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更新日:2018年8月27日

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第118回神奈川県総合計画審議会 審議結果

第118回神奈川県総合計画審議会の審議結果

次の審議会等を下記のとおり開催した。

 
審議会等名称 第118回神奈川県総合計画審議会
開催日時

平成27年11月26日(木曜日)13時30分から15時00分まで

開催場所 神奈川県庁新庁舎8階 議会大会議室
出席者

清家篤、○牛山久仁彦、○斎藤聖美、大賀圭治、関ふ佐子、川名和美、広瀬研吉、
渡辺真理、髙桑光雄、丸山善弘、大木洵人、いとう康宏、楠梨恵子、佐々木正行、
松崎淳、八木大二郎、山口貴裕 〔計17名〕(順不同)

次回開催予定日 未定

問い合わせ先

政策局政策部総合政策課計画グループ 大里
電話番号 045-210-3061(直通) 
ファックス番号 045-210-8819

審議経過(議事録)

(事務局が、委員数30名に対しこの時点で17名の出席を確認し、半数を超えるため審議会が成立する旨発言。)

1 開会
 清家会長:ただいまから、第118回神奈川県総合計画審議会を開会いたします。議事に入ります前に、本日、傍聴人が1名いらっしゃいます。当審議会は原則公開ですので、ここで入場していただきます。

2 議事
議題 「かながわグランドデザイン」の評価について
 清家会長: 本日の議題1といたしまして、「かながわグランドデザインの評価について」ご審議をお願いいたします。本年4月より当審議会におきましてご議論いただきました「かながわグランドデザイン 第2期実施計画」につきましては、7月22日に開催いたしました審議会においてご了承いただき、同日、答申をさせていただいたところでございます。皆さまにもご出席いただき、知事に手交させていただきました。県におかれては、新たに策定された第2期実施計画に基づき県政の推進を図っておられるところですが、今後は、計画がしっかりと進行管理され、評価されることが課題となってくることと思います。
答申にも書いてありますように、評価に基づく毎年度の改善がなされて初めて、計画の目標達成に向けての効率的・効果的な政策運営がなされることと思っておりますので、その評価手法について、しっかりと議論をし、我々の共通の理解の下で進めていただく必要がありますので、本日は皆様にご議論をいただきたいと考えているところです。
なお、この「進行管理(案)」、「評価報告書2015(仮称)様式(案)」につきましては、先日計画推進評価部会においてご議論をいただいております。そこで、審議に先立ちまして、部会での検討の内容につきまして部会長でもございます当審議会の牛山副会長からご報告していただきます。
それでは牛山副会長、よろしくお願いいたします。

 牛山副会長: 牛山でございます。よろしくお願いいたします。11月2日に開催いたしました総合計画審議会の部会に当たります計画推進評価部会での検討内容についてご報告させていただきます。先日の部会では、事務局から「かながわグランドデザインの進行管理について」ということと、「評価報告書様式(案)」が示されましたので、それについて議論をさせていただきました。従いまして、まず事務局からこの「かながわグランドデザインの進行管理について」等をご説明いただきまして、その後私から部会での議論をご紹介させていただきたいと思います。事務局からご説明よろしくお願いいたします。

( 事務局から資料および参考資料について説明 )

 牛山副会長: ありがとうございました。部会で行われました議論につきまして、私からご報告させていただきます。意見の概要につきましては、参考資料3に委員からいただいた意見をまとめておりますので、ご参照ください。それではお手数ですが、資料1「「かながわグランドデザイン」の進行管理について(案)」の5、6ページをご覧いただけますでしょうか。5ページ下から「評価の内容について」ということで、6ページ中段に「「県民ニーズの動向」の記載」という項目が記載されてございます。この部分につきましては、先ほど事務局から説明もございましたが、当初の事務局(案)では、「取組みが県民ニーズを踏まえたものであったかを検証するため、県民重要度を把握する必要がある。また県民の満足度が向上したかを測るため県民満足度を把握する必要がある。以上により、原則として、県民重要度・県民満足度の両方を記載する。」というような記載となっておりました。そうしたところ、委員からは「県民ニーズ調査は、回答者を無作為抽出しているため、ある施策についての満足度を回答していたとしても、必ずしも施策の当事者が対象者となっているとは限らない。」つまり、自分の関係ないことについて回答している場合があるのではないか、ということです。「施策の当事者と関係のない人とでは、施策の受け止め方が異なるため、県民満足度調査の結果を記載するのは難しく、どれだけ意味があるのか疑問である。」といったご意見をいただきました。さらに「全てのプロジェクトについて一概に満足度調査と重要度調査を記載する、しないという議論を行うよりも、プロジェクトごとに個別に判断して適宜適切に把握していくべきではないか。」といったご意見や、「プロジェクトの進捗状況に対する評価と、県民ニーズ調査の満足度が上がったのか下がったのかといったことではレベルが違うのではないか。従ってそのまま評価として扱うのは難しいのではないか。」といったご意見がありました。非常に評価は難しいわけでございますが、評価に当たっては、「県民ニーズの動向を把握すること」これは当然重要なことであり、否定するものではないため、個々のプロジェクトごとに適切な指標を選択できるように、当該箇所の記述を今回お示しされているように「原則として重要度又は満足度のいずれかを把握する」と修正することといたしました。これらが第1点目の大きな話題でございました。
次に評価報告書の記載順序に関するご意見をご紹介します。資料2をご覧ください。こちらは評価報告書の記載サンプルとなってございます。当初、事務局からお示しいただいた案では、最初の1ページ目が、「総合分析」、「最終評価」、「数値目標」といった順番になっておりました。また、「今後の課題と対応方向」は最後のページの末尾に記載することになっておりました。そうしたところ、「最終評価が一番後ろにあるのは分かりにくく、最終的な評価は冒頭にあった方がよい。」といったご意見や「1ページ目に評価と評価に関する今後の課題と対応方向がまとめられていた方が、そのページを見ただけで、評価結果の概要が分かるようになり、よいのではないか。」というようなご意見をいただきました。そこで、事務局で修正していただきまして、本日の資料のとおり、「最終評価」、「総合分析」、「今後の課題と対応方向」という順番になってございます。そういう意味では、参考資料3にありますような部会委員の皆さまからいただいた意見を踏まえまして、全体として見直しをしていただけたのではないかと受け止めております。私からの報告は以上です。よろしくご審議のほど、お願いいたします。

 清家会長: ありがとうございました。まず、牛山副会長をはじめ、部会の皆様には、「かながわグランドデザイン」の進行管理について、大変熱心にご検討いただき、また、今、ご説明いただいたようにとても良い修正をいただきまして、私からも感謝申し上げます。では、ただいまの牛山副会長からのご報告を踏まえまして、ご意見のある方は、よろしくお願いします。

 丸山委員: 内容につきましては、よく理解ができます。参考資料のところで説明もございましたが、評価の上での問題意識として、県民意見をどのように聞いて反映をさせていくのかということについては、意見聴取の方法や周知の仕方など、色々とご苦労をされているのだと思います。部会の検討においても3名の委員からご意見が出ています。要するに何を申し上げたいかというと、参考資料1の毎年度のサイクルの「CHECK」については、政策評価を実施し、結果を公表するとともに県民などから意見を募集するとし、県民意見の実施を位置づけています。その具体的な内容は、資料の3ページに具体的な評価の方法が記載されていますが、県民からどのように意見を聞くのかという方法については記載されていません。県民からの意見については、総合計画審議会からの意見や、その後の県民からの意見募集も含めて、評価として大きく見たときに、常に広く意見を聞いているということを表現できたらよいと思います。皆で住みよい神奈川を作っていくためには、県民一人ひとりも主体であるので、広報等も含め積極的に位置づけていただきたいと思います。

 清家会長: ありがとうございました。他に何かご意見はございますか。

 大賀委員: 先程、牛山副会長からご説明があったとおり、最終評価を前の方に持ってきたことで分かりやすくなったと思います。私もそう思っていました。それから少し細かいことですが、資料2に事例として示された、「数値目標の達成状況」について、右側の文章には2015年の結果が記載されていますが、左側のグラフには、2015年の結果が棒グラフとして記載が漏れているようです。グラフは、その内容を一見して分かるようにする目的のためにあるので、文章を読まなくても結果が分かるように、整合を取るようにした方が良いと思いました。

 清家会長: ただいま丸山委員、大賀委員よりご意見をいただきましたが、事務局から何か説明等があればお願いします。

 中谷総合政策課長: ご意見ありがとうございました。まず、丸山委員からのご意見がございました、県民意見等についてです。委員のおっしゃる通り、私どもも、いかに県民意見を取り込み、策定後についても、政策改善につなげるために、県民からの意見をどのように反映していくかについては、苦慮していたところです。本日、資料としてお示しした内容が最善な形ではないかと思っております。ただし、委員からのご指摘のとおり、参考資料1については、県民意見の募集等について記載に不備があり申し訳ございませんでした。県民意見については意見の反映を行わないということではございません。参考資料につきましては、本日の審議会の説明用に作成をしたもので、実際の評価に当たっては資料1により実施いたします。委員からのご指摘については、資料1の6ページに記載の通り、評価実施後に、結果を分かりやすくまとめた概要版を公表し、様々な機会を捉え、また、ソーシャルメディア等を活用しながら県民の意見を幅広く聴取したいと思っています。意見の募集は評価結果の公表後から半年以上期間を取り、翌年の1月までかけて行い、その意見についてはその後の政策運営の改善につなげたいと考えております。また、大賀委員からご指摘のありました、資料2の記載方法ですが、ご指摘はごもっともでございますが、今回の資料は見本として作成をしており、実際には2015年の結果を仮定で作成している部分もございます。ただ、資料として整合がとれていない記載となったことについては申し訳ございませんでした。実際の評価に当たっては、その様なことがないようにいたします。

 清家会長: それでは他にご意見はございますか。

 八木委員: 資料1の「かながわグランドデザインの進行管理について」という文書について、事務局を含め確認をさせていただきます。この資料を総合計画審議会で審議を行い、進行管理の案について承認するのか検討していくのだと思いますが、これを決定して、この文章が公表される時には、「計画推進評価部会」としての決定事項として出ていくのか、審議会の決定として出ていくのか、基本的な考え方について、お伺いします。

 清家会長: それでは事務局からご説明をお願いします。

 中谷総合政策課長: 結果から申し上げますと、計画推進評価部会の報告として発出いたします。理由としては、策定に当たっては総合計画審議会から答申をいただきましたが、評価については本審議会に評価部会を設置しているため、評価部会が評価手法等の検討・審議を行い、審議会に報告をして承認を得るという流れをとっております。前実施計画でも同じ手法をとっており、計画推進評価部会からの報告とさせていただきます。

 清家会長: 八木委員よろしいでしょうか。

 八木委員: 分かりました。そうすると、この「進行管理について」という一連の文章は、総合計画審議会で審議し決定を行うが、部会における報告として公表されるということでよいでしょうか。

 中谷総合政策課長: その通りでございます。

 清家会長: それでは他にご意見はございますか。

 松崎委員: 色々な議論を経て、これが策定をされたものであるので、そのことの重みは当然にあると思います。ただ、外部環境や県内の状況が目まぐるしく激動している中、計画期間4年間の中で、どれほどの変化が起きるのだろうかと思います。今見通せること、例えば人口動態や各地域で深刻となっている高齢化および街の力の減衰や減退といったものについても、的確に対策を行っていくという危機感が、このグランドデザインの背景になっていると思います。その時に、主にPDCAサイクルを回すものが、プロジェクト編の内容であることは妥当だと思いますが、一方で、背骨となる主要施策編の内容に影響を受けるような事態となった場合に、審議会なり県として、その問題をどのように調和のとれた形で計画に反映していくのかということを考えておく必要があるのではないかと思います。今、ご提案の内容は、あくまで進行管理についてのことで、ある意味、背骨となるような部分に揺らぎがないという前提、了解のもとに議論がなされており、そのこと自体は概ね妥当だと思います。ところが、例えば、オリンピック・パラリンピックの1年前にラグビーのワールドカップが県内で開催されますが、そのことの県政上の重みが、ここ数か月の間で急激に変わってきているような状況もあります。知事の発言を聞いていても、1年前倒しで取組みを強化していくようなことも感じ取れる中で、これも県政上に影響を与える一例のようにも思われます。この激動の中にある神奈川県としては、そのようなこともあると思いますので、そのような状況をどのように受け止め、かつ機敏に計画等に反映をさせ、新たなプロジェクトが必要であれば新たなプロジェクトを追加する、また、現行のプロジェクトを大規模に修正する必要が生じた場合には、そのことに果断に取り組まなければならない場合もあるのかとも思います。きっちりと固定化された計画を、静的な形で展開していくことが正しいのかについては、今の時代では、それが全てだとは思いません。動的な計画というかプランへの対応の構えを考えておく必要があるではないかと思い、この機会に発言をさせていただきましたが、何かお考え等があれば、お聞かせ願いたいと思います。

 二見政策局長: 今のご発言にお答えしたいと思います。松崎委員の言われることは、ごもっともでございまして、今の進展の早い世の中では課題が次々と上がってくるので、総合計画を策定した後に県が展開していく事業とでは、ずれが必ず生じてきます。考え方としては、グランドデザインは計画の4年間は表記を固定させていただく手法をとっていまして、毎年の評価において、このあたりの取組みが弱いといった評価をいただいた部分について、それを実現することで課題への対応を行うということとしており、計画の修正は行いません。しかし、ずれは必ず生じてくるので、毎年の評価においてその点を評価いただきながら、今後はこれに取り組んでほしいということもご提案をいただければ、その評価に基づく事業実施を県が行っていくといった手法を取っていきたいと考えています。また、県では、現在、地方創生の総合戦略というものを策定しています。こちらは総合計画とは考え方が別で、計画の固定化はせず、毎年目標を定めて、毎年の状況に応じて事業を見直すような方法をとっています。手法としてどちらが良いかは考え方の問題で、総合計画は計画をどっしり構えて直さない方法をとっていますが、実施する事業を固定する意味ではありませんので、ご了解をいただければと思います。

 清家会長: 松崎委員がおっしゃったことは、私もその通りだと思います。これは、グランドデザインという基準を定めて、その基準に沿って各取組みが正しく進んでいるかをチェックしようというものですが、基準そのものを見直す必要があるような状況の変化が起きることは当然にあり得ることです。そういった変化については、その時々で、大きいものについては知事や県議会において見直しを検討いただくべきものと思います。そういった点で、私から一点だけ用語の問題で、硬直性をもってしまうといけないと思い発言をさせていただきます。資料1の6ページの「総合分析の記載」のところで、「成果主義の観点から」という言葉がありますが、これはおそらく、「実績重視の視点」ということだと思います。「主義」という表現を使うと、一つの原理原則というような感じとなりますので、もしできれば、この「主義」という言葉を、例えば、成果重視や実績重視といった表現に書き換えていただく方やよろしいのではないかと思います。
それでは、その他ご意見がございましたらお願いします。

 大木委員: 私は部会にもいて、この会にもいるのでどちらで発言するべきなのかわからないのですが、今回の話の中の6ページの「評価結果の公表について」の「ホームページで公開し…」に関してのところです。今回グランドデザイン自体はすごく格好よいデザインになって、本当に若い人にも見てもらえるような内容になっているのではないかと思いますが、ウェブの方にいくとPDFのリンクが張ってあるだけなのです。まずスマートフォンで見ると、ものすごく見にくいです。今の若い人はパソコンを持っておらず、むしろスマートフォンで全て済ましてしまうという人も結構多いので、あの公表の仕方というのは果たして正しいのか、もう少し改善できるのではないのかと思います。せっかくここまで紙自体はビジュアルを良くしたので、そこがもったいないと思います。また、第1期の計画、3年前につくられたものに関しては独自のページが用意されていて、そこから一つ一つの項目にリンクが貼られているようですが、第2期に関しては、第2期を発表しました、というページに行くとPDFへのリンクがはってあるだけなので、細かい内容が出ていない、少なくとも私が発見することができませんでした。細かい内容があるのであれば、目立たないようになっているのであり、ないのであれば、1期では概要が出てくるので、少しもったいないのではないかと感じました。いわゆるITで言うとSEO(検索エンジン最適化)のところだと思うのですけれど、そういう部分がうまく県民の皆さんに伝えられるようになっていないのではないかと思います。ここで言う発言なのかわからないですが、意見として言わせていただきました。

 清家会長: これは事務局から何かございますか。

 中谷総合政策課長: ご意見ありがとうございます。まず始めに会長のご指摘はごもっともなので、そこは修正をさせていただきたいと思っております。大木委員からのご意見でございますが、確かに今の時代はスマートフォンから見る県民の方がいらっしゃると言うことで、リンクの貼り方を工夫したいとは思っております。恐らくお金の方もかかってくるのではないかと思っておりますので、そういった予算との相談もかねて今後に向けてご意見があったことを踏まえまして検討させていただきたいと考えております。そして、第2期実施計画のリンクの貼り方、こちらは速やかに修正をさせていただきたいと思っております。

 清家会長: それでは他にご意見はございますか。

 佐々木委員: 今、松崎委員から大事なご指摘があったので、確認をさせていただきたいのですけれど、グランドデザインはこういう形でつくって、私は非常に良かったと思っているのですが、局長がおっしゃっている内容としては、まち・ひと・しごと総合戦略の長期ビジョンと総合戦略をつくる中で、総合戦略に関しては柔軟性があるようなものをつくっていくという理解で良いのですね。その上で今度は地方版の総合戦略をつくっていく中ではどういうような信任の体制でいくのでしょうか。この審議会のメンバーがその中に入っていけるのかどうか、それが一番大事なのではないかと思うのです。専門家がたくさんいらっしゃる中で、同じような基本となるものを作っているので、この審議会の方々もその体制に入っていただけるのかどうか、そこは全く別にやってしまうのか、そこだけ確認しておきたいのですが。

 清家会長: それでは事務局からお願いします。

 二見政策局長: 実は地方創生の総合戦略を策定するにあたって、産業界から始まって産官学金労言と言われているマスコミまでを含めての分野で推進会議を設置して、そこで審議するようにと、こういう仕組みでありまして、今年の6月にスタートしています。その推進会議の考え方は、全国的に取っている考え方なのですけれど、神奈川県では総合計画との連動性というものを非常に重視しておりまして、推進会議のメンバーの中に牛山副会長に入っていただいて座長を務めていただいています。そういう形の中で総合計画との関連も取っているところです。逆に元の考え方として、神奈川県の場合は7月末に総合計画を策定しました。その同じ年度に地方創生の総合戦略を策定するものですから、当然総合計画と総合戦略も全く同一の考え方に基づいて作られているものとなっています。もちろん範囲は総合計画の方が広く、その中から、地方創生に資する部分のプロジェクトを抜き出して、地方創生用に分かりやすく再構築するというような手法をとって総合戦略を立てていますから、そういう意味では非常に密接に連動したものになって、策定を現在進めています。本当は皆さんにもお届けできればと思っているところですが、もう一つ設置した地方創生推進会議の方がそちらの役割を負っておりますので、推進会議の方で先行して進めさせていただいています。

 清家会長: ありがとうございました。他にご意見ございますか。

 大賀委員: 以前もこの話をしたときに、地方創生会議かどこかでやっているということでしたが、今、関連の話題が出ましたので申し上げます。前回か、前々回の会議で、地方創生会議か何かでの、「大都市では高齢者を受け入れる施設が足りないから高齢者は地方に行くべき」という話を神奈川県は一体どのように受け止めているのかということを申し上げました。それは別途検討しているという答えしかなかったのですが、非常に大事な問題に思えてきています。将来の農業人口の予測をしてみましたら、農業は極端でして、基幹的農業者といわれている人たちの75%が60歳以上です。これは、そう遠くない時期に消滅していくということですので、日本の農業はカウントダウンの段階に入ったと思わせるくらい、消滅の危機にあると思います。それよりはずっとゆっくりですが、地方の人口問題があります。ところが大都市は高度成長の過程で若い労働力を全部地方から引っ張り出して地方に高齢者だけは残してきましたが、その人たちが年をとり始めたら、面倒を見切れないから地方へ出て行けと言わんばかりの方向に政府も含めて去年からなっている状況です。神奈川県は土地のゆとりがまだ多少あるから面倒を見てくれるのか、「いのち輝くマグネット」と言っていることもあり、まだ受け入れる余地があるという姿勢のようですが、高齢者の問題はどうするのでしょうか。どんどん高齢者が増えてくるのを、土地が足りないから、地方に住めというものの考え方で地方創生を進めるのでしょうか。今では、地方は高齢者ばかりで、税金を払う人がいないため財政力がありません。それを赤字団体だといじめておいて、大都市ではさらに若い人たちを使って、その人たちが年をとってきたら面倒をみる施設も作れないということです。それほどお金をかき集めておいて何をやっているのでしょうか。私は非常に憤りを感じていまして、現代版の国を挙げての姥捨て山政策だと思っていますが、神奈川県はそうではないということを早く示して欲しいと思っています。神奈川県も、マグネットで人を引きつけるというのはどういう人を引きつけるのでしょうか。今いる高齢者は出て行かざるを得ないという地域にするのかという思いですので、是非とも、できるだけ早く県民に神奈川県はそういうところではないと、集まった人たちの老後もちゃんと面倒を見ていくんだということを、はっきり表明していただきたいと思います。老人福祉施設についても、作るのはわかりますが、需要に合ったものが作られるかどうか怪しいと私も聞いていますが、横浜等では施設が足りなくて5年から7、8年待たないと入れないと言われるような事態にあります。高齢者はどんどん増えていきますから、間に合うのか間に合わないのか分からないような計画でいいのかということを、私はこの1年ずっと言ってきましたけれども、その点、ぜひ早めに県民の皆さんに知らせるようによろしくお願いします。

 清家会長: はい、ありがとうございます。このグランドデザインは、おそらく老若男女を念頭において考えられていて、神奈川県ではという趣旨かと思いますので、県におかれましても、その趣旨に沿って政策を進めていかれるものと期待しておりますが、今、大賀委員が言われたような点についても、情報の公開が可能であれば話していただきたいと思います。

 広瀬委員: 資料2は、プロジェクトごとに分かりやすい様式になっていると思います。1点気になっていますのは、左側のページの「今後の課題と対応方向」です。これは「最終評価」「総合分析」の後に出てきていますが、「今後の課題と対応方向」は、「数値目標の達成状況」や「2015年度の主な取組みと成果」というところを見て、先ほどのPDCAを回して次につなげる改善策を打ち出すわけですので、「最終評価」「総合分析」が先に出てくるのは、分かりやすさの点ではいいかと思いますが、「今後の課題と対応方向」の場所は、このファクトを示していただいた後に、こういうことに取組んだ結果、このような今後の改善のアクションが出てくる、という並びにしたほうが分かりやすいと思いました。

 清家会長: これについては、少し検討していただくということでよろしいでしょうか。いろいろ検討された結果こういう順番になったとは思いますけれども。

 中谷総合政策課長: さきほど牛山副会長からお話がありましたとおり、その部分は部会で議論して、従前当局からお示ししたときは、広瀬委員からお話があったとおり、「今後の課題と対応方向」は後ろで1ページ目ではありませんでした。ただ、一緒にあったほうが分かりやすいとのことで、前に置き換えさせていただいた経過があります。再度元に戻すのかという議論にもなりますので、検討させていただきます。

 関委員: 今回の評価に当たっては難しいと思いますので、次のグランドデザインの作成時など将来的に考えていただかないといけないのではないかという点について発言させていただきます。夏にグランドデザインが出来上がって、3月に県による一次評価を作成するというのは、あまり時間がないなというのが率直な感想です。そうすると、スケジュール的になかなか県民意見を取り入れにくいという話でしたが、現場でグランドデザインがどうなっているのか声を拾いにくいですし、どうしても数値目標の達成状況が中心になってしまいますので、計画を作ったときは、1年目はもう少し簡単な評価にして、どういう風に評価するかを検討したり、県民の意見の集め方を検討したり、実際に意見を集めたりして、その分もう少し具体的な評価をしていったらいいのではないでしょうか。

 清家会長: はい、ありがとうございました。それでは他にご意見ございますか。

 斎藤副会長: この作業というのは二つ目的があるのかなと思っています。一つは県民に、県が今このように頑張っています、こういう努力をしていますということを分かっていただく。一人の県民が評価するのは非常に難しいので、客観的に、そして複数の人達が評価し、その結果をお知らせする、県の税金がどのように使われているかをお知らせするということが1つの大きな目的だと思います。そのためには、今回ご提案いただいたものは非常に分かりやすく、キンタロウさんも出てきているし、ビジュアル的ですごくいいなと思っています。
もう一つは、先ほど松崎委員もおっしゃっていましたが、次に繋げるために反省して、ではこれを踏まえてどうしていけばいいのかという、そのための資料になるのかと思います。それは実際に今なさっている方がよくお考えになるのも一つですが、県民として、これはよい、これはもう少し頑張ってほしいといったようなフィードバックをいただくためのツールでもあると思います。少し軽くはなりますが、SNSの「いいね」のボタンのような形で、県民が気軽に見て参加できるような、そういった工夫も一つ必要なのではないかと思います。普通の県民が普通の生活をしていると、県政をウォッチしてそれを評価するということはなかなか時間的にできません。ですが、こういうものを見て、本当に簡単な感想であったとしても何かフィードバックをいただくということは必要なことなのかと思っています。先ほどの松崎委員のコメントですが、私もそれをずっと考えておりましたので、我が意を得たりというつもりはありました。グランドデザインという名前ですので、その時々によってガラッと変わるというのは、それはそれでいかがなものかとも思うのですが、グランドデザインを作って、その中でプライオリティは変わっていくであろうと思います。ですので、ここに重点を置くように変えましたとか、何かそういうようなメッセージはあってもいいのかなと思いました。以上です。

 清家会長: ありがとうございました。他にございますか。

 大木委員: もしかしたら前に発言して、ご説明をいただいたことがあったかもしれませんので、繰り返しでしたら申し訳ありません。資料2の達成率のところですが、100%のところはよく分かるのですが、(1)の例では目標値140万人に対して実績値126万人で達成率90%となっていますが、もともと120万人のところから140万人をめざしたところで、実績が126万人であれば、達成率は30%ではないかと思うのですが、この考え方は間違えてますでしょうか。既に実績が120万人で目標が140万人であれば、差し引き20万人を増加させることが目標で、結果的に増加したのが6万人であれば、達成率は30%ではないでしょうか。達成率90%というのは、ゼロから140万人に向かっている最中の達成率ではないでしょうか。もともと120万人なので、放っておいても達成率は140分の120で80数%は達成できることになるので、そうなると、高い数字が出てくるのではないかと思っていて、達成率というのは、本当は目標に対して出すものではないかと思いましたので発言させていただきました。

 清家会長: それでは恐縮ですが、時間も押しておりますので、最後に牛山副会長からご発言いただいて、もし事務局からお答えになることがあればまとめてお答えいただきたいと思います。

 牛山副会長: 大変重要な提言をたくさん頂いたのではないかと思っております。先ほど参考資料でお示しいただいたようにPlan、Do,Check、Actionということですから、評価を踏まえて改善していくということは当然入ってくるのではないかと思います。ただ、中長期のビジョンのような計画でありますので、そういった視点は基本的に置きながら、どう改善していくかということを議論しながら、当然、施策の変更等があれば議会でも審議いただいてということになっていくかと思いますので、そういう意味で言うと、当然、評価を踏まえた改善ということが入ってくるのではないかというつもりで評価を位置づけております。そしてやはり、先ほどの順番の問題にも関わってくるのですが、「今後の課題と対応方向」、会長がおっしゃられたように成果主義というと少し分かりづらいところも出てきますし誤解も出るかもしれませんが、やはり成果があるのかないのかという観点に立って、単に数値を達成したからいいというものではなくて、その結果、どういう成果が県民に対して出てきたのかという意味合いだと思います。そういう意味で、このように分析したが、具体的に県民の皆さんにどのようにしていけばいいのかというところの、成果の観点から見た課題、解決方向というものを冒頭に示すところが評価部会では重要視されてここに出てきているということではないかと思います。そのような形で審議してきたということで、また皆さまのご意見を踏まえて、事務局と相談していきたいと思います。
それから、大賀委員から地方創生のお話がございました。6月4日に第1回の地方創生推進会議を行いましたが、ちょうどその日の昼に日本創成会議が、高齢者を地方へという発表をされました。第1回の推進会議ということで知事があいさつに来ていただいてのですが、冒頭から激怒しておられました。そのようなことは全然ない、神奈川県内できちんと市町村との連携を含めてやっていくんだというお話がございましたので、おそらく神奈川県ではそういうことはないだろうと思いますが、推進会議の方でも審議を進めていきたいと考えております。

 清家会長: 渡辺委員、何かございますか。

 渡辺委員: 内容に関しては素晴らしいと思います。審議終わりの時間が迫っているので、次回発言をしようかと思ったのですが、実施計画の冊子は委員の方々もおっしゃるように確かに格好良くなったと思います。ただ、平易な言葉で言いますと、例えばイージーリスニングというのはあまり嫌われないものですが、印象に残らないという側面は否めません。以前、この表紙について申し上げた本意としては、神奈川とはなんだろうということをみんなで考えることが一つ基本にございます。ですから、見やすくなった、格好良くなったというイメージだけではなくて、確かに冊子の中には神奈川の絵がたくさん入っていますが、表紙を見たときに、これは神奈川県だと。神奈川という字を隠したときに、静岡でもなく千葉でもなく神奈川だ、と感じられるものになっていったらいいなというさらなる夢を抱いております。

 清家会長: それでは恐縮ですが、よろしければ、この「かながわグランドデザイン第2期実施計画進行管理(案)」及び「かながわグランドデザイン評価報告書(仮称)様式案」について、基本的にご了承いただいたということにさせていただいてよいでしょうか。

(一同:異議なし)

 清家会長: ありがとうございます。本日いただいたご意見につきましては、評価の実施の段階で生かしていくものと考えておりますので、事務局においては、そのようにお願いしたいと思います。それでは最後に事務局から、お答えも含めてご挨拶をいただければと思います。

 二見政策局長: 改めまして政策局長の二見でございます。本日は本当に熱心にご議論いただき、ありがとうございました。会長から返答を含めてというお話でしたので、3点ほど触れさせていただいた後、最後の締めをさせていただきたいと思います。
まず1点は、渡辺委員からいただきました表紙等についてのお話でございます。昨年開いた審議会の際に、神奈川らしさということをビジュアル的にご指摘いただきまして、非常に重く受け止めまして、今回のデザイン一新という形になりました。渡辺委員がイメージされたところにはまだまだ到達していないものかと思いますので、さらに頑張っていかなければならないと感じております。冒頭に課長からの発言もありましたが、読むものとなった、初めて県の政策に目を通そうと思ったという感想をいただくくらい、非常に評判がいいということで、そこは狙い通りのところに進んでいまして、計画ですから内容に何が書いてあるかが重要なわけではありますが、まずはそれを県民に知らしめるということが大切でもありますので、そういう意味では階段を2段くらい上れたと思っております。
それから、大賀委員から発言がありました地方創生の話は、牛山副会長から少しお話がありましたけれども、高齢者を強制的に移住させるという部分については、日本創成会議に出てきたときに神奈川県は即座に先頭をきって反対とはっきり申し上げました。政府は高齢者の地方移転を首都圏の自治体に実施させるために石破大臣の号令の下4人の知事を集めるという強烈な会議を開いたのですけれども、その会議の場でも黒岩知事が否定するくらい、その考えには賛同しないという、即座にそのような方針を打出しました。今神奈川県が目指しているのは、未病を治して高齢社会を乗り切る社会システムを創りましょうということで、70歳くらいまでみんなが働ける社会を創っていこうというのを地方創生の1つの大きな柱に据えてやっておりますので、そこはご安心いただきたいと思います。
松崎委員の発言を基軸にしまして、斎藤副会長からもいろいろとお話いただきました新しい施策の展開と総合計画との関係、どのようにやっていくのかといった点ですけれども、4年間固定の総合計画というものを策定するのかどうか県としても悩んでいるところはございます。総合計画の策定は市町村には義務付けられていたのですが、都道府県はそうではありません。政治家のスタイルとして総合計画は策定せず、ビジョンというようなものを打出していく、それがこの県のやり方だということで、策定しないという作戦を取っている県もあります。そのような場合は非常に時宜に適ったビジョンが出てくるので、時流にあっていていいという感じではあるのですが、本当に基軸として置いている背骨の部分が見えなくなるということもあります。ですから、神奈川県としては、4年間固定している総合計画という背骨を通すものがあって、その上で毎年「神奈川全開宣言」というものを打出しております。これは斎藤副会長がおっしゃったようなこの年のプライオリティが高いのはこの部分であるというものを年頭で公表しておりまして、それとの組み合わせで新しい展開の部分を見えるようにしております。
また、県議会からは、この事業は総合計画に位置づけられているのかどうかといった観点からの質問が非常に多く寄せられます。それはいいことでもあり悪いことでもあるという意味で県議会からは問われております。他がきちんとできていないのに、新しいことを始めてどうするんだ、位置づけられていなくてもどんどんやっていくべきという両方の意味があるように思って意見を受け止めてやっているということでございます。
その辺りが今日の最後に返答として申し上げたかった部分でありまして、評価に関して少しお話させていただいて締めとさせていただきます。評価に関して言えば、事業ごとにもっと精緻にやっていけばいいのだと思いますが、県の全体の評価を県民へ知らしめていくという使命をもったものでもありますので、斎藤副会長がキンタロウマークで評価していていいとおっしゃってくださってよかったと思っています。23のプロジェクトを全部並べて、マークが3つなのか2つなのかという非常に単純な表記ではあるのですが、これが全体をざっくりと取り上げるのには非常に有効であると考えています。3つマークが並べば概ね順調に目標どおりにきちんとやっているという評価となりますが、マークが2つしか並ばなかったというような事業が前回の計画ではありまして、それはエネルギーに関してのものでありました。それはたかだかマークが1つ少ないだけではないかということではなく、黒岩県政はエネルギーの分野が弱いのではないかというように見られるわけですから、県としては非常に重く受け止めております。精緻に評価をやろうと思えば精緻に実施できるのですが、正しく骨のところを見せるという意味では、非常にうまくいっているのではないかと思っています。本日は貴重なご意見もいただきましたので、改善に向けて精一杯取り組んでまいりますので、よろしくお願いいたします。長くなりましたが私からは以上です。

 清家会長: どうもありがとうございました。それではこれにて本日の審議会は終了します。

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