平成24年6月審議結果

掲載日:2018年3月23日
様式2-2

次の審議会等を下記のとおり開催した。

審議会等名称 神奈川県鳥獣総合対策協議会(平成24年度第1回)
開催日時 平成24年6月27日(水曜日)13時30分~15時30分
開催場所 神奈川自治会館 7階 701~702会議室
出席者

新堀豊彦、◎古田公人、羽山伸一、中村幸人、中村道也、岩田晴夫、○由良竜一、服部俊明、井上勇、坂井敏純
(◎は会長、○は副会長)

次回開催予定日 平成25年2月
問い合わせ先

自然環境保全課、担当者名 貝本

電話番号 045-210-4319

ファックス番号 045-210-8848

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下欄に掲載するもの
  • 議事録全文
要約した理由  
審議経過

平成24年度第1回神奈川県鳥獣総合対策協議会

 

【平成24年度神奈川県ニホンジカ保護管理事業実施計画について】

 事務局 資料説明 省略

 古田会長
第2次計画策定時の個体数推定値が16ページにございますように、3,700から4,500頭。今回が3,000から5,500頭、数字そのものがほとんど変わりありません。これは哺乳類の個体数の推定というものがいかに難しいかをあらわしているのです。11ページに0歳個体の体重の推移が11年ほどにわたって、図、表にあります。特にメスを見ていただきますと、明らかに体重が増加していっております。これは個体数調整と同時に植生の回復、食物条件の改善が進んでいるということを表しておりますので、この10年間の第1次、第2次の保護管理計画は目にはあまり見えませんけれども、確実に成果を現してきているのではないかな、と受け止めております。もう1点気になることは平成22年度、23年度、400頭という自然植生回復目的の管理捕獲目的を出して、なかなかそれが達成できなかった。特に今年は750頭という数値を掲げておりますし、被害軽減目的についても、こちらのほうは今まで大体目的に近い捕獲を行ってきたんですけど、これについても今年度は数値が非常に大きくなっております。捕獲に携わってくださる方々に一層のご努力をお願いせざるを得ない、ということだろうと思いますけど、その辺りをどうぞよろしくお願い致したいと思います。それではここで先ほど説明してくださいました、今年度のニホンジカ保護管理事業の実施計画案についてのご意見、ご質問をいただきたいと思います。よろしくお願いします。

 新堀委員
今のお話を承っておりまして、毎回感じておりますが、私もかつては鉄砲撃ちを散々やった一員でございまして、猟友会にも入ったことがあるんですが、実際に猟友会の皆さん方がこの数字を見ておられて、どうなのかなと、つまりもっとやれるのかやれないのか猟友会さん自体も大変ではないかと。実際に行って私ども若いうちはかなり奥深くまで入ったわけですけども、猟友会さんの平均年齢も随分上がっているように思いますし、若い方があまり鉄砲撃ちをしないという状況もございますので、これからますますそういう状況が厳しくなっていくのではないかというふうに予想されるわけですね。ですから猟友会さんだけに過重の負担を課すということは本当に大変だと思いますので、レンジャーをもう少し活用するか、数を増やすか、これは予算上の問題がかかってくるからそう簡単にはいかないと思いますが、専門的にそれをやらないと、頭数は減ってこないのではないかという感じが、ここ数年見ていて感じますね。現実に難しい要素をたくさん抱えていることは百も承知でございますので、どうしたらよいかという工夫を根本的に考える必要があるのではないかと。しかし名案がこちらもあるかというとないわけで、ちょっと想像しても難しい。過去の経験におきましても、実際に高いところに行ってやるのは相当厳しいので、せいぜい玄倉渓谷あたりでやるのが普通にいける限界であってですね、それ以上奥に入るのは大変だし、容易ではないと思っております。これから先これ以上増えたら山として、森林として、あるいは水源地域としての問題がさらに起こってくると思うので、かなりシカの問題というのは県の全体的な水源環境地域としての問題を含んでいると思いますので、これは水源環境保全課の方ともう少し関係を強めていただいて、予算を多くとって対応するような努力が必要であるのではないかと感じております。猟友会さんも大変だと思いますので、毎回おいでいただいて大変だと思いますけど、どのくらいがんばれるのかそれを目標数字として出てくる可能性があるのかどうか、ここで決めたものと猟友会さんとの間でどのくらいの話し合いをしてお願いをしているのか、その辺のところを聞かせていただけるとありがたいと思います。

古田会長 
いかがでしょうか。

井上委員
今のお話の中にありました猟友会として今までいろいろとやってきたわけですけど、猟友会そのものが年々年齢が高齢化して非常に大物をやる人の確保が難しい、というのが現状だと思います。それと同じ第一種免許を持っているのですが、鳥をやる人というのがほとんど大物をやっていただけない。私は伊勢佐木猟友会に籍を置いているのですが、鳥をやるのが半分以上、大物をやる人は私を入れて3人くらいです。その人たちもほとんど60過ぎの人ばかりだということで、これからその辺のところを先ほども出ておりましたけども、若い人をいかに育てて、若い人がいかに大物をやってくれる人を育てるかというのが、まず第一の問題点かなと思っております。あと5年もすると今大物をやっている人はできなくなるのではないかと考えております。それからもう1点、若い人をいかに育てるかというのも非常に大切なことですけど、管理捕獲そのものが水曜と土曜だけなのですね、今やっているのが。そうしますと、若い方というのはお勤めをしているということがありますし、結局その人たちを山に連れて行って 現状に慣れてもらおうと思っても、その度に休んで出ていただけるということが難しいということです。神奈川県猟友会としては積極的に県の事業に参加をしなければいけないということと、もう1点は猟友会自体が高齢化しているということに尽きると私は思っています。後5年くらいはなんとかいけるかなという気がするのですが、なかなかその辺のところの現状はうまくいかないということだと思いますので、よろしくお願いします。

新堀委員
年代的には20代30代という人はあまりいないのではないですか。

井上委員
ほとんどいないですね

古田会長 
捕獲の担い手の育成というのは、実は第1次の保護管理計画の時からの課題でありまして、事務局の方からお二方のご意見を踏まえて何かございませんでしょうか。

事務局
この問題につきましては、他県との情報交換の中での一番の課題でございまして、結論から申しますとすぐにというものがなくて、今いかに銃を使わないわなによる捕獲を推進するというところと、新たにワイルドライフレンジャーなどによって高いところで銃を使わない方法の検討を始めたところです。そういう意味も含めましてシカの計画につきましては第3次計画では先ほど後5年という話がございましたけども、ここ2年くらいで高い圧をかけて、できるだけ全体の生息数を少し減少させていきたい、という意気込みを持っております。

新堀委員 
端的ですね。中村(道也)さんはある程度シカがいることは望ましいわけですよね。実際に山へ入るチャンスが減ってきましたから現状がよくわからないのだけれども、実際の現状を役所としては、人の動きだけではなく、現場を直接的に見ていらっしゃるかどうかということですよね。どういう被害が起こっていてその範囲内が果たして、猟をやっていらっしゃる方々にとって(シカが)逃げやすい場所であるかとどうかと、問題や重点的にそこをどうするかということを直接的に役所のほうでどのくらい把握されているかということをお聞きしたい。

自然環境保全センター
端的に言って標高の高い、ミヤマクマザサがあるようなところは春先に行くとシカの糞が多いです。先ほどの説明の中にありましたけれども、局所的に捕獲の及びにくい場所ができています。例えば林道が台風災害で通行止めになっているとか、隣接県との関係があるかもしれないですが、そういう場所が急速に植生の退行しています。一方では先ほど説明ありましてたけれども、捕獲圧を継続的にかけてきたところで植生の変化というのは非常に遅いのですが、遅いながらも見た目の覆われ具合と、若干種類の変化も少し見えつつあります。一番最初に古田先生からお話があったように、捕獲を実施してきたことについてそれの効果が出ています。さらにそれを効率的に効果的にしかも安全に皆様のご協力いただきながら実施していこうと思っております。

古田会長
ありがとうございました。今日はまだサルのほうの問題もありますし、あまりシカばかり時間とれないのですけど、是非・・・

坂井委員
平成22年9月の台風9号によって世附猟区に至る国有林の林道が被災し、現在、復旧工事中です。山北町浅瀬からのルートについては、復旧にまだまだ時間がかかるため通行できないのですが、静岡県小山町側の明神峠から世附猟区に入るルートの林道は今年3月までに復旧しましたので、山北町では休猟にしていた猟区を今年は部分開放する方向で検討中とうかがっております。
シカの管理捕獲につきましては、神奈川県、自然環境保全センターとよく連携していきたいと考えております。世附猟区付近では最近、よくシカの群れを見かけます。冬の間もよく見かけましたし、春になっても同様です。林道を走行するだけで毎回4頭~10頭の群れが林道を歩いているのに出会うといった状況になっています。森林の植生については現在のところ東丹沢のように食べ尽くされるところまではいっていませんが、このままでは世附地区の森林の植生も危なくなるのではとの危機感をもっていますので、神奈川県が進める対策と連携し協力していきたいと思います。

服部委員
捕獲の先ほどの続きになると思うんですけど、長期的には担い手の育成だとかが必要になると思いますけれど、実際に県庁の方からありましたけども、24年度の捕獲頭数が増加しているということで、実行可能なのかと疑問があるのです。その方法としてひとつは、一人一日あたりの捕獲制限をなくしたということと、それから猟区以外の捕獲期間を2週間伸ばしたということで、果たしてこれだけの頭数を捕獲できるのかどうなのか、どういう体制でどのような方法で目標を達成しようとしているのかをお伺いをしたいというのが1点です。もうひとつは、生息環境管理は人工林が非常に多いわけですけど、そういった森林整備と管理捕獲との連携、具体的に誰とどこでどのように連携をしていこうとしているのか、その点をお聞かせいただければと思います。

自然環境保全センター
確かに私たちもたじろぐような計画数字になっております。これは実際のデータから計画を達成するために、特に計画初期に捕獲圧を強めにかけるために設定した数字です。必ずいけるかというと自然環境のことですので(不明です)。 一応これを実行するための手立てとして、今年度秋以降になりますが、管理捕獲については2班体制で、猟友会の皆様に多大なご協力をいただいて、新しい捕獲地を、特に水源地域の水源林整備地域及びその周辺に設定してやっていくということです。ただ難しい問題がありまして、実施場所等は調整中です。生息環境整備の基盤づくりのための森林整備との連携ですけれども、保全センターは幸いなことにシカの管理捕獲を実行する部門と、水源林の整備、あるいは県有林の整備を計画立てコントロールする部門と一体化されております。その中で現場を実際に担当している者と現地見ながら、単純に水源地域の周辺で管理捕獲をかけるというだけでなく、新しい手法についてワイルドライフレンジャーも来ていますので、保全センターの総合力を生かして新しいことにチャレンジして、具体的な連携を進めてきたいと思っております。その中身については、(現在、)水源林管理の実行可能な場所が見えてきたということで、これから実施していく予定です。

中村(道)委員
先ほど新堀先生からもあるいは猟友会の方からもお話ありましたが、狩猟の担い手の減少というのは、今後も、歯止めがかからず減少していくと思います。最近の若い子は、魚釣りでも釣った魚を放すんですね。そういう考え方とかは、周りから教育されているわけでなくても、若い人はそういう意識が強くなっています。やはり今後は捕獲手法を見直していく必要があるのではないか、今のような組猟とかそういったやりかただけではなくて、例えば高齢化する猟友会に依存する捕獲地は、標高の低い地域での被害対策や林道を利用しての管理捕獲をお願いし、高標高地では、例えば林業の伐採地とか植生回復柵等を利用しての管理手法というのがあるのではないかと思うのです。そういう、より効果的な管理の方法というのも考えていく必要があるのではないかなと思います。以前から思っているのですが、丹沢の場合は土日の利用者が非常に多いですね。他の地域の八ヶ岳とか北アルプスとかの山小屋の人がうらやましがるほど、土曜日曜に限らずウィークデーでも、ヤビツ峠の朝のバスに臨時バスが出るくらい、ウィークデーでも登山者が多い。そういうところで将来に渡り、管理捕獲を実施していくためには、もっと県民にわかりやすい周知が必要だと思います。私の住んでいる地域で管理捕獲をかなり強くやっています。場所によってはかなり植生が回復しています。植生の回復というのは一般的に言われます生物多様性であるとか、神奈川県が進めている水源涵養機能の向上に直接的に関わってくるだろうと。そういうものをもっと分かりやすい形で県民に周知することがなぜできないのかな、と思います。それをきちっと説明した上で管理捕獲の必要性というものを県民に訴えていけば、様々な手法、様々な地域で、管理捕獲を実施することができると思うのです。それから細かいことで大変恐縮ですが、生息環境整備の基盤づくりとしての管理捕獲、26ページの人工林を前提としたような地域での管理捕獲が書いてあるのですが、人工林は所有者によっては人工林の中で銃猟をすることを嫌う人がいます。(材に)弾が入るので。そういうところでは、最初に言いましたような柵をある程度の面積で皆伐をして、植生を回復させたうえで、柵を作ってそこに誘導して撃つなど、所有者からの理解も必要ではないかという気がしました。最後で恐縮なのですが、植生の回復状況のモニタリングにあわせてですね、イベントで管理捕獲の必要性を訴えると書いてあるんですが、これはやめたほうがいいと思います。例えば子供たちが大勢いるところで、管理捕獲の話をしてその小学生が学校に帰って管理捕獲の話をしたら気持ち悪いですよね。私はどちらかというと、子供たちに野生動物の命の大切さを教えたほうがいいと思います。以前ここで最初のころお話したのですが、私の友人が秦野で農家をしているのですが、そこで「おじいちゃんと孫が仲違いした」という話をしたことがあります。それはおじいちゃんが被害状況を農協に報告したわけです。農協に報告したら、そこに有害駆除が入ってきたわけです。そうしたら、そこのうちの孫は、「おじいちゃんが農協に被害報告を出したから、あのシカが殺された」と言っておじいちゃんと口をきかなくなってしまった。で、おじいちゃんは翌年からそれを取り下げたのですね。取り下げたら仲直りした。農家の人達というのは体験で生活の中からいろいろなことを学んでいるわけですね。例えば、厚木の農家の友人のところで子供がシカに石をぶつけるわけです。そうするとお父さんとお母さんが「シカだって食べるものがないからしょうがないだろう」と言うと、子供は「おじいちゃんがせっかく作った野菜を食べるからだ」と。そうするとおじいちゃんはその孫をかわいくてしょうがない。そういう風に生活の中から出てくる話であれば、イベントで話をしてもいいと思うのですが、イベントで私たちがそういう風に子供たちに話をするだけの材料は持ち合わせていない、そういうところではあえて話をする必要はない。

古田会長
進行表が金科玉条ではないですけど・・・遅れております。

 羽山委員
質問させてください。27ページで(6)イの被害防除対策の真ん中で、鳥獣被害対策支援チームというのが出てきているのですけども、これはシカだけに特化しているということなのですか。サルのほうの対策に書かれていないので。そのあたり説明をお願いします。

事務局
鳥獣対策支援チームにつきましては、特にシカに特化したものではございません。それぞれその地域によって、対象とする鳥獣が異なりますので、地域によってはシカを対象にしているところもありますし、サルを対象にしているところもあります。

羽山委員
サルの方にこれを追加するということですか。

事務局
サルの説明のほうが済んでおりませんのですが、ご指摘があったとおりシカの方には支援チームの記載がございますが、サルについては記載が抜けておりますので、記載を加えさせていただきます。

羽山委員
他の県でもいろいろ似たようなものを作られて、今、流行っているやり方なのですが、肝心なのはいろいろな部局が関わってきていて、結果的に縦割りでうまくいかないということがよくあるものですから、チームリーダーまとめ役の方、推進役の方がそれなりの方で、特に農政関係の知識を持たれた技術者の方、これが非常に重要な牽引役になると思いますので、チームの作り方について、ご検討いただきたいと思います。

中村(幸)委員
先ほど会長から個体群の質がだいぶ改善されてきて、モニタリングでも管理捕獲が始まってから、数がようやく減ってきたことがわかってきたのかなと思っていたのですが、実際、先ほどの生息数の数値が、5500頭を上限値として捕獲したと。それから捕獲の数が2669頭計上されているわけでありまして、実際、それまでなかった稜線のところの植生劣化が進んできているのか、あるいは水源林の間伐したところの、折角生えてきた林床植生が下に流れるということで、分散してシカが悪さをするようになってきているのかなと。頭を掠めたのでありますが、その実態を知りたいということです。おそらくシカのハビタットを整理して、ハビタットに応じたシカの捕獲のやり方、ハビタットに応じた指標、植生の評価の仕方があってしかるべきと考えております。いかがでしょうか。

自然環境保全センター
おっしゃる通りと思います。いままでも工夫がなかったわけではないのですが、これまで猟友会さんでやっていただいていた組猟というのが一番効率のいいやり方で、その手法は引き続きやっていきますけれども、高標高で植生劣化の進んでいく一方で植生保護柵の設置が進んでです。柵内外の差が大きくなっているところはそれを使った捕獲ですとか、それから場所によってはなかなか銃が使いにくい場所がありまして、そういう場所は市町村等でも努力は進んでいますが、わなを使った捕獲、錯誤捕獲の問題あるので十分に注意しながら、積極的に使っていきたいと思っております。丹沢は比較的植生の分析が進んでいるほうだと思いますので、それを十分活かして、まだ実施していなかったことも試しながら進めていきたいと思っております。中村委員からもお話あった、森林整備の伐採との連携というのも可能であればやっていきたいと思っております。

岩田委員
単年度の事業実施計画で、全体的な最終的な中長期的な目標みたいのが見えません。どこかで明確になっていないと。例えばそのためには、根底になっている個体数の問題があります。 大変難しいということもあると思うのですが、例えばシュミュレーションをいろいろされていますが、モニタリングとシュミュレーションの手法関係をどうするのか、を明確にしないと一般の人からわかりづらいのでは。昨年度の実施結果と課題の、それに対する文章にしなくてもいいのですが、どうするかというのはもう少し明確にしてもらわないと一般の人からわかりにくいと。それが難しい点はわかるのですが、昨年度の実施結果をいただいたのですけど、それに対する結果をそれでよしとするのか、どの程度不足だったのか。個体数でいくとそれでよいのか非常に不安になります。毎年毎年、防護柵自体が有効なのは現地視察させていただいたときに感じたのですが総延長でどれくらい必要なのか、最終的なイメージがなかなか湧いてこないのですが、それをどういうふうに考えられているのか。中村道也先生の方からお話ありましたけども、今、対処療法的に個体数を管理する、かなり集中して計画を練られているけれども、例えばある程度のところまで植生が回復した場合には、個体密度をある程度高めに設定して維持管理することは当然考えられると思うので、その辺の手法をもう少し広範囲に、柔軟に考えられたらどうかなと思います。審議会のときにお話したように、鳥の行動をうまく利用してスポット的に防護柵を設置して、そこからシカの餌になるような自然発生的に増えていくような、特に急傾斜地には有効だと思いますが、そういった手法を導入するとか、もう少し再検討されたらどうかな、と思います。

古田会長

事務局の方からいかがでしょう

事務局
全体計画につきましては第3次のニホンジカ保護管理計画にあります。本件は、それの実施計画としての位置づけになっております。第3次の計画につきましては、ここに記載されていますように、個体数のベースを、先ほどお示しした3300から5500頭という数字の中で、前計画の中で密度の大幅な増加は見られないものの、個体数の低下は見られないということで、強化をするという方針の下で、これまでの考え方を進めてまいります。それから分布の拡大についてもしっかりと抑制していく方向を示しております。基本計画を定めた中で、この計画を書いております。それから実績の評価でございますが、ご指摘の通りなかなか捕獲が思うように進んでないということを踏まえまして、ワイルドライフレンジャーだとかそういった捕獲の強化のための施策を今回入れて、なるべく計画に基づいた形で達成できるように進めていく考え方で、計画を作成したところでございます。それから防護柵でございますが、林業地帯での防護柵というのは平成13年ぐらいまで過去30年間くらい700キロくらい総延長で設置していますが、その当時は林業、造林が盛んだったということで、かなりの総延長距離が伸びてきましたが、最近は実績にもありましたように、10キロメートル以下ということで非常に少なくなっております。今後それほど拡大する見込みはございません。ただし山稜部および山麓部の、自然植生の被害についてはまだ密度が十分に低減できておりませんので、今後も現在あるシカ柵、植生保護柵の維持管理をしっかりしていく必要があると考えております。必要に応じては、一部西丹沢の方にも植生の劣化は進んでおりますので、現地を確認しながら必要に応じてシカ柵を作っていきたいと考えております。その際はご指摘にありますように、植生保護柵内に苗木等を植えるということではなく、鳥等の自然の播種を使った植生回復を使っていきたいと考えております。それから山麓部につきましては農業被害がまだ十分に防げておりませんので、市町村等が主体となって、必要な柵を作っていただいて進めていただきます。これに関しては県も補助はしてまいりますし、市町村等に維持管理が非常に重要ですので、そういったものをお願いしていきます。まだちょっとこの資料にありますように、思ったほど十分に至らせない部分もありますので、将来的には密度が下がっていければ、ある程度減らしていけると。引き続き柵については必要に応じて設置していきます。ただ、具体的な数字についてはそれぞれ個別に実施されるものありますので、不明な部分もありますが、県で実施している分については、計画を持って進めていきたいと思います。以上ですが、御理解をお願いします。

岩田委員
17ページですが、昨年度400頭に対して250頭しか捕れなくて、今年度750頭を設定しているのですけど、たぶんこれが実現されるのはかなり難しいのではないかという気がします。例えば本当に750頭捕れたとして、最終的5tとか、かなりの死体を処理することになると思うのですけど、そのシカの比重がどれだけになるかわからないけども、本当にそれを実現しようと思ったら最初に処分のことも考えなくてはと思うので。産業ができるのであれば、ひとつの手法として考えられるかもしれないし、あるいは先ほどから出ている従事者が非常に足りないというのは根本的にわかっていることであって、それをずっと放置しているわけですので、専従者をどれだけ確保するか、もう少し踏み込んで考えないと、5年たっても10年たっても同じことやっていると思います。もう一度検討していただければと思います。

事務局
個体数の達成できなかったことにつきましては、今年は、多少目標に近づけて考えておりますが、狩猟の担い手の高齢化がありますので、引き続き達成というような形での対策を進めてまいりたいと考えております。肉の利用については、検討等を別の課で行っておりますが、ここでは有効な利用として検討していきたいと考えております。

古田会長
ありがとうございました。よろしければシカのほうこのくらいにしたいと思いますので、議題1につきましてはこの程度にしたいと思います。

 

【平成24年度ニホンザル保護管理事業実施計画について】

 事務局 資料説明 省略

羽山委員
実施計画案については、今ご説明のとおりなのですが、今年度は第三次計画の初年度に当たります。第三次計画から大きく二つの対策方針を打ち出しましたので、その二点につきまして、実施計画の課題を補足させていただきます。 まず一点目は、サルの場合はシカと違って、個体数の管理ではなく、群れの数を安定化させる管理が重要とされています。第三次計画からはこれを大胆に打ち出すことにしております。これまで説明ありましたとおり、神奈川県には地域個体群が三つあります。そのうち西湘については、神奈川県のレッドデーターブックに記載されている絶滅の恐れがある地域個体群ということで、個体数も年々減少傾向にある。群れ数も平成21年から一群れ減ってしまいました。この現状をなんとか食い止めなければいけないので、西湘の管理は難しい局面になっています。数を減らせない中で人身被害などを防いでいかなければなりません。かなりきめ細やかな監視活動、追い上げ活動が必要になるので、その体制をどう維持するか引き続き重要になってきます。
一方で、丹沢の方は、個体数は年々回復しておりますが、途中で分派分裂によって、集団や分裂群が増加しています。これ以上群れ数が増えていくと、管理の限界に達するので、平成18年段階、つまり第二次計画当初の群れ数を基準として、新たに分裂したものについては、群れの条件も含めて検討していきたい、という方針でやっております。南秋川、これは東京と隣接した地域ですが、東京都側に非常に大きな個体群の広がりになります。個体数そのものは特に問題ありませんが、K1,K2、それからK3も危険水準に達しています。これ以上増えるといつ分裂してもおかしくないので、積極的に捕獲を第二次計画の段階から進めていますが、残念ながら捕獲が進まない。捕獲できないという技術的な問題もあります。緊急性が非常に高いので、今年度平成24年度事業では特に捕獲を積極的にやっていく必要があるという課題があります。
二点目の対策方針ですが、従来のサル対策は、群れを山に帰していくということで、生息状況の把握というのは、神奈川県は他県に例がない程詳細に調査されています。一方で、被害の発生状況、対策の実施状況との関連が、視覚化されていないので、作戦が立てにくいという問題点があります。今年度からこれらの情報を地図化して、地図を基に関係する実務者や住民の方と協力しながら対策を詰めていく手法を導入することになっております。資料の一番後ろの3枚の地図があります。あくまでもスタート段階ですが、それぞれの群れごとに、様々な情報をマップ化しまして、これを基にどこに群れを追い上げていくのか、どこに電気柵を張るのが効果的なのか、毎年、年次事業の中で検討し進めて、その結果の効果検証も併せてやっていく対策の方針にしております。当然いろいろな部局あるいは県、市町、住民の方、立場の違う方々が参加するので、一体となった体制を構築しないとなかなかこの対策は進みません。特にこの地図のスケールは、マクロ的には分かりやすいですが、実際には圃場単位で管理状況や被害状況を見ていく必要があります。マクロからミクロまでの様々なスケールで情報を分析していかないと効果的な対策に結びつかないので、一番効率的に電子化してGISベースで情報を管理していくと、人事異動があっても情報の継続性も担保されます。そういったソフトや技術、人材育成がカギになるので、この点について県のご支援がますます必要になります。逆にそれ無しにはこの対策はなかなか進まないと思います。以上です。

 古田会長
ありがとうございました。ただ今羽山委員及び事務局から説明いただいた内容についてご検討をお願いいたします。ご意見等ございましたら、お願いいたします。

 岩田委員
二点教えていただきたいのですが、たぶんサルはかなり捕獲が難しいと思いますが、どのように捕獲されるのが効果的なのかということと、2ページにマイクロチップを装着後、学習放獣と書いてあるが、学習放獣が具体的にどういうことをしてどの程度効果があるのか。それから、個体群を見ると、例えば8ページのところで、S群・P1群が被害レベルが高めであると。P1群を見てみると、個体数が、平成15年30頭だったのが、一方で先ほどの8ページの加害レベルが若干上がっている訳で、何かいろいろな事をやったことによって、多少凶暴になってしまったのでは、という疑問点がひとつあります。それからもう一点は、12ページのところで、P1群は今年度の計画数で7頭となっています。6ページでは13頭しかいないので、非常に激減するが群れとしての維持はこれで十分なのでしょうか。

事務局
サルの捕獲ついては基本的に罠による捕獲をやっております。学習については、おしおきをして山に帰すということですが、詳しくは担当から説明いたします。

事務局
捕獲方法については、罠での捕獲をしております。サルについては、知識が高いという情報がありますが、実際は群れの中でひとつの地点に2~3機の罠を設置しても、例えば隣の罠に一頭同じ群れの個体が入っても、やはりエサがあればその隣の罠に入るという状況があります。罠として認識していないので、箱罠での捕獲で計画数を達成しているという状況にあります。二点目の学習放獣の効果についてですが、マイクロチップを装着した個体については、平成21年度から装着を継続しておりますが、昨年度は放獣したオトナメスのうち半数程が再捕獲個体であったので、平成24年度の計画にありますとおり、12ページの上、マイクロチップを装着した個体であっても、何年間か個体数調査を継続したことによって、昨年度は放獣数の半数が再捕獲個体であったので、三行目にあるように、そのような個体やオトナメスに対しても、試験的な捕獲を実施することとしております。三点目の加害レベルの件ですが、P1群の加害レベルの変化については、8ページの表5に平成19年に4から5になっておりますが、平成18年度までは比較的市街地と周辺隣地を生息域としておりました。平成19年度以降、特に市街地の出没割合が増えてきた事があり、頭数は減っています。加害レベルは高くなっているという状況です。P1群の今年度7頭の捕獲については、11ページの(2)のアの西湘地域個体群の記載の三行目、「なお、個体数および群れ数が減少しているため、群れの維持に関わると考えられる個体については、原則として学習放獣を検討、実施する」としております。個体数調整の実施の要件の中では、対象個体は7頭となりますが、実際に被害を出している個体は特定の個体が多いです。全体と言うよりは、特にオスが多く、そのような個体を捕獲することはありますが、その他の群れの維持に関わるようなメス個体は、学習放獣等で対応することを検討しています。以上です。

岩田委員
学習放獣の仕方について気になったのですが、人間でもおとなしい人もいれば、活発な人もいるが、学習の仕方によっては、逆に凶暴化させているのではないかと危惧しています。どうしても問題を起こすものについては、駆除することもやむを得ないが、駆除一辺倒ではなく、ここではなく、向こうにいってほしいということが伝わるような手法を考えられたほうが、現実にその凶暴性が若干増える傾向があるのが気になったので、ぜひご検討ください。

 古田会長
学習放獣した個体の追跡調査はどのようにしていますか。

事務局
実際の個体数調整等で捕獲された個体の場合は、個体の記録表というものを記入していただいており、サルは、他のシカ・イノシシよりも個体識別がしやすい動物なので、外見や歯式、外見上の特徴、耳が切れている、指が欠損している等の特徴を全て記録して、その記録をもとに、例えば捕獲された個体が既に学習放獣された個体なのか、そうでないのか把握しております。再捕獲された個体であれば、前回の学習放獣の方法を確認して、違う方法で学習を試みる、という形で対応しております。

古田会長
放獣されてから再捕獲されるまでの行動は、ブラックボックスなのですか?

事務局
群れで追跡しています。基本的にニホンザルは檻に捕獲されること自体でかなり警戒心があるので、放獣された個体については、檻を設置した場所に近寄らない、群れ自体が近寄らないという行動については把握しております。

中村(幸)委員
羽山委員にお聞きしたいのですが、食性との関係について知りたいと思っています。西湘地域の個体群はどんどん減って、南秋川地域は増えている。これはどうしてなのか教えていただきたい。生息環境としての森林と関係あるのか、人との関係が強いのか、食性との関係があるのなら、どのようなことが考えられるのか教えていただきたい。

羽山委員
この点については、部会でもここ何年も前から議論になっているところで、減少要因が正確に把握されておりません。例えば、交通事故が非常に多発しやすい地域なので、そのことも考えられます。捕獲も実施してきたので、捕獲した分も減っている可能性もあります。もともと小さな集団ですので、数頭減れば大幅な減少になるので、そういったものが見えやすくなっている状況であると思いますが、これ以上数が減っていくようであれば、当然詳細な調査が必要になってくると思います。食性との関連は基本的にないと思います。えさの条件としては悪くありません。

井上委員
県の方に聞きたいのですが、その中に個体群はいろいろわかっていると思うのですが、サルの場合は交雑がだいぶ進んでいると聞いているし、そのようにも見ています。捕獲したサルの中に交雑をして、台湾ザルが入っているものがどのくらいあるのか数をわかっていますか。わかっていれば教えていただきたい。

事務局
基本的に神奈川県内で、外来のサルが放獣されたり、野生下で確認されたことはございませんので、県内では今のところ交雑の事実は確認しておりません。

岩田委員
先ほどの関連性をご説明していただいた中で、箱罠を仕掛けたときに、一回捕まった所には近寄らない、ということは、箱罠を見て近寄らないのか、何か環境的に学習してそこに近寄らないと考えれば良いのか。

事務局
どちらの要因もあると思いますが、10ページをご覧ください。これまでの、いろいろな地域の追い払いや、サルの対策手法の研究から、10ページのアの市町村の取組の(ア)の追い払い・追い上げの西湘地域においては、という所に、今年度住宅地に近い泊まり場を無くし、山へ追い払うという記載があります。今、岩田委員のご指摘の通り、サルについては、かなり場所を覚えると思います。季節的にエサを求めて動くこともありますので、場所に対しての認識や、警戒心を植え付けることが有効手法であると思います。箱罠に関する警戒心や忌避行為は様々で、特に個体数調整対象の群れの90~100頭近い群れになると、実際箱罠の周囲に出没するのは、多くてそのうちの半数程度ですので、その特定の個体が箱罠に入って、学習放獣された場合、その個体自体はその場所に近づかなくなります。個体数調整を進めて、学習放獣も平行して行っている群れだと、群れの出没頭数等が減少しているとうこともありますが、それ自体が学習放獣された場所を覚えているのか、箱罠自体を警戒しているのかというところは定かではありません。再捕獲個体がいるところを見ますと、エサがあれば、箱罠があっても、また入ってしまうということは考えられます。

古田会長
ニホンザルの場合、個体数の増加を自然界で制御する要因はどういうものかわかりますか?

羽山委員
サルの場合は基本的に30年近く生きますので、性成熟年齢が5~6歳で、しかも隔年出産です。基本的に子供に対して非常にエネルギーを使いますので、秋口が交尾期になりますが、夏場からこの時期の間に、どれ位脂肪を蓄えられるか、という事で、妊娠できるかできないかが決まってくるので、その時期のエサ条件が大きい。それから冬を越す時の雪とかの条件によって、特に若年の個体は大雪の年は、春先死にますので、その事で調整されていると思います。

古田会長
ご質問が無いようなら、議題2は終わらせていただきます。議題2はそれ程修正は無いと思いますが、議題1は必要に応じてもし修正をなさることがあれば、その修正は議長一任という事で承認させていただいてよろしいでしょうか。それではそのようにさせていただきます。

古田会長
次に、報告事項に移ります。平成24年度鳥獣保護管理に関する予算について、事務局から説明をお願いいたします。

 

【平成24年度鳥獣保護管理に関する予算について】

事務局
お手元にお配りしております資料3をご覧ください。今年度平成24年度鳥獣保護管理に関する予算について、基本的にこの表に載せているものは、自然環境保全課が計上しております一般財源での予算です。総額では、前年よりも少し減りまして、251,887千円となっております。予算については、1.の特定鳥獣(ニホンジカ・ニホンザル)保護管理の推進でございます。これにつきましては、若干予算が減っておりますが、後程説明する別枠予算の方に、一部振り替わっております。あとは、対策の推進では、技術的支援と財政的支援に分けております。技術的支援については、鳥獣被害防除対策専門員の配置の経費や、各種の鳥獣被害対策のモデル事業の実施などがあります。財政的支援については、市町村の事業に対する費用の1月2日の助成を行なっております。その他、ヤマビルに対しては1月3日の補助、その下の鳥獣被害防止特別措置事業費補助は、全額国からの交付金を、県経由で市町村に交付しております。裏面、鳥獣保護と狩猟の適正化については、狩猟免許等の事務など、本協議会の開催経費などです。下の中高標高域ニホンジカ管理捕獲等事業は、自然環境保全センターで予算計上している経費で、全額水源環境保全税を財源とする事業です。平成24年度はこの経費で、先程説明した、山稜部での新たな捕獲や水源林内でのニホンジカの新たな管理捕獲、更に担い手であるワイルドレンジャー三名の派遣経費などを計上しております。簡単ではございますが、平成24年度の予算についての説明を終わります。

古田会長
ぜひお伺いしたことがありましたら。

中村(道)委員
1番の「水源林整備と連携した捕獲を実施する」と書いてありますが、私は以前から考えていたことで、ぜひ進めていただきたいと思います。野生動物の関わりは、様々な面で森林整備が直接大きな関わりを持っていると思います。整備と捕獲の一体管理がますます重要になってくると思います。県有林はもちろん、水源の環境整備の様々な事業の計画設計の段階から詳細な協議を、もしされていれば歓迎しますけれども、もしまだそこまで踏み込んでいないなら、できれば計画段階から捕獲事業と森林整備事業を連携していっていただきたい。ぜひよろしくお願いいたします。

古田会長
今のご意見を参考に取り組んでいただければと思います。他によろしいでしょうか。では、本日の協議会の議題は以上でございますが、県や事務局から何かございますか。
以上をもちまして、平成24年度第1回神奈川県鳥獣総合対策協議会を閉会させていただきます。本日は長時間にわたりありがとうございました。

 

本文ここまで
県の重点施策
  • 未病の改善
  • ヘルスケア・ニューフロンティア
  • さがみロボット産業特区
  • 県西地域活性化プロジェクト
  • かながわスマートエネルギー計画
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