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更新日:2018年8月27日
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第122回神奈川県総合計画審議会の審議結果
次の審議会等を下記のとおり開催した。
審議会等名称 | 第122回神奈川県総合計画審議会 | ||
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開催日時 |
平成29年12月25日(月曜日)14時00分から16時00分まで |
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開催場所 | 神奈川県庁新庁舎8階 議会大会議室 | ||
出席者 |
清家篤、○牛山久仁彦、○斎藤聖美、内田裕久、清水みゆき、広瀬研吉、渡辺真理、 (◎会長、○副会長)*牛山副会長は計画推進評価部会長を兼ねる。 |
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次回開催予定日 | 未定 | ||
問合せ先 |
政策局政策部総合政策課計画グループ 田中 |
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審議経過(議事録) |
審議経過(議事録):(事務局が、委員数29名に対し、この時点で17名の出席を確認し、半数を超えるため審議会が成立する旨を発言。)
2 議事
清家会長:本日の議題は、社会環境の変化に伴う新たな政策課題について(仮称)(素案)についてです。審議に先立ち、これまでの部会での審議内容につきまして、牛山部会長から報告していただきます。よろしくお願いします。
この報告書は、来年度実施する「かながわグランドデザイン第2期実施計画」の点検に先立ち、近年の社会環境の変化を踏まえた課題を抽出しようとするもので、報告書の構成は、第1章として、国内や世界における特徴的な社会環境の変化を整理し、第2章として、そのような社会環境の変化を踏まえて、対応が望まれる課題等を整理しています。それでは、まず、事務局から資料を説明していただいて、その後、私から部会で行われた議論についてコメントを加えたいと思います。それでは、事務局から説明をお願いします。
牛山部会長:ありがとうございました。それでは、私の方から部会で行われた議論についてご報告させていただきます。部会での議論は、多岐にわたるものでしたが、これまで部会で行われた議論について、主な内容を報告書の構成に沿って、ご説明したいと思います。 まず、3ページから25ページの「第1章 社会環境の変化」についてですが、7ページに記載のある「長寿社会の到来」に関連し、短距離型の人生ではなく、長距離型の人生を生きることを前提に、働き方や社会システムを考える必要があるのではないか、といった根本的な意見をいただきました。また、12ページの「格差の拡大と固定化の懸念」との関連では、経済格差や健康格差など、格差をどのようにとらえ、解消していくべきかを検討する必要がある、との意見があり、議論を深めたところでございます。また、19ページに記載のある「AI・IoT・ロボットなどの技術革新」に関連し、10年後、20年後にどのようなテクノロジーが社会の中に取り入れられ、それによってどのようなことが可能となっていくのかを考える必要がある、ですとか、23ページ以降の「5 地球環境をめぐる状況」との関連では、県民の間で、環境に関する意識が低くなっているのではないかとの意見も出されました。 次に、26ページから29ページに記載のある「第2章 新たな政策課題」の「1 新たな政策課題を検討するに当たっての視点」においては、持続可能な神奈川の実現に向けて基本に据えることが望ましい視点を、現行の「かながわグランドデザイン」の基本理念も踏まえ、5つに整理しています。その際、神奈川における課題が、国連が示しているSDGs、つまり持続可能な開発目標をはじめとした世界の課題にもつながっているという視点が必要なのではないか、ですとか、視点の名称は、抽象的な言葉を避け、分かりやすい表現にするべきだ、との議論がなされました。 次に、30ページから60ページに記載のある「2 対応が望まれる課題」についてですが、現行の「かながわグランドデザイン」の政策分野に沿って記載をまとめております。まず、30ページから始まる「エネルギー・環境」の分野の問題についてですが、太陽光発電や水素エネルギーなどの新エネルギーに関する取組みのほかに、省エネルギー対策についても重要性は高い、との意見がありました。また、食料など様々な恵みを提供してくれる生態系サービスを保持していくためにも、生物多様性の保全は重要、との意見がありました。 また、34ページから始まる「安全・安心」の分野については、大規模災害や身近な犯罪、事故等に対する取組みが基本となるわけですが、このほかにも、新型インフルエンザなどの新興感染症への対応の必要性など、近年の感染症等に関する状況について意見があったほか、地球規模で人やモノの移動が活発化している状況を踏まえ、世界とつながることによるリスクもしっかりと受けとめて対応していく認識が必要、との意見があったところです。 次に、38ページから始まる「産業・労働」の分野についてですが、消費活動や生産活動を持続可能なものにしていこうという視点は、神奈川県の将来を検討していく上でも、大きな動きとしてとらえていく必要があるとの意見がありました。また、ベンチャー企業を活性化させる視点や、イノベーションを促進させる視点が必要である、ですとか、急速に進む技術革新を積極的に取り入れ、神奈川で成功事例を積み上げていくことが重要、との意見もありました。 一方、労働の分野では、特に、女性や高齢者、外国人の就労について、議論がありました。この報告書の第1章に記載している「高齢化の加速」や「長寿社会の到来」、「労働力人口減少の懸念」にも見られるように、今後超高齢社会を突き進んでいく中で、将来的には労働力人口が減少していくことが懸念されているわけですが、これをマイナスに捉えるのではなく、就業を希望する女性や高齢者が、生き生きと活躍できるように支援していく視点も必要、との議論がありました。また、看護師や介護福祉士、オリンピック・パラリンピックに伴う建設労働者など外国人労働者が増加している中で、外国人労働者を経済への貢献という側面から注目するだけでなく、生活者、隣人としての外国人との共生のありかたも検討していくことが必要なのではないか、との意見がありました。 次に、44ページから始まる「健康・福祉」の分野についてですが、超高齢社会における医療・福祉のありようとして、地域包括ケアの推進を課題として認識しているところですが、部会においては、特に、高齢者層における経済的な格差が健康の格差といった様々な事柄に影響を与える、ですとか、高齢単独世帯が増加する中で、社会とのつながり、地域でのくらしを支えていく仕組みづくりが、今後ますます重要になってくるとの指摘があり、そうした議論をこの報告書の中に反映しています。また、スポーツの振興について、県民の健康づくりという視点からも、オリンピック・パラリンピックの開催なども契機としながら、裾野が広がるような取組みを進めていく必要があるのではないか、との議論もありました。 次に、48ページから始まる「教育・子育て」の分野についてですが、教育における子どもの権利というものをもっと意識して施策を検討、実施すべきである、との認識の下、保育の質の向上や、多様な世代がもっと子育てに関わることが重要ではないか、との議論がありました。また、貧困など困難を抱える子どもたちに対して留意しながら施策を検討すべきではないか、との意見や、子どもたちだけでなく、誰もが生涯学び続け、何らかの形で社会に関わっていける、学び直しを繰り返してできるような仕組み作りが重要、との意見がありました。 次に、54ページから始まる「県民生活」の分野については、女性や高齢者、外国人だけではなく、LGBTの方々を含め、誰もが生き生きとした人生をおくることができることが重要、との認識は共通しているところですが、「産業・労働」の分野の議論と関連する形で、特に、高齢者、外国人について議論がありました。高齢者については、現役時代から仕事以外の活動に積極的に参加できる仕組みなど、高齢期になっても自らの価値を社会に還元できるよう、人生100歳時代に相応しい社会参加のあり方を検討する必要がある、との意見がありました。また、外国人については、増加する外国人旅行者を含め、日本語が不自由な人を念頭に、災害が起こった場合の支援体制を充実させる必要性や、日本人も外国人留学生との交流などを重ね、若い時から異文化に触れる経験を多くすることで、外から日本の良さを見出すことも重要、との意見がありました。 次の58ページから始まる「県土・まちづくり」の分野に関しては、今後、メリハリをつけたハード整備、サービスの配置をせざるを得なくなるとの認識の下、地域経済、医療、福祉、教育など様々な部門としっかり連携をしながら、需要と必要性を支える形で空間整備を行っていかなければいけない、との意見がありました。 次に、「課題の解決にあたっての留意点」についてですが、部会では、先ほど事務局から説明があったとおり、これらの課題に対応するにあたって、どのような観点で臨んでいけばよいか、ということについて、報告書案の61ページ以降に、「3 政策推進に当たっての留意事項」、「4 今後さらに検討すべき課題」という形でまとめています。特に、「(1)総合的な視点に立った対応」については、毎年度作成しております「第2期実施計画の評価報告書」を取りまとめる際にも議論にあがる内容を整理して、今回記載することといたしました。社会問題が複雑化、多様化する中においては、様々な分野の施策を組み合わせた対応や、複数の局による対応など、「分野横断的な対応」を図ることが重要であるわけですが、単に横串を指すような取組みでは、どの部局も対応しないような空白領域や、連携不足が生じる可能性があります。 そこで、解決すべき社会問題について、関係者全員が俯瞰的な視点から全体像をとらえ、総合調整を図りながら「空白領域」や「連携不足」を限りなく減らしていく、「総合的な視点に立った対応」が必要である、と記載しました。また、部会委員から問題提起があったものの、さらに議論を深める必要がある項目については、「4 今後さらに検討すべき課題」として整理しました。この他にも、報告書全体に関するものとして、各章や項目の関係性が分かりにくいので整理が必要ではないか、といった意見や、学生などが読んでも分かりやすいようなものとなるよう、表現やレイアウトに工夫が必要ではないか、といった意見がありました。 以上、部会での主な議論について簡単にご報告させていただきました。部会での議論は可能な限り報告書に反映させておりますが、本日の総合計画審議会、また、来年1月に予定されている部会での議論を踏まえ、更に内容を精査していきたいと考えております。総合計画審議会委員の皆様には、それぞれの専門分野、日頃のご経験などから、「こうした社会環境の変化によって、このような対応も検討するとよいのではないか」など、忌憚のないご意見をいただけたらと考えております。以上でございます。
もうひとつは、10ページのインターネット利用者数についての部分ですが、これは表を見ると総務省の全国データと思えるのですが、これと同じデータが県にもあると思うのですが、なぜ県のデータを使わないのかというところです。 3点目は、12ページの格差拡大のその要因として、の部分ですが、これは要因のひとつなので、この書きぶりについては現実とは違うのではないかと思います。次に14ページのSNS関係で、ここにはあまりリスクについてあまり触れられていないので、少し触れておいた方が全体としてよいのではないかと思います。 次に17ページの一部の都市の人口増加の状況ですが、これは状況が変わってきていて、2019年には横浜市も人口減少に入っていくので、この記述だと横浜、川崎には明るい未来があるように見えるので、ここは認識が違うのではないかと思います。次に20ページのモノ消費、コト消費ですが、これらはまだポピュラーな言葉になっていないと思うので、カッコ書きにした方がよいと思います。以上です。
杉山総合政策課長:まず、県は、とか、神奈川は、の書き方の整理ですが、これは「かながわグランドデザイン」本冊子の表紙裏面に記載してありますが、県と記載した場合は、行政としての神奈川県を指します。また、神奈川と記載した場合は、行政だけではなく、県民や県土などを含む県全体を指します。ただ、今のご指摘を踏まえながら、改めて精査していきたいと思います。 次にデータの関係ですが、なぜ神奈川のデータではなく、全国のデータになっているのかというご指摘についてですが、これは評価部会の中でも委員の方からお話がありまして、私どもとしても出来る限り神奈川のデータを掲載する方向で考えていきたいと思います。 次に12ページの要因についてのご指摘ですが、こちらについてはさらに精査をして、次の部会において詳細に指摘できるようにしていきたいと思います。次に14ページのSNSのリスクの部分の記載についてですが、引き続き詳細について書いていきたいと思います。次に17ページの人口のところですが、横浜が2019年にピークとなると記者発表がありましたが、本県においても、人口推計について研究中であり、今すぐには出ませんが、その辺りについても考えながら記載についても検討してまいります。次に20ページのモノとコトのカッコ書きについてですが、次回以降、整理させていただきたいと思います。以上です。
清家会長:ありがとうございました。それでは広瀬委員どうぞ。
広瀬委員:この素案は、非常に素晴らしくまとめられていると思います。2点コメントをさせていただきます。まず26ページの文章の最後に、「神奈川県の政策の基底となる5つの視点は、国連が示す17のSDGsに通ずるものがあり」と書かれています。先ほどの牛山部会長のお話を伺いますと、部会での検討の際にもいろいろなご意見があったということでありますので、むしろ世界の共通の目標であるSDGsを積極的に踏まえてこの5つの視点を考えたという表現をお考えいただければと思います。 2点目は、31ページの地球温暖化対策の推進についてです。課題の指摘のところではパリ協定について触れられていましたが、ここには記載がありません。県という単位ではありますが、やはり協定を支援して地球温暖化対策に取り組むことが重要だと思いますので、この31ページにおいてもパリ協定を支援するという趣旨の文章を入れていただいたらどうかと思います。以上です。
清家会長:ありがとうございます。事務局からお願いできますか。
杉山総合政策課長:まず1点目として、5つの視点について、SDGsを積極的に踏まえたという記載が良いのではないかとご指摘をいただきました。この件につきましては、前回の評価部会のときに、評価部会の委員の先生方と、SDGsと神奈川の施策をどう捉えるのかについて、非常に活発な議論がありました。その中で、神奈川のグランドデザインの点検をしていく、神奈川の今後の政策形成をしていくということを考えますと、やはり神奈川が県行政として何をしていくのかということが一番大事であり、その神奈川の目指すべき姿とSDGsが似通ったものなのだという表現が妥当なのではないかというご意見をいただき、そうしたご意見を踏まえながら、現在のような記載をさせていただきました。 私どもとしましても、SDGsという国連が提示した普遍的なものは非常に重要であると受け止めていますが、地方自治体としてきちんと受け止めていくに当たっては、総合計画審議会の委員の皆様のご意見も踏まえながら、また、この素案につきましては評価部会の報告書という形になりますので、部会の委員の皆様とよく相談させていただきながら考えていきたいと思います。2点目のパリ協定につきましても、委員の先生方とご相談させていただきながら、書き加える方向で検討させていただきたいと思います。
清家会長:牛山部会長いかがですか。
牛山部会長:先ほど広瀬委員からご意見をいただきましたSDGsについては、事務局からご紹介がありましたように大変活発な議論がありました。まず、SDGsが掲げている基本的な理念、考え方につきましては、高く県民のものとして掲げていこうという積極的なご意見は皆さんに共通しているところでした。この理念が県の施策の中に入っていくことは疑いの余地がないところですが、一方で、先ほど事務局からもありましたように、国連のこれからの具体的な目標を並べているものでもありますので、これをどのように県の施策の中に反映させていくのかという課題があります。 もうひとつ、SDGsについては国のほうから地方自治体もよく考えるように言われていることもあり、内閣府から言われたから使うというような書き方にはしたくないといったご意見もありました。そうした中で、この書き方については非常に苦労いたしました。ただ、「通じる」という言い方で良いのか、もう少し積極的に打ち出していったほうが良いのかといったところは、議論の余地があると思いますので、しっかりとご意見を受け止めさせていただき、再度部会で議論をして事務局とも調整しながらまとめていきたいと思います。よろしくお願いいたします。
清家会長:ありがとうございました。丸山委員お願いします。
丸山委員:全体的には良くまとめていただいていると思います。また、推進評価部会においてもSDGsについて、しっかりとした議論がなされたことも嬉しく思います。神奈川の取組みがSDGsの考え方に繋がっていることはわからなくはないですが、ただ、例えば29ページのような記載方法などを拝見すると、コラム的に扱っているようにしか見えないので、もう少ししっかりと関係性を示した方が良いのではないかと思います。 色々な企業や団体の社会的活動報告書のようなものを拝見すると、トップページから数ページはSDGs関係について記載しており、記載の仕方が本当に変わってきています。そのような状況において、この報告書における記載方法では、神奈川県はその点については弱いのではないかと見られてしまうのではないかと危惧しています。持続可能な開発目標、そして誰一人取り残されない社会を作るということの中に、日本、神奈川県があるということについて意識した方が良いのではないかと思います。 もう1点、13ページに「自分と異なるものへの不寛容・無関心」という項目が記載されていることについては素晴らしいことだと思います。敢えて言うと、自分と異なるものへの不寛容・無関心ということについて、書き方が社会の国際化・グローバル化というところを中心に書かれているように受けとめられます。例えば、社会や暮らしの中で弱い立場の人たちへの不寛容や無関心、排斥というものが先ずベースにあるのではないでしょうか。グローバル化というところを中心に書いていると、問題意識を誤解されてしまうのではないかと思いますので、この項目が立てられていることは素晴らしいことだと思いますが、書き方については検討の余地があると思いますのでよろしくお願いします。
清家会長:ありがとうございました。SDGsについては既にお答えいただいておりますので、13ページについていかがでしょうか。
杉山総合政策課長:13ページに記載しております「自分と異なるものへの不寛容・無関心」ということにつきましては、本県では人権施策を全国的にも先駆的に取り組んでいると考えておりますので、今いただいたご意見を踏まえながら、評価部会の委員の方々と整理させていただき、県民の皆さまによりわかりやすいように、誤解のないような記載に近づけてまいりたいと思います。
清家会長:ありがとうございました。篠原委員お願いします。
篠原委員:18ページの「社会課題の解決に向けて活動する企業・NPOなどの活躍」について、神奈川県下では600近い社会福祉法人があり地域に非常に貢献しています。さらに、社会福祉法の改正により、地域貢献や社会貢献が義務化されました。そのような意味で、大変力強い存在でありますので、社会福祉法人についても記載を加えていただければと思いますので、ご検討の程よろしくお願いします。
清水委員:3点ございます。1点目は6ページの「世帯・家族の変化」において、その前の「高齢化の加速」のところでは男女別の違いが記載してありますが、単身世帯でも特に男性単身高齢者というのは食生活や社会生活などにおいて、他の世帯や女性単身世帯よりも課題があると言われていますので、男女別の単身世帯が把握できるようであれば、その傾向について記載を加えていただければと思います。 2点目は、34ページに「(4)消費者保護に対する取組み」とありますが、ここ10年ほど「消費者保護基本法」から「消費者基本法」に変わるなど、リスクコミュニケーションに耐えられる消費者の自立ということが求められている中で、「保護」という表現は、今までのグランドデザインにおける「救済」や「被害防止」という表現よりも後退したという印象を受けました。 それから3点目ですが、最後の65ページのところでエビデンスの表現がございます。書き方の問題だと思いますが、これまではエビデンスベースではなかったのではないのかと思ってしまいます。むしろ、エビデンスベースに加えて、クロス集計やビッグデータを活用するといった表現にした方がより信頼感が増すのではないかと思いました。
清家会長:では、事務局からお願いします。
杉山総合政策課長:ご意見ありがとうございます。まず、1点目の男性の高齢単身世帯の関係でございます。数字を拾えるようであれば記載し、それに対してどのような検証や考察ができるのかについて、委員の先生と相談しながら、書き込んでいきたいと思います。2点目の消費者保護については、消費者に関する法律の改正に伴い様々な状況があるなかで、保護という言い方ですと、県民の皆様に若干後退したと誤解を与える可能性があるのでありましたら、可能な範囲で排除したいと思います。私どもとしては、より取り組んでいくという立場で書かせていただいておりますので、改善を図れないか検討して参ります。3点目は、委員のご指摘の想いを込めて書いたつもりですが、これまでのエビデンスに加えて、ビックデータやクロス集計など様々な統計データを活用しながら、より客観的で県民の皆様が肌で感じられるような政策展開ができるように努めて参りますという考え方で整理をしていきたいと思います。
清家会長:他に意見はございますか。
新たな変化がある中で、取組みだとか対応だとか、どちらかというと大変だという危機意識の言葉が並んでいる印象を受けたのですが、それをもう少しポジティブな表現で、このような変化に対しても、このように前向きに取り組んでいくといった表現を取り入れていただけたらよかったなという気がいたします。テクノロジーが変えてきたのは、インターネットが出てきた、SNSが広まってきたというだけではなくて、それらを利用して我々の生活の仕方が変わってきたというのが今の大きな変化だと思いますので、そのあたりを取り入れていただけたらと思います。
ただ、それが本当にゴールなのかというと、私は違うと思います。SDGsについて語ることと、SDGsをPRすることの両方をやっていく必要があると思います。また、県は、県に対する要望、県行政に対するアンケートをやっています。実際に速報でアンケートが上がってきた中で、県には治安対策とか防災対策とか高齢者の福祉対策とか、ここをやって欲しいということがずっと変わらないわけです。新たな政策課題は大事ですけれど、県の予算が厳しいという中で、少し取捨選択が必要かと思いますのでその点をどうお考えか聞かせてください。
2つめの、県民アンケートへの対応という中で、今回新たな政策課題という、今後20年、30年先の社会経済の変動の中で現れてきている事象についてということで議論しておりますが、今後、これを使いながら、グランドデザインの最終的な点検評価をしていくわけですが、これは重要な評価をする際の指標になるものと思っていますが、県民の皆様にとって、いわゆる県としての基幹的な行政の分野については当然にして点検評価の中でやっていくべきものと考えておりますので、そこはそことしてきちんと整理していくことが大事だと考えております。
先日も、ある保育士養成所の学長と話す機会がありましたが、昔、保育士は夢の職業として人気がありましたが、だんだんと人気も下がっており、保育士の養成校等が募集をかけても定員に満たないところもでており、保育士を養成したくとも、保育士になりたいと思う学生が減りつつあります。その理由として、処遇改善の問題であったり、今までは、子どもを育てるという夢をもって、また夢に頼ってきた、これまでの制度がありましたが、現実問題として、処遇改善や保護者の対応や子どもの健康状態への配慮など、これまで以上に仕事量が増大している状況があります。また、保育士の地位的な部分が昔と比べて向上していない現状があります。 だからこそ、ここでしっかりと保育士の処遇改善、質の向上など、保育士の仕事に光を当てる取組みは、大変に重要だと思っています。これからの子どもをしっかりと育てていくにあたって、幼稚園もそうですが、保育所についても地位向上に取り組む、新たな施策を打って出ないと、将来的にさらに困難な課題にぶつかるのではないかと思っています。
2点目として、インフラ整備についてです。今後、レベル5の自動運転をめざして、技術革新が進んでいくと考えられ、この報告書の中でも、自動運転技術の進歩に向けて取り組んでいきましょうと書かれています。ところが、実際に施策を進める場面においては、渋滞が発生するなど、マイナスの発想をするお話も聞くことがあり、県庁の中でも、政策部門とその他の部局で意識共有が図れていないのではないかと感じています。今後、どのように全庁にオーソライズをしていこうと考えているのか、お伺いしたい。 3点目は、スポーツ関係についてです。オリンピックを契機にスポーツの機運を醸成していきたいと考えらえているようですが、県行政として、今後、県民スポーツをどのように推進していくのか、様々な施策はあると思いますが、県民スポーツという意味合いでは、都市部において、スポーツ施設が確保できないという課題もあり、そのような部分も含め、この審議会の中でどのように考えていくのか、以上、3点をお伺いできればと思います。
しかしながら、当然として県行政を推進していくにあたっては、財政的な裏付けが必要であるということは、委員がご指摘のとおりだと思っております。そうした中において、資料66ページの今後さらに検討すべき課題の中に、「(4)財政の制約」の項目を設け、しっかりと財政の制約があるということを考えるべきであり、場合によっては、ここに記載のあるような、ソーシャルインパクトボンドであったり、クラウドファンディングなどの活用についても、部会からの提言をいただいているものと受け止めているところです。 次に他局との連携についてですが、政策を推進していくうえでは、先ほど、渡辺委員からもご発言があったとおり、神奈川県が、県として全体的に連携・協働を図りながら進めていくことが大前提としてあり、ここで、個別具体なお話はできませんが、資料の61ページの「総合的な視点に立った対応」などにも、もっと総合的に取り組んで、県民の福祉の増進のために、全体として空白部分が生じないように取組み進めていく必要があると示されています。その際に政策局としても、クロスファンクションの取組みとして、各局に投げかけをしながら進めていきたいと考えています。 3点目のスポーツの問題につきましては、所管するスポーツ局においても計画等を策定したところです。この計画は、県の総合計画である「かながわグランドデザイン」とも連携する個別計画であり、県政運営上の総合的・基本的な指針であるグランドデザインとも連携、補完し合う関係にありますので、そのような各局が所管する個別計画等とも連携しながら進めていきたいと思っております。
一例としては、長野県では、地産地消のエネルギーのプロジェクトを推進することによって、雇用を生み出したり、環境問題をクリアにしたり、また高齢者の方を巻き込んで地域を活性化したりということで、プロジェクトベースのソリューション、つまり課題を横断的に解決していく政策推進なども活発に取り入れられているようです。おそらく、このプロセスの次の段階でいくつも出てくるのかなと思っております。 最後にSDGsについては、私も部会の中で、用語の認知度の低さなどで懐疑的な姿勢でしたが、先ほど内田委員がおっしゃってたように、有識者の方に聞いてみたりすると、欧州や国内でも先進的な取組みをしている自治体などでは既に取り入れつつあるということで、今後どこまで追いつかれるのか、または先を行き過ぎてしまうのかというバランスはあるかと思いますが、うまくバランスをとって反映していただければと思います。
もうひとつは健康長寿ですが、これは大切な問題でございます。具体的な動きから言えば、確か来年度から国民健康保険が基礎自治体から県に移管されますので、ますます県がイニシアチブを取って医療や介護の提供体制の改革を進めることが求められると思います。その際には、いわゆる地域包括ケアというものが絵に描いた餅ではなくて、実際に機能しないとこれは実現しないと思います。そういう面では、先ほど篠原委員の話にもありましたけれども、社会福祉協議会などの役割はますます大きくなっていくと思いますので、その辺りも大切だと考えています。 SDGsについては、私もとても大切な考え方だと思います。このサスティナブルとは、短期の損得ではなく、長期的に持続可能だということがポイントになっているかと思います。先ほど内田委員も言われましたが、実際、今、企業に融資や投資をするときに、ガバナンスの問題や環境対応や働き方の問題が重視されますが、これは単なるきれいごとではなくて、特に年金基金のように長期に株式を保有しようとした場合に、そのようなことはリスクになるからだと思います。つまり、企業等が長期にサスティナブルであるためには、短期にはコストになるかもしれないけれども、環境対応をしっかりやる、あるいはガバナンスをしっかりやる、人々が働きやすい環境を整えるなどという、県の政策などでもこのSDGsを考えるというのは、財源の話もありますが、短期にはいろいろな課題があるけれども、神奈川県が長期にサスティナブルな形で発展していくためには何が大切かというその考え方が大切だと思います。 私は、この17の項目のそれぞれに対応することも大切だと思いますが、17のゴールは確かに普遍性はありますが、国連では途上国などで、まだまだこれらが実現していない地域の状況を改善することが第一の目標であったと思います。項目の1つ「すべての人に健康と福祉を」に関連し、正に日本はユニバーサルヘルスカバレッジが最も進んでいる国だと思いますので、17の項目それぞれについて、日本あるいは神奈川県が、進んでいる項目、またもしかするともう少し頑張らないといけないところがあると思います。神奈川県の最も良い政策を進める上で、SDGsのどれに対応しているのかという位置付けで対応していくと良いと思います。以上になりますが、牛山部会長始め、部会委員の方々が素晴らしい報告書をまとめていただいたことに御礼申し上げます。それでは、最後に牛山部会長よろしくお願いいたします。
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会議資料 |
計画グループ
電話 045-210-3061|045-210-3064
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