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更新日:2018年8月27日

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第120回神奈川県総合計画審議会 審議結果

第120回神奈川県総合計画審議会の審議結果

次の審議会等を下記のとおり開催した。

 
審議会等名称 第120回神奈川県総合計画審議会
開催日時

平成28年5月25日(水曜日)13時00分から15時00分まで

開催場所 産業貿易センター地下1階 B102会議室
出席者

清家篤、○牛山久仁彦、○斎藤聖美、金子勝、川名和美、清水みゆき、関ふ佐子、
広瀬研吉、渡辺真理、篠原正治、丸山善弘、武藤修儀、橋本雅代、村井知光、
冨田幸宏、いとう康宏、佐々木正行、高橋延幸、松崎淳、山本哲 
〔計20名〕(順不同)

次回開催予定日 未定

問い合わせ先

政策局政策部総合政策課計画グループ 大里
電話番号 045-210-3061(直通) 
ファックス番号 045-210-8819

審議経過(議事録)

審議経過(議事録):(事務局が、委員数30名に対しこの時点で15名の出席を確認し、7名の委員から議事に関する一切の権限を会長へ委任する旨の委任状が提出されていることから、審議会が成立する旨発言。)

 

 

1 開会

 中島総合政策課副課長: 開会に先立ちまして、事務局からご報告申し上げます。第119回総合計画審議会につきましては書面表決とさせていただき、事務局の方で開催させていただきました。その結果、清家篤委員が引き続き会長に選出されましたので、ここで改めてご報告させていただきます。

それでは、ここからは清家会長の方で進行をよろしくお願いいたします。

 

 清家会長: それでは、ただいまから、第120回神奈川県総合計画審議会を開会いたします。議事に入ります前に、引き続き会長職を務めさせていただくこととなりましたので、一言ご挨拶させていただきます。これまでも委員の皆様のご協力により会長職を務めさせていただきましたが、引き続き会長としてこの会をまとめていく役割を担わせていただくこととなりました。ご案内のとおりこの審議会は、県の行政運営の総合的・基本的指針である総合計画について審議を行うものでございまして、県の審議会の中でも、とりわけ重要な役割を担っている審議会と理解しております。そのような審議会で引き続き会長職を務めさせていただくことについて、大変光栄に感じますとともに、重い責任も痛感しているところでございます。本日の議題にもございますように、今年度は、昨年7月に策定いたしました「かながわグランドデザイン第2期実施計画」の評価を行う初年度に当たりまして、総合計画審議会として有意義な議論を重ねていかなければならないと考えております。そのためにも、当審議会での活発なご審議と円滑な運営等につきまして、委員の皆様からこれまで以上のお力添えをいただければと思っているところでございます。よろしくお願いいたします。

さて、ここで副会長をお願しております委員についてご紹介いたします。副会長につきましてはお手元にございます審議会規則により、委員の中から会長が指名することとなってございますが、これまでの審議会において運営全般に渡ってお力添えをいただいてきた、明治大学政治経済学部の牛山久仁彦委員、そして、ジェイ・ボンド東短証券株式会社代表取締役社長の斎藤聖美委員に引き続きお願いしたいと考え、お二方からご了承をいただいておりますのでご紹介いたします。また、当審議会で議事を審議するに当たりまして、計画推進評価部会において検討、審議をしていただいているところでございますが、牛山委員が部会長に選出されておりますので、併せてご紹介させていただきます。それでは牛山委員、斎藤委員から一言ずついただければと思いますので、よろしくお願いいたします。

 

 牛山副会長: ご紹介のありました牛山でございます。引き続き副会長を務めさせていただきますので、よろしくお願いします。

 

 斎藤副会長: 斎藤でございます。副会長という大変重要なポジションでございますが、皆様引き続きよろしくお願いいたします。

 

 清家会長: ありがとうございました。それでは、本日は任期満了に伴う委員改選後の新しいメンバーで開催する最初の審議会となってございますので、私から委員の方々をご紹介させていただきます。お手元の総合計画審議会委員名簿をご参照いただきたいと存じます。

 

(出席委員の紹介)

 

 清家会長: ありがとうございました。ただいまご紹介いたしました以外の委員の方々につきましては、本日所用のためご欠席、もしくは少し遅れてご出席されると伺っておりますので、よろしくお願いいたします。

次に事務局においても人事異動で代わられている方がいらっしゃるようですので、政策局副局長から職員の方の紹介をお願いしたいと存じます。

 

 和泉政策局副局長: 政策局副局長の和泉でございます。本日はお忙しい中、神奈川県総合計画審議会にご出席いただきまして誠にありがとうございます。本来でございますれば、4月1日付けで政策局長に就任いたしました大竹からご挨拶申し上げるべきところ、所用により出席がかないません。申し訳ございません。私の方から新任の事務局職員についてご紹介させていただきます。

 

(事務局職員の紹介)

 

2 議事

議題 「かながわグランドデザイン 評価報告書2015」について

 清家会長: ありがとうございました。それでは、早速議事に入らせていただきます。本日の議題であります「かながわグランドデザイン 評価報告書2015について」でございますが、審議に先立ちまして計画推進評価部会で審議をしてくださっております。計画推進評価部会での議論内容につきまして、牛山部会長からご報告をお願いしたいと存じます。牛山部会長よろしくお願いいたします。

 

 牛山部会長: それでは計画推進評価部会で行われました議論等につきましてご報告させていただきたいと存じます。ご承知のとおり、神奈川県では昨年7月に総合計画である「かながわグランドデザイン第2期実施計画」を策定いたしました。この総合計画の進行管理につきましては、昨年11月の総合計画審議会において基本的な考え方を審議していただき、そしてそこでは、評価に当たっては、数値目標の達成状況だけでなく、事業の実施状況や県民のニーズ、社会環境を示す統計データ等を活用して多角的に分析を行い、総合的な評価を行うこと等をご確認いただいたところでございます。また、総合計画審議会による評価の位置づけにつきましては、皆様のお手元に資料1という少し分厚い「かながわグランドデザイン評価報告書2015(案)」というものがございますが、この2ページと3ページに、「評価の概要」という形で示されております。今回の二次評価は、3ページの「政策マネジメント・サイクル」の一環として行うものとなってございます。

さて、今回の「かながわグランドデザイン第2期実施計画」の評価報告における二次評価に当たりましては、計画推進評価部会の委員から大変多くの貴重なご意見をいただき、また、活発な議論を行ってまいったところでございます。この場を借りて委員の皆様にはお礼申し上げます。計画推進評価部会での議論は、まず4月下旬に委員のご専門等を勘案した3つのグループ別会議を開催いたしました。さらにそれを踏まえまして5月19日木曜日に部会の本体会議を開催し、議論を重ねてまいりました。その結果が、本日お配りしている資料1「かながわグランドデザイン評価報告書2015(案)」にまとめられているところでございます。それでは、まず事務局から資料のご説明をいただき、その後私から計画推進評価部会での議論を若干紹介させていただきたいと存じますので、資料の説明につきまして事務局からお願いいたします。

 

(事務局から資料1、資料2及び資料4について説明)

 

 牛山部会長: 一次評価等に付きまして事務局からご説明いただきましたが、二次評価につきまして、私からはまず二次評価全体の概観を、そして2つめに二次評価を行う過程での主な意見としてどのようなものがあったのかという大きく分けて2つの視点からご報告をさせていただきます。

私ども計画推進評価部会では、今回の二次評価に当たりまして、県がプロジェクトごとに数値目標の達成状況や事業の取組状況等から総合的に分析を行った一次評価が妥当であるかどうかという視点と、それから今後プロジェクトを推進する上で考慮すべき視点や課題がないかということで議論を続けてまいったわけでございます。その結果、先ほどご報告がありました23のプロジェクトのうち、4つのプロジェクトにつきまして「順調」、残りの19のプロジェクトにつきまして「概ね順調」といたしました。計画推進評価部会、グループ会議を通じて、委員の皆様からは多数のご意見をいただきまして、内容を議論してまいりました。そして、二次評価に特に付記する必要があるものにつきましては、先ほどご紹介のありました資料2にございますような内容としてまとめさせていただきましたが、一次評価と二次評価で相違が生じましたプロジェクトが1つございました。評価が異なりましたのは、プロジェクト9「マグカル」でございます。県による一次評価は目標値を達成しているということで「順調」ということでしたが、計画推進評価部会といたしましては、マグカルについて全県展開が今後は一層必要ではないかということで、一段下げて「概ね順調」とさせていただきました。詳細につきましては、後ほどご説明させていただきたいと存じます。その他のプロジェクトにつきましては一次評価と二次評価との相違はなく、その点で申し上げますと、県の総合分析は概ね妥当で、計画1年目を終えたところでのプロジェクト全体の進捗状況としては概ね順調であったと言えるのではないかという評価となってございます。計画推進評価部会といたしましては、県の取組みに対して応援すべきところは当然応援し、改善すべきところはきちんと指摘し、改善していただこうという姿勢で議論に臨み、より良い県政づくりに向けた前向きで活発な議論の中で評価ができたものと考えております。資料1の115ページをお開きください。ここに総合計画審議会の評価ということで、今申し上げた全体としての二次評価をまとめさせていただいております。

以上が二次評価全体の概観ということとなりますが、次に二次評価を行うプロセスの中で出てきた主な意見についてご紹介させていただきたいと存じます。皆様のお手元に資料3ということで、整理した表がございますのでご覧いただきますようお願いいたします。先週開催した計画推進評価部会での主な意見について整理していただいておりますが、計画推進評価部会として二次評価をまとめるに当たりましては、その前段の3つのグループ会議も含めますと非常に多くのご意見をいただきました。そこで話題となったいくつかのプロジェクトを取り上げまして、二次評価を行う過程での主な意見をご報告させていただきたいと存じます。

それでは戻っていただいて恐縮ですが、資料1「かながわグランドデザイン評価報告書2015(案)」の46ページをお開きいただけますでしょうか。先ほど説明させていただきましたが、計画推進評価部会と県の評価で評価が変わったものでございますけれども、プロジェクト9は、「マグカル~文化芸術の魅力で人を引きつけるマグネット・カルチャーの推進~」ということで、マグカルの全県展開、マグカルを担う人材の育成、身近で文化芸術に親しむ機会の拡充、この3つをねらいとして設定してございます。県による総合分析においては、「神奈川県民ホール及び県立音楽堂の利用者数が増加するなど、全ての項目で数値目標を達成しており、プロジェクトは順調に進んでいます。」と一次評価されております。しかし、計画推進評価部会委員の皆様からは、「横浜や川崎ではマグカルの取組みが広まっていると言えるかもしれないが、例えば小田原や箱根等県西地域等でも広がりを感じられるよう、全県展開を進めるべきである。」というようなご意見ですとか、「東京方面から人を呼び込む仕掛けをもっと検討すべきである。」、「グローバル戦略においては、文化芸術の理解度が上がる活動にも取り組むべきではないか。」といったご意見を多数いただきました。そこで、数値目標は確かに達成しているわけでございますが、プロジェクトのねらいであるマグカルの全県展開という点におきましては更なる取組みが必要であるということから、二次評価につきましては「概ね順調に進んでいます」とさせていただいた次第でございます。また、委員の意見を踏まえまして、二次評価の欄には、「マグカルの全県展開にさらに取り組む必要があります。」でありますとか、「神奈川県民だけでなく、県外からも集客できるようプロモーションなどを検討していく必要があります。」、あるいは「世界に向けて神奈川の文化の魅力を発信し、いっそう人を引きつけていく必要があります。」といったコメントを付させていただくことといたしました。これが評価を変更したプロジェクトでございます。

次に、評価自体は変更しないものの、数値目標と評価との関係について議論があったものについてご紹介させていただきます。ページを戻っていただいて恐縮ですが、24ページのプロジェクト4「障がい者福祉」をお開きください。このプロジェクトは障がい者の地域生活の推進ということでございまして、数値目標は3項目ありますが、いずれも2015年度の実績値が把握できておりませんので、達成率を全く示すことができない状況にあります。それにもかかわらず一次評価で「概ね順調に進んでいます」とするのは違和感がある、とのご指摘がありました。そこで、数値目標に関して2014年度の数値を記入する等目標に対する結果の傾向が見えるような形に、つまり数値が伸びてきているということが見えるように工夫をしていただきました。具体的には、第1期実施計画においても同趣旨の数値目標を設定していたことから、第1期計画における目標に対して2014年度の実績値がどのような達成状況であったのかを、数値目標の分析欄の3つめの○に文章として記載していただいたところでございます。このほか、重度障がい者にも対応する日中活動の場の新規整備に対する補助や、県内8か所にございます障害者就業・生活支援センターにおける就労相談、支援を行う人材の質の向上を目的に実践的な内容の研修を実施する等取組みが着実に進められていること、また、障害者差別解消法の施行にあわせて障がい者の方々に対する理解促進が課題であるといったことの認識が示されていることから、評価自体は変更しないものの、二次評価欄に「障がい者の理解促進については、あらゆる世代においてさらに取組みを進めていく必要があります。」とのコメントを付させていただくことではどうか、ということで記載させていただいております。

続きまして30ページのプロジェクト5「エネルギー」に関しましても、設定した数値目標2つの実績が把握できない状況にございまして、その中で一次評価が「概ね順調」となってございます。県の説明によりますと、数値目標(1)に関しまして、2014年度の実績値が既に2015年度の目標値を超えていることや、分散型エネルギーシステムの構築に向けた取組みが進んでいるということで「概ね順調」という評価としたということです。計画推進評価部会としては、33ページをお開きいただきますと「その他社会環境を表す指標」の項目がございますが、そこに「県内の再生可能エネルギー等発電出力の推計」のグラフを追記していただきまして、県内のダムを活用した安定的な水力発電とともに、太陽光発電による発電が順調に伸びていることが視覚的にも確認できるようにしていただきました。それを踏まえまして二次評価自体は「概ね順調」ということで記載させていただいた次第でございます。

続いて102ページをお開きください。プロジェクト22「環境」でございます。このプロジェクトにつきましても、設定した数値目標3つの実績が把握できない中で県による一次評価が「概ね順調」となってございます。県の説明を受けましたところ、数値目標(2)については、近年実績値が横ばい傾向にあるけれども、数値目標(1)と(3)に関しては2014年度の実績値が既に2015年度の目標値を超えているということでありますので、そのような観点から「概ね順調」という評価としたということです。計画推進評価部会としましても、2015年度の目標値を上回ることがほぼ確定している数値目標が複数あるとのことでしたので、評価自体は「概ね順調」ということで変更しないということといたしました。

数値目標と評価との関係については以上ということとなりますが、もとより評価が難しい部分もございまして、数値目標が達成していれば直ちにプロジェクトの進捗、達成状況も良いというように表されているということでもございません。計画推進評価部会での議論では、そのようなことを明らかにするために、総合分析欄において、数値目標の達成状況、あるいは2015年度の主な取組みと成果、県民ニーズの動向、その他社会環境を表す指標等を踏まえた評価であることを分かりやすく示すということを確認した次第でございます。

また、計画推進評価部会におきましては厳しい意見も出てまいりまして、そもそも数値目標がこれでいいのかといった数値目標の妥当性に係る意見もいただきました。例えば、「ねらいに対する評価としての精度を確かなものに上げていくために、必要に応じて数値目標は見直していくべきではないか。」といったご意見がありましたが、プロジェクトの達成状況を評価する作業の中で扱えるといったような性格のものではございませんので、プロジェクトの進行管理における数値目標の置き方の難しさといったことについて改めて提起されたものと受け止めさせていただきまして、このような形でご報告させていただいている次第でございます。

次に、今後の各プロジェクトの推進に向けて、新しい視点や課題を提起する形とさせていただいたものがいくつかございます。また戻って恐縮ですが、冊子の20ページをご覧いただけますでしょうか。プロジェクト3「高齢者福祉」ございますが、ここでは、「高齢者の皆さんが充分に社会参加できるように、今後社会の中でどのような役割を果たしていくのかが検討され、その役割を果たせるような環境整備をしていくべきではないか。」との意見が出されました。そこで、二次評価の欄には、「高齢者の健康・生きがいづくりにとどまらず、高齢者の社会参加の促進についても、取組みを進めていく必要があります。」といったコメントを付させていただければと思っております。

続きまして、プロジェクト8「観光」ということで、42ページをお開きください。計画推進評価部会の中では、「急増する外国人観光客の国別の状況を把握する必要がある。」との意見が出されたほか、「外国人観光客のニーズを踏まえた的確な情報発信が課題なのではないか。」といったご意見をいただきましたので、二次評価としましては、「訪日外国人観光客が増加していく中で、国別の来日状況やニーズなどを分析していく必要があります。」、そして、「海外に向けた情報発信は、多言語化など外国人観光客のニーズを踏まえた上で、より一層進めていく必要があります。」といったコメントを付させていただきました。

続いて50ページをご覧ください。この「農林水産」のプロジェクト10に関しましては、「今後の県の農林水産政策について長い目で見るプランが必要であって、どういう方向に進もうとしているのか整理する必要がある。」ですとか、あるいは「新規参入者を増やしていくためには、リスク管理に関する指導等も含めた育成支援が必要ではないか。」といった意見が出されました。そこで、二次評価の欄には、「神奈川県らしい農林水産業の今後の取組みについて検討していく必要があります。」、また「農林水産業の担い手の確保について、引き続き取組みを進めていく必要があります。」といったコメントを付させていただくこととしました。

続きまして、58ページをご覧ください。プロジェクト12「治安」でございます。このプロジェクトでは、「数字上では治安は改善されているとのことだが、体感治安という面では改善が実感できていないのではないか。」という意見のほか、「インターネットの普及による新たな犯罪等を踏まえ、サイバー空間の脅威に対する取組みが課題ではないか。」といった意見が出されました。そこで、二次評価の中に、「体感治安の改善に向けて、引き続き、犯罪や事故のない安全で安心なまちづくりの取組みを進める必要があります。」、また「インターネット、スマートフォンなどがいっそう普及していく中で、サイバー空間の脅威に的確に対応していく必要があります。」といったコメントを付させていただくことといたしました。

続いてプロジェクト17「雇用」であります。82ページをご覧ください。ここでは、「女性やシニア等に対する就業機会の拡大が課題ではないか。」といった意見が出されたほか、「企業においては、スキルよりも例えばコミュニケーション能力や人柄が重視される傾向にあるのではないか。」、「ジョブカードは悪いものではないがあまり機能していないのではないか。」といった意見をいただきました。そこで二次評価では、「若者、女性、高齢者など多様なニーズに対応した労働環境を整えるとともに、就業機会の拡大に向けた取組みをさらに進める必要があります。」、そして「就業支援については、ジョブカードの普及状況などを考慮しながら、より効果的な取組みを実施していく必要があります。」というコメントを付すことといたしました。

次にプロジェクト18「地域活性化」でございます。評価項目の中には県民ニーズの動向という項目がございますけれども、その項目において「『地域の特性を生かしたまちづくりが行われること』に満足している人の割合が減っているのは、地域活性化の効果が感じられない表れではないか。」といった意見が出されたほか、「県西地域を中心とした未病の取組みによる地域活性化や、新たな観光の核づくりによる活性化等に対するより一層の推進が課題である。」という意見がございました。そこで、二次評価の中では、「地域活性化による効果が県民によりいっそう実感される、さらなる取組みが必要です。」というコメントを付すことといたしました。

最後になりますが、90ページのプロジェクト19「多文化共生」をお開きください。ここでは、日常生活の中で言葉の壁がやはり非常に大きいという課題がございました。「外国籍だが日本語が問題なく話せる、日本国籍だが外国語しか話せない等様々なケースがあるので、そこに対する配慮をしていく必要がある。」等の意見をいただきましたし、また、「神奈川県内に留学している学生が、卒業しても神奈川で就職したいと思えるような環境を整えるべきである。」といった意見をいただきました。また、「神奈川では多文化共生が成功していると感じているので、引き続きしっかりと取り組んでいただきたい。」といったご意見もいただきました。そこで、二次評価としては、「留学生が卒業・修了後も神奈川で暮らしたいと思えるような環境づくりに取り組む必要があります。」、「災害時の対応や子育てに関する相談など、日本語が不自由な外国籍県民に対する言葉のサポートに引き続き取り組む必要があります。」、さらには「日本語を母語としない外国籍生徒や外国につながる子どもなど様々なケースにも引き続き対応していく必要があります。」といったコメントを付すことといたしました。

以上のようなやり取りを踏まえて意見を整理させていただき、ご報告させていただきました。そして、二次評価の総括として資料1の115ページに、私が今ご報告した内容の要点をまとめたものを総合計画審議会の評価という形で掲載させていただいた次第です。115ページの3番目の段落、「なお、」以下の文章につきましては、計画推進評価部会での議論を踏まえまして、多様な主体との連携や事業実施上の一層の工夫、部局間の連携等による施策の組み合わせ等の工夫により、スピード感を持って課題の解決にあたってもらいたいということを付記させていただきました。特に部局間の連携に関しましては、先ほどご説明もありました「神奈川の戦略」ということで重点施策を分野横断的に取りまとめたプロジェクトをさらに複合的に実施する取組みがまとめられておりまして、例えば、「オリンピック・パラリンピックでは高齢者福祉、障がい者の活躍、子ども・青少年等といったものが関係するのではないか。」ということで、「それらに関する施策が連携して実現できるのではないか。」といったご意見もございました。またそれ以外につきましても、「各プロジェクトがそれぞれ独立して進められているように見えて、実は横のつながりがあるものもあるのではないか。」といったご意見もございました。そういった意味で、部局間の連絡をこれまで以上に密にしていただき、関連する部局が課題についての共通認識を持った上で取り組んでいただくとともに、相互に連携しながら解決に向けて取組みを推進していただくことが必要なのではないか、そういったことを計画推進評価部会としては考えております。部局間の連携は非常に重要だと思いますので、今後もぜひよろしくお願いしたいと思います。

以上、少し長くなりましたし、掻い摘んだご報告となりました。ただこれ以外にも、計画推進評価部会での議論は活発に行われまして、その議論はできる限り今回の評価報告書案に反映できるように努めてまいった次第でございます。計画推進評価部会の報告としましては以上となりますので、この審議会にてよろしくご審議のほどお願いいたします。

 

 清家会長: ありがとうございました。それでは、ただいまのご報告につきましてご意見をいただきたいと思います。できるだけ多くの方のご意見を賜りたいと存じますので、恐縮でございますけれども、お一人お一人のご発言を簡潔にお願いできればと存じます。それでは、ご発言がある方は、挙手をお願いいたします。広瀬委員お願いします。

 

 広瀬委員: 県による一次評価を踏まえまして、計画推進評価部会でしっかり二次評価を取りまとめていただいていると思います。一点だけお伺いさせていただければと思うのですが、62ページのプロジェクト13「男女共同参画」は「概ね順調に進んでいます」ということでございますけれども、計画推進評価部会では特に二次評価欄に記載するような指摘事項というのはなかったのでしょうか。それともほぼ県の「今後の課題と対応方向」と同じ認識であったのでしょうか。いくつか二次評価の個別の指摘事項に何も記載がないプロジェクトがございますが、その点につきまして計画推進評価部会の方のお考えを教えていただければと思います。

 

 清家会長: それでは、牛山部会長からお願いします。

 

 牛山部会長: ご質問ありがとうございます。ご指摘の点でございますが、もちろんそれぞれのプロジェクトについて全く指摘がなかったということではございません。評価そのものについて何か付記するような指摘はなかったかもしれませんが、例えば先ほど少し触れましたけれども、「評価の目標設定はこれで良いのか。」といった、今回の評価にはなかなか反映しにくいのだけれども課題となっている点等につきましては、多々議論があったところでございます。ただ、最終評価の「概ね順調に進んでいます」という点について付記するような形での指摘は、今回についてはなかったということでご理解いただければと存じます。

 

 清家会長: いとう委員お願いします。

 

 いとう委員: 数値目標の実績値が出ていないのに評価が出ているということに違和感を覚えました。可能な限り、例えば確定値ではなく速報値のような形でも掲載することはできないのでしょうか。プロジェクトによっては最終的な確定値がほとんど年度が終わる時期にならないと出てこないものもありますので、実績値の出し方について検討していただきたいと思います。また、すでに目標値を上回っているものに対しては、修正した目標値を順次出していく必要があるのではないかと考えます。

 

 清家会長: この点につきまして、事務局からご回答をお願いします。

 

 杉山総合政策課長: ご質問ありがとうございました。数値目標につきましては、第1期の実施計画等も踏まえながら、プロジェクトごとに設定させていただきました。当然その中にはいくつかの段階を通して数値を把握しなければならないようなものもございまして、今回このように実績値が示せなかったものもございます。いとう委員からご指摘のありました「数値目標に対して速報値を出すことが可能かどうか。」ということにつきましては、私どもでも所管局と相談させていただきながら、出せるものがあるのであれば出していくべきだろうと思っておりますので、工夫が出来るかどうか、出来ない場合には何か次善の策がないものかも含めて検討させていただければと思います。

 

 清家会長: では、牛山部会長からもお願いします。

 

 牛山部会長: ご指摘ありがとうございます。計画推進評価部会でも、またそれに先立って行われたグループ会議でもやはり同様に「実績値が出ていないのに順調だと言われてもどう評価すれば良いのか。」ということで熱心な議論がありました。ただ、やはり県に伺ってみますと、例えば市町村からある時期にならないと報告されてこない数字があったり、あるいは今お話がございましたように速報値として出せるものと出せないものもある中で、それを評価に付して果たして意義があるのかといったことも議論されまして、今回につきましては現在の数値と、関連してそれを補完できるような資料や数値があれば、それによって判断していこうという形で落ち着いたところでございます。それとご指摘がありましたとおり、目標値につきましても適宜見直していくということはあるのかもしれませんけれども、それは今後の計画策定でありますとか、評価の進め方といったところの議論ということで、今後の課題としてきちんと残していこうということで資料づくりをお願いしているところでございます。

 

 清家会長: それでは、篠原委員お願いします。

 

 篠原委員: プロジェクト1「未病」についてでございます。未病という概念の中で、高齢者の元気ということに対して特に課題が出ているわけでございますけれども、高齢者福祉における地域包括ケアシステム等との連携ということが非常に大事だと思っております。このあたりの連携について付け加えていただくことによって、未病という概念の中での元気なお年寄りに対する対応というものが充実してくるのではないかと思うのですが、いかがでしょうか。

 

 清家会長: 何人かの委員からまとめて意見をお伺いした後に、ご説明をお願いしたいと思います。松崎委員お願いします。

 

 松崎委員: 計画推進評価部会の皆様本当にお疲れさまでございました。当審議会の所属が2年目になりまして、少し気になるところを申し上げさせていただきたいと思います。一点に絞らせていただきますが、僕自身がここで提案させていただいて掲載されたものですけれども、神奈川の戦略ということで、オリンピック・パラリンピックという項目がございます。評価報告書案にはこれまでの取組みと今後の取組みという形で具体的な事柄について、しかも県自体がどう進めていくのかということが123ページに一覧表でまとまってございまして、大変見やすくなっていると思いました。ただ、会場設営に関する事ですとか、あるいは地域において具体に様々なものを整備していかないといけない等、ここには書ききれなかったと思われる非常にたくさんの課題がまだあると思います。一例を申し上げますと、漁業者の方々が持っていらっしゃる定置網が競技海面にかかってくる可能性があるということや、報道ヘリが実際に飛ぶ空域が厚木基地の飛行エリアとの関係で制限を受けるかもしれず、そうすると、報道ヘリが飛べない空域の下で、海面を設定することもできなくなる等といった大変際どい課題もあるのですが、ここにはまだ書ける状況にはないのだと思いました。それで、お話したいのは、46ページのプロジェクト9「マグカル」とオリンピック・パラリンピック戦略が、非常に関係が深いということです。というのは、当局は評価を「順調に進んでいる」としたのに、当審議委員会においては、一段下げて「概ね」という言葉をつけようということのご提案がありまして、これが審議会において唯一、当局の評価と我々の評価が異なるプロジェクトということになるわけでございます。なぜこうなるのかということをよくよく読んでいくと、全県展開のところに課題があるということでございまして、46ページの一番下から2行目の、具体的には文化プログラムの実施体制のところで、まだ全県展開が出来ていないのではないかという問題意識からなのだろうと思います。あるいはまた、その次のページの最初の2行目ですが、効果的な広報についても「マグカル」という言葉の浸透の度合いをみて、課題としているのではないかと思います。もともと横浜や川崎においては様々な文化に関わる活動が盛んであったと思いますし、東京から人を呼び込むということが課題だということは、逆に言うと神奈川ではオリジナルなものが県民の手によって担われてきたということの裏返しでもあると思います。というのは、東京には資本の集積に関しては言うに及ばず、文化的な情報発信についても非常に蓄積があるわけでして、本県は隣り合っているという地の利があるにも関わらず、明らかに情報資本と言いますか、文化資本の集積の度合いが違ってしまっております。そういう意味で、同じような水準のものを、同じような量で、同じようなタイミングで効果的に発信できていないというのは比べるまでもない燦々たる状況であるというところがもともとございますので、そこの部分を補っていきつつ、マグカルをどうするのかということが課題としてあるのだと思います。3年とか5年の計画でひとしなみの水準までもってこられるというものではないと思いますし、息の長い取組みが必要なのだと思います。ところが、当審議会で吟味しようとしている全県展開、この文化プログラムの話は、東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会に合わせて2016年つまり今年の秋からわずか3年とか4年の間に、全国で20万件、本県で割り返すと1万6千件くらい、当局は数千件と言っていますけれども、それくらいの文化プログラムをやらないといけないという内容であります。かなりハードルが高いけれども、実際には手を付けて進めないことには間に合わないということを評価の対象としようとしているわけです。そこで思うのですが、「マグカル」関しては、オリンピック・パラリンピック戦略に則ったマグカルの展開という話と、県民の皆様にとっての文化・芸術を振興させていくという二つの話がございまして、このプロジェクトにおいては、オリンピック・パラリンピックの方にやや比重を持って審議していくのか、それとも地域で大切にするべき文化・芸術をしっかりと振興させていく観点から審議していくのかというところはもう少し議論が必要なのではないでしょうか。我々審議会として県民の皆様へ負った責任を果すためには、こうなんですよと分かりやすく提示する必要があろうかと思います。黒岩県政の未病と並ぶ大きな柱の一本なのですから、マグカルについて我々審議会がどう評価するのかというということはかなり重い話なので、この部分は少し噛み砕いた、具体的なものをもう少し積み重ねたほうが良いと思います。以上です。

 

 清家会長: ありがとうございました。それでは村井委員お願いします。

 

 村井委員:公募委員の村井と申します。今回初めて参加させていただきまして、グループ会議から計画推進評価部会と、評価全般に携わらせていただきました。その中で強く印象に残ったのは、先ほど牛山部会長が総括されましたけれども、数値目標に関しては達成し易いものが多かったのではないかということです。目標達成に向けて優秀な行政能力を持った方々が事業を進めていて「安泰だ」という気持ち、例えると子どもが点数良かったよ、というときに「良く頑張ったね」というような気持ちに近いものがある一方、もしかするとテスト自体が簡単だったのかなと思ってしまうという、そういう気持ちの部分です。人口減等の大きな課題、ひとり暮らしの高齢者が増える等の身近な課題、例えば私は鎌倉から来ているのですが、これから人口が減る状況になっていく中で、空き家問題とかシャッター商店街等も地域では実際に問題として出てきています。なので、数値目標に関して申し上げると、進捗に関する評価だということは分かっているのですが、そういう状況にある中でこれだけ県の評価として「順調」と言われると、県民としては、もう少し目標値を上げる、あるいは、数値目標の達成度合いが高いようなものは、基礎自治体である市町村等に割り振っていったほうが良いようなものも含まれているのかなと思った次第です。次のPDCAサイクルでそのあたりを評価・反映していただければと思います。

 

 清家会長: ありがとうございました。それでは佐々木委員お願いします。佐々木委員まで話を伺って事務局から回答をお願いします。

 

 佐々木委員: 評価報告書案の8から9ページ、最初に出てきております柱のひとつのプロジェクト1「未病」についてでございます。篠原委員からもお話がありました高齢者の健康保持に関しましては、認知症予防対策でコグニサイズ等も展開されていて、それ自体は素晴らしいことだと思います。ただ、数値目標に関して申し上げると、未病センターの設置数と未病を治すかながわ宣言協力活動への登録事業所数を合わせて5,000箇所という目標が、実績としては6,722箇所だったとのことですが、未病センター設置数がいくつなのか、協力活動への登録事業所数がいくつなのか、分けて評価をしたほうがより細かくいろいろなことがわかるのではないでしょうか。と申し上げるのは、地域で高齢者の皆様が活動するには、協力事業所だけでなくて、人が集まってくる、コミュニケーションや絆を深める、またそこで未病対策をするといったように様々に活動をする拠点というものがすごく大事だと感じておりまして、実績値を分けて評価をしたほうが、未病に関する施策の推進について、次の展開がより細かく描けるのではないかと思いました。

 

 清家会長: ありがとうございました。それでは、ここまでのご質問、ご意見につきまして事務局からお願いします。

 

 杉山総合政策課長: 貴重なご意見をいただきまして、ありがとうございます。まず、篠原委員からお話がございました地域包括ケアシステムとの関係でございます。地域の中で高齢者の方々をどういうふうに支えていくのかということを考えたときに、地域包括ケアシステムをきちんと展開していくということはとても大事なことで、それは未病の部分にも関わりのある話だということは私どもも考えているところでございます。ただ、今回のプロジェクトの整理といたしましては、プロジェクト3に「高齢者福祉」というものが別にございまして、その中で地域包括ケアシステムについてどうしていくのかということに関して記載をさせていただいております。具体的には20ページでございまして、今後の課題としても地域包括ケアシステムの構築促進という記載をさせていただいております。先ほど牛山部会長からもお話がありましたが、各プロジェクトがそれぞれ独自に取組みを進めているように感じられる場合があるので、プロジェクト間の横のつながりも大切であり、意識して欲しいということは計画推進評価部会からご意見としていただいているところでございます。そして、それはまさにそのとおりでございますので、そのような意を用いながら事業を進めてまいりたいと思っておりますけれども、この評価報告書案の中では、それぞれが整理されているプロジェクトにおいて記載させていただいているところでございます。

続きまして、松崎委員からご意見をいただきました「マグカル」に関するご意見でございます。「マグカル」につきましては、やはり二つの側面があろうかと思います。オリンピック・パラリンピックまでを焦点化した考え方、それからその先を越えた、レガシィと言いますか、文化芸術という側面、そしてその重要性、これはまさに委員のご指摘のとおりだと思います。ただ、第2期実施計画策定ということでプロジェクトを検討し、マグカルの全県展開という取組みを設定させていただきました中におきましては、具体的な取組みのひとつとして「東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会の文化プログラム」というような書き方をさせていただいております。それを踏まえた上で、計画推進評価部会におかれましては、今回「順調」という評価を「概ね順調」に変更するか議論していただいたというように解釈しております。 それから、村井委員からいただきました数値目標のご意見でございます。数値目標につきましては、グループ会議、計画推進評価部会をとおして様々なご意見をいただきました。数値目標のあり方、数値目標の数字の水準というようなことについてもいろいろとご議論をいただいたところでございます。ただ、この件につきましては、これも先ほど牛山部会長からお話がありましたけれども、PDCAサイクルを回していく中できちんと認識をしながら、次回の、例えば改訂等のタイミングにおいて見直すということを検討していくものかと思っているところでございます。

それから、佐々木委員からいただきましたご指摘でございますが、未病センターの設置数ということと登録事業所数というものが一緒になってしまうと、若干質の違う数字が合算されてしまっているので、本当の意味での実態を示していないのではないかという趣旨だと思います。第2期実施計画では数値目標を合算した形で設定させていただきましたが、今後の書きぶりとして、例えば分析といった記載欄もございますので、そうしたところで少し工夫ができないか、所管局と相談してみたいと思います。

 

 清家会長: ご質問いただいた委員の方々、よろしいでしょうか。それでは引き続き議論を続けたいと思います。斎藤副会長お願いします。

 

 斎藤副会長: それぞれの評価では個人的に思うところがありますけれども、委員意見を全て反映させるということは難しいと思いますので、全体的には大変よく分析、評価してくださっていると感じました。ただ、民間企業では、予算をたててそれに基づいてこのプロジェクトにどれくらいの成果があったのかを検証するということが通常でございますが、この評価報告書案を拝見すると、予算がどのくらい、そしてその予算の中からどのくらい支出されて、それがどれくらいの成果を生んだのかという、投資と成果の結びつきが見えてこないということで、民間企業の視点からするととても違和感があります。たくさん予算を取ってたくさん投資をすればそれなりの効果があるのは当然ですが、例えばこれだけのお金を使ってこれだけしかできなかったのか、それは知恵が足りなかったのか、あるいはさらにもっとお金を注ぎ込むべきなのかという反省材料にもなりますので、予算とのリンクということを今後ぜひ、ご検討いただければと思います。

 

 清家会長: 他にご意見はございますでしょうか。それでは、清水委員お願いいたします。

 

 清水委員: 先ほどの村井委員がおっしゃった評価や、未病に関しての佐々木委員の発言にも関連しますが、プロジェクト1の数値目標(1)に関して、数値は目標を上回っておりますけれども、その中身についての記載がありません。数はたくさんあるけれども、県内の地理的な分布状況や利用者の状況、さらには利用者の性別や年齢別構成等中身についての評価がなく、数字だけが評価されています。せっかく分析の欄がございますので、クロス集計等質を問うような分析をしていただくと、例えば数字的には良いがこれだけの問題を抱えているというようなところが分かりやすくなるのではないでしょうか。

 

 清家会長: ありがとうございました。それでは渡辺委員お願いします。

 

 渡辺委員: 計画推進評価部会の皆さんで取りまとめられた「かながわグランドデザイン評価報告書2015(案)」について、資料を拝見しますと、非常に具体的な意見が載っていて活発に議論が進められたということが分かり、頭が下がる思いでございます。評価報告書案は資料1のとおり大変厚くなっております。これをどのように県民の皆さんにわかりやすくお伝えしていくかという点でいえば、「かながわグランドデザイン評価報告書2015 概要版」資料4が、分かりやすくまとめられていて素晴らしいと思いました。ただ、この概要版にも、先ほど斎藤副会長がおっしゃっていた、予算がどれくらい付き、どれくらい投資した結果こうなったという記載があると、より分かりやすくなるのではないかとも感じました。

また、資料1の評価報告書案の中には、例えば「未病センター」や「未病サポーター」という名前が出てきています。もちろん瑕疵のないよう文字として盛り込まれるのは当然かと思いますが、名称自体を知らない方々に対しても、もう少しわかりやすくしてみてはどうかと思いました。「未病センター」に関しては、県のホームページに分かりやすく内容が掲載されております。さらに、「未病センター」のページから関連して「未病チェックシート」が掲載されていて、ここで体調等の質問に答えると東洋医学に基づいた自分の健康状態がわかるという具合になっています。なので、全てを概要版に盛り込めずともホームページへの導入があると県民の皆さんにとっても内容を理解する、興味が湧いてくるという点でより良いものとなるのではないでしょうか。

また、概要版には全体としてイメージ写真的なカットが載っていますが、ホームページの中では「このようなイベントがあって、このような写真が投稿されました」という具合に、参加者の表情やその場の空気感が伝わる活き活きとした現実を見ることができれば、参加してみたい!という気持ちを促すことができるのではないかと思いました。さらには、「未病サポーター」とはこういう役回りで、実際にこんな活動をしている、さらにはどうすれば「未病サポーター」になれるのか等、「未病センター」の場所なども含め周知していけば、若い年代の方々もある程度の興味を持って足を運んでみようかな、という気持ちにもつながるのではないかと感じました。

概要版でわかりやすくお伝えしていることをホームページと結びつけた上で、ホームページの充実も図っていくことが、予算的にも、若い年齢層に伝えていく上でも妥当かと感じたので、そのような工夫が少しずつなされていったら、と希望しております。ありがとうございました。

 

 清家会長: ありがとうございました。それでは丸山委員お願いします。

 

 丸山委員: 最初に出た話題ではありますけれども、総合計画審議会の二次評価欄の意見部分について、「概ね順調に進んでいます」とされているもので、意見がないものが4つほどあると思います。二次評価が「概ね順調である」にも関わらず意見部分が空欄のままなのは違和感あります。「概ね」と記載があるからには何らかの問題意識があると思いますので、記載があると良いと考えます。また、プロジェクト同士の横のつながりが大切であり、それを見える化して欲しいと思います。

 

 清家会長: ありがとうございました。それでは事務局からお願いします。

 

 杉山総合政策課長: 斎藤副会長からの予算の質問についてでございますが、資料1の127ページに予算化の状況を掲載しておりまして、プロジェクト事業費として4ヵ年で4,800億円計上し、2015年度と2016年度の2ヵ年で53%予算化されております。斎藤副会長のご意見の趣旨は予算とアウトカム・アウトプットとの連結性についてだと思いますけれども、その部分につきましては、行政では充分に検討されてこなかった部分なのかもしれません。今後、プロジェクトでお金がこれだけ使われて、結果としてこのような評価がされたというように見える化を検討していければと思います。

次に、清水委員のご意見である、数値目標の達成状況の分析の欄を、数値の中身、つまり質を問うような形で充実させたらどうかということについて、紙面の関係等で現状このような形とさせていただいております。確かに、県民のみなさんに理解をしていただくということが一番大事な趣旨でございますので、いただいた意見を踏まえながら、今回できるかどうかは難しいところもあると思いますが、今後の取組みの中で何ができるか検証していきたいと思っております。

渡辺委員からいただきましたご意見でございますが、評価報告書の内容をホームページでよりリアルに示した方が良いのではないかということでございました。私どもといたしましても、今回、この評価報告書案の中で各プロジェクトについて関係のあるホームページのアドレスを記載するという工夫をしたところでございますが、ただ、これではまだ充分ではないというご指摘だと思いますので、今後よりリアルに県民の皆さんに第2期実施計画のプロジェクトを知っていただくための仕組みというものも考えていく必要があろうかと思っております。本県といたしましても知事を筆頭にホームページの見やすさ、分かりやすさ等について非常に力を入れているところでございますので、そのような取組みを進めていきたいと考えております。ただ、イベント等に参加をしていただいた方の写真につきましては、肖像権等の問題もございますのでそのあたりをきちんとクリアしながら、どういった形ができるのか検討していきたいと思います。

最後に、丸山委員からご発言がありましたが、プロジェクトの横のつながりこそが大事であるということは、私どもとしてもまさにその通りだと思ってございます。この第2期実施計画を進めていくに当たりましては、各局と連絡する会議を利用する等しながら、プロジェクト間の連携についても意識して進めていきたいと思っております。

 

 清家会長: ありがとうございました。それでは、高橋委員お願いします。

 

 高橋委員: 「未病」や「マグカル」という言葉を県民がいかに知っているかという認知度について、県は今まで調査したことはあるのでしょうか。

 杉山総合政策課長: 申し訳ありません。私が承知している限りではそうした認知度についての評価はないかと思います。

 

 高橋委員: 認知度がないものを評価するということはとても難しいことで、ご苦労されているのではないかと思いますが、県民に「未病」や「マグカル」という言葉を浸透させていただいいて、神奈川県がどれだけ力を入れているかということを発信するのも県の仕事であろうかと思いますので、そのあたりからしっかりやっていただければと思います。

 

 清家会長: それでは他にいらっしゃいますでしょうか。関委員お願いします。

 

 関委員: 計画推進評価部会等につきまして、出席できずに申し訳ございませんでした。今回の評価報告書案に関しまして、形式面と内容面についてそれぞれ発言させていただきます。

まず形式面についてでございますが、資料1の115ページに総合計画審議会による全体の評価がまとめられておりますけれども、見る人にとっては全体像を把握してから中を見た方が分かりやすいのではないかと思いますので、例えば7ページの前に持っていく等してはいかがでしょうか。それから、今「未病」等については理解が深まっているかといったようなご意見が高橋委員等からもございましたけれども、評価報告書案に書かれている言葉、単語について所々に説明はあるのですが、まだ分かりづらいと思うところがございます。例えば11ページにある、「マイME-BYOカルテ」は、第2期実施計画の冊子には説明がなかったので新たに出てきた言葉かと思います。CHO等別のページに説明のあるものもございますので、分かりにくい言葉や、横文字を使った言葉につきましては、最後に言葉の索引のようなものを作成してまとめると分かりやすくなるのではないでしょうか。その点で申し上げれば、概要版につきましても最後のページに記載のある意見欄はそのまま活用されることは少ないと思いますので、このスペースに「未病」や「マグカル」等の言葉の説明を載せることで県民への理解の促進につながるのではないかと思います。

次に内容面についてでございますが、広瀬委員や丸山委員から二次評価に意見の付されていないプロジェクトに関する意見があったかと思います。私も、ここは目立つ部分なので、一言ずつでも意見を付した方が理解が進むのではないかと思います。この部分は総合計画審議会による二次評価の欄でございますので、この場での皆様の意見を反映できれば良いと思いました。例えばとして、総合分析の中で課題となっているような部分を引用して私なりに検討いたしまして、プロジェクト5「エネルギー」につきましては、「太陽光発電等の設置による自家消費について等、省エネルギー対策について、県民にさらに浸透するような取組みが必要です。」、プロジェクト13「男女共同参画」につきましては、「神奈川県のM字カーブが全国平均や欧米諸国の平均に近づくよう、仕事と家庭の両立や就業の継続を促進する必要があります。」、プロジェクト15「教育」につきましては、「各地での地震の発生等を受け、学校の耐震化の推進が必要です。」、プロジェクト22「環境」つきましては、「PM2.5の改善等、引き続き環境の保全を進めていく必要があります。」というような二次評価意見案を提案させていただきます。

 

 清家会長: 会議の終了時刻に迫っておりますので、まだご発言のない方でご発言のご希望がございましたらお願いいたします。その後、事務局より一括して説明をお願いしたいと存じます。それでは、川名委員お願いします。

 

 川名委員: 先程の「マグカル」と「未病」に関しましては、まだ県民の方でも知らない方が多いと思いますので、県民への周知徹底を図ったほうが良いと感じております。また、もう1点といたしまして、大学生等の若者との会話の中で意外と住民票を移していない人が多いという実態を知りました。その結果、住民票がないために住居地域の広報を見ることもなく、それがゴミ出しの方法が分からないくらいなら良いのですが、災害の際にどこに避難したら良いのか、災害時に罹災証明が発行されないという実態も現状として生じてきております。少し極端な例ではありましたが、大学や専門学校の関係で神奈川県に住んでいる人たちが、地元で何が行われているのかということに対して無関心であるというところもあるのかもしれませんが、関心を持つ機会というのも意外と少ないように感じます。たとえ広報を徹底したとしても広報を受け取るツールがないという状況であれば、大学や専門学校を通じて直接に県政を広報する機会を開拓すること等も必要ではないのかと思います。特に今後は18歳から選挙に行く制度が始まりますし、若い人にも国政だけでなく県政を知ってもらうことが必要だと感じています。

 

 清家会長: ありがとうございました。それでは、冨田委員お願いします。

 

 冨田委員: 基本的には県が自ら一次評価をして審議会において二次評価をするという仕組みの中で、見える化や数値化は大切だと思うのですが、今後事業を進めていく上では、数値等の評価になじまないものもあると思います。例えば、プロジェクト1「未病」の中にこころの病を治すというものがございます。県が対策を進めていくことへの評価というものは数値で見えると思いますが、現実問題として、こころの病としてうつ病を含め様々な原因の背景となるものを掴むことや目標値を設定することは難しいと思います。なので、今後の考え方としましては、数値として見えにくいものについては数値だけでの評価ではないという分類をして評価をしていった方が、全体の信用度や説得力が増すように感じましたので、意見として発言させていただきます。

 

 清家会長: ありがとうございました。他によろしいでしょうか。それでは事務局からお願いします。

 

 杉山総合政策課長: 高橋委員と川名委員から、「未病」と「マグカル」の情報発信というご意見がございました。私どもといたしましては、知事を筆頭としてできる限りの情報発信を続けさせていただいているつもりではございますが、本日このようなご意見をいただいたことを踏まえまして、さらに情報発信に努めてまいりたいと考えておりますので、ご理解いただければと存じます。

関委員からも、難しい言葉には索引を付けたらどうかですとか、概要版にも工夫ができるのではないかといった様々なご意見をいただきました。このあたりにつきましては、一定程度計画推進評価部会でも議論させていただいておりますので、工夫が可能かどうか改めて牛山部会長、並びに清家会長とご相談させていただきながら、可能な範囲で対応できる部分については対応していければと考えております。

また、冨田委員からいただきました、数値等の評価にそぐわないものもあるのではないか、数値目標が設定できるところは数値で評価し、設定できないものと分けて評価していけば良いのではないか、といったご指摘はまさにそのとおりだと思っております。そうした中で当然無理に数値目標を設定するということではなくて、プロジェクトの進捗状況を管理していく上で設定できるものについては設定していくということが大切だと考えております。それはPDCAサイクルを回していく上でも重要でありますし、無理に設定するということではいけないと思いますので、今後はご示唆いただいたことを参考にしながら取り組んでいきたいと思います。

最後に、先ほど佐々木委員からご意見がありました未病センターのみの数字について所管局に確認いたしましたが、現状については今すぐ回答できないという状況もあるようでしたので、このあたりにつきましては所管局とも相談させていただきたいと考えております。よろしくお願いいたします。

 

 清家会長: ありがとうございました。それではこれまで様々にご意見をいただいてまいりましたけれども、牛山部会長から全体をまとめてご意見をいただきたいと思います。よろしくお願いいたします。

 

 牛山部会長: 様々なご意見をいただきまして、ありがとうございました。詳細につきましては事務局からお答えがありましたので、私からは大枠について述べさせていただきます。計画推進評価部会におきましても、委員の皆様からまさに本日出されたようなご意見、例えば各プロジェクトの連携の問題や、相互の課題の接点に関する問題、部局間のつながりをもっとしっかりやっていくべきではないか、そもそもプロジェクトごとに立てられている数値目標自体がどうなんだということ等につきまして、いろいろと議論があったところでございます。そういった中で、時間的な制約や評価報告書のボリュームの制約を踏まえまして、できるかぎり表現を補ったり、数値が把握できないものについても補足的に別な指標で評価ができないかというようなことを議論してきた次第でございます。そういった点を本日いただきましたご意見を踏まえまして、会長、事務局と調整させていただきたいと思っております。それから評価をするに当たりまして、例えばご意見がございました予算とパフォーマンスとの関係性ですとか、評価するに当たっての内容の精査、こういった点につきましても当然様々に意見があったところでございます。しかし一方で、この計画推進の状況についてどこまで評価するのかという問題もございます。今回の評価は謂わば進捗管理という面もございまして、そういった観点から申し上げますと、個別の事務事業がどのくらいコストパフォーマンスが良いですとか、あるいはそもそも事務事業によってはコストが高いから止めていいのかという問題もございまして、それは民間の事業とは別の行政特有の問題ということだと思いますけれども、それらを全てこの計画推進評価部会や総合計画審議会で議論していくのか、という点につきましては計画推進評価部会でも大いに悩んだところでございます。県ではこの他にも事務事業評価ですとか、政策評価、また当然に県財政についての管理等もされていると思いますので、そういった点を表現できる範囲の中でこの評価報告書に記載していただくことが良いのだとは思いますが、計画推進評価部会においては進捗管理ということで進めさせていただきました。もちろんこの評価報告書に記載できるものは記載していくべきだと思いますし、先ほど二次評価について指摘がないものがあるというご意見をいただきましたけれども、もちろん全体に関わる評価につきましては計画推進評価部会で出た意見を盛り込んでいただいておりますので、個別のプロジェクトについて意見を付記するべきかという点につきましては、少し事務局とも調整させていただきたいと思います。ありがとうございました。

 

 清家会長: ありがとうございました。大変活発にご議論いただきましてありがとうございました。私といたしましても、本日いただいたご意見を可能なかぎり評価報告書の中に盛り込み、また文言の調整についても必要なものはこれを行うということで、今後につきましてはできましたら会長の私にご一任いただくということでこの評価報告書案についてご了解いただければと存じますが、よろしいでしょうか。

 

(異議なし)

 

 清家会長: ありがとうございます。それではそのようにさせていただきます。本日の議題は以上となりますが、事務局からございましたらお願いいたします。

 

 和泉政策局副局長: 本日は大変熱心にご議論いただきまして、誠にありがとうございました。本日ご審議いただきました「かながわグランドデザイン評価報告書2015」につきましては、政策のマネジメント・サイクルの中に位置づけた政策評価でございます。この評価結果は政策運営の改善につながる役割を担っておりますので、私どもといたしましても、しっかりとその役割を担ってまいりたいと思っております。先ほど牛山部会長からご報告もありましたが、計画推進評価部会の他にもグループ会議を開いてご議論いただきました。本日も貴重なご意見をいただきまして、清家会長、牛山部会長をはじめ、委員の皆様からいただいたご指導、ご助言に改めて感謝申し上げる次第でございます。今後も総合計画の円滑な推進をしっかりと進めていきたいと考えておりますので、引き続き皆様のご指導、ご鞭撻を賜りますようお願い申し上げます。本日はありがとうございました。

 

 清家会長: ありがとうございました。それでは以上をもちまして本日の審議会を閉会といたします。熱心なご審議を誠にありがとうございました。
会議資料

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