長を助けるため、関係者が協力してその立ち直りを支援します。



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