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更新日:2018年8月27日

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総合計画審議会第76回計画推進評価部会 審議結果

総合計画審議会第76回計画推進評価部会の審議結果

様式3

次の審議会等を下記のとおり開催した。

 
審議会等名称

総合計画審議会第76回計画推進評価部会

開催日時 平成28年12月20日(火曜日)18時30分から20時30分まで
開催場所 新庁舎5階 第5会議室
出席者

牛山久仁彦、関ふ佐子、橋本雅代、村井知光、木曽順子、小池智子、朱銘江、杉田敦、

伊達仁人、原大祐、原嶋洋平、山本篤民、山本佳世子、川崎優美、北原まどか〔計15名〕

(◎部会長)

次回開催予定日 未定
問い合わせ先

政策局政策部総合政策課計画G 三留
電話番号045-210-3061(直通) ファックス番号045-210-8819

審議経過

議題1 「社会環境の変化と今後の課題」について

《資料「「社会環境の変化と今後の課題」について」、参考資料1「神奈川県の政策課題に関するデータ集」、参考資料1【別添】県内の人口分析、参考資料2「今後のスケジュール(予定)」について事務局から説明。

 

 牛山部会長:今日は、今後の起こりうる社会環境の変化について意見をいただいていくと考えていますが、「自由に議論してください」という形でお願いしても出にくいかと思いますので、緩やかな分類を少しさせていただきまして議論を行ってきたいと思っております。

本日につきましては、総論的なことと人口の動態について、それから政治社会のあり方について、産業について、環境についての4分類の項目をご議論いただいて、次回は、教育・子育て、福祉、国際、まちづくりの4分類で議論させていただきたいと思っております。そうは言いましても、関連することでありますとか、そこで、お考えになったこととかあるかと思いますので、議論の展開によっては違う分野に話が及んだり、横断的になっても、それはよろしいかと思いますので、あまり限定的にならなくても、最初ですので、ご自由にご意見をいただければと思っておりますのでよろしくお願いします。

今回、4つの分野について議論をしていくわけですが、比較的ご専門が近いとか、その方面については研究業績を持たれている先生方がいらっしゃいますので、最初のところで、キックオフといいますか、少し問題提起をいただいてですね、その後、皆様からご議論いただく形で進めさせていただければと思っておりますのでよろしくお願いいたします。

 

まず、総論的な部分と人口の問題ですが、ここのところは私から簡単にお話をさせていただきたいと思っております。私は行政学をやっておりまして、人口問題の専門家ではないですが、神奈川県の地方創生推進会議にも参加させていただいておりましたので、神奈川県の状況ですとか、関連して日本全体、あるいは近郊でいうと東京都などの状況について、少し問題提起をさせていただければと思います。

参考資料1ですと1ページのところから、総人口の動態、人口構造の変化、孤立的高齢世帯についてといったようなグラフがございます。それから、参考資料1【別添】ですと、関連して長期的な人口の動向分析ですとか、5ページぐらいに行きますと地域政策圏別の人口の推移などが記載されておるわけですけれども、これは所謂「増田レポート」というのが出されまして、全国各地で消滅可能性のある都市がありますよ、出てきますよということで、非常にセンセーショナルになったわけなのですが、第2弾の「増田レポート」では、特に東京圏の高齢化の状況が非常に厳しいというような報告があり、首都圏の高齢者を地方移住させるのだという話が出たりしまして大変物議をかもしたわけでありますけれども、神奈川県以上に東京の中心部などは高齢化が進んでいくだろうということで、さらにそういった孤立した高齢者の方、単身世帯で高齢化していく人たちを支えていくということが非常に困難だというのは、財政的に言ってみれば、現状では3.5人の生産年齢人口で高齢者1人を支えていくような構造が、2050年ぐらいには1人で1人を支えるような財政状況になると予測され、大都市においても横浜市などでいうと、今後20年ぐらいの間に、社会保障人口問題研究所の推計では、大体、50%ぐらい65歳以上高齢者の増加が見込まれ、それに伴って財政的にも50%程度の費用が増えていくだろうということであります。

当然、生産年齢人口は減少していきますので、非常に厳しい状況になるのではないかというのが、大都市圏でも考えられているわけであります。

実は神奈川県の状況を見ますと、東京中心部から見ると少し外円部になる川崎や横浜などでは、出生率あるいは未婚率は東京中心部ほどは低くなく、その点では若干、東京都心部よりは余裕があるのかもしれませんけれども、しかし、今お話をしましたように、横浜あたりでも財政負担が増えてきて、これに対応していかなければならないということです。

さらに、参考資料1【別添】の5ページに、人口減少地域と消滅可能性都市という地図がございますけれども、神奈川県は、横浜市や川崎市あたりが出生率も比較的高く若い人も多いということですが、消滅可能性があると言われている自治体、例えば県西地域の自治体でありますとか、三浦半島、特に三浦市周辺、横須賀市も大きな都市ですけれども人口減少は全国1番か2番かというぐらい減ってきているということで、県内を見ても、この県西地域や三浦半島への支援といいますか、政策的提案が非常に重要になっています。

その点でいうと、神奈川県の場合は、東京とか首都圏や大阪圏対地方という環境を、これは黒岩知事もよくおっしゃることですが、県内で保っているような状況で、そういった意味では県内におけるこの支え合いとかですね政策的な提起みたいなものがどんなふうにできるかというのも課題になっているかと思います。非常に厳しい現状に県内としても直面しているところがあるのではないかと思っております。

また、そういう中で、長寿化社会をむかえる中、政策的にも、今まで例えば75歳とか、80歳までで人生を終える方が多いということで、取ってきた行政体制を、さらに85歳90歳と伸ばしていったときに、一体どういう体制がとれるのかを考える必要があると思います。

それから、財源の問題があります。先ほど横浜市の話をしましたが、大体軒並み大都市圏の自治体、埼玉や千葉でも、同じように非常に厳しくなっています。

東京都などでも、こういった問題については非常に深刻に考えているようですけども、これは当然、東京都だけではなく、首都圏の1都3県などは、確かに今のところ人口はまだ数年伸びていくということですが、4、5年後からどこの県も減少に転じて高齢化が進行します。

実はこれは神奈川県で作っていただいた資料でも別途あるのですけれども、地方の方が早い段階で若返るということです。これはあくまでも地方創生の戦略がある程度うまくいって、出生率が回復するという前提でやった上でのことですが、首都圏1都3県ですと大体それでも30%ぐらいの高齢化率で推移するというのが見通されています。それに対して、地方のその他の県の平均を見ますと、こちらは25%ぐらいで推移するとされています。全国平均の方が1都3県よりも早く若返って高齢化率も低く推移するということになりますと、神奈川県をはじめとする。この1都3県の状況というのは非常に厳しくて、行政体制や行政計画も、今後どんなふうに、それに対応していけばいいのかというのが非常に大きな課題になっているということです。

そういった意味では非常に都市的な環境を持っている、政令指定都市をはじめとする大きな都市と、西部地域や三浦半島南端といったような地域の両者を繋ぐような政策も考える必要があると思います。その意味で、様々な課題を神奈川県も持っているということではないかと思います。

私の話は一つの問題提起という事で話題提供ということですので、ぜひ皆様から、他の部分に関連して、総論から、子育て、高齢者、環境、文化といろんな面や問題に波及していくかと思いますので、それぞれご自由にご議論いただければと思っています。それでは、いかがでしょうか。

 

 伊達委員:高齢化の問題ですが、統計学的には当然進んでいくのですが、都市の適正人口規模というところで押さえたときに、実際それがこれまでどれくらいエクシードしていたのか、もしくはそこに対してどういうインパクトを与えていたのか、というところを今一度見直す必要があると思います。これから経済や社会状況が変わっていく中で、コンパクトシティという考え方が当然出てきます。コンパクトシティへの入り方、それぞれのコンパクトシティの中での人口動態をどういう風にコントロールしていくのか、ということに対するそれなりのビジョンを持っていく必要があるとおもいます。加えて、高齢化というところの、今の社会が高齢者を支える仕組み、システムといったところを、この延長線上で事を考えるといったところでは、必ずすぐ限界が来るといった中で、高齢者がどういった形で社会的価値還元ができるのかという社会システムをいかに構築していくのかを考える必要があると思います。60歳定年、65歳定年というのは、一つの限界を生み出しており、これまでの社会システムの問題なのかなと思っているのですが、昭和30年、40年のときに60歳定年という仕組みが出来た、社会保障といったものが1960年代に生み出されたときに出来た仕組みというのは、定年後、あと何年生きられるか、あと何年、健康で社会の中で自分たちの余生をエンジョイできるのかといったところで設計されていたものが、そこのシステムがそのまま残った形でどんどん寿命が延びていって百寿社会になっています。それまで社会に貢献していた期間と、社会を引退したあとの期間が40年・40年でほぼ一緒になるという状況の中で、この仕組み自体を少し考え直す必要があると思います。それから、人間の脳の機能を考えたときに60歳もしくは65歳まで、これを年齢を上げて70歳まで現役世代で働きましたということで、次、何か新しい事をしましょうといったときに、社会に対するフレキシビリティをどこまで持つことが出来るのか、脳機能の萎縮はさておき、社会性といったところだけで見たときに、そこに対する順応性とか自分の中での新しい価値概念というものを許容することがどのくらいできるのかという事を考えると、それまである程度訓練をしていないと、なかなか次のところに入っていけない。65歳・70歳で引退して、次に何をするかと考えたときに庭いじりしかない、となると社会の中では消費型のモデルになってしまって、社会の中で価値を生み出す側に立っていけないということで非常に問題があると思っています。そういった意味では、例えば45歳で最初の定年を迎える。40歳・45歳で定年を迎えると、今回ベンチャーのスタートアップ支援をされている委員の方もいらっしゃいますけど、若いタイミングで新しいことにチャレンジするという事をどんどん繰り返していくということで、環境の変化に対する対応性をいかに身につけるのか、それによって、自分が年をとったときにでも新しいことにチャレンジする、その時に新しい目で何ができるのか、自分の年齢をベースにした社会問題に対してきちんとチャレンジをしていけるような社会システムを構築していく必要があると思います。まとめていうと、コンパクトシティの中で、高齢者はどういう風な形で、社会に価値還元をしていくのか、それは高齢者としての問題だけではなく、若年層を含めた、それから、子育て世代も含めたエコシステムの中で高齢者がどのような価値を持つのかといったことも含めて、限界の話というよりは、ポジティブな可能性の話です。それから全体を見ていて今回抜けているなと思ったのは、テクノロジーの話です。5年後、10年後、20年後にどういうテクノロジーが社会の中に導入されるのか、それによって今まで限界と思われていたことが、どういった形で限界ではなくなるのか、ここが入ってきたときには、社会の仕組み自体が大きく変わっていくのかなと思っています。そういった意味で、テクノロジーの視点も入れた上で、コンパクトシティの中における、それぞれの世代の人間の役割といったものをもう一度見直していく必要があるのではないかと考えています。

 

 牛山部会長:ありがとうございました。ほかにはいかがでしょうか。

 

 小池委員:今の話に関係あるかもしれませんが、私も、高齢者割合が増えていて、それ自体は暗い情報のように思われますけれども、必ずしもそうではないのかなと思っています。どうしても生産的なことの意味が、社会貢献できるということがらの意味、経済的に貢献できるとか、活動量で貢献できるとかが中心になると思いますけれども、必ずしもそうではないのかなと思います。先日、タイでのある活動を拝見しましたが、高齢者と子どもがバディ、ペアになって一緒に障がい者のケアを行うというもので、高齢者と子どもたちの組み合わせが非常に活きてくるものでした。高齢者の経験、子どもたちの新しい見方が組み合わさることによって、障がい者の方にどう向き合うのか、障がいというのがマイナスではなくて、何らかの形で社会に参加できる一つの形であると、それから、高齢者も今では病気の5つや6つは皆さん持っていて、障がいも持っているかもしれないが、そういうものを持ちながらも生きるということの知恵を持ち、しっかりと生きていける、この社会の中で存在する意義があるということを子どもたちに伝えています。とてもいい相乗効果になって、例えば、ゲイコミュニティや、HIVエイズの問題を持っている方達とか、障がいをもっている方達のサポートグループとしてうまく機能している姿を拝見してきました。そういう多様性を若い世代に伝えていく可能性というものを高齢者の方達は持っているのかなと思っています。私は看護医療でありますから、「健康に」であったり「障がいを克服して」といったものが目標・指標の一つになるわけですが、障がいを持っていても、病気であっても幸福に生きていることの価値というものを社会に広げていくという観点から、高齢社会を見ていくと、視野が広がっていくのかなと思います。

 

 牛山部会長:ありがとうございました。ほかにはいかがでしょうか。

 

 山本(佳)委員:参考資料1の別添を拝見していて、人口移動の状況が非常にユニークだと感じました。神奈川県の場合、県外からの移動だけじゃなくて、県内の中での移動もかなり気をつけて見ていく必要があるということがよく分かりました。年齢とかいろんな属性を持った人たちが、どういうふうに移動しているのか、その中には日本人だけじゃなく、外国の人もおられると思いますが、そういう事をチェックしていくことがこれから必要になるのかなと思いました。いろんな人がどういう風に移動しているのかを考察することは、ひいてはダイバーシティーの考え方にもつながってくるのかなと思います。それから、人口というところでなかなかデータには捉えにくいですけれど、交流人口を神奈川県の場合はこれからよく考慮していただいた方がいいのかなと思います。こういう人口に関する問題というのはインフラ整備、社会資本整備とかにかかわってきます。必要なところに必要とされるものを整備していくという事を考えなくてはいけないでしょうし、高齢の方が増えてくると、土地利用とか空間利用のことも良く考えていかなくてはいけない。委員の意見の中にいくつか災害リスクの事を書かれていましたが、災害リスクの高いところだったらそこにそのまま住み続けるのか、環境負荷が非常に高いところにそのまま住み続けるのか。これから人口減少とか高齢化といった事を考えるのでしたら、住むべきところも考えなおす必要があります。また、人が移動するにつれてエネルギーの利用の仕方も無駄を省くような使い方も出来るようになるのかなと思います。人は移動をしますし、住んでいる人の属性も変わっていく事を考えると、そこから必要とされるものがその地域によって見えてくると思います。そこからイノベーションが始まって、新しいもの、技術が生み出されることがあります。そのためにいろんな所で情報化が進んで、新しいものも生み出されたりしているので、技術なども人口の変化や社会的変化によってずいぶん変わってくると思うので、まずは、人口など社会的変化はベースになることだと思うので、これを意識しながら他の問題も考えていく必要があるのかなと思います。

 牛山部会長:どうもありがとうございます。他にはいかがでしょうか。

 

 川崎委員:私は自分が研究をしているという立場ではありませんので、実業の方で外資系企業と関わることが多い立場から発言させていただきますと、現在、確実に20代から40代の方で元々外国籍と言いますか外国にルーツを持つ方々が日本の労働者層の中で増えてきていると思います。つまり、日本人という言い方が正しいのかも分からないような世界になってきているのではないでしょうか。また、実業の中にあっては特に感じるのですが、世の中は高齢化社会と言っているのだけれども、20代、30代の日本を基盤に生きている人たちが見えている社会というのは、若者が、いろいろな人が沢山いる社会というものなのではないでしょうか。私たちは自分の親の介護が確実に訪れるということで高齢化だと言っているけれど、日本を基盤にしている若者たちが見えている社会というのは高齢化というよりも躍動感があふれている、様々なルーツをもつ人が日本経済の中で働いているというものなのではないかと思います。なので、日本の社会を語るときに高齢化社会というくくりのみであることに、私は非常に危機感があります。インターナショナルスクールが神奈川県内でも増えてきているということを肌で感じてもいます。日本は高齢化社会だとすごく言われておりますが、若い労働者も数多くいるわけで、そういう若者たちはどのような職業を選べばいいのか、競争社会をどのように乗り越えていったらいいのかを考えています。高齢化とか70歳まで働かなければ生きていけなくなるとか、各年代で捉え方が全く異なってきているのではないでしょうか。そのような世代間ギャップにも注目していきたいと考えています。

 

 牛山部会長:ありがとうございます。

 

 小池委員:人口のデータに関して、事務局より補足の説明をいただければと思います。県西医療圏の人口減少が著しいというデータでございますが、その中でも開成町は人口が増えております。周りの箱根町にしても山北町にしても人口減少が著しい中で、開成町だけが人口が増えている要因はどういうものなのでしょうか。

 

 総合政策課長:開成町につきましては、小田急小田原線の開成町駅前で市街地再開発の事業が進んでおります。そこに大きな高層マンションがたくさん建てられているということで、そういった所に若い世代が入居されているということが1つあげられると思います。また、街の中に大きな企業ができたりもしておりまして、そういった要因から開成町においては人口が増えているという状況となっているのではないかと考えております。

 

 小池委員:それでは交通のアクセスを非常に良くして魅力的なまちづくりをすれば、こういう地域においても人口が増加するという、そういうデザインを描くことは可能だということでしょうか。

 

 総合政策課長:開成町においてはそういった要因で人口が増えたという状態なのだと思いますので、可能性としてはあると思います。

 

 小池委員:神奈川県の中で唯一町レベルで人口が増えていたのが開成町であったため、お尋ねしました。ありがとうございました。

 

 牛山部会長:例えばつくばエクスプレスが通って便利になったということで人気が出て、今まで建物がなかったような場所にマンションが建つのと同じようなことなのではないでしょうか。既に市街化しているところを新たに開発するとなるとなかなかできなかったりしますが、そうでない場所であれば開発も進めやすいという場合もあるでしょう。そういう意味では、開成町では条件が整っていたと言うことができるのかもしれません。

 

 木曽委員:関連してなのですが、キーワードに高齢化社会と公共交通機関と書かせていただきました。公共交通機関については非常に気になるところでございまして、先ほど若者が集まってというお話がございましたが、やはり私は高齢の方々があらゆる形で社会参加をする、いきいきと生きるということを可能にするためには公共交通機関を減らしてはいけないと思います。赤字であっても人々の移動を保障するような社会的な施策が重要なのではないでしょうか。車社会のための道路整備ということももちろん重要性ということでは分かりますが、しかし同時に、車社会が充実、発展してくれば公共交通機関を減らすということではなくて、環境問題ということもございますし、車を運転できなくなった人のためにも、車を手放しやすくするためにも、高齢化社会であればあるほど公交通機関を充実させていく必要があるのではないかと思います。

 

 橋本委員:先ほど木曽委員からありましたように、公共交通機関については利用者数が少なくなってきたことによって採算が取れなくなったという現状がある中で、藤沢市は県のロボット特区に入っておりまして、先日ロボットタクシーの実証実験を行っておりました。伊達委員からもありましたが、ロボット化やIT化と言いますか、技術の進歩、新しい技術というものが益々役に立っていく時代になっていくのではないかと感じております。

 

 牛山部会長:ありがとうございました。まだ議論はつきませんが、次のテーマもございますし、また戻ってご意見をいただいてもかまいませんので、次のテーマに移っていきたいと思います。政治社会についてということですが、こちらにつきましては、初めに杉田委員にご発言をいただければと思います。よろしくお願いいたします。

 

 杉田委員:政治ということですが、個々の政策課題はそれぞれ別途、議論になるということですので、政策課題を除いて残る政治という枠で議論するものは限定されます。

一般論として、1つ目は、統治、ガバナンスのシステム自体がうまくいっているのか、例えば議会と行政の関係です。議会が活性化しているのか。行政が機能しているのか。あるいは議会と行政の関係がうまくいっているのか。さらに、住民参加などが形骸化していないか、審議会が形骸化していないか、そのようなシステム上の問題を議論する必要があります。ただこれが、神奈川県において実際に大きな問題があるのかどうかは、今まで勉強しておりませんでしたので、分かりかねますが、あまりそういった話は聞きませんので、それはないのかと思います。

2つ目は、単位です。どのような単位、ユニットで行えばいいのか。以前も申しましたが、例えば横浜市などの政令市と県の関係をどう考えていくのかということは、これは潜在的には大きな政治的な問題で、県だけでどうこうできる問題ではないですが、総合的に政策について考える場合に、神奈川県は政令市が多いですので、役割分担があります。それだけではなく、政令市以外の自治体と県の関係や、それらの自治体をある程度集めたような、広域的な行政単位を考えたほうがよいのかどうか。これについても、新たな単位を作ることでなくとも、政策ごとに、この政策については、ここと一緒にやったほうがいいのではないか、この政策はこの自治体に任せた方がいいのではないかなど、切り分けを考えるとすれば、県が考えた方がよいと思います。どの単位でどのような政策を実施することが合理的なのかということについての議論が必要だと思います。

それから、もう1つ一般論として、行政が中心となって、サービス等を提供してきたことについて、今後どのようにしていくのか。いわゆる、市民社会セクター、行政セクター、市場的なものと3つあり、この3つの関係が重要です。福祉サービスなどでは既に行政がどこまでやるのか、NPO等がどこまでやるのか、場合によっては業者が関わるのかなど、議論されていると思います。市民社会セクターに期待するときに、先ほどからお話に出ている、高齢の方々に活躍していただくなど、これに関わってきます。議論の流れとして、単に、財政が厳しいから公共サービスが提供しにくいので、市民社会セクターにやっていただくという後ろ向きな話ではなく、市民社会セクターと分担したほうが、より適切に行えるような事があるのではないかという議論が必要だと思います。その点で、これまで神奈川県内でNPOや社会的企業など様々な団体が機能して、どこに可能性があるのか、これも私、勉強していないのですが、今後勉強させていただいて、今申したような分担関係を考えていくとよいと思います。

 

 牛山部委員:ありがとうございます。ただ今、杉田委員から問題提起をいただきましたが、それに関連することでも、あるいは他のことでも、ご自由にご発言いただきたいと思います。いかがでしょうか。

 

 伊達委員:先ほど、3番目におっしゃった行政が中心に行っていたサービスを、これからどう展開していくかという点ですが、海外の事例を含めて、SIB(ソーシャル・インパクト・ボンド)やSIF(ソーシャル・インパクト・ファンド)という取組み、いわゆる、今までの行政が考えるリスクマネージメントを中心においた、新しいものに対する取組みの査定や評価方式から、リーンスタートアップのような形で、市民がいかに新しい知識・知恵を持って新しいシステムを導入していくのか。リーンスタートアップは小さくても臨機応変にといったところで、その成功事例をどんどん社会の中にインプリメントしていく、そこで、行政から市民社会セクターや、別のセクターの方に移していくというような取組みがもっと積極的に生まれていくべきなのではないかと思っています。特に行政的に考えると、市区町村が持っているバジェットと県が持っているバシェットは全然違うものだと思っているのですが、県であれ、市区町村であれ、色々な形で実証実験であったり、補助金・助成金で新しい産業を生み出す、もしくは社会保証基盤を整備していく中で、より長期的なビジョンで、SIBであったりSIFであったり、今までと同じポケットの使い方を変える、今までは単年度で物事を判断していた。ファンドが良いという話ではなく、中長期にその投資がどう活きていくのかということです。当然、企業側の問題も大きいと思っていて、助成金ビジネスというものが一般的にあることに、非常に問題を感じています。最終的な社会還元に関する責務が低い、非常に希薄な団体が、巧みな言葉で色々な補助金・助成金ビジネスを獲得しています。チャレンジ自体が悪いことではないが、2年後、3年後にチャレンジしたものが社会の中に浸透しているのかということを考えて評価していくことを考えると、県や市区町村が入れるお金が、1回きりで、単年度で評価が終わるモデルではなくて、そこに入れたということが、例えば株式のように、ガバナンスの権利を持つなど、何かしらの形でずっと社会に対してチャレンジしているのか、正しい形でプロジェクトが動いているのかというところも含めて、見ていけるような仕組みづくりが重要だと思います。

あとは、税金でつくったものがこの地域に留まる必要はないと思っています。そこで生まれた新しいアセットというものがレバレッジを効かせられるモデルで、これから海外を見ていった時には、日本の高齢化に続いて、海外もどんどん高齢化が進んでいきます。いわゆる日本モデルを採択したいという非常にグリーディーな地域が、シンガポール、マレーシア、中国もそうですが、色々なところに存在していると考えると、神奈川でつくったアセットを1つの知財として運用していくことができれば、SIBやSIFの一部の権利が新しい外貨を獲得する為の仕組みとなってきます。そうなってくると、逆に県民からはそのサービスに対してはフリーで良いとなる。仕組み自体が海外でお金を生んでいるから、全く県民に対してはお金を要求しない。もしくは税金を軽減できるという新しい発想の中でのキャッシュの流れを考えていく必要があります。そういった意味からもガバナンスの仕組みや単位、システム上の機能の評価を見直すタイミングが来ていると感じています。

 

 牛山部会長:ありがとうございます。他の委員の方、いかがでしょうか。

 

 山本(佳)委員:参考資料1の22ページ、「5-1社会意識に関する世論調査」で、社会思考か個人思考かを見ますと、1988年の12月以降、社会思考の人の割合が、個人思考の割合を上回ってはいるのですが、その差は縮まってきています。これはどう考えたらよいのか、神奈川県にもこの考えが当てはまるのかと考えました。すると、年齢別のデータがあれば、年齢によって社会思考・個人思考の度合いが違う、また割合が違うなどが見えるのではないかと思いました。理由は、個人を非常に重視する人が増えているとも見えますが、社会をもっと考えようという方達もまだ居られて、その人たちの割合がまだ多い状況だというのも、これから計画づくりのとことで意識をせざるを得ないようなものになってくると思います。こういった調査で意見が吸い上げられるような方々の意見は良いと思いますが、昔からサイレントマジョリティーとよく言われていますが、どこにも意見を表明しない方々の社会や政治に対する要望や意向を吸い上げていくのかは、課題として継続的に考えざるを得ないのかと考えました。

 

 牛山部会長:この結果からすると、社会を大事にすべきだと考える人が増えているということなのでしょうか。どのように考えるかは、難しいところですが、個人で頑張るよりは、国や社会に頼っていくという傾向なのでしょうか。

 

 杉田委員:国と社会では少し違いますが、高齢化したからこのような傾向になったとも思えません。

 

 牛山部会長:自分のことより全体のことを考える人が増えたというイメージでしょうか。

 

 杉田委員:これだけでは、分かりかねるところがあります。

 

 北原委員:先ほど杉田委員の発言を受けてのことですが、市民社会セクターが、今後、行政サービスを担っていく方向に移り変わっていく中で、現在、NPOや市民セクターで働くとなったときに、給料の面などで厳しい状況があります。NPO業界では、フルタイムで働いても年収200万円位程度となっています。そのため、優秀な人材や担い手の確保が非常に厳しい状況にあると思います。そうなった場合に、多様な働き方として、女性が出産後に子育てをしながら、テレワーキングのようなかたちで参画できるような働き方を用意していくことも必要だと思いますが、それを実際に運営するとなると、そのマネジメントがとても大変になってしまうという状況もあります。NPOの多様な働き方に対するマネジメントの共有知のようなものを、どこかで得られるような状況になっているとよいのかなと感じています。また、担い手の中でも特に女性の働き方の部分では、パートナーの理解度の差や、保育園に入れるか否かなど、今の保育園の状況では、フルタイムの大企業や行政などでなければ、柔軟な対応することが難しい状況の中で、ソーシャルセクターの担い手をどのように確保していくのかが、大きな課題としてあると感じています。

 

 牛山部会長:例えば、このような問題に関して言えば、規制も一つの視点としてあります。地域で色々な取組みを進めようとするときに、業界や政府の規制などでできない部分もあります。最近、気になった話題として、アメリカで流行している、ウーバーというライディングシェアが、日本では実施が難しいという話もありました。個別の評価は別として、そういった面は、少し政治の話なのかと思いました。

それでは次に、産業分野について、山本(篤)委員から、最初にお話しを頂きたいと思います。

 

 山本(篤)委員:私は大学などで中小企業のことを中心に勉強をしておりますので、産業全体といっても、中小企業よりの話になってしまうかもしれませんが、ご了承ください。神奈川県の産業を考える機会がこれまでもありましたが、なかなか難しいと、正直思っています。それは、なかなか捉えどころがないところがあるということです。神奈川県の産業は、4つか5つぐらいの視点から、分析をする必要があると感じています。

まず、1つ目として、グローバルに活躍するような大企業が、自動車や電機産業が神奈川県を引っ張ってきた歴史があります。それが衰退していく中で、次なる産業として、ロボットやライフイノベーションや環境・エネルギー分野の産業をいかに興していくのかということに取り組まれてきたと思います。ただ、この政策は、ややもすると企業を誘致するだけで、神奈川県は、首都圏にあっては、恵まれている地域にありながら、更に企業を呼んでくるのかといった印象ももたれています。いずれにしろ神奈川県では、従来の自動車、電機関係から、いかにそれに代わる新しい産業を生み出していくのかということに取り組まれていると思いますが、その取組みを改めて評価するという時期でもあります。その取組みが、どれだけ地域に雇用を生んだのか、また、その産業がいかに地元の中小企業に仕事で関係し、波及していったのかという部分も含めて考えていく必要があるのかと思っています。

2つ目の産業の切り口として、従来の自動車や電機産業などを支えていた、下請けの中小企業の存在です。これまでの自動車や電機の下請けがなくなったあと、技術力のアップを図って新しい仕事を受注したり、付加価値の高い分野に移行をするなどの新しい動きが出ていることも事実としてあります。ただそれが、全体的に切り替えが出来たか否かということも問題としてあり、多くはその切り替えがうまくいかず、後継者不足や経営者の高齢化などにより、企業を止めてしまうケースも多々あります。その意味では、これまで下請けであった中小企業をどのように再生していくのかを含めて考えていく必要があると思います。

3つ目として、神奈川県にはあまり多くはありませんが、地場産業や伝統工芸産業といったもので、箱根の寄木細工や鎌倉彫、古くは横浜のスカーフなどもありますが、そのような産業も地元の観光とも連携しながら、新しい取組みをやっていくというものもあります。ただ、このような分野も、後継者不足などにより技術が途絶える寸前になっているところもあります。そうは言いながらも一方で、伝統工芸品などに若い人が注目をしていて、比較的多くの入門者がいるところもありますが、その人たちが、なかなか自立できない状況にもどかしさも感じています。折角、興味を持って技術を身につけたいと思う人がいる一方で、企業として成り立たない現状もあり、そこをもう一押しすることが出来ないかとも考えているところです。

最後に、4つ目の切り口として、ものづくりばかりではなく、私たちの生活を支えている商店街を始めとした小売業やサービス業の問題です。県内の商店街をみると、賑わっているところと、残念ながらかなり廃れてしまっているようなところがあります。賑わっているところは良いですが、そうでないところでは、これまで商店街で買い物をしてきた人が、買い物が出来なくなるという状況にもなってきます。そこを何とかしないと、住み続けられるまちにつながっていかなくなります。先ほど、人口の移動という話しも出ていましたが、その観点でいうと、小売業者やサービス業が広い意味で社会のインフラとなっている部分もあり、人口やまちを維持していくには、産業面からもてこ入れをしていく必要があると思っています。これに付随したことで、産業政策の中でよく抜け落ちてしまう事柄として、建設業のことがあります。建設業も全体からすると高い割合を占めており、建設業の役割が住宅の建設から、今後は、社会インフラの維持に移っていきます。空き家問題もそうですし、道路や下水道なども含め、それをどのように維持していくのかとなった時に、地元の建設業者を一定程度維持していかないと、いざ地域で災害が起こったときに、どのように対応していくのかといったことも出てきます。そのような観点から言えば、建設産業はあまり産業としての振興の対象になっていないことが多いが、安全や社会を維持していくという観点から、地元の建設産業をいかに育成させていくのかも含めて考えていかないといけないのではないかと思っています。そのようなことを含めると、産業分野といっても非常に切り口が多く、私も研究をしていても戸惑う部分も多くありますので、皆様からより多くお知恵をいただければと思っています。よろしくお願いします。

 

 牛山部会長:どうもありがとうございました。ただ今、山本(篤)委員からご発言をいただきましたが、皆様いかがでしょうか。

 

 村井委員:ロジカルな話ではないのですが、先日、現場で介護系専門学校の校長の方にお会いしたときに、40名くらいの定員のところに15名程しか集まらず、そのうちの半分が進学やその他に就職されて、さらに、そこから分化していくと、介護業界に行かれる方は、1名から2名くらいとショッキングなお話しを伺いました。先ほどの少子高齢化のところと絡むのですが、今後、何十万人単位で不足すると言われる介護人材のところです。さらに、お話しを伺っていると介護士の方の時給が1,050円から1,100円くらいなのですが、かたや忘年会シーズンで居酒屋さんなんかに行くと、人手不足で1,500円以上の時給が付いているということで、実際、介護施設の方のお話しを伺うと全く打つ手がない、どうにもこうにも、今後、介護の担い手を育てていくことが考えられない状態だということです。今の産業に関して、一つ神奈川県が注力されているロボットのところで、特にお伺いすると医療とか介護に非常に注力されているということで、神奈川だと厚木など県央にロボット特区をつくられています。最近、現場の話しなのですが、サイバーダイン社の腰に着けるものが、まだ、200万円か300万円、数百万円単位するそうですけど、海外市場では、先ほども介護モデルが非常に注目されているということで、アラブとか欧米からもサイバーダイン社の介護ロボットに関して、わざわざツアーを組んで見に来ている状況が続いているそうです。神奈川県として、医療や介護に向けて、ロボット市場とシナジーを作っていくとよいのかなと思いました。

 

 牛山部会長:ありがとうございました。他の委員の方はいかがでしょうか。産業と絡んで朱委員から意見はありませんか。

 

 朱委員:産業の話しについて、外国人との絡みを少し考えてみたのですが、先ほど、山本先生がサービス業のお話しに少し触れられていましたけれど、今、サービス分野で外国人が本当に多い気がします。コンビニに行っても、ファストフード店に行っても、牛丼屋さんに行っても従業員がその時間帯全員外国人であったりすることが大いにあったりします。外国人は、本当に日常の普通の姿になったということですね。これは、先ほどの川崎委員のお話しともつながりますが、我々もそうですが、外国をルーツとする人間としては、このような社会がもっともっと自然になって欲しいという思いがあります。資料の2ページの上のところに外国人の推移のデータが出ていました。国籍別に区分されておりますが、これを見ても分かるとおり、今までは、韓国、朝鮮、いわゆる、朝鮮半島出身の方が約半分近くいたのですが、最近は、平成27年のデータを見ると3割が中国系になっています。何が言いたいかと言いますと、外国人が多数いるということは、一つのデータなのですが、それ以外に見えない数字もあると思います。これは、以前の会議でも発言したと思うのですが、いわゆる日本に帰化してしまっている人、しかし、その人の第一言語は、日本語ではなかったりします。そういう人が多数います。例えば、国際結婚というのか、外国の方が配偶者という方もたくさんいます。また、その子どもたちもいるということで、これは数字以上に、もっと、日本社会に入り込んでいるのではないかという気がします。つまり、これからは、外国人、日本人と区別するのではなくて、一人間として、見て行くようなことをみんなが普通に思えるような社会になっていかなければならないのかなと思います。あと、どうしても文化的な面でいろんなギャップがあったりすると思うのです。一つ例を挙げますと、10年前、20年前と比べて中華街は、大分、様変わりしてきました。ご存じでしょうが、最近は、食べ放題の店が増えたりしております。それは、良い悪いは別として、そう言ったところで働いている人も中国から来ている人が多かったりします。そうすると、どうしても、サービスがなおざりだったり、いい加減だったり、言ったことがすぐに通じなかったりと、色々とあったりすると思うのですが、そういったことも含めて、これが当たり前の状態なんだという風に思えるようにならないと、神奈川もそうですが、日本の国際化が進んだことにはならないと思います。彼らを理解する、つまり、それを排除するのではなくて、「こういうものなんだな」という風な形で理解する努力を一般の日本の方がもっとすると、そういった方たちとの理解が深まるのではないかと思います。この先、10年後、20年後、日本の人口は減っていきます。中国も高齢化社会が進んでいますし、一人っ子政策もようやく止めて、二人っ子が始まります。日本が成功したものに関して、中国も注目していると思います。日本が出来ることを世界に見せていければ良いのではないかと思います。私のキーワードで提出したところで、一時ほど爆買いをする中国人は来なくなったみたいですが、しかし、これは一時的なものだと思います。中国人は日本にとても興味を持っていると思います。その代り、また、日本人を好きか嫌いかというと嫌いだけど好きなのですね。だから、日本に来るのですよ。そう言った中国人を日本がもっとうまく受け入れれば、非常にビジネスチャンスになると思います。爆買いにも象徴されるのですが、1人あたりの外国人の日本での消費額というのは、中国人がダントツだそうです。バックパッカーというのはあまりいなくて、来たら必ず買い物をします。そう言ったことで日本の産業の振興にもある意味役立つのではないかと思います。また、IRの議論もありけれども、将来もし横浜に誘致されたら、沢山の中国人のお客さんが来ると思います。少し、テーマとずれてしまいましたけど以上です。

 牛山部会長:ありがとございました。

 

 原委員:参考資料1【別添】の5ページに書いてあります。まさしく、県西地域で活動をしております。私の認識だと相模川より西が厳しいと思っておりまして、この地図だと開成町と厚木市と伊勢原市だけが色がない(人口増)のですが、その以外は、色が塗られている(人口減)というような状況になっています。これは、まさに、この地域の中に雇用がなくなってきているということが最大の原因でありまして、それとともに仕事がある東京、横浜に回帰していっているというのが、この地図の色なのかと思います。郊外に団塊世代が家を買って、団塊2世の世代が東京から帰らないというような現状になっており、その中で都心回帰が進んでいますから、だんだんベッドタウンが縮小してきていて、現状でいうと相模川より東側くらいまでがベッドタウンだと私は認識しています。つまり、郊外という風にされていた相模川より西が郊外ではなくて、地方化しているというのが現状だと思います。地方になってくると本当は地場産業だとか、そう言った自立した産業を持っていないとなかなか苦しいわけですが、一旦ベッドタウン化してしまったときに、地場産業若しくは、小売店などは潰してしまったということもありまして、その中にそもそも足腰がなかなか地域にないというのが、今の問題だと思っています。なので、もう一度、地域産業のようなものを、地域資源を生かしながらその地域を育てていくということが必要なのですが、なかなか、地域の中で、まだまだベッドタウンという意識、定住促進はどの地域もやっているんだと思いますけれども、全体的に人口減少トレンドですので、そう言った意味では周辺とのパイの取り合いということになっているのかと思います。逆にいうと、人口が減少しても、継続できる社会システムを作っていかなければならないという風に思っているのですが、いずれにしても地域産業を育てていかなければならないなと思っています。それと、私は仕事で二宮町の団地の再生もやっています。まさに二宮町も空き家が4割強あるというような現状で廃墟寸前の状態になっています。そういう現状が我々のところでも身近に感じているところです。そのような中、一方で、建設業界ですと、部屋数が余っているにもかかわらず、着工棟数を増やそうとしています。私が以前、ドイツに行ったときにドイツでは地域の中の雇用需要を図って、その中に適正な住宅数を計算して、それ以上の新規着工はさせないというような着工制限のようなことをしており、日本でもそういう部分最適から全体最適へと、どこかで切り替えないと、その歪みは修正できないのかなと思います。先ほど、先生からもお話があった建設業残しがいけないとの話がありましたが、私は建設業を多少最適化した方が良いと思っているのですが、建設業のことでいうと、単純に新築を造るということだけでなくて、地元の工務店などは断熱改修などを仕事にしていったりとか、グリーン系の環境整備などのグリーンのインフラなど、そう言ったところに仕事を振っていくとか、そう言ったことに振り分けつつ、最適化を図っていくと良いのではないかなと思います。最後に高齢化の話しが前回出ていたので雑駁とした話になってしまうのですが、思っていることがあって、この前、どこかのニュースを見たら、今、二十歳くらいの人たちで100歳まで生きる人が4割くらいになるだろうとの数値が出ていて驚いたのですが、本当に高齢化というか高齢化社会が来るのかと思い、そうなると逆に生きてしまう不安といいますか、みんながお金を残そうという不安を煽るようなことはすごく多いのだと思います。私は田舎に住んでいるものですから、わりとお金を介在しないで物をもらうことが結構あります。コミュニティが存在しているとすごく強いという風に実感をしていて、今後は、金持ちよりも人持ちだと考えます。先ほど伊達委員からもお話しがありましたけれども、40代、50代くらいで一旦リタイアしてではないですけど、地域コミュニティと関わりを持つ準備をする期間を早めに持ちながら、コミュニティのある地域、コミュニティ形成が非常に重要だということと、コミュニティがある意味可視化されていくというか、そういうことでのまちの評価というのがあっても良いのではないかと思います。今後は、ライフクオリティオブコミュニティがキーワードと個人的には思っています。

 

 牛山部会長:どうもありがとうございます。他にいかがですか。

 

 原嶋委員:専門の立場というよりは県民の立場で2つほどコメントさせていただきたいと思います。

一つは、将来像を考える時に、皆さんの今までのお話を伺っていると、県土全体を均衡に発展させるつもりなのか。極端なことを言いますと、捨てる地域と言ったら言葉は悪いですが、全ての地域に万遍なく人が住む必要が本当にあるのかとか、昔の田中角栄でありませんが、そういう必要があるのかとか、そこの選択をもう一度、県土均等の発展なのか、そうではなくてある種の選択と集中をしていくのか、ひとつ、意見を集約する必要があるような感じがしています。

もう1点は、全体を通じて、例えばコンパクトシティを作るとか、あるいはテクノロジーをどうアプライしていくかとか、高齢化社会の対応とか、公共交通機関、財政的なファンディングの問題、全体を通じて重要なのは、杉田先生がおっしゃったこととも関係しますが、社会の意思決定ですね、県という単位であれば県の中の意思決定というものを、公式には投票行為とかあるでしょうけれど、どうやらそれではなんとなく吸い取れない部分がたくさんあって、それに対してNPOとかいろいろあるわけですが、実はNPOといってもNPO法人になっていないような、例えば自治会、学童保育の保護者会、小学校の野球のクラブチームの保護者会、マンションの管理組合、法人かどうかはともかくとして、そういった色々な、いわゆる市民社会組織がたくさんあって、それとともに企業の意思決定というものも関係してきます。三浦半島の開発で言えば京浜急行の意思決定なども関係してきます。企業と県民、NPOとか色々なインフォーマルなコミュニティ組織、そういったところがどうやって意思決定に参画するのか。あるいは、高齢者と若年者。私は子どもが3人いますが、地域の自治会に行くと、おじさんおばさんが大きな声で喋っていて、若い人たちは引いてしまっているという構図もないわけではないのですが、それはひとつの局面で、高齢者、若年者、個人、あるいは自治的なコミュニティ、企業、行政も当然そうですが、そういういくつかの見えない組織とか団体、主体が、意思決定にどう参画できるのかということについて、従来の延長線上ではない仕組みを30年後とか50年後に向けて考えていかないと、なんとなく色々なことが決まっていかないのではないか。そういう印象を持っているので、社会の意思決定の変革ということをキーワードとしてひとつ挙げたいと思います。

 

 牛山部会長:ありがとうございました。

 

 山本(佳)委員:参考資料1の9ページ、外国人留学生卒業者数や就職者数を見ていて、それなりに入学して卒業する方がいるのに就職率が30%以下にとどまっているということが気になりました。これは日本全体での傾向だと思うのですが、神奈川県ではどうなのかと思います。なぜこういうことをお話しするかというと、個人的な話ですが、私の研究室は工学系で、10人くらいの外国人留学生に修士や博士を出しているのですが、帰国した学生は1人だけでした。みんな、日本企業に就職していて、それも大手の一部上場企業に就職しています。留年したりすることもありません。そういう状況なので、本当に全体の就職率が30%なのかということが気になったのと、この就職していない人達はどこに消えてしまったのか、日本のどこかの会社で働いてはいないのか、あるいは本国に帰られたのか、別の国に行かれたのか、そのあたりが産業というところでは気になりました。

2点目としては、先ほど商店街の衰退の話がありました。その時に、セットで考えたのが、郊外に大型商業施設が立地するのと一緒に起きている現象のような気がします。近くの商店街が衰退すると、買い物をしたくてもできない方が買物難民としてたくさん出てきて、東京23区内でもそういうことが発生しています。それを解決する手立てのひとつになりそうなのが、ネットスーパーや移動式商店だと思うのですが、これも、ネットスーパーはまた別の意味もあるかと思いますが、仕方なく発展した買い物の形態にも見えないこともないので、むしろこうした状況に応じて買い物の方法が多様化したとも言えます。しかし、地元の商店街、地元にお金が落ちているのかというとそうではない場合が多い。その辺が矛盾しているような気がしたので、こういう問題もこれから考えていかないといけない。若い人は買い物する時、ネットが多いですよね。そうすると地元にお金が落ちない。そのあたりの関係も考えていかないといけないと思いました。

 

 牛山部会長:ありがとうございます。産業分野ということでご意見を伺ってきましたが、時間もありますので、最後の分野、環境について原嶋委員からお話をいただきたいと思います。

 

 原嶋委員:環境面から神奈川県の長期の姿を考えるということですが、環境面から大きく社会を見るときには3つくらいの視点で考えていく必要があります。多くの方がご承知だと思いますが、確認という意味でお話しします。

一つは、温暖化の動きです。温暖化は、パリ協定で、今世紀の後半にCO2を代表とする温室効果ガスの排出を実質ゼロにする、少なくとも現状の半分、排出量の多いところは7割から8割減らすという大きな方向性が出ています。こうした低炭素、脱炭素社会とはどういった姿なのかということについては色々議論があり、テクノロジーの発展などにも依存するわけですが、分散型エネルギーというようなことも言われています。身近な生活で言いますと自分で使う電気を自分で作るような社会、逆に言えば今ある大きな集中型の発電所に頼らない、何百キロも先から電気を運んでくるのではなく自分達が使う電気は自分達で作るという社会が、ひとつの選択肢としてあるだろうということです。

二つ目は生物多様性に関する動きです。これについては2050年の方向性として生態系サービスを保持して、賢く利用していこうということが言われています。生態系サービスを保持するというのは単に生物を守るということではありません。生態系、あるいは生物というものが我々に食料とか色々な物質を提供してくれているわけです。三浦半島の野菜も、生態系に支えられて作られているわけですし、神奈川のブランドである湘南も海岸を含む生態システムによって築かれているわけです。丹沢しかり、箱根もそうですね。あるいは、レクリエーションとかレジャー、観光資源としての意味もありますので、こうした生態系のサービス、気候の緩和といったようなサービスもありますが、それを神奈川県というエリアの中で我々がどう使っていくのかということがひとつのテーマになってくると思います。

三つ目は、昨年、国連の出した「持続可能な開発目標」、SDGsについてです。色々な目標がある中で、特に消費活動や生産活動を持続可能なものにしていこうという、従来とは違った大きな目標が入ってきました。最近日本でよく取り上げられているのは、食品ロスの削減、食品廃棄物の削減ということで、2030年くらいをめどに食品廃棄物を半分くらいに減らそうというような具体的な目標も含んで、消費や生産というものを持続可能なものにしていこうといった動きがあります。神奈川県の将来像を考えていく上で、大きな動きとして、こういった3つの動向を見ていく必要があると思います。

それで、神奈川県というところに目を向けていきますと、お手元に「改定新アジェンダ21かながわ 私たちの環境行動宣言」というものを配らせていただきました。これは、1992年の地球サミットで採択されたアジェンダ21の中でローカルアジェンダを作ろうということになり、神奈川県は日本でも率先して行いまして、そのプロセスの中で2003年、今からもう10年以上前に、その時点から30年後、つまり2033年の神奈川県の姿をみんなで考えていこうということで作成したものです。お手元の資料の4ページ、5ページにそういったものをまとめたものが載っています。県民の、NPO、NGOの関係者や、県内企業の方、行政の方も含んで、私も参加させていただいて、これを作りました。それから13年ほど経過して、昨年に10年以上経過したということで見直しもさせていただいたのですが、こうしたところで議論した内容というのは恐らくこのような審議会の場でも参考になるだろうと思いますので、少しご紹介をさせていただきます。10年前のことになりますが、その時にたくさんのご意見を頂戴し、県内でもたくさん集会などを開いて、まとめさせていただきました。この2033年の神奈川県の姿は、大きく4つのパートに分かれています。1番目は今でいう生物多様性に関わる部分。2番目はエネルギーや廃棄物に関わる部分。3番目は生産、消費。4番目は社会全体の仕組みです。全てを読む時間はありませんが、ポイントだけ申し上げますと、1番目のパートの2段落目に、神奈川県の社会全体の中で15分くらい歩けば緑や水といったものがあって、みんながそういったものをエンジョイできるような社会にしていこうとか、あるいは鎮守の森や里地里山といったものの手入れをして、身近なところで農産物や草花を作っているような社会にしていこうと、こういうビジョンを占めさせていただいています。エネルギー、廃棄物ですと、下のパートに移り、物を長く大切に使って、最終的にはリサイクルなどをして、ごみになる物をほとんどなくしていこうじゃないかということ。エネルギーは、再生可能エネルギーや水素エネルギーの利用を増やしていこう、無駄なく効率的にエネルギーを使うような社会を考えていこうと。こういった方向性を議論して、現在も地道に取組みを続けていて、県にも支えていただいています。社会全体のビジョンとしては、最後のパートになりますが、交通手段の問題は大変重要で、徒歩や自転車、鉄道、自動車をうまく組み合わせて、環境に配慮した多様な移動システムというものを考えていこうとか、多くの多様な主体、子どもや大人、高齢者、障がい者、外国の様々な国籍の方など、地域のあらゆる人達が参加して意思決定できるような、あるいは環境について話し合えるような、従来の延長線上とは違うシステム、仕組みを考えていけるのではないかというような方向性を示させていただいています。少々欲張りな議論ではありましたが、恐らくこういった場でもお役に立てるかと思いますのでご紹介し、意見に代えさせていただきます。

 

 牛山部会長:ありがとうございました。それでは、この環境の分野について、他の委員の皆様からご意見いただきたいと思いますが、いかがでしょうか。

 

 北原委員:私現在、横浜市の方で、子育て中の女性による環境情報の発信、生活に根差してCO2を減らしていこうとか、持続可能な消費をしようと発信をしているんですが、やはり生活者にとって環境の優先度が非常に低いなということを感じていて、そのことに対して、大きな危機感を持っています。やっぱり省エネをしていこうというような緩和策みたいな話で、なかなかぴんとこない方が多いなと感じて、私自身、お母さん向けの講演会みたいなのに呼ばれて行ったりすると、適応策によった話の方が結構インパクト与えやすいなというのは実際感じています。

上の子供が小学生なのですが、子供たちに、例えばどうやったら豪雨から身を守れるんだろうとか、天気予報とかをお母さんたちがきちんと正確に察知をして、今日の天気予報では、何時ぐらいにどういう雨が降りそうだなとか、日の降水量をきちんと判断をし、雷を伴うような豪雨になった時に、子供が帰宅時だったらどうやって身を守るかとか、そうした情報が本当に家庭教育の中で適切に共有されるような、具体的に適用のための、本当に重要なインフォメーションをどうやって周知していけるかということを通じて、もしかしたらその元になる環境というものを伝えていけるのかなという気がしています。2050年をターゲットにしたときに、緩和が非常に重要ではある、というふうな理解をしつつも、なかなかそこで伝わらないという現状にどうしたらいいのかといつも考えています。

 

 牛山部会長:ありがとうございます。他の委員の方はいかがでしょうか。

 

 川崎委員:私はある会社で社会環境推進の部署に勤務していたことがあるのですが、専門部署があっても、社員や企業に社会環境の話を伝えるのは本当に難しいです。特に昼間、会社の中でずっと働いている人たちに向かって、環境は大事ですよと言っても、それはわかりますというだけになってしまうところがあります。その企業に雇用されている人間であれば、忠誠を誓うというか、はいわかりましたと言ってそこで終わってしまいます。私が最近思うのは、特に、この足柄茶を見て思ったのですが、神奈川県でしたら水というキーワードがあると思うのですが、そういうものと、エコな商品、自然に親しんでいる商品とかで、しかもそれが、売れていて、きちんと経済的にも利潤を生んでいるといういいサイクルのものを、これは経済の話になってしまうかもしれませんけれども、そういうのも一つのスタートといいますか、モデルなんだよということが、もしかしたら私が最初に申し上げた経済みたいなところに近すぎる人たちにもやはりわかりやすく言えるのかなと思いました。ふとそう思ったのは、北原委員のおっしゃったような家庭とか子供に対する話というところをすごくやってらっしゃる方ももちろんいらっしゃるし、それを企業と家庭を行きかっているその日本人の多くの働き方の人達をつなぐのに、そういうエコな商品のスターみたいなのを、意図的に神奈川県の中で、何個か出てくれば、それがまた飲んでおいしいというとてもシンプルな経験によって、じゃあどこで作っているのだろう、というような、自然な流れが企業の人にも、家庭の人にも、子供にもというのが非常に私は大事なんじゃないかなと思うのと、神奈川県はそういうものがあるのだと思います。ですので、そういうつなぎのものを、意図的に経済の方からも引っ張ってきて、環境がいろんな働き方の人に浸透するような政策というのが実現したらというところに、今興味を持っています。

 

 牛山部会長:ありがとうございます。他にはいかがでしょうか。

 

 木曽委員:キーワードのところで私は自転車の活用とマナーを書いているのですが、自転車というのが、やはりその環境問題との関係ではあるのですが、神奈川は非常に起伏が多い地形ですから、確かに普及は難しく、かなり大変なことなのだろうとは思います。しかし、一時、自転車専用道路であるとかそういうことが普及しかけた時期があります。十分には知識はない情報なのですが、どうも思った以上に普及していないような感じがします。今後、オリンピックのこともありますし、それから日本全体でツーリストの方が増えているということもあります。そうしたことを睨んでも、難しいとは思いつつ、もう少し自転車を活用するということが社会的に推進するという意識があってもいいのかなという感じはします。そのためには、自転車の活用とマナーというふうに書きましたように、いかにして自転車のマナーを周知していくのか、そして、危険なく、普及させていくことができるのか、その手段をもう少し長期的に考える必要があると思います。そして神奈川は、自転車専用道路があって、自転車の活用度が非常に高いんだというのはひとつ魅力にならないのかなというふうに私自身は思っています。

 

 牛山部会長:ありがとうございます。他にはいかがでしょうか。

 

 小池委員:違う観点になりますけれども、温暖化が進んでいるということで、これまで日本にはあまりなかった感染症ですね。熱帯感染症、例えば最近ではデング熱があちこちで発生したということもございますけれども、これからの気候の温暖化に伴って発生しうる熱帯感染症についての予防教育というようなことも、今後、必要になってくるのかなというふうに思っています。当たり前のことですけど、水たまりをなくすようにするとか、本当にシンプルなことですけれども、どこが蚊の発生地区なのかということをなかなかまだ一般市民の方の認識にないので、熱帯感染症に関連した教育というものもあわせて行っていくことが必要なのかなというふうに考えています。

 

 牛山部会長:ありがとうございます。他にはいかがでしょうか。

 

 橋本委員:知人の社長さんで、本業とは別に、NPOと一緒に活動されている方の話です。相模原の方で山を持っている高齢者の方で、若い時は間引きとかを手入れをしていたのですが、高齢になり、後継ぎもおらず、手入れができないという方のお手伝いをしています。NPOの若者で、これから林業をやりたい、やっていきたいという方々が、その山に入って手入れをしてあげているそうです。若者たちは、森林の作業だけでは生活ができない、労働、危険な作業に見合った報酬が得られない、やりたいけれどもやれないという状態。また、やって欲しいけど、そんなにお金を支払うことができない状態になっている、という現状があるそうです。そういうところに対する支援策を何かできないかなと思っております。

 

 牛山部会長:ありがとうございます。関委員、いかがでしょうか。

 

 関委員:遅れて来て申し訳ございません。今回、中長期的な政策課題を検討するということで、何かキーワードと言われて、よくわからなくて困ったことと、今日の会議を伺っていてもそうなのですけれども、日本全体の課題っていうのは確かに、いろいろとあるのですが、我々がやらなければならないのは、神奈川県の課題を考えて、そしてその神奈川県特有の将来像について検討していくということかと思ったのですが、議論が拡散しがちになっていくと、先ほどご指摘あったようにこういう審議会がどういう意義があるかということとかにも繋がってくると思います。もう少し神奈川県に特化した方が、具体的に議論ができていいのかなと考えていました。そうした時に、私自身も勉強不足ということもあるのですが、いろんな資料を拝見していても、全国のデータと神奈川県のみのデータが混在していて、なかなか神奈川県の特徴というのが見えにくいところがあります。資料準備するのはとても大変なことだと思うのですが、もう少し神奈川県の特徴がわかる形の材料をもとに議論ができると、将来ビジョンも描きやすいと思います。こういうのは難しいですが、例えば、データの中で、将来どうなるかという人口構造については、いろんなところに50年後どうなるかというカーブがでていますが、20年後、30年後予測を立てるは大変なのですけれども、今までと比べて、どうなるかみたいなことについていろいろな神奈川県独自の予測があると、こういう社会になるから、どうしようかみたいなことを考えることができて、面白いのかなとは思いました。神奈川県で難しいのは、横浜市との関係で、先ほど杉田先生からもお話がありましたが、やはり神奈川県として何を考えていくべきかということも少し意識しながら議論するといいのかなと思いました。

神奈川県の特徴は何かといったときには一つ、最初にお話があったように、県内にいろいろな地方から都市まで抱えているということです。そうするともちろん神奈川県の課題というのは、全国的な課題で似ているものもありますし、神奈川県がもし課題を解決できるのであれば、それはいろいろな委員がおっしゃられていたように、そのモデルというは世界にまで発信していけるようなすばらしいものになっていくということはあるのですけれども、それでもやはり選択をしていかないと、少し難しいのかなと思います。もう一つ、例えば、神奈川県は外国人が多いという話があるのですけれども、ここからは、今の話とは別に個別、一般的な全国の課題とも関係してくるのですが、今日の議論であったキーワードになりますが、格差社会の問題をどうするのかということは、もう少し考えていく必要があると思っておりまして、グローバル化して、いろんな多様な方がいてダイバーシティーができていいということなのですが、世界全体を見ると、多様化した社会がヨーロッパでもアメリカでも、それに対する反発がすごく強まっているという状況の中で、日本はそこに向かっていくのか、それとも違う解決を考え出せるのかなというのを考えていかないと、そのまま自動的に多様化していいのかという課題もあると思うので、そういったことを市民も巻き込んだ議論がどうできるということは、神奈川県の中でもこれから大きな課題なのかなと思っています。その格差社会のもう一つは、例えば、貧富の差というのがありましたけど、この薬の話でいくと価格の高いオプジーボをどう払っていくかという議論があって、約半分になりましたけど、これからどんどん技術が発展するとそういったすごい薬が出てきて、じゃあ、お金のある人だけが享受できていいのか、それともみんなに享受するのかと、そういった問題は技術革新とともにより出てくる可能性はあって、それをどう考えるのかというのも、問題になるのかと思いました。あとはちょっとまた違う話で、人生90年時代という話はあって、今も75歳まで生きている女性は90歳まで生きるので、すでに90年時代ですし、80歳まで働くという社会も出てくると思ったのですが、その時に、例えば45歳で定年というのはとても面白いアイデアだなと思ったのですが、それと同時に、長距離走型の人生設計、つまり今短距離走で走っているので、65歳になったら皆息切れしてしまって、働きたくないという人も多いかと思うのですが、最初から、若い頃から90歳、80歳まで例えば働くと考えると、もう少しゆっくり働かないと、やっていけないです。そういったライフスタイルを考えていくと、それはワークライフバランスのとれた働き方ですし、高齢化の問題、若い人の問題でもあるということにもなりますし、もしそういった働き方ができれば、女性とか障がい者にやさしい、それこそ、もっとやさしい社会になるという意味では明るい社会になると思うので、そういった可能性を神奈川が少しでも提示できたらいいなと思いました。

 

 牛山部会長:ありがとうございました。議論は尽きないようですが、そろそろお時間になりました。今後、議論は続いていきますし、今日は特に、何かをまとめるということではなくて、皆様からいただいたご意見を事務局で整理しながら、引き続き検討を進めていきたいと思います。次回の部会は、先ほど申し上げましたような分類で議論を行っていきたいと思います。よろしいでしょうか。それでは、本日の議事につきましては以上で終了させていただきます。事務局の方から事務連絡等ありますでしょうか。

 

<参考資料2「今後のスケジュール(予定)」をもとに事務局から説明>

 牛山部会長:それでは、以上をもちまして本日の部会を終了したいと思います。大変活発なご議論ありがとうございました。

会議資料

資料1_社会環境の変化と今後の課題について[PDFファイル/101KB]

参考資料1_新たな政策課題に関するデータ集[PDFファイル/3.51MB]

参考資料1【別添】_県内の人口分析[PDFファイル/1.3MB]

参考資料2_今後のスケジュール[PDFファイル/59KB]

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