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更新日:2018年8月27日

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第106回神奈川県総合計画審議会 審議結果

第106回神奈川県総合計画審議会の審議結果

次の審議会等を下記のとおり開催した。

 
審議会等名称 第106回神奈川県総合計画審議会
開催日時

平成24年6月7日(木曜日)10時00分~11時30分

開催場所 神奈川県庁新庁舎 12階 第12A・B会議室
出席者

金澤一郎、○江口隆裕、○斎藤聖美、大賀圭治、大久保一郎、金子勝、川名和美、広瀬研吉、マリクリスティーヌ、、角野てい子、野村芳広、丸山善弘、植松正博、齋藤文子、内野優、山口昇士、飯田誠、いそもと桂太郎、桐生秀昭、谷口かずふみ、土井りゅうすけ〔計21名〕(順不同)(◎会長、○副会長)

次回開催予定日 未定
問い合わせ先

所属名 政策局総合政策部総合政策課、担当者名 新井

電話番号 045-210-3061(直通)

ファックス番号 045-210-8819

審議経過

(事務局が委員数30名に対し、この時点で20名の出席を確認し、半数を超えるため、審議会が成立する旨発言。)

1 開会

 江原政策局長:本日はご多忙の中、ご出席いただきましてありがとうございます。当審議会の会長が選任されるまでの間、会議の進行を務めさせていただきますので、どうぞよろしくお願いいたします。それではただ今から、第106回神奈川県総合計画審議会を開会いたします。

議事に先立ちまして、黒岩知事からご挨拶申し上げます。

 黒岩知事:おはようございます。神奈川県知事の黒岩祐治です。このたびは神奈川県総合計画審議会にこのように早朝からお集まりいただきまして、誠にありがとうございます。このたび新しく委員をお引き受けいただきました皆様には、是非よろしくお願いいたします。また、引き続き委員をお願いしております皆様には今後ともよろしくお願いいたします。総合計画といいますのは、県政運営の羅針盤というべきものであります。その具体策というべき「かながわグランドデザイン」をまとめる中で、皆様から貴重なご意見をいただき、私としても満足できるような形にできあがったなと誇りに思っているところであります。しかし、時代の流れは非常に早いもので、これが実際の運営の中でどうなっていくのかについて、皆様の厳しいチェックをいただきながら、県政を充実できるように頑張っていきたいと思いますので、今後ともどうぞよろしくお願いいたします。ありがとうございました。

(事務局から出席委員の紹介)

2 議事

議題1 会長の選出

 江原政策局長:それでは、議事に入ります。本日の議題につきましては、お手元の次第のとおりとさせていただきます。まず、議題1の「会長の選出」でございます。

お手元に資料2として、「神奈川県総合計画審議会規則」がございますが、この規則の第3条第2項の規定により、委員の皆様方の中から、会長を選出していただきたいと存じますが、どなたかご推薦いただけますでしょうか。

 野村委員:本審議会に適任の方がいらっしゃいますので、私から推薦させていただきます。会長には金澤一郎委員を推薦させていただきます。金澤委員は現在、国際医療福祉大学大学院長をお務めになっておられます。そしてこれまでも、日本学術会議会長や宮内庁の皇室医務主管などを歴任された方でございます。さらに、神奈川県の「医療のグランドデザイン策定プロジェクトチーム」の委員や、「ライフイノベーション地域協議会」の会長も務められておられます。本審議会の運営においても、幅広く、高い見識をもって取りまとめていただけるものと確信しているところでございます。全会一致でのご確認をいただければ幸いであるということを申し上げまして、推薦させていただきますので、よろしくお願いします。

 江原政策局長:ありがとうございます。ただ今、野村委員から金澤委員をご推薦いただきましたが、他にご発言はございませんでしょうか。

(異議なし)

 江原政策局長:異議なしということでございますので、当審議会の会長を金澤委員にお願いしたいと存じます。

 金澤会長:それでは僭越でございますが、会長を務めさせていただきます。

 江原政策局長:それでは、金澤会長、恐縮でございますが、会長席にお移りいただきたいと存じます。まずは、会長からご挨拶いただきたいと存じます。

 金澤会長:ただ今、大変光栄なお話をいただきまして、身に余るものを感じております。私は今回はじめてこの審議会の委員にしていただきました。審議会をとりまとめるに当たり、皆様方のご協力が不可欠ですので、心からお願い申し上げたいと思います。私も「いのち輝くマグネット神奈川」というマグネットに引きつけられてきてしまった人間の一人で、皆様方も非常に意欲をお持ちいただいているのではないかと期待しております。引き続き委員になられた方々、また新しく委員になられた方々も力を合わせて、輝かしい神奈川をよりよいものにするためにお手伝いいただきたいと思いますので、どうぞよろしくお願いします。

 江原政策局長:どうもありがとうございました。それでは以降の進行は金澤会長にお願いしたいと思います。なお、知事は、所用がございますので、ここで退席させていただきます。

(知事退席)

 金澤会長:それでは引き続き、議事を進めてまいります。お手元の資料2「神奈川県総合計画審議会規則」第3条第2項により、委員の中から会長が副会長を指名することになっています。私は今回はじめてでございますので、これまでも審議会委員を務められた方のうち、二名の方を指名させていただきたいと思います。お一人は、筑波大学大学院ビジネス科学研究科教授の江口隆裕委員、もうお一人はジェイ・ボンド東短証券(株)代表取締役社長の斎藤聖美委員にお願いしたいと思いますが、いかがでしょうか。

(江口委員及び斎藤委員了解)

 金澤会長:どうもありがとうございました。それでは、副会長席へご移動いただき、一言ずつ、お願いしたいと思います。

 江口副会長:筑波大学の江口でございます。会長からお話がありましたように、私、この審議会に若干長く携わらせていただいておりますので、微力ですが、会長を支えていきたいと思います。どうぞよろしくお願いします。

 斎藤副会長:斎藤でございます。金澤先生とは他の委員会でご一緒させていただき、ご発言内容が大変暖かく、素敵な方だなと思っておりましたので、大変光栄に思っております。この会で貢献できるよう、頑張って発言したいと思いますので、よろしくお願いいたします。

 金澤会長:次に、計画推進評価部会の委員の指名ですが、総合計画審議会規則第7条第2項により、特別委員も含め、委員の中から会長が指名することとされておりますので、後ほど私より指名させていただき、ご本人及び審議会委員の方々に、お知らせ申し上げるということでご了承いただきたいと思います。よろしくお願いします。

議題2 その他

 金澤会長:それでは、議題2その他に移りたいと思います。事務局からいくつか報告があります。はじめに「『かながわグランドデザイン』について」、ご報告をお願いします。

(「かながわグランドデザイン 基本構想」、「かながわグランドデザイン 実施計画 プロジェクト編」、「かながわグランドデザイン 実施計画 主要施策・計画推進編」「かながわグランドデザイン概要版」に基づき、事務局説明)

 金澤会長:ただ今のご報告につきまして、皆様から何かございますか。

 丸山委員:「かながわグランドデザイン」の中身については、しっかりやっていくということで注目しているところであります。知事のご挨拶でも、総合計画の取組みは県営運営の羅針盤だという表明もありましたが、5月27日の新聞報道に緊急財政対策本部の記事が大きく二点書かれていました。一点目は全ての県有施設を3年以内に全廃し維持管理も関わらないこと、二点目は補助金について一時凍結をして見直すということです。そこで、「かながわグランドデザイン」と緊急財政対策との関係について、ご説明をお願いしたいと思います。

 江原政策局長:「かながわグランドデザイン」の策定に当たっては、取組みに必要な財源も試算しております。それと併せて策定した「財政の中期見通し」では、平成25、26年度の2ヵ年で1,650億円の財源不足を見込んでいます。今までも行政改革を通じて、補助金も相当絞り込み、組織も再編しました。それでも財源不足が生じるため、今一つ踏み込んだ形で緊急財政対策を打って出ようというものです。そういった中で、外部の方が入った調査会で検討している内容が新聞報道されました。7月には中間報告が出されますが、我々としては、原則廃止や一時凍結は厳しい意見として重く受け止めて、ゼロベースで考えてまいります。そうしたことを通じて、県財政の足腰を強くし、「かながわグランドデザイン」を推進していきたいと思います。

 内野委員:私は緊急財政対策本部調査会の委員でもあります。ただ今の政策局長の発言は本筋ですが、議論の中で、財政的に神奈川は大変だぞと、「かながわグランドデザイン」を推進するための財政的な裏づけが全くない。今のまま推進しても数百億の財源不足が生じるので、どこから財源を捻出するのか、やみくもに人件費を削減しても仕方ない。神奈川県の職員も10年間人件費を削減しているし、賃金を削減することがどの程度影響するのかと言う議論もありました。そこで、取っ掛かりとして県の施設、機関、団体をできるだけゼロベースで考えるべきだという議論がありました。統廃合できる施設があったり、民間が運営することにより県民サービスが向上する施設もあるだろうということで、それらを分けて議論するのではなく、ゼロから出発して県民目線で議論してもらいたいと話しました。40年以上経過している施設を今後も維持管理するのは大変なので、新築ではなく、統廃合の議論につなげれば、人件費も削減されるだろうというものです。基本はゼロベースです。調査会から特定の施設の廃止を伝えても、反論があるので、ゼロから出発して積み上げてもらいたいと伝えました。一番の問題は補助金です。県単独の補助金は福祉関係に多く見られ、これらは市町村や民間と折半して負担しており、県補助がなくなると市町村の負担が増えることになります。この辺は、受ける団体の意見も踏まえてと言いました。こうした問題を抱えているため、全てをゼロにするのではなく、ゼロベースの視点に立って、みんなで知恵を絞ることになると思います。7月に次の調査会があり、中間報告を出す予定ですので、黒岩知事のリーダーシップのもとで検討を願いたいと考えています。付帯意見として、財政問題、もっと広く言えば、大都市問題もあるかもしれません。そうした中で、今後3年間の黒岩知事の任期の中で、財政改革をどうやっていくのかはひとつの正念場だと思います。議事録は公開されていますので、それらも見ていただいて、ご意見をいただければ、それらを踏まえて、我々も議論していきたいと考えています。

 金澤会長:どうもありがとうございました。他にご意見はよろしいでしょうか。それでは、議題2の2番目、「平成24年度の審議会、計画推進評価部会の運営について」、事務局からご報告をお願いします。

(参考資料1に基づき、事務局説明)

 金澤会長:ありがとうございました。今のご報告について、ご意見はよろしいでしょうか。それでは、議題2の3番目、「『かながわグランドデザイン』の進行管理について」、事務局からご報告をお願いします。

(参考資料2に基づき、事務局説明)

 金澤会長:ありがとうございました。国の第四期科学技術基本計画ではこれをPDCAサイクルと呼んでいるわけですが、ここではマネジメントサイクルと呼ぶのですね。おそらくこの審議会は、PLANにはもちろん、DOにもCHECKにも関係すると思います。ACTIONには直接ではないかもしれませんけれども、相当色々な場面で関係してくるわけであります。特にCHECKのところでかなり大きな役割を担っていると思いますが、評価につきましては当面、計画推進評価部会で具体的に議論していただくことになると思います。部会で少し検討していただいた上で、この審議会でさらに審議するということだと理解しております。

 内野委員:県の総合計画の評価は毎年、年度途中でやっていくのか、次年度に前年度分をやるのかが明確ではありません。議会によるチェックと審議会でのチェックの時期的な関係はどう考えているのでしょうか。

 藤澤総合政策課長:評価の具体的な手法については今後部会で検討していただくことになりますが、これまでは、年度終了後、「白書」というものをつくっておりました。これは、数値目標や様々なデータの達成度を総合的に評価し、それを審議会で議論していただき、最終的にまとまったものを6月の県議会に報告して、県民の方々からさらに意見をいただくという形でやっておりました。基本的な方向性は今回も同様な形を考えておりますが、具体的な内容は部会の中で議論していただこうと考えております。

 内野委員:そうすると、前年度の取組みを評価した白書を作成するという考え方でよいということですね。

 藤澤総合政策課長:はい。ただし前回の計画では、最終年度である平成22年度だけは、その年度内に点検を行って、計画の進捗状況も把握して次の計画づくりにつなげてきたという経緯があります。

 内野委員:平成22年度の点検について、県議会の日程は問題なかったのでしょうか。

 藤澤総合政策課長:平成22年度の評価は年度中に点検という形で終了しており、22年度の分を事後に評価するというシステムではございません。今年度の部会では、平成25年度以降にどのような手法で評価していくのか、ご検討いただきたいと思っております。

 江原政策局長:これまでは6月までに白書をまとめて県議会に報告しているという点で問題はありませんでした。今後、今回の計画について同様の方法でよいかを含めて部会で議論いただきたいと考えております。

 金澤会長:そうすると、この審議会に県議会から出ていただいている委員は大変重責なのだということがよくわかりました。ダイナミックなその年度内の動きのチェックについては、皆様方にお願いするようですから、大変大事なお役目だと思います。他に何かご意見はありますか。

 クリスティーヌ委員:計画で使われている「マグネット」という言葉は、人を引きつけるという意味で使用しているのだと思いますが、どこから人を引きつけるのかが明確ではないと思います。県内への取組みは充実していますが、県外へのPRができていません。県民が満足するのも大事ですが、人口を増やすためには、子育てをしたり、一生過ごしたりするのに良い県であるといったことを県外にもPRすることが重要だと思います。計画ではすべての項目が充実しているが、県が本当に何をしたいのかといったことが明確でないのです。例えば、待機児童が多いところと少ないところで地域差がありますが、待機児童が多くなっているところでは、保育園に預けるに当たり、職に就いて働いている母親が優先され、子どもを保育園に預けて働きに出たいと思っても預けられないといった問題があります。こうした問題への対応として「神奈川は待機児童ゼロの県です」と言えるように保育施設を整備するとともに、PRをしっかりやって他県の方々に住民として来てもらうことが必要です。保育園は取組みの一例ですが、計画期間の3年間で他県の人から見ても魅力のある県になっていくというストーリーを作っていかなければ変化は何も起きません。神奈川ではコレをやるといったものを打ち出す必要があると思います。

 藤澤総合政策課長:クリスティーヌ委員の発言はまさに、神奈川の将来像として「かながわグランドデザイン」でめざしていく、「行ってみたい、住んでみたい、人を引きつける魅力あふれる神奈川」に端的に表されています。実施計画で政策のまとまりごとに立てている6つの柱のうち、特に、柱V(ローマ数字の5)の中で「地域資源を活用したにぎわい拠点づくり」や「行ってみたい神奈川の観光魅力づくり」、柱VI(ローマ数字の6)の中で「神奈川を世界でPRする国際戦略」のプロジェクトなどに取り組むとともに、今後、新たな課題が発生した場合には、県としてどのような対応が必要なのかを部会で議論いただきたいと考えております。

 クリスティーヌ委員:プロジェクトの柱の中に含まれていることは理解しています。県として何を重点的に打ち出してゆくのか、明確化すべきであると思います。人口を増やし働きやすい環境をつくることを優先するのか、環境を優先するのか、それともグローバル戦略の中で海外の企業に神奈川に来てもらうことを優先するのか、といったように、どこか一つに集中しないと、今までどおり、バランスはとれているが、あまり物が動かない状態になってしまうのが心配です。

 金澤会長:重点化というのは大変大事なことで、行政が常に気をつけないといけないことの一つだと思います。逆に、一つのことに集中すると、光が当たらなくなるものも出てきてしまうため、行政としてはなかなか難しいところだと思います。まだ時間がありますので、忌憚のないご意見をお願いします。人口が増えるということは確かに大事なことだと思います。

 内野委員:私は最終的に経済が重要だと思っています。日本経済、神奈川の経済がどうなるかについて、金子委員からグローバル経済の視点を含めたお話を伺えませんか。

 金子委員:ここで、ヨーロッパの状況を話すには時間が足りませんが、円高を含めて非常に厳しい状況であり、金融機関に公的資金を本格的に入れて整理するような枠組みができないと、しばらくの間、こうした状況が続くと思います。神奈川県の総合計画の取組みの中で黒岩知事が特に力を入れているのは、柱I(ローマ数字の1)「神奈川からのエネルギー政策の転換」、柱II(ローマ数字の2)「災害に強く安全で安心してくらせるまちづくり」、柱VI(ローマ数字の6)「神奈川のポテンシャルを生かした活力創出」に位置づけた施策だと思います。今まで、再生エネルギーというのが一番目にくることはありませんでしたが、原発の問題もあってエネルギーの転換は非常に早くやらなければいけないということで、一番先頭にきたのだと思います。経済との関わりという点では、省エネも、スマートシティなどに見るように、スマートという言葉がキーワードになったビジネスとして、内需を強めていく時に大きな役割を果たすとともに、電力不足への対応ともなります。柱VI(ローマ数字の6)については、神奈川県の取組みはぱっとしませんが、グリーン関係企業の集積や低炭素化や節電15%など、川崎市の取組みや打ち出し方が非常によく、多くの自治体がこれにならってきています。県内にはこうした先端的に取り組む自治体がありますが、神奈川県と川崎の関係も含めて、神奈川県全体がそういう方向で一つになって動いているようには、今一つ見えません。先端部分の産業は川崎に集中して、横浜は少し遅れているといった印象を与えてしまっている気がします。

 金澤会長:オーバービューをしていただき、大変よく分かったような気がします。ありがとうございました。

 齋藤(文)委員:「かながわグランドデザイン」を拝見して、大変、立派な計画ができあがったと思います。ただ、印象としては、総花的と感じました。先ほど、核が無いというお話がありましたが、ここにある取組みが全部実施できれば、すばらしい神奈川になると思いますが、ただ全体を見回して、食とか農業の視点が弱いのではないかと思います。神奈川県は農業県ではありませんし、近隣の県から新鮮なものを取り寄せることもできますが、神奈川県の食糧自給率が3%であるということからすると、県内で自給率を上げていくということを少し入れたほうが良いのではないかと思います。都市農業推進協議会など、他の審議会との関係性はどのようになっているのでしょうか。協議会では、農業のこともかなり真剣に議論していたと思うのですが、その辺りを少し、お聞きしたいと思います。

 藤澤総合政策課長:農と食については、「実施計画」のプロジェクト26「神奈川の特色を生かした農林水産業の展開」の具体的な取組みとして、「県民の求める『食』の提供の推進」ということで、食という問題を受け止めながら農業振興を図ることとしております。また、プロジェクト7「県民が安心できる保健・医療体制の整備」の具体的な取組みとして、「医食農同源など病気にならない取組みの推進」を掲げております。医食同源という言葉に「農」を加えて取り組んでいくこととしており、「神奈川モデル」としても同様の打ち出しを図っております。また、他の審議会で議論されたこととの関係については、各審議会で寄せられた意見は各主管部局で受け止め、政策の方向性や取組みの内容を整理し、新たな政策課題として整理する必要がある場合は、サマーレビューという場で議論しています。

 齋藤(文)委員:プロジェクト26で、県民の求める食の提供を進めていくということですが、食の提供だけでなく、県民自らが農をつくりあげていく面もあると思ったので、発言しました。

 植松委員:いくつか質問したいことがあります。一つは、神奈川県の取組みが認知されていないと思うので、こうした計画の進行管理に当たっても認知されるようなアクションが必要ではないでしょうか。次に、財源との関わりについてですが、この27のプロジェクトに対して全体で3,390億円程度のプロジェクト費用が柱ごとに設定されていますが、これはこの計画の中での優先度や重点化という点ではどのような重み付けがされているのでしょうか。三点目はスケジュールに関してです。評価指標が設定されているが、ゴールに設定されているアウトカムに対して、進行管理と同時に評価していくのであれば、部会が年に3回程度で、本当に進行管理がきちんとできるのだろうかと考えたので、質問させていただきます。

 藤澤総合政策課長:三点のご質問をいただきました。まず一点目、広報という点でのおたずねだと思いますが、この総合計画を3月に決定し、5月に冊子の形になったわけですが、同時に県の全世帯に配布される「県のたより」の5月号で、2面を使ってPRさせていただきました。あわせて「かながわグランドデザイン概要版」を県内の様々な場所や団体の会合などで配るようにしており、できる限り県民の方々の目に触れるように努めております。また、来年度以降、評価を県民の皆様にお示しする場合にも、できる限り目に触れる工夫を重ねてまいります。二つ目、重み付けということですが、委員のお話にもありましたように、計画事業費というものを組んでおり、3年間で3,390億円となっています。これは個別のプロジェクトごとに具体的な事業を位置づけて金額を算出しています。この計画事業費は中期の財政見通しの中に位置づけて実現を図ることとしていますが、その間の歳入不足が見込まれていますので、それに対する対応を、現在、緊急財政対策本部で検討しているところです。三点目の目標管理のあり方については、プロジェクトごとに二つや三つといった数値目標を設定しています。これは、できる限り県の取組みの成果が現れるアウトカム指標で、昨年の計画策定専門部会で議論を重ねて設定させていただきました。こうした指標の達成度をどのようにみていくかについては、今年度の部会の中で整理をお願いしたいと考えております。また、部会の今年度の開催回数ですが、評価のあり方や新たな課題についての検討であり、評価そのものはおそらく来年度の4月以降にお願いしていくことになると考えております。

 広瀬委員:6つの柱に沿った取組みが本格的にスタートしていくわけですけれども、例えば柱I(ローマ数字の1)のエネルギー、柱V(ローマ数字の5)にあるプロジェクト22の環境、柱VI(ローマ数字の6)にある産業、こういうところはこれからますます密接につながりが出てくると思いますので、そういう横のつながりをよく目配りしていただきたいと思います。例えば、今年の7月1日から再生可能エネルギーの低価格買い取り制度が始動すると、電力会社以外にも電力の発電者が出てきて、電力会社、発電者、需要者といった主体がかなりダイナミックに動くため、エネルギー関係企業だけではなくて、再生可能エネルギーを用いた分散型エネルギーというところで新たに、産業が進出してくるというようなことがあると思います。また、ゴミ発電も技術が非常に進歩しており、発電効率も高まってきていて、そういうものを地域の中でうまく活用していくこともあり得ると思います。エネルギー、環境、産業、そういうものを常に横串で見ていくような取組みをしていただければと思います。

 齋藤副会長:先ほどから総合計画が総花的なものであるという批判が続いていましたが、県政はそれで良いのではないかと思うのです。企業では選択と集中で切り捨てることができますが、県政では県民を切り捨てるわけにはいきません。インパクトに欠けても、神奈川の力が全般的にアップしていくというのが最も好ましい姿なのではないかと思っています。一方、神奈川をアピールしていくのはPRの問題であり、どこに重点をおいてPRするのかという問題と、県政が重点をおくところや予算を多く注ぐところというのは、別の問題ではないかという気がします。

 山口委員:総合計画は個別計画の上に成り立って将来を見通したものであるし、それは県でも市町村でも総合計画に対する考え方は同じです。この審議会では、策定した「かながわグランドデザイン」をどのように進行管理していくかを議論していくべきではないでしょうか。

 角野委員:「かながわグランドデザイン」にある取組み(施策)は2012年からの3年間の計画期間に余程の大きな変化がなければ、計画に沿って実施し、1年ごとに評価をしていくという理解でよいでしょうか。

 藤澤総合政策課長:基本的にそのとおりです。「基本構想」については県議会の議決をいただきましたので、このまま堅持してやっていくということになりますし、「実施計画」については、めざす姿というものを提示してアウトカム指標を中心とした目標設定をしております。具体な評価手法についてはPDCAの中で、一定の改善を図っていくという整理になっております。

 角野委員:数値目標の中には達成が無理な目標も入っていたため、昨年度の審議会でも指摘させていただきましたが、それは評価の時に検証していくということであったため、確認させていただきました。

 金子委員:総花的という印象を受けるのは、対人サービスの経費が少なく、建設的な事業に注ぐ経費などとのバランスが悪いからではないでしょうか。また、県財政のパフォーマンスと市町村への影響を長期的に考えていかないと、計画そのものが持続可能かどうかという話にもなってしまうし、財源全体の配分バランスについて、丁寧な説明がないと、総花的ということに対しての答えが出てこないと思います。

 山口委員:もともと行政は総花的にならざるを得ないものです。限られた財源でどこを重点にするか、この3年間でこれは重点化しましょう、だけどこっちもやりますよというように、基本は総花的にならざるを得ないのです。

 金子委員:いや、その通りなのですけれども、総花的なことは仕方ないと、みんなそれぞれに不満を持っているわけです。県が経費を削ればその分を市町村が負担しなければならないというような対人サービスもたくさんあるわけです。事業自体は政策の目標から言えば実施していかなければならないのですが、経費はずっと削られてきて、交付税の中身も公債費の負担が大きく増えてしまって、経常的なものの補てんができなくなっています。そういう中で、この計画が財政の持続性との関わりで妥当かどうか、県の財政の長期的なバランスと、それが市町村にどういう影響が出るかということをしっかり見通した上で、どういう予算配分をすると合理的なのかという説明があって、総花的だけれど合理的な根拠がありますという説明があるのではないでしょうか。単に行革との絡みで公務員の給料を切ればよいという話ではなくて、支出の割り振りに対する合理的な説明が必要になってくるのではないかと思います。

 金澤会長:はい、ありがとうございました。それでは、そろそろ時間になりましたので、最後のご意見ということで、どうぞ。

 野村委員:この総合計画は、ある意味では黒岩知事のマニフェストだと理解しており、震災やエネルギー問題など、メリハリはあると思います。また、計画期間中の環境変化や財政問題について、今後の見通しの中で本当に裏付けのあるものとできるかどうかについては、今、神奈川臨調の中で叩いていただいているという理解をしています。そういった意味で、この審議会では、総合計画の進行管理などについて議論すべきであり、それを超えた事項をこの審議会で議論する権限が本当にあるのかどうかは疑問に感じました。

 金澤会長:ありがとうございました。この審議会の立ち位置が終盤の議論でずいぶん分かってきたように思います。さて、大分時間が経っていますが、事務局から何かありますか。どうぞ。

 江原政策局長:本日は短い時間でしたが、多くのご意見をいただき、ありがとうございました。重点化ということは、総合計画を長年作っていく中で、必ず当たる問題でした。神奈川県は特に日本の縮図といわれるように、県民の方も多様な方がいらっしゃいますし、山や海など多様な資源もあり、それに対する目配せということを考えると、どうしても総合計画というものは幅広なものにならざるを得ません。その中で、何とか重点的に見せようということで作り上げたのが「かながわグランドデザイン」でございます。先ほど、金子委員からもご指摘いただいたように、「かながわグランドデザイン 実施計画」ではエネルギー政策が柱の一番目にあります。特にエネルギー政策というのは国の政策というところがありましたので、他県では柱立てにすることすら、なかなかないと思いますが、それをトップに持ってきているのが一つの重点的な部分です。それから、「神奈川モデル」は黒岩知事が重点的に取り組みたいと考えているものです。ただ、「神奈川モデル」は他にもあると考えていますので、例示として捉えていただければと思います。本日いただきました貴重なご意見は、これからの進行管理、計画の推進の中できちんと受け止めてさせていただきたいと思います。本日は本当にありがとうございました。

3 閉会

 金澤会長:本日の審議会はこれで終了させていただきます。ありがとうございました。

会議資料

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