副知事からのメッセージ

掲載日:2019年5月7日

神奈川県職員を志す皆さんへ

副知事メッセージの様子

皆さんおはようございます。今、紹介のありました神奈川県の副知事の浅羽でございます。私は土木職として1980年に入り40年近く経っていますが、県土整備の基盤整備、都市計画、建築行政、そういうことにずっと関わってきました。私の経験を通してきた中で、皆さんにメッセージをお伝えできればと思っております。

皆さんは公務員になろうかなるまいか、または民間にするか、いろいろな事で進路を悩まれていると思います。私の考えるところを話したいと思います。

技術職の皆さんはどういう進路でいくかと言うと、公務員の中でも国家公務員もありますし、横浜市のような政令市もありますし、神奈川県というのもあります。それから民間のゼネコンというのも当然選択肢の中にはあろうかと思います。さらにはコンサルタントというのもありますね。大きくわけて3つの進路があると思っていますが、この3つの方向でどこへ行こうか。その違いを私なりに考えていることがありますので皆さんにお知らせしたいと思います。

まずコンサルタントであります。いろいろなデータを分析しながら、また、発注者の意図も汲み上げながら、例えば、橋を設計する。どんなタイプの橋にしましょうかという時にはいろいろなことを考えます。鉄の橋、コンクリートの橋、景観を重視してつり橋にしようとか、いろいろな事を考えます。コンサルタントというのは、私ども行政にいろいろな比較論を提案していただける。こういう場合にはこんな橋が良いんじゃないでしょうか。A案、B案、C案、中には10通りのいろいろなものがある、そういう比較論を提案していただける。それがコンサルタントの仕事ではないかなと思っております。

ゼネコンは何をやるかというと、決定された構造物を私たち公務員は作ってくださいと発注してお願いするわけですね。それをお願いした時に、いかに早く、いかに綺麗に仕上がりが良く、ゼネコンさんがもっている技術力を結集して、求められる水準をさらに高めていく、技術力を高めていく仕事。そういう仕事だと私は思っています。

我々公務員は何をやっているか。決定的に違うのは、公務員は決定権があるということです。判断しなくてはいけない。コンサルタントから比較検討されてきたもの、これについてこれでいこうという方針を示さなければならない。方針を示す時にいろいろな要素があります、もちろん予算的な制約もありますし、景観の問題もありますし、環境の問題もありますし、効果というものもありますし、我々は決定しなくてはいけない。

そこが3業種の中で一番異なることであります。ですから私はそこに非常に魅力を感じました。これは公務員になってからであります。公務員になるときはそういう事をあまり考えていませんでした。どちらかというと、ひょっとしたら安定しているかなとか、親が年をとってくると地域にいなきゃいけないからやっぱり公務員になろうかなとか、そんなおぼろげながらな話をしたことを覚えています。ただやはり、自分が経験してきてみると決定権があるということはやはり大きいなと、すごいやりがいがあるなということを覚えています。

一例を挙げますと、私は若い頃にトンネル工事を担当していたことがあるんですが、そのトンネルというのは非常に幅が狭いトンネルで、大型車のすれ違いもできないようなトンネルで、中には歩道もありませんでした。そのトンネルを大きくするか、のぼりとくだりがわかれているメガネトンネルにするか、そういう工事を担当したことがありました。

コンサルタントは案を持ってくるわけですね、その案は大きく分けて二通りありました。一つは今のトンネルを大きくして車線をつくり、歩道もつくり一つのトンネルで全部完結する形。

もう一つは、メガネのトンネル、もう一本脇にトンネルを抜こう。そうすると用地買収が非常にかかる。その時に我々が考えたのは、そのまま大きくするというトンネルでした。

ところが、大きくしようと思っても、今の現在のトンネルは交通が通っているんですね。この交通をどうしようか。迂回路をつくろうか、そうすると二車線のトンネルでありましたから、それをぐるっと回そうとすると、人家密集で細い道路しかありませんでしたから、ある道路を相当広げて国道レベルの道路整備をしないとできないんですね。

トンネルの脇には山の斜面がありました。緑がありました。その当時、緑の問題は政治的な話題にもなった年でもありました。緑を切るのは何事かと、住民の反対運動が起きました。

結局、住民説明会を2年近くやっていましたから、そんな毎日の繰り返しでした。その時に迂回路を二車線にするのは難しいかなと、一車線だけ通すことにしました。じゃあもう一車線どうするか。トンネルの中を通しながら工事することにしました。これは、はじめコンサルタントの提案にはなかった話です。交通を通す小さなトンネルをつくって、その上に機械が乗っかってトンネルを広げていく。こんな危険な提案はできません。我々はやはり公務員ですから、何かあったらまずいなと、そのときに助けてくれたのはゼネコンの技術力です。日本全国を探した時にそういうトンネル施工をやっている会社が一社だけありました。二年間の最後の最後で、住民説明会に臨んで、これでいきますと。反対の方もいらっしゃいましたけど、もうそこで決断をさせていただいて、やります。もう撤退しませんから。そんなことを言って帰ってきたことを覚えています。それでも反対派からは電話もかかってきました。本当にやるのか、何とかならんのか、そんな話が夜中にある。そんなこともありました。

何を言いたいかというと、そういう比較検討しながら決定権が行政にはある。そこを選択できる。これから先輩たちからいろいろな話があると思いますけれど、そういう中で神奈川というのはいろいろな現場があります。

山に、川に、海岸に、下水道もある。今日は建築の関係の皆さんも結構いらっしゃると思います。今、県営住宅をこの10年間に1000戸ペースで建て替えていこう、それもPFIをやっていこう。というのを今進めている最中であります。ただ、そういう場合においても、いろいろな話がありますけれど、最終的に決定するのは君たちなんです。あなたたちの感性が決めていく。これは間違いないと思いますので、そういう力があるということだけはまずは頭に入れておいていただければと思います。

政令市、国、県、この違いはなにか。国家公務員は全国レベルですね、いろいろなところへ転勤します。神奈川県の場合、原則、県外への転勤はありません。神奈川県の中の大体一時間半での出勤圏内。今そんな形で職場へ配置されますが、その中で技術の発揮する現場は、政令市の中では街中の工事がほとんどですけれど、神奈川県の場合には、森林もありますし環境対策もありますし建物もありますし山・川・海あらゆるものの現場があります。そんな中で皆さんの素晴らしい力を発揮していただければ一番ありがたいなと思っていますので、ぜひお待ちしていますので受けてください。

それから私の経験で話をしますと、私は20年前に育児休業をとりました。20年前ですよ。その当時は育児休業なんか取るんじゃないよと言われましたね。これからのキャリアに傷がつくなんて言われてね。そんなことを言われた時代でありました。ところがいざ取ってみました。取ってみたらなんと、男性ではじめて取ったとか技術屋ではじめて取ったとか話題になって、今度は取ったのが偉いみたいになって、地元の市から取材なんかもありました。

ちなみに私は子どもが4人いるんですけれども、4人目のときに育児休業をとりました。40歳くらいなのでかなり役職が上の時に取ったんですけれども、その時に妻も働いていましたから、妻は今までの3人の子どもで育児休業を取っていたんですね。ところが妻は一回も偉いなんてことは言われたことないんです。男性がとって偉いって言われるのに、なんで女性がとって偉いといわれないのか。それで少子高齢化がどうのこうのって言っているわけですね。その時非常に違和感を感じたことを覚えています。

そんなことがないように、今神奈川県では働き方改革というものを進めています。残業はゼロにしよう。早く皆で帰ろう、ワークライフバランスをとっていこう。その分、自分の時間をつくって教養を身につけたり、いろいろな体験をしたりして、それをまた仕事に生かしたり、県民目線というものに生かしていこう、こんな動きをしています。まだまだ道半ばであります。まだ県庁の中に変えたほうが良い風土がある、こう思っている職員が相当数を占めています。そういう方を一人でもなくす、ゼロにするというのが今、我々の目標です。皆さんがいきいきと仕事ができる、こんな職場を目指していきたいと思っていますので、是非皆さんの力を貸していただければと思います。

後、職員提案制度というのがありまして、昨日も職員提案をした方を知事から表彰したんですが、いろいろな自由なアイデアで、こんなことやったらいいんじゃないか、そういう事を提案する制度がありまして、大体が実現します。公務員の場合は、自分がやろうと若い頃思ったことは、必ず実現する。そういう意識をもってやっていくことが何より大事だと思っています。

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